オーバーロード~死の支配者と始祖の吸血鬼~   作:魔女っ子アルト姫

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自らの従僕

「マスター本当にまたお会い出来るなんて……本当に本当に嬉しいですぅ……」

「お前の声は相変わらずよく響くな、全く好い加減に泣き止め」

「も、申し訳ございまぜん……」

 

未だに号泣し続けているセラスをあやすかのようにしているアーカード、確かに自分の作ったNPCに会いに来たのは事実だがまさかここまでだったとは思いもしなかった。これは今からもう一人のNPCに会うのが億劫になってきた感じがする。だが会わない訳にはいかないだろうし、覚悟は今の内に決めておいた方が良いだろう……何せ、もう一人のNPCの設定には設定魔のタブラとエロゲーイズマイライフのペロロンチーノが関わっている。

 

「あの、如何したんですかマスター。ため息などついて……?」

「気にするな」

 

設定を決める際に如何するかと悩んだときに相談に乗ってくれたのがその二人だった、自分の要望を聞いて細かな所などを決めてくれたタブラにはそれなりに感謝はしている。読みにくいレベルでくそ長い設定になっているが。問題なのはあのペロロンチーノの方だ、一応姉であるぶくぶく茶釜に最後に相談に乗って貰ってある程度の添削や修正をお願いしたのでマシにはなっているのだが……それでも十分過ぎるほどに濃いキャラになっている。

 

それを反省してこのセラスの設定を決める際には自分で出来るだけ考えた設定などを組み込み、性格面も真面目で明るいが、どこか気弱であどけなさが抜けてないという風にしている。そのお陰もあってセラスはかなりいい子になっているようで安心する、逆にそれは設定が反映されているという良い証拠なので、もう一人は相当にやばいのではという不安をあおる。

 

「セラス、あいつは如何したのだ」

「あいつ……ああっ彼女ならご飯を食べに行ってます。ですから私が交代で見回りを」

「成程。何か言っていたか」

「特には……マスターに会いたいとかなら普段通りにブツブツ言ってましたけど」

「……言ってるのか、普段から」

「はい割と頻繁に。酷い時には階層全体に木霊するぐらいの声でマスターへの思いをシャウトしてます」

 

思わず無言になるアーカードは恐らく悪くはない、悪いのはペペロンチーノである。これはエロゲの設定でもある愛が重い設定があからさまに反映されている、最初は盲目的にアーカードを愛するヤンデレ設定が入っていたのだが姉であるぶくぶく茶釜が人のキャラで何自分の趣味体現してんだっと突っ込みを入れてくれたお陰でそれは止められた。代わりとして他人よりもやや愛が重いという事にはなっているが。

 

「……セラス、奴は何時頃戻ってくる」

「マスターがお望みであるなら即座に呼び戻します」

「いや気長に待たせて貰おう、お前と話もしたいからな」

「マ、マスター……そう言って頂けるとは感謝の極みです!!」

 

一見すれば久しく会う娘を気遣っているようにも見えるのだが、実際は設定の影響もあるからあまり会いたくないのでそれを先延ばしにしているだけに過ぎない。たわいもない話をするアーカードとセラス、彼が話すのは自分が病気にかかる前の話。ギルドメンバーとの冒険譚と彼らとの日常。セラス(NPC)にとって至高の御方々の冒険譚は聞けるだけの至極の至宝と変わりがない物、キラキラと輝くかのような瞳を浮かべながら懐のマジックアイテムにアーカードの言葉を記録させていく。そんな事をしている中、階層に設置されている転送門(ゲート)が光を放った。それに気づいたのかセラスは残念そうな表情を浮かべながら、アーカードに断ってからそちらへと向かって行った。

 

「今日の日替わりランチも美味しかったわ~……ご主人様と取れる事が出来ればどれだけ完璧な美味となる事やら……」

「お帰りなさい。かえって来て早々ですがこちらに来てください」

「あらっなんですか、セラスさんがそんな事を言うなんて珍しいですねぇ」

 

そんな風に何処か物珍し気に語る彼女はセラスの後に続いていく。そんな彼女は地底湖を見つめながら輝く鉱石の光を浴びている存在を見たときに頭部の耳と尻尾を針金のように伸ばした。

 

「あ、あれ、はっ……!!!」

「落ち着いてくださいね、この階層の領域守護者として粗相のないように」

「わ、分かっておりますとも……!!」

 

今すぐにも駆けだしたい気持ちを抑えつけながらもセラスの言葉でさらに冷静さを保つ、それを感謝しながら一歩一歩踏み占めるかのように歩いていく。近づいて行くたびに胸に歓喜が迸る雷のように走る。それらに駆られそうになりそうながらも必死に身体を抑えながらも視線は一直線に向いてしまっている。

 

「マスターお連れしました」

「ご苦労。さて……久しいな―――玉藻」

「あぁぁっ……ご主人、さま……」

 

アーカードを前にした彼女は思わず膝をつきながらも神に祈り捧げるかのように手を組みながら始祖の吸血鬼を見つめる。そんな彼女は青く深くスリットの入った和服とは思えぬような和服を纏いつつ、スリットからは健康的かつ妖艶な色気を醸し出す肌が見えている。大きく胸元が見えそうなことまであるのを含めると本当に和服なのかと問い詰めたくなる、美しくもある桃の色の髪に添えられる大きな青いリボンに愛らしい狐の耳がある。そして触り心地のよさそうな尻尾。彼女もアーカードの手によって創造されたNPC、九尾の狐の玉藻。

 

「お前にもセラスにも心配を掛けた、長くこのナザリックを開けてしまったのは私個人の問題だ。お前たちを巻き込む訳にはいかなかった、だが私はもうお前達のもとから去る事などあり得ない。また、私に尽くしてくれるか」

「当然ですマスター!!私たちはそのように生み出されたもの、マスターへ忠義を貫き命を含めた全てを捧げるのが喜びなのです!!」

「セラスの言う通りで御座いますご主人様。なんなりとお申し付けください、全てをもって遂行してご覧に見せます……」

 

跪いて自らの忠義を捧げる二人、それを見てアーカードは彼女の言葉に嘘などはなく守護者達と同じだと確信を持つ。

 

「素晴らしいぞ二人とも、これからも私への忠義を忘れるな。そして私の役に立て」

「「はっ!!」」

「さて……現状を説明するか」

 

アーカードはナザリック地下大墳墓が何処かの世界に転移している事、これから警戒網の構築や外の世界の調査などの協力などを命ずる。そしてアーカードは二人にこれからの活躍を期待すると言い残してそのまま転移して他の階層へと向かう。

 

 

「それにしても玉藻さん、あれだけマスターの事を言っていたのに飛びつくのをよく我慢しましたね」

「ご主人様のご迷惑になる、それこそ避けるべきなのです。そして―――忠義をアピールしておけばこれからご主人様が接触してくださる機会がグゥ~ンと伸びてチャンスも……グフフフフフ……」

「うわぁ……やっぱり腹黒狐だよこの人」




Q.なんでキャス狐さんにしたの?

A.異業種縛りで何にしようかと思ったら九尾の狐が思いつきました、それでマジックキャスターとかもありますから、狐でキャスター……もうキャス狐さんでいいじゃんってなったので。

後アーカードの中の人は中田譲治さん、Fateシリーズでもお馴染みの人ですからいいかなぁっと。

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