ソードアート・オンライン ~戦い続けるは誰が為に~   作:アルタナ

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第45話:自分の死より、怖いもの / Sachi

*** Side Sachi ***

 

 

 

夜が明ける。

私はそこまで遅く起きたつもりはない。

時間を見れば7時頃、にもかかわらずストレアもアスナもいない。

みんな早いなぁ、とぼんやりしながら考える。

 

 

「あ、キリト…ストレアとアスナ見なかった?もうみんないないんだけど…」

「あぁ、さっきアスナがストレアがいないって探しに行ったけど…」

 

 

キリトも知らないか。

買い物でも行ってるのかな。

ちょっと珍しい組み合わせ、とか思ったけど、それ以前に私だけ置いてくとか酷いと思う。

 

 

「…ところで、サチはシグレを見てないか?今朝から姿が見えないんだ」

「シグレが…?」

 

 

…キリトの言葉に、嫌な予感を感じた。

これまでがこれまでだということと、シグレとストレアが揃って姿を消していること。

 

 

「ねぇキリト…まさか……」

 

 

私の言葉にキリトは頷く。

キリトも同じ可能性を感じたみたいだ。

 

 

「…あぁ。まさか、とは思うし…可能性の域を出ないけど、シグレのこれまでを考えれば……」

「っ…!」

 

 

顎に手を当てて考えるキリトの言葉の終わりを待てなかった。

これ以上考える必要はない、と言わんばかりに。

 

 

「あ、サチ!どこに…!」

 

 

背後からかけられる言葉に返す余裕がない。

シグレは危険に晒されていると、根拠のない確信がある。

 

 

「シグレ…!」

 

 

ふと、27層での事を思い出す。

その時も、助けるために、こうして街を駆けていた。

 

 

「どうして、シグレ……!」

 

 

あの時と同じで、シグレの事で思考を埋めていた。

何度死にかけても、止まらない。

ストレアの話では、一度死んでしまったシグレ。

そんなことがあっても、決して止まらずに。

 

 

そんな彼の事を思うようになったのは、いつからだろうか。

彼が私と、私達と同じギルドに所属していた時に垣間見れた、彼が抱える何か。

それが何かは分からないけれど。

彼の支えになれるかは分からないけど、そうありたいと思った。

 

 

「私だって、守られてるばっかりじゃない…!」

 

 

まだ…街の外は、怖い。

 

 

下手なことをすれば、死んでしまうかもしれない。

 

 

けれど、今はそれ以上に、シグレが死んでしまう事が怖い。

 

 

だから、危険だと分かっていても。

 

 

「今、行くから…!」

 

 

シグレの居場所に対する確証を得ないままにも関わらず、走り出した。

その目的地に確証はないが、確信はあった。

言うまでもなく、笑う棺桶のアジト。

きっと今頃、ギルドが集まり、乗り込む準備をしているだろう。

けれど、悠長に待っていたくなかった。

その間に、二人が討たれてしまったら、私はきっと一生後悔を抱える。

動かずに後悔するなら、動いて後悔したいと、今なら私は思う。

 

 

…だから、私は行くよ。

 

 

 

*** Side Sachi End ***

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