ソードアート・オンライン ~戦い続けるは誰が為に~   作:アルタナ

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第67話:一人で行動することは許されず

やがて、はじまりの街に戻る。

第1層のフィールドであれば、ここにいるメンバーであれば余裕と言わざるを得ない実力なので、問題は起きようがなかった。

 

 

「……?」

 

 

広場を歩きながら、徐にシグレがメニューを操作する。

見たのは、届いたメッセージ。

 

 

「………」

 

 

そのメッセージを確認したシグレは手早くウィンドウを閉じ、皆が進む方向から外れる。

向かう先は、孤児院ではなく、転移門。

 

 

「…どこに行くの」

 

 

その行動に待ったをかけるアスナ。

その視線は、これまでに少し穏やかになってきたと感じていた彼の表情ではなく、まるで戦いに挑むときのような表情。

そんなことも、少なからず分かるようになってきたと彼女は感じながら、シグレを問い詰める。

 

 

「…野暮用ができた。今日中には『どこに行くの、って聞いたつもりなんだけど?』……」

 

 

目的地を明言しないシグレに被せるように、やや語気を強めて問い詰めるアスナ。

眼前に詰め寄ってくるアスナにシグレは軽く仰け反り、言葉を繋げなくなる。

 

 

「……全く」

 

 

それでも言おうとしないシグレに、アスナが先に折れた。

やれやれ、と溜息をつくシグレだったのだが。

 

 

「ごめん、みんな。私ちょっと武器のメンテナンス行ってくるね」

「メンテって…リズの所か?」

「うん。シグレの武器もリズに作ってもらったから、一緒にメンテしてもらおうと思って」

「そっか、気を付けて。サチとストレアには俺から伝えておくよ」

「お願いね」

 

 

というキリトとアスナの会話。

サチとストレアは先に歩いていて、まさかそんな会話をしているとは気づかなかったようで、キリトも疑う様子もなく了承した。

 

 

「………」

 

 

その様子に、シグレは少し呆れたように溜息。

その呆れの対象が、自分なのか、そうでないのか。

それは当人のみが知るところであったが。

 

 

「さ、行きましょうか…っと、その前に」

「?」

 

 

突然メニューを操作するアスナに疑問符。

けれど、シグレの眼前に現れたパーティ申請のウィンドウに疑問はすぐに解決し。

 

 

「危険はないだろうが…あまり楽しい旅ではないぞ?」

 

 

と、シグレは戻るなら今のうちだ、と言わんばかりの言葉をかけるが。

 

 

「……」

 

 

まるでモンスターに対峙した時のような視線を向け、腰に下げたレイピアに手をかけるアスナを見て、これは断れない、と悟るシグレは溜息を一つ吐いて。

 

 

「…分かった」

 

 

シグレは了承を表すボタンにタッチする。

溜息で寿命が縮めば、何度死んでいるだろうか、などとどうでもいいことを考えながら。

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