ソードアート・オンライン ~戦い続けるは誰が為に~   作:アルタナ

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第66話:戦い方は、人それぞれ

「いやいや、さすがだねシグレ」

「…そうでもないだろう。一歩間違えれば俺は負けていた」

 

 

ストレアの言葉に謙遜するようにシグレは言う。

けれどその言葉にストレアはにやりと笑い。

 

 

「よく言うよー。シグレってば…使ってなかったじゃん、アレ」

「…アレ、と言われてもな」

「アレはアレだよ。システムアシスト」

 

 

ストレアの言葉にあぁ、と頷き返す。

シグレからすれば大した事ではなかったのか、何を今更、という感じで返す。

傍から見れば、ただの談笑。

ストレアがからかうように言うのを、溜息交じりに受け流すシグレ。

しかし。

 

 

「…マジかよ。こっちは使ってたってのに」

 

 

それでも、全力どころかシステムアシストのないシグレにすら届かないのか、と自信を失いかけるキリト。

その様子を見てか。

 

 

「……だから、動きが読めた、というのもある」

「は?」

「システムアシストは確かに強力だ。現実では不可能な動きもできるようになる…が、あくまで決まった動きをするだけだ」

 

 

システムアシストにより、現実ではありえないような動きも可能になる。

それが顕著になるのがスキルの発動といえる。

だが、技である以上、その技を知っていれば、対処もできるというもの。

 

 

「こっちが構えているところに、スキルを発動して飛び込んでくる…スキルがどういうものか分かっていれば、反撃は容易だ」

「お前それ、簡単に言うけどな……」

 

 

つまり、シグレはキリトのスキルの動きを完全に見切り、それを躱した上での反撃に出たということだ。

当然だが、そんなことは容易に出来るものではない。

まして、キリトは攻略組として、シグレの後追いの形とは言え前線で活躍するという、トップクラスの実力の持ち主である。

ゲーム中のレベルは拮抗している、といえるはずなのだが。

 

 

「…お前、滅茶苦茶だったんだな」

「いきなり何だ」

 

 

溜息交じりのキリトの結論に、シグレは言い返す。

恐らく誰に聞いてもキリトと同じような答えを返すだろう。

ゲームの中で現実ではありえない速度、力の攻撃を、現実の動きのみで対応したのだから。

それと同時に思うのは。

 

 

「というよりシグレ」

「?」

「それ…楽しいか?」

 

 

キリトは疑問を投げかける。

ゲームの楽しみ、特にこういったファンタジーのタイプでは、現実と異なる体験が醍醐味だと考えていた。

だからこそ、そういった部分を使わないシグレに疑問を感じていた。

 

 

「……さぁな」

 

 

キリトの問いに、シグレははぐらかす。

アジトでの戦いで悟った、自分がここで戦う理由。

その思いは、今も変わらない。

変わらないが、それを言えば、また何か言われるだろうと考え、明言はしなかった。

その様子を、誰も気にしない。

 

 

「……」

 

 

ただ一人、この世界でシグレが最初に出会ったアスナを除いて。

 

 

「…さて、そろそろ戻るか」

 

 

キリトの言葉に、皆が武器をしまう。

つまり、それに異を唱える者はいなかった。

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