オーバーロード~死の支配者と始祖の吸血鬼~   作:魔女っ子アルト姫

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悪魔の計

「にしてもまあ……デミウルゴスも凄い事思いつきますよね。魔皇を作りましょうって」

「ウルベルトさんの子供らしい、とは思わないか?」

「最も悪に拘った人ですからねぇ……でもあの人なら自分がやりたい!って言うと思いますよ」

「脳内再生余裕だな」

 

アインズ・ウール・ゴウン一悪に拘った男、それこそがウルベルト・アレイン・オードル。悪に拘りは強く、アーカードの専用となった世界級アイテムを見てからというもの悪魔を大量召喚するワールドアイテムの模倣したり、振る舞いや声、喋り方にも悪役足らんとした情熱を掛けた。特にロールプレイガチ勢であるアーカードにロールプレイの指導まで依頼して徹底した悪になろうと努力を重ねていた、それはナザリック内の仕掛けにも反映されており、デミウルゴスに受け継がれている部分も多い。

 

「それにしても流石デミウルゴスだな、俺達に対する依頼が確実にされるなんてどうやったら予測出来るんだよ」

「本当ですよね……八本指、それの襲撃への助っ人としてだなんて」

 

今、モモンガとアーカードは黄金の輝き亭の自室にて準備と称して雑談に勤しんでいた。彼らが部屋で待機しているときの事、唐突にそれは現れた。それは王国のレイブン候という貴族からの呼び出しという名の依頼であった。それはセバスがツアレの事をモモンガとアーカードに説明する前に、王女付きのクライムという騎士とブレインという剣士と共に八本指の奴隷部門長と六腕の一人を捕縛した成果を挙げた。それに乗じて一気に八本指を撃滅するという作戦を決行するとの事、だが八本指にはアダマンタイト級冒険者と互角とされる力を持つ六腕が居るという。その相手をする為に自分達に依頼を持ってきたという話だ。

 

「間違いなくデミウルゴスの作戦とブッキングしますよね」

「だな……まあ上手くやるしかないだろ。それにデミウルゴスならこっちの動きに合わせる事なんて余裕だろう、さすデミださすデミ。というかこうなる事も想定はしてたので大丈夫ですって言ったあいつにビビったわ」

「ホントそうだから困りますよね」

 

ナザリックも今回、王都にて拠点としていた館を襲撃された事で八本指への攻撃を決定し即座に実行する事に決めている。それと同時にモモンとヴァンの武勇を高める為の魔皇を生み出し、その始まりの物語を紡ぎだす予定だったが丁度いいのでその魔皇も退けちゃってくださいっとデミウルゴスはかる~く計画の修正までやってのけた。本当に優秀過ぎる頭脳で羨ましい限りである。

 

「さてと、そろそろ行きますか」

「おう。おっとボロを出さないように頼むぞモモン」

「そちらこそ頼むぞヴァン」

 

 

日も落ち、夜の帳が辺りを包む。闇が跋扈する暗い王都を頼りなさげに照らすのは家から漏れ出ている弱い明りのみ。頼りなさげなそれらは即座に闇に飲まれるのに抵抗こそするが呆気なく飲まれていく。それらを遮るような影を作りながら王都を歩いていく二つの影、それは大きな屋敷の柵の前へとたどり着くと足を止めた。そして―――腕を振るうと巨大な柵は大きく拉げながら倒れこみ、それを踏み越えて影が中へと入っていく。

 

「な、なんだてめぇらは!?」

「何もんだぁ!?」

 

荒くれ者どもの声、そして大きな男に顔を歪ませるかのような肥え太った腹の中が汚らしい者共の声がする。それらを受けるのは二人の男、一人は老齢の執事。もう一方は眼鏡をかけた男。それらへと声をかけるが、二人は一切顔色を変えない。

 

「ここが何処か理解しているのかぁお前ら?」

 

前へと出てくる5人の人間と一体のアンデッド、多少なりともレベルが高いらしいが自分達にとっては雑魚その物。敵ですらない、駆除する対象ですらない。

 

「貴方方でしょう、屋敷に無礼な者達を送り込んできた八本指というのは。今回はそのお礼参りに参りました」

「何ッ……という事はあいつらは矢張り殺されていたという事か、それで此処に来たと?ははっ身の程知らずが!」

 

そう言って皆が笑い出す、あの程度の者を倒せる程度のレベルでここにやってきたのかと笑い始めた。だがそれも眼鏡の、アンデルセンの一喝で静まり返った。

 

「喧しい、貴様のようなゴミが喋るなぁ……そうだ、我々がお前らを殺すのだ、そして死ね。愚かにも天に唾を吐いたことを悔いて死ね、震えながらではなく藁のように死ね……AMEN」

 

そう言い、アンデルセンは懐から銃剣を抜刀しそれで十字架を作り出す。それが示すのは自らのへの神への祈りの忠義、そしてその神が望むであろう事を全て成しとげるという事。同時に執事、セバスも構えを取る。これからするのは戦いではない、鏖殺、駆除だ。それを我らが主が望みになった、不快だと思った。ならばそれを成す。それが彼らの在り方。

 

「我らは至高の御方()の代理人、神罰の地上代行者。我らの使命は我が神に逆らう愚者をその肉の最後の一片までも絶滅すること……AMEN!!!

 

低く恐ろしげな声を上げると同時に二つの影が閃光となって宙を舞い、そこいら中が血で染まっていく。一人は銃剣を、一人は拳を振るって人をゴミのように崩していく。その光景は正しく駆除だ、人間が駆除される虫のように殺されていく様は恐ろしさを通り越して清々しく思える程だ。それに恐怖を覚えるアンデッド、それはまるで子供のように地面に崩れ落ち、震える身体を必死に動かしてそこから遠ざかろうとするがそれを見逃す神父ではない。

 

「どこに行こうというのかね、どこにも逃げられはせんよ。Dust to dust、塵は塵に。塵に過ぎない貴様らは塵に還れっ!!AMEN!!!

 

この時より、ナザリックによる悪魔的な作戦が始まった瞬間だった。




脳内再生余裕でしょ、皆さん

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