◇
翌朝は気持ちの良い天気だった。それはまるでこの心情を投影しているような青空。澄み切っていて濁りが消えた、高い春の快晴。
山中の朝の空気はひんやりとしていて、吐く息が少しだけ白くなる。呼吸をすると透き通った酸素が肺の中に満ちていく。僕の胸の中には、空気よりも大切なものが既に満ち溢れている。
小さな鳥の群れが東の空を目指して飛んで行くのを見つめていた。昨日までなら、あの鳥達に僕の憂鬱を運んで行ってほしいと願っていたのに、今はそんなことは思わなかった。
「………………」
林間学校の荷物を持ちながらバスが来るまでの間、駐車場で僕らは待ちぼうけをしていた。
目線を空から下げるとクラスの男女が仲良さそうに話をしている。それが何を意味するのか、僕は知っている。
男女の間にあった硬い壁が無くなっている。僕らと彼女らを隔てていた境界線は今は見る影もなく消え去っていた。
この林間学校がターニングポイントになることは予測していた。だから、これは僕らの予想通り。柔らかくなった空気の中で、僕は安心するように息を吐いた。
「─────ほら、乗ってよダイヤ。まだ足痛むんでしょ?」
「いや、それはそうですが」
「別にいいでしょ、おんぶをされてるのを見られるくらい。それともまた夕陽くんがいいの?」
「だ、誰もそんなこと言ってないでしょう?」
「なら早くしてよ。早くしないと、ダイヤだけ置いて行っちゃうからね」
宿泊所の玄関でダイヤさんと果南さんが何やらもめている。二人の声が聞こえて振り返ると、おんぶをするしないで言い合いになってるらしい。
昨日の夜。ダイヤさんは足を挫いてしまった。あの時は僕がおぶって来たけど、今度は果南さんがダイヤさんをおんぶしてあげようとしている。
だがダイヤさんは果南さんの申し出を断っているようだった。理由はなんとなくわかる。多分、男子たちの前で弱さを見せたくないのだろう。この期に及んで強がりを振り回している姿は、彼女らしいと思ってしまった。
「でも、その……」
「ああもうめんどくさいっ」
「きゃあっ!?」
痺れを切らした果南さんが無理矢理ダイヤさんを担ぎ上げた。隣でその姿を眺めている鞠莉さんはケラケラと面白そうに笑っていた。
あの三人が仲良くしている光景を、僕は初めて見た。でも、これが本当の在るべき形なんだと思う。幼馴染である三人は、あんな風にしているのが普通だったのだろうから。
果南さんにおぶられているダイヤさんは顔を真っ赤にしている。何故かその姿を見た男子生徒たちがヒートアップしていた。あれか。不屈の生徒会長が弱さを見せているのがそんなに嬉しいのか。まぁ、気持ちはわからなくもない。僕も頼られた時は嬉しかったし。
「…………生徒会長がデレてる」
「何言ってるの、信吾」
「いや、すげぇめずらしいもん見てる気がしてな」
隣に立っていた信吾が突然変なことを言い出す。信吾も驚いてるんだ。僕からしたらそれもちょっとビックリだけど。
昨夜の一件で、信吾もダイヤさんに対する認識を改めてくれたらしい。あの子が理不尽に男子を嫌っていた理由がただの強がりだったことを知って、意外と可愛いところがあるんだな、と笑っていたくらいだった。
「ふふ。たしかにそうかもね」
「うーむ。なんかちょっと可愛く見えてきたぞ」
「………………」
「いでででっ。足を踏むな足をっ」
信吾がまたおかしな戯言を言い始めた。なんかムカついたので足の甲を踏んでみる。
いや、だって信吾があの子を好きになったら僕が勝てる余地なんてない。そもそもあの子が僕に興味なんてあるのかもわからないし。
「なんでキレてんだよ、夕陽」
「ふん、信吾なんて知らない」
そっぽを向くようにダイヤさん達の方を見つめると、信吾はああ、と納得するような声を出す。
「悪い悪い。別にそう言う意味で言ったわけじゃねぇよ」
「…………ほんとに?」
「夕陽があの生徒会長にぞっこんなのは最初っからだもんな。安心しろ、俺の狙いは別だから」
そんなことを言って人懐っこい笑顔を浮かべる信吾。途端に顔が赤くなる感じがする。くそ、なんか一杯食わされた感じがして悔しい。
ん? なんかしれっと信吾が重要な事を言ったような気がするんだけど、気の所為だろうか?
「信吾、それって」
「ま、それについては今度ゆっくり話そうぜ」
ぽん、と頭に手を置かれてぐしぐしと髪を撫でられる。信吾は都合が悪くなるといつもこうやって僕の話を誤魔化そうとする。
でも、信吾から今みたいな言葉を聞けるとは思わなかった。もしかしたら彼も誰かに恋をしているのかもしれない。
相手は……まぁ、だいたい予想はついてるんだけど、今は言わないでいてあげよう。まだ時間はたっぷりある。信吾の恋がこの一年で実を結んでくれたら僕も嬉しい。
「うん。楽しみにしてる」
「そうしてくれ。おーい、かなーん、マリーっ」
それから信吾が玄関の方にいる二人の名前を呼んで手を振る。気になってる女の子によくそこまで気軽に話しかけられるな、と思う。信吾のこういうところは見習わなくちゃならない。
僕らに気づいた果南さんはダイヤさんのことをおぶったまま、こちらに歩いてくる。果南さんの背中に綺麗な黒髪が恥ずかしそうに隠れていた。全然隠れ切れてないけど。
些細なことだけど、僕は彼女の照れ隠しがどうにもお気に入りらしい。思わずグッと来てしまった。
「お待たせ。ダイヤがなかなかおんぶさせてくれなくて遅れちゃった」
「ダイヤはほーんと照れ屋さんなんだから。たまにはちょっとくらいキュートなガールらしさを出してもイーじゃない」
「………………っ」
二人にそう言われているダイヤさんは黙って果南さんの背中に顔を埋めている。だが露わになった耳がこれでもかというくらい赤い。失礼だが、今までとのギャップがありすぎてちょっとニヤけてしまった。
「そうか、朝っぱらからお疲れさん」
「二人も大変なんだね」
そんな風に信吾と僕は二人に労いの言葉をかける。しかし、僕の言葉を聞いた途端、顔を隠していたダイヤさんが少し顔を上げてギロッとこちらを見つめてきた。だけどいつもの威圧感はそこにはない。睨みつけられているのに、何気ない微笑みを浮かべることができるくらいの心の余裕が僕にはあった。
「ふふ、特に夕陽くんに見られるのは嫌だったみたいだよ?」
「なっ!? 果南さん!」
「嘘を吐いても良いことないわよ、ダーイヤ?」
なんて、果南さんと鞠莉さんが嫌な笑顔を浮かべながら僕らに言ってくる。そ、それは、一体どういうことなのだろう。
「ふーん。昨日は夕陽におぶられてたのにな」
「橘信吾さん。貴方には言いたいことがあるので、学校に戻ったらすぐに生徒会室に来なさい」
「え。なんで俺だけっ?」
ダイヤさんが生ゴミを見るような目つきで信吾を見下している。ヤバい。あの顔は本気だ。硬度が120%を越えてる。信吾は生徒会室で彼女に何をされるのだろうか。ちょっと興味が湧いてきてしまった。
でも、信吾のことも嫌いじゃなさそうなのは見ていて安心した。昨日のこともあったし、二人が話をしているのを見れてよかったと思える。
「………………」
「ま、これ以上は言わないであげる。あんまりいじめるとダイヤが可哀想だからね」
「昨日の夜、部屋でしたガールズトークをユーヒに聞かせてあげたいデース」
落ち着け僕……っ! 惑わされたら負けだ。ここで気になってる感じを少しでも出したら僕は自分の価値を自ら下げてしまうことになるだろう。男は如何なる時もどっしりと構えていなくてはならない。頼りないポーカーフェイススキルをここぞとばかりに活用しよう。
「夕陽。顔真っ赤だぞ」
「う、うるさいっ」
「ぐほっ」
なんか無性に腹が立ったので信吾に向かって花丸直伝・夕陽ちょっぷ☆を食らわせた。予想外の攻撃に舌を噛んだみたい。だが僕は謝らない。少しは反省しろというものだ。
恥ずかしくてダイヤさんの方を見ることが出来ない。いや、彼女たちが何を話してようが知ったことではないんだけどさ。誰も僕の事を話していたとは言ってないし。そんな感じのニュアンスを聞かされただけで何を焦っているのだろうか、僕は。
「でも、話せてよかったね。本当に」
果南さんが誰かに向かってそんな言葉を零す。多分それは、彼女の背中にいる一人の女の子に向けて放たれた言葉。
それには同感だった。偶然とはいえ、ダイヤさんの本音を聞けて本当によかったと思える。
何故、彼女が僕に話してくれたのかは、まだ玉虫色のままだけれど。
「そーね。これでやっとダイヤも柔らかくなるかしら」
「………………」
鞠莉さんがそう言うと、ダイヤさんはまた果南さんの背中に顔を埋めた。どんな表情をしているのか、想像しても上手くイメージできなかった。
ただ願うのは、彼女が僕らに心を開いてくれること。閉ざされた心の壁を、ダイヤさん自身が壊してくれること。
僕に出来るのは彼女の心の壁にヒビを入れることだけ。それを壊す権利は僕にはない。
最後は、彼女が自分で砕いてくれることを、信じるしかなかった。
「あ、バス来ちゃったね」
「続きは学校に戻ってから話そうぜ。な、生徒会長?」
「五月蠅いですわ」
「辛辣ぅ!?」
フレンドリーに話をしに行った信吾がダイヤさんに一瞬で打ち返されていた。残念だったね。なんかダイヤさんが言った“うるさい”の難しい漢字が頭に浮かんだんだけど、これはきっと気の所為だと思う。
そんな彼女たちのことを眺めながら、地面に置いていた自分の荷物を持った。
これからもっと、彼女を知ることが出来ますように。
そんな祈りを、春の快晴に捧げて他の男子たちが待つ方へと歩き出す。
「果南さん」
「ん? どうしたの、ダイヤ」
背後でそんな声が聞こえたけど、それ以降の言葉は耳に入らなかった。
「よう、夕陽」
「なんか嬉しそうな顔してんな。良いことでもあったか?」
近づいて行くと、男子たちが笑顔で迎えてくれる。ああ、そうだ。僕にとって、このクラスメイトが心から大切に思えるもの。彼らがいなければ、僕は勇気を出すことが出来なかった。
このクラスを守りたいから。そして、新しいこの共学生活をできるだけより良いものにしたいと願ったから、僕は踏み出す勇気を持てたんだ。
「うん、そうかもね」
そう言って微笑む。すると全員がまたあの男臭い笑い顔を見せてくれた。僕なんかよりも嬉しそうな顔をして、みんなは笑っていた。
この林間学校で果たしたかったことは、すべて果たせた。女子生徒との距離を近づけて、その確執を取り除くことが出来た。
あの計画が実ってよかったと心から思う。やっとスタートラインに立てた、という実感が僕には確かに在った。
春の空を仰ぎ、息を吸った。なんだか、昨日ここに来たときに吸った空気よりも澄んでいる感じがした。
吸った息を吐いてもう一歩、男子たちの方へと近づこうとした時。
「─────あの」
聞き覚えのある声が、背後から聞こえた。
「?」
疑問符を浮かべながら、後ろを振り返る。そこには果南さんと彼女におぶられた生徒会長がいた。
女子たちが乗る筈のバスは向こうに停まっているのに、どうしてこんな所にいるんだろう。恐らく、近くにいる男子たちは全員がそう思って彼女たちのことを見つめていた。
果南さんは口元を緩ませながら目線を僕らから外していた。その顔は、自分は何も言うことはないというような表情。
背中にいる女の子に頼まれてやむなく来てやった、みたいな顔だった。
「………………」
果南さんにおぶられているダイヤさんは、僕たち男子の顔を黙って見渡す。彼女がそうしている最中、誰も言葉を発することはなかった。
いつもとは明らかに違う雰囲気を纏う生徒会長を、何も言わずに見つめていた。
「その…………」
「ダイヤ、さん?」
生徒会長は何かを言おうとしているのに、言いづらそうに口を開けたり締めたりを繰り返す。
頬は若干、朱に染まっている。あと、チラチラと僕の方を見てくるのは何故なのだろう。何かやましいことでもしてしまっただろうか。身に覚えはないが、もしあったのなら全力で謝ろう。
そんなことを思っていると、意を決したようにダイヤさんは男子に向かって口を開いた。
「あなた方のお陰で、この林間学校が良いものとなりました。感謝いたします」
小さな声で、目線を真横に向けながら彼女は言った。僕は耳を疑った。でも、たしかにダイヤさんは口にした。
忌み嫌っていた僕らに、感謝の言葉をくれたんだ。
理由はわからない。わかるのは、あれだけ男子を避けていた生徒会長が、自ら僕らに歩み寄ってくれていることだけ。
「あの課題を全員がクリアしてもらえたのは、少しだけ嬉しかったですわ」
「え?」
ダイヤさんは続けてそんなことを言った。あの課題? 頭を悩ませる。それは、なんのことを指しているのか。
少し考えてみたら、すぐに答えは見つかった。全員が課題をクリアした。そして、彼女が嬉しかったという意味。
訝しむような視線を向ける。すると生徒会長を背負う果南さんが微笑みを浮かべた。
それから、果南さんはおぶっているダイヤさんに見つからないように、声を出さずに唇の動きだけで僕らに何かを伝えてきた。
『あれは、ダイヤの仕業』と、果南さんは口の動きだけで僕らに言った。
「それって…………」
「昨日のミッションを考えたの、生徒会長だったのか?」
僕の言葉を横取りして、信吾がダイヤさんに訊ねる。
信吾が言ったのは、昨日のハイキングの最中に時折出てきたよくわからない張り紙のこと。ヤマメを獲ったり、それを班のみんなで食べたりしたあの課題のことを言っているのだろう。
数秒の間を置いて、黒髪がこくりと頷く。それが肯定の意であることは、誰が見ても明白だった。
「へへ。結局ばらしちゃったね、ダイヤ」
果南さんがそう言って笑う。おぶられているダイヤさんは居心地が悪そうに目線を逸らしている。
素直に意外だった。なんであんな奇想天外な課題をこの子が出したのか。
少し考えたら今度はその思惑がわかった。もしかしなくても、ダイヤさんは。
「はは。結局、生徒会長も俺らと仲良くしたかったんじゃん」
「橘信吾さん。陸上部の部費を大幅に削ることが今決まったのですが、よろしいですわね?」
「すんませんした。いや、マジでそれは勘弁してください」
信吾が周りの目を憚らずに土下座した。惚れ惚れするくらい美しい土下座だった。それを見つめる果南さんが微妙に悲し気な顔をしているのは面白かった。
でも本当に、信吾の言った通りだと思う。ダイヤさんは多分、この林間学校で男女が仲良くするのを期待していたんだろう。
だから、あのカレーを作り始める前に彼女は誰にも見られないように笑顔を浮かべていたんだ。クラスの男女が仲良さそうに話しているのを見て笑っていた理由が、ようやくわかった。
誰にも知られないようにあんな課題を作って、ダイヤさんは男子と女子の垣根がなくなるように手助けをしてくれていた。
それを思うと、なんだか胸が熱くなる感じがした。
「…………そうか」
誰にも聞かれないように、そう呟く。正直、嬉しくて何を言っていいかわからないくらいだった。
そして、ダイヤさんの不器用さに笑ってしまいそうになった。本当に、この子は強がりで不器用な女の子なんだと、改めて思い知らされる。
「だから、その」
ダイヤさんはまた男子たちの方へと目線を向けてくる。それから唇を尖らせながら、ポツリと言葉を零す。
思わずニヤケてしまうような、彼女には似合わない素直な台詞を。
「…………あなたたちを少しだけ、認めて差し上げますわ」
「「「「………………」」」」
「特別、ですわよ」
そんな、遠回しすぎる言葉。そう言ったダイヤさんは頬を赤く染めてぷいっとそっぽを向く。
それから僕たち男子は全員顔を見合わせた。思っていることは多分みんな同じ。
あの硬度120%の生徒会長に認められた。それが、嬉しくない訳がない。
生徒会長である一人の女の子は僕らに見向きもせず、男子は彼女に下僕以下の扱いしかされなかった。
なのに今、彼女は僕らを認めると言った。これを嬉しいと言わず、なんと言えばいい。
数秒の空白。そして、僕らは笑顔を浮かべて春の空に向かって声を放つ。
「「「「よっしゃぁあああああああああああああッ!!!」」」」
そんな、男らしい雄たけびの重なりを気持ちの良い快晴に響かせた。
「か、勘違いしないでくださいっ。別にあなたたちの全てを許した訳ではな」
「生徒会長がデレたぞぉおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「120%だった硬度が100%を切ってるぅううううううううう!!!」
馬鹿なことを叫びながら、男子たちは駐車場を頭の悪い犬のように駆け回り始める。ダイヤさんの言葉はもう彼らには聞こえていないようだった。
僕も本当はあの中に混ざりたかった。それくらい、今の言葉は貴重なものだったから。
思わず顔が綻んでしまう。隣にいる信吾と目が合い、同時に笑い合った。
これでよかったんだ。積み重ねた努力が無駄にならなくてよかった、と心の底から安堵した。
「さ、私たちは戻ろうか」
「ちょっ、待ってください果南さん。私はまだ」
「いいからいいから~。あんまりしつこいと夕陽くんに嫌われちゃうぞ?」
「だからあの人は関係ないと─────!」
そんな話をしながら、ダイヤさんを背負った果南さんが女子たちが待つバスの方へと戻って行く。背中にいる生徒会長はぽかぽかと果南さんの肩を叩いていた。
その二人の姿を見送り、僕は男子たちがはしゃいでいる方へと歩き出そうとした。
──────リン。
「え…………?」
「ん? どうかしたか、夕陽」
聞こえる筈のない音が聞こえ、僕は動かしたばかりの足を止めた。
辺りを見渡す。でも、そんな音が聞こえてくるようなものは何もなかった。
聞こえたのは、美しい鈴の音。それは生まれて初めて聞いた、綺麗な旋律だった。
なんで今、その音が聞こえたのかは知らない。誰が鳴らしたのかもわからない。
だから、今のはきっと気の所為だった。それか、昨日の夜に聞いた熊避けの鈴の音がまだ耳の中に残っていたのかもしれない。
「…………いや、なんでもないよ」
僕は信吾にそう言って、男子たちの方へと歩き出す。
ポケットに入れたあの玩具のダイヤを握りながら。
なんだか、硬いはずのそれが今はいつもより柔らかく感じた。
そんなこと、あるはずもないのに。
生徒会長は砕けない
第一章 終
次話/初夏に吹く透明な風