IS~人と怪獣の境界線~   作:妖刀

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始めましての人は初めまして。お久しぶりの人はお久しぶりです。妖刀です。
活動報告で言った通り、インフィニット・ストラトス 忘れ去られた恐怖とその銀龍をを打ち切りにし、新たにリメイクとしてこの作品を作り上げました。物語の流れはリメイク前と大体同じな感じですが、いろいろ変わってるのでリメイク前を見たって人も是非見ていってください。

では本編どうぞ


豪雨に吼える

 2054年8月某日。この日は稀に見る量の大雨が降っていた。雨のカーテンで周りの視界が遮られる中、ズシン、ズシンという重い音が鳴り響く。その光景はまるで山が移動してるように見えたが、時折その山の“後方に生えてる木々”に稲妻が走る。

 

「グォォァ……」

 

 その時、“山”が小さく吼えた。いや、それは山ではない。山のように大きい黒い体、灰色の背びれに長い尻尾。そしてそして上部にある顔から覗く鋭い目はあたり一帯を見渡すようにギョロっと動く。

 この生物……いや、怪獣の名はゴジラ。

 かつて50年前に日本に上陸し、東京で大暴れした怪獣王だ。だがしかし、2度も迎撃され、海に消えたゴジラだったが、なぜこんなところにいるのか。

 

「グォォォォァァアアアアア!!!!!」

 

 ゴジラは大きく吼え、再び侵攻を始める。ゴジラは愛知県の河和港から上陸。そして市街地を破壊しながら横断、そして現在、愛知と静岡の県境の山々にて立ちふさがる木々や山を蹴り飛ばし、破壊しながら突き進んでいく。

 だがそれを人間が見逃すはずもなく、ゴジラがいるところから約2km、彼女たちはゴジラの姿を捉えていた。

 

「目標発見。この雨の中だけどやっぱりあの大きさは目立つわね」

 

「情報見る限り身長70m。50年前より10mも大きくなってるわ」

 

「あと結構早く移動してるわね。だいたい時速50キロぐらいかしら」

 

「このまま山中を越えられるのは不味いわ。全機、作戦通りに動いて」

 

『了解』

 

 そこにいたのは量産型ISである“ラファール・リヴァイブ”10機が森の中に隠れており、機体色は緑と茶色の迷彩色に施していた。それぞれの手にはマシンガンやバズーカなどが持たれており、その中で先頭にいるラファール・リヴァイブを着た女性は手を耳に当て、近くにいる仲間、秋椿 凛1士に通信を送る。

 

『凛、準備は出来てる?』

 

『こちら問題ないです。いつでもいけます』

 

『わかったわ。でも無茶しないでよ』

 

『無茶も何もゴジラに仕掛ける時点で無茶みたいなものですよね?』

 

『ふふ、それもそうね。じゃあ、今から20秒後に開始よ。いいわね?』

 

『了解』

 

 そして通信が切れ、静寂が戻る。ただゴジラの歩く地響きの音が鳴り続ける中、ついにその時が来た。

 ゴジラの足元、そこの大地が剥がれ凛の駆るラファール・リヴァイブが飛び立つ。その手にはバズーカが握られており、そのままゴジラの顔まで一気に上昇すると、その顔めがけて引き金を引いた。

 弾はそのままゴジラの顔に直撃すると思われたとき、弾は弾け、そこが昼になったかのように強く照らされたのだ。

 

「ギュァァァアアアア!?」

 

 照明弾だ。それが超至近距離で炸裂したため、ゴジラの視界は真っ白に塗りつぶされ、目を潰されたことによって大きな悲鳴を上げる。

 

「今よ!」

 

 それを機に一斉にラファール・リヴァイブが飛び立ち、そのままゴジラの元へと駆ける。

 だがゴジラは体を大きく動かして尻尾を振って何も近づけないようにする。ブンっと音と風が鳴り響き、当たれば一撃で戦闘不能になるだろう。だが彼女たちはギリギリのところを何度も躱し、そのままゴジラの顔近くまで飛ぶ。

 

「全員、撃て!」

 

 掛け声とともにたくさんの弾がゴジラの顔めがけて放たれる。ゴジラに対しては豆鉄砲かもしれないが、それでも牽制になるはずだ。

 

「グゥゥ……」

 

 流石にイラつきを覚えたのか、目が見えなくてもゴジラは尻尾を振りまわし、そして両手を動かしてISを捕まえようとするが捕まらず、大きく吼えてその目を開いて彼女たちの方を向く。

 

「10秒もたなかったわね……まあいいわ。皆、そのまま作戦Bに移行、誘導するわよ!」

 

『了解!』

 

 十分にこちらへと意識を向けている。そして嫌がらせをするかのように弾をばら撒き、ゴジラもその方向に釣られて動き出した。

 その光景を陽動部隊とは別に散開、待機していたラファール・リヴァイブ5機が確認する。このラファール・リヴァイブ5機の片腕には、巨大な銀色の杭らしきものが装填された巨大なボウガンらしき武器が装備されていたのだ。

 

「良い調子みたいね。早くこのフルメタルミサイル、使ってみたいわ」

 

「ですけどこれ、ホントにゴジラに効くんですか?」

 

「大丈夫みたいよ。昔、ゴジラは刺突といった攻撃が有効ってのが出てるらしいから」

 

「そう、なんですか?」

 

 そう話してる間にもゴジラは刻一刻と目標地点に向けて動いている。そして彼女たちは私語を慎み、ヘッドユニットを下ろしていつでも撃てるように待機する。

 これらの機体もそうだが、彼女たちの機体は通信能力、装甲、バランサーが通常のラファール・リヴァイブより強化されており、そのセンサーからゴジラが近づいてきて、どこ狙うかすでにロックオンがかかる。

 

「30……20……10……フルメタルミサイル、発射!」

 

「発射!」

 

 ガキンと引き金を引く音が響く。

 後方に待機してたラファール・リヴァイブから放たれた銀の弾丸は山を斬り裂き、一直線にゴジラの元へと飛んでいく。そのまま弾はゴジラの右足へと向かい、そのまま膝や腿に何発も刺さる。

 

「グォァァアアアア……!」

 

 何かが直撃したことによってガクンと足が止まり、何があったかとそちらの方を向くゴジラ。だが不意にナニカを感じ、とっさに顔を上げたとき、ゴジラの胸部に先ほどの銀色のミサイルが胸部に2発直撃したのだ。恐らく顔を上げて無かったらそのまま顔面に直撃してただろう。それを理解してたのか、ゴジラの眉間に深く皺が寄り、フルメタルミサイルが飛んで来た方向を睨みつけ、そのまま背びれが青く光り始めた。

 

「させないわよ!」

 

 その時1機のラファール・リヴァイブが踊り立ち、口内も青く光るゴジラの前で彼女の右手に量子化されていた武器を展開する。

 

「これでもくらいなさい!」

 

 そう言って展開したのは、手持ち武器に改装された51口径105mmライフル砲だ。照準を口に向け、そのまま引き金を引く。放たれた弾はゴジラの口内に直撃し、爆発を起こした。

 

「ギュァァァアアアア!!!」

 

 ゴジラが悲鳴を上げ、背中の光が消えたのを見るや“アレ”を撃たせまいと弾を2発、3発と眉間や目に目掛けて撃ちこんでいく。

 他の隊員も同じく51口径105mmライフル砲を展開し、飽和攻撃をかけるようにゴジラにありったけの弾を撃ちこんでいった。

 それからいったい何発撃ちこんだのだろう。砲身が焼けただれるまで打ち込んだ結果、煙でゴジラの上半身が見えない。だがその動きは止まっており、尻尾もダラリと力なく地面に横たわっていた。

 

「やった……?」

 

 誰かがそう言う。

 だがしかし、その時だった。

 

「グォォ……グォァァアアアアア!!!!」

 

 硝煙を破り、ビリビリと響く咆哮。その音の大きさに全員とっさに耳をふさいでしまう。だがそれがいけなかった。

 

「ぎゃ」

 

 それは一瞬の悲鳴だった。そしてバイタルサインが消滅し、ISの反応が一瞬山の方に動いたと思ったら消えるのも同時だった。

 一体何があったのか分からなかったが、再びソレが空を斬り、その風圧で何機が飛ばされる。

 

「今の、尻尾……!?」

 

 そう、先ほどの1機はマッハになるのではないかという速度の尻尾の振りに巻き込まれ、そのまま山肌に叩き付けられたのだ。その質量も馬鹿じゃなく、ISも一撃で戦闘不能。搭乗者は……言うまでもないだろう。

 “ヤツラ”みたいに足が速いが一撃で潰せる。それが分かったゴジラは天に向けて吼え、そしてギラリと彼女たちを睨みつけた。

 

「グォァァアアアアアア!!!!

 

「嘘、あんなに当たったのに効いてない……!?」

 

『隊長!装填完了しました!いつでも撃てます!』

 

「っ……分かったわ!なら私たちがどいたらすぐに撃って!』

 

 そうは言うが、ゴジラは完全に彼女たちに狙いを定めており、下手に動けばその者が一番に狙われることになるだろう。

 ゴジラを怒らせてしまった。この不自然にも攻撃を仕掛けてこないゴジラに恐怖を感じていたが、ゴジラの背びれが青白く光り始めた。

 

「不味っ……全機散開!」

 

 それと同時にゴジラの口から青白い放射熱線が吐かれた。

 それを彼女たちは急いで散って回避するも、3機巻き込まれバイタルサインが消失。だがしかし熱線はここで止まらずにそのまま山肌を焼き払い、そのまま大地を抉り飛ばしながら首を動かすことにより、広範囲が焼き払われててしまう。

 こんなのをくらえばひとたまりもない。額からタラリと冷や汗を流すが、そんな彼女たちに凶報が届く。

 

「隊長……フルメタルミサイル隊、全滅しました……!」

 

 それを聞いたとき、苦い顔をするしかなかった。ゴジラは自分たちではなく、己にダメージを与えて来た方を優先し、焼き払ったのだ。あの装備だとISがさらに特殊装備になるため重量も嵩張り機動力が落ちる。そこを狙われてしまったため、逃げる間もなく全滅したのだろう。

 彼女に残された選択肢は2つだった。

 だがしかし、それを言う前に空が青白く光る。いったい何なのかと思って見るとゴジラの背びれが不規則に点滅しており、こんな反応初めて見たと思ったが強い殺気を感じ、

 即座に退避を指示する。

 

「グォォ……ギュァァアアアア……!」

 

 その声が届く前に、ゴジラがくぐもった悲鳴を上げる。何が起きたか見たら、ゴジラの喉にフルメタルミサイルが刺さっており、それでゴジラがよろめいたのだ。

 

「まだ……終わってないん、だから……!」

 

 あのゴジラの熱線で全滅したかと思われていたフルメタルミサイル隊だったが、1人だけ瀕死の重傷ながらゴジラ目掛けて放ったのだ。本人は顔めがけて放ったが照準が逸れ、そのまま喉に直撃。そして彼女も倒れ、バイタルサインが消滅する。

 現在ゴジラは喉への直撃で動きが止まっている。この間に残存部隊でゴジラを誘導できれば、と思っていたのだがこれがいけなかった。青く光っていた背びれは怒りを表すかのように次第に赤色に変色していき、それと同時に体の方も背びれを中心に赤く光っていく。

 これは不味い。彼女は他の隊員に逃げるように言おうとした。だが……

 大地が爆ぜた。

 その衝撃と振動は木々をなぎ倒し、近くの地震観測所で震度6を出すほどであり、至近距離にいた彼女たちは逃げようとするもその衝撃波に巻き込まれる。そして十数万度に達する熱はISのエネルギーを一気に削り、無くなった機体はその熱で蒸発する。

 

「ぅ、あ……いったい何が……何よコレ……!」

 

 凛は偶然生き残った。自分がゴジラのどこにいたのか覚えていない。だが運よく生き残った彼女が見たのは地獄と化した焼け野原だった。いったい何が起きたのか分からない。だがゴジラは一瞬で周りにいたISを倒し、高々に咆哮を上げていた。

 

「誰か、誰か返事してよ!ねぇ!」

 

 叫んでも誰も返事しない。ラファール・リヴァイブも損傷甚大であちこちからアラートが鳴り響き続ける。

 ゴジラがコッチを見ている。それに気づいた彼女は顔を真っ青にさせるも、その手にはバズーカが展開され、その先をゴジラに向ける。

 

「ぁ、あぁ……あぁぁぁああああああ!!!!」

 

 悲鳴、怒り、悲しみ、すべてが混ざったような叫び声をあげ、涙を流しながら彼女はバズーカの引き金を引き、弾が放たれる。そのまま弾はゴジラに向けて軌道を描き、顔に直撃して爆発。

 別にゴジラからしたらどうということはない攻撃。だが煙が晴れたとき、ゴジラが見たのは瞬時加速(イグニッション・ブースト)でゴジラ目掛けて突っ込み、その顔に近接ブレードを突き立てようとする凛の姿だった。

 

「ゴジラぁぁぁあああ!!!!」

 

 そして凛が最期に見たのは、ゴジラの口が青白く光り、その炎が自分を包み込もうとする姿だった。

 

 

 

 

 

 雷は鳴り、雨は降り続ける。周りにゴジラの敵はもういない。

 

「グォォォォァァアアアアア!!!!!」

 

 ゴジラは吼える。そして再び侵攻を再開した。

 なぜゴジラは目覚めたのか。三式機龍はいないのになぜ日本に上陸し、侵攻するのか。それは全て、過去へとさ遡る……。




そういえばゴジラ キングオブモンスター面白かったですね。
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