IS~人と怪獣の境界線~   作:妖刀

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どうも、パソコンはどうにか復活したけど入れ替わるようにスマホが死にかけてる妖刀です。どうも今年も自分は不幸で呪われてるらしい。
そしてなんやかんやスマホの方で話は書いてたから、貯まった分はボチボチ投稿していきます。なおスマホで投稿できないのかということに着いて申し上げますと、書いたのを自分のスマホでどうやってコピペして投稿欄に載せればいいのか分からないため、投稿できないということでございます。


では長々とこんなこと書きましたが、本編どうぞ


鈴の怒り

それは航と楯無が戦い終った頃、一夏たちも本日の訓練が終わり、一夏は箒に連れられ、ピット隣の休憩室でぐったりとしていた。

 

「あー、体が重い……めっちゃ疲れた……」

 

「全く、まだ鍛え方が足りないからこうなるのだ。まだ無駄な動きが多すぎる。もっと自然体で制御できるようになれ」

 

「へいへい……」

 

空返事で答える一夏。箒はムッと顔をしかめたとき、プシュンと休憩室の扉の開く音がした。2人が誰が入って来たかと思って振りむくと、そこにいたのは凰鈴音だった。

 

「お疲れさま!はい、コレ差し入れ!タオルと飲み物」

 

「おぉ、鈴!」

 

彼女は手に持っていたボトルを一夏に渡す。一夏はそれを嬉しそうに受け取り、そのまま鈴は空いてる方の一夏の隣に腰掛ける。

そしてお互いに楽しそうに話してるため、それを詰まらなさそうに見ていた箒は立ち上がる。

 

「箒?」

 

「一夏、部屋に戻ったら先にシャワー使ってもいいぞ」

 

「おう、サンキューな」

 

そのまま休憩室を出ていく箒。鈴は先ほどの言葉の意味が分からず、怪訝な顔を浮かべていた。

 

「ねえ一夏、シャワー使っていいってどういうこと……?」

 

「ああ、ちょっと訳あって箒と俺、同室なんだよ」

 

「はぁ!?寝食共にしてるってこと!?」

 

「あぁ、そうだな。幼なじみが同室相手で良かったぜ。まあ一番は航だけどさ、そうじゃなかったらどうなってたことか……」

 

一夏はうんうんと頷きながらそう言うが、隣で鈴がプルプル震えてるのに気づいていなかった。

 

「……ならいいわけね」

 

「鈴?」

 

「幼なじみならいいってわけね!なら待ってなさいよ!」

 

「うおっ!?」

 

勢いよく立ち上がるやそのまま出ていく鈴。一夏はいったい何なのか分からず、ただその場で固まるしかなかった。

 

 

 

 

 

そしてアリーナから戻って来た航と刀奈が一夏の部屋の前で見たものは、完全な痴話喧嘩だった。

笑顔の鈴と完全にキレる数秒前の箒。航たちが見たのはそんな光景だった。間にいる一夏は完全にオロオロとして困り果てており、仲裁役になれる様子もない。

一夏たちの部屋と自分たちの部屋が近い、というかこの場を通り過ぎないと着かないため、航たちは嫌でもこの状況を目の当たりにし、航はチラッと一夏を見ると偶然彼と目があった。明らかに助けてという目で航たちを見つめるが、航は完全にあきれ果てている。

 

「お前ら……何してるんだ?」

 

「何って箒、一夏と同室なんでしょ?だから~あたしと変わってもらおうって思ってね」

 

そう言って肩にかけてるバッグを見せる鈴。あまりの荷物の少なさだが、それでも問題ないのか鈴は箒に対して少し舐めかかった態度で説得をしている。だが箒も我慢の限界なのか、明らかに殺気が漏れ始めていた。

 

「はいはい。痴話喧嘩するのはいいけど、周りに誰もいないからって少し声抑えるか部屋の中でしなさい。迷惑でしょ?」

 

「あ、楯無さん」

 

この時間に入ってきたのは楯無で、鈴は最初誰だと思ったが、一夏の言った名前を聞くや、驚いたかのように目を見開く。

 

「楯無さん聞いてください!凰鈴音が──」

 

「分かってるわよ。幼なじみだから部屋を変わってってでしょ?というかさっきから聞いてたんだけどね」

 

油断大敵と書かれた扇子を見せる楯無と、周りが見えてなかったことを反省する箒と鈴。

 

「で、結論だけど無理ね」

 

「そんな、何で!?」

 

発狂するかのように叫ぶ鈴。だが楯無は肩をすくめながら小さくため息を吐く。

 

「何でってそういう決まりだからよ。まあ、航もホントは別の子だったんだけど私、無理矢理同室相手になったんだけどね」

 

フフッと笑みを浮かべる楯無。だが航と鈴は完全にぽかんとした顔になっており、我に返った鈴が楯無に喰いかかる。

 

「どうしてそんなのが出来るのよ!?」

 

「私、生徒会長だからこういう権限ぐらいは持ってるのよ?」

 

「ならあたしも一夏と!」

 

「あ、それは無理。航のはまだ寮室相手が決まってないときに私が無理やりねじ込んだだけだし。それに今だと1年の寮長は……織斑先生だったわね。あの人に許可貰わないと無理よ?」

 

「げっ、千冬さんが……?」

 

その名前を聞くやゲンナリとする鈴。逆に箒はこれは勝機があると思ったのか、逆にドヤ顔になってきている。

 

「ふん、それならさっさと帰るのだな。それにここで騒いでたら……いつ織斑先生が来るやら」

 

「そ、そうね、それなら……」

 

流石に鈴も諦めて撤退しようとした時だ。彼女は急に振り向き、そのまま一夏に詰め寄る。

 

「そういえば一夏。あの、その……」

 

「ん?どうしたんだ鈴?」

 

急にモジモジしだしたため首をかしげる一夏。そして鈴は1度落ち着くため深呼吸をし、そして一夏の顔を見つめる。

 

「あのね、一夏。私と離れるときに言ったこと、覚えてる?」

 

「約束?「えーっとたしか……鈴が料理上手になったら毎日酢豚を──」

 

「そう、それよ!」

 

「毎日おごってくれるって奴だろ?」

 

「えっ……」

 

この時、空気が固まった気がした。だが一夏はそれに気づかず、笑顔を浮かべたままだ。そしていろいろと何か言ってる一夏だが、その間にも鈴は俯き、明らかに怒りで震えている。これは不味いと航が声かけようとした時だ。

 

 

パァン!

 

 

この時、鈴が一夏の頬を思いっ切り平手打ちした。

 

「ほえ……?」

 

「最っ低!一夏何か……大っ嫌い!」

 

目じりに涙を貯め、一夏を睨みつける鈴。何か言おうとしたがグッと堪え、そのまま一夏の元を走り去っていく。

 

「り、鈴……!」

 

手を伸ばす一夏だが、その前に鈴の姿が見えなくなってしまい、一夏はただ立ちつくしてしまう。

 

「ほ、箒……」

 

「知らん。お前の責任だからな」

 

箒に助けを求める一夏だが、そう残した箒は部屋に戻り、強い力でドアを閉じる。一夏は完全に呆然としており、そのまま航たちがいた方を向くが、もうすでに航たちはおらず、ただ一夏はその場に立ちつくしてしまっていた。

 

 

 

 

 

その翌日から、鈴は目に見えるように機嫌が悪くなった。あからさまに一夏を避けており、一夏が声をかけようにも向こうから去っていく。

当の一夏もこれには困り果てており、箒やセシリアに助けを求めても「そちらの問題を巻き込むな」と一蹴されてしまっている。

航はこんな2人を見て、一夏たちの問題だからと静観を決め込むことにした。だがしかし、この日の夜、航と楯無がもう自室でくつろいでいる時だ。急にチャイムの音が鳴り、それに反応した航がドアを開ける。

 

「はーい……鈴?どうした急に」

 

「ちょっといいかしら」

 

明らかに不機嫌そうな顔。いったい何されるのか分からず、航は若干ながら身構えた。数刻の間、ようやく鈴の口が開く。

 

「航、あたしと闘いなさい!」

 

「……はぁ?」

 

航の呆れた声が響いた。

 

 

 

 

 

それから翌日の第5アリーナ。そこに銀色の機体と赤紫の機体がお互い向かい合うように浮かんでいた。

 

「……なんで俺が鈴と闘うハメになってんだよ」

 

「うっさいわね!それなら断ればよかったじゃない!」

 

「そう言われてもなぁ。楯無に色んな相手を戦って経験を積めって言われてるしな」

 

「うわぁ」

 

鈴は内心失敗したかなと思っていた。自分が強いという自負はあるが、今回は流石に相手が不味い。

目の前にいる四式機龍はデータで貰った時より実際に見たらとても大きく見え、何より人型ではない、ゴジラと同じ姿であることに一種の威圧感を感じていた。

それに航が日本国家代表である楯無に鍛えられてるため、激情に任せた自分を殴りたいほどの衝動に駆られる。

だがもうこうなったのなら仕方ない。せめて本国から言われた機龍のデータだけでも取ってやろうと鈴は意気込み、格納領域(バススロット)から2振りの青龍刀を両手に展開する。

 

「航、アンタは武装展開しないの?」

 

「この腕や尻尾が武器そのものになるから問題ない。俺はいつでもいけるが……楯無、審判頼めるか?」

 

『いいわよー』

 

管制室から楯無の声が響く。今回も彼女がアリーナの貸切を行い、結果航と鈴は誰にも邪魔されずに戦うことができるのだ。ただし今回は学園へ今回のデータ提出を条件にアリーナの貸し出しを行われてるため、複数の監視カメラが彼らを映していた。

 

「さて、一夏への憂さ晴らし、ここで晴らさせてもらうわよ」

 

「あのなぁ、俺で憂さ晴らしするってお前そんな性格だったか?」

 

「……うっさいわね。そんなことどうでもいいじゃない」

 

ぶっきらぼうに言いながら目を逸らす鈴。それを見た航は内心ため息を漏らす。

 

「そういえば鈴、この戦いのデータ、あとで一夏に送るぞ」

 

「へ~アンタ、そういうことするんだ」

 

「まあデータを受け取るのは一夏次第だが、クラス対抗戦が控えてるからな」

 

「ふーん。まあいいわ。別に初心者相手にハンデ付けてあげるぐらいあたしも優しいから」

 

「ありがとよ。じゃあ、もうそろそろ始めようか」

 

「ええ、そうね」

 

だらりと下げていた腕を上げ構える航。それと同時に鈴も青龍刀を構え、いつでも戦えるとポーズを取る。

 

『では試合開始!』

 

「行くよ、甲龍(シェンロン)!」

 

開始の合図とともに、鈴は己の専用機の名を呼び、そのまま機龍めがけて突っ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

航の四式機龍と鈴の甲龍が戦ってるとき、楯無は管制室の画面でその様子を眺めていた。

 

「あれが中国の専用機、ねぇ……」

 

大振りな青龍刀“双天牙月”での二刀流。それを軽々と出来る機体はあまりおらず、そのため甲龍はパワータイプのISと言うのが確認できる。その二振りの青龍刀を上手に使いこなす鈴だが、機龍の堅牢な装甲と見た目に沿わぬ機動力で攻撃の半分は半分以下の威力でしか当てられてない状況となっている。いや、それでも半分は当てれてるあたりさすが代表候補生と言うべきか。

 

「やっぱり機龍って自身の大きさと体型が仇になってるわね……。航、本領である格闘技がとてもやりにくそうだし」

 

ぼそりと呟く楯無。

実際機龍はバックユニットやなどからの攻撃や、その巨体を生かした攻撃が主になるが、航自身は表向きは武術家のため技を活かせていない。

 

「それにしても凰鈴音ちゃんねぇ……。ゼロからたった1年で代表候補生、しかも専用機持ちになるなんて……一種の天才ってやつかしら。正直このまま慢心しなければ在学中に国家代表も遠くはないわね」

 

もしそうなったら楽しみだ。楯無は内心笑みを浮かべていたら、不意に後ろの扉が開く音が聞こえ、誰が来たのかと後ろを振り向くと、とても見知った顔が見えた。

 

「お姉ちゃん、ちょっといい……?」

 

そこにいたのは楯無と同じ水色の髪をした眼鏡をかけた女子だった。彼女の名前は更識簪。更識楯無の実の妹である。

 

「あら簪ちゃん、珍しいわねこんなところに来るなんて。」

 

「んん、お姉ちゃんに用があったから……。」

 

「私?」

 

「うん。あのね、やっと通ったよ……。これで開発再開されるって……」

 

「ホント?よかったわねー!」

 

その意味が分かったとき、楯無は笑みを浮かべて簪を抱きしめる。簪もいきなりでびっくりしたが、彼女の本心が伝わるや、簪も嬉しそうな笑みを浮かべた。

ここまで嬉しそうにしている姉妹。いったい何があったのか、少し時を遡るは入学式前後。

彼女の機体、打鉄弐式は一夏がIS適正があると発覚した際、彼の専用機を打鉄弐式が作られていた会社である倉持技研が受け持つこととなり、その弐式の開発スタッフすべてが白式開発に回されたのだ。それにより打鉄弐式の開発は凍結。

それによって簪は半ば自暴自棄になりかけていたため、それを見てた楯無はどうにかしないとと思っていた。

だがその後、そのことをどこからか聞きつけたのか、打鉄弐式は別の会社が受け持つことになったのだ。そのため凍結から1月という少し長い期間であったが、それが解決したことはとても喜ばしいことであった。

 

「でも……ホントにタッグマッチに間に合うの……?間に合わせるって言ってはいたけど……」

 

困り顔を浮かべる簪だが、それもそのはずだ。もうクラス対抗戦まですでに1か月切っており、普通ならそんな短い期間で全くの未完成であるISを仕上げるなんて倉持技研並みの企業でないと到底無理な話だ。

それを聞いたとき、楯無は受け持つ会社のことを思い出し、眉間を揉みながら少し苦い顔をする。

 

「あー……あそこなら大丈夫よ。言ったからには最低でも機体だけでもちゃんと戦える状態まで仕上げてくるわ。そう、そこら辺はちゃんとするのよね。ただ……」

 

「ただ?」

 

「最初予定されてたスペックより上方修正されてるってのは覚悟しておいてね……」

 

「え……?」

 

それのいったい何がいけないのか。簪はこの時そう思っていたが、後にこの言葉の理由を知ることととなるのは後日のことである……。

 

 

 

 

 

ギンっ!と金属同士のぶつかり合う音が響く。だがそれと同時にガリガリと金属が削られんとばかりの音が鳴り響き、鈴は急いで後ろに下がった。

 

「あーもう!硬過ぎじゃない!なによその装甲!」

 

あまりの硬さに鈴は苛立ちを隠せず、最初見せていた集中力が散漫になってきていた。そのため攻撃も徐々に雑なものになってきており、それもあってか航の反撃の手数も増えてきている。

むしろのその反撃をギリギリで躱すのが無理になって来たのか、青龍刀を使って攻撃をしのいでいるが、すでに限界が近いのか1本の青龍刀に亀裂が走る。

どうしてこうなったのか。鈴は自身に対して苛立ちが隠せないが、不意に一夏の顔が脳裏によぎった。

 

(なんでこんな時に……!一夏なんか……!)

 

顔を振って彼を頭の中から消そうとした時だ。

 

「はやっ……!?」

 

機龍が一気に距離を詰め、右腕を鈴目掛けて突き出して来た。だが鈴は身をかがめて機龍の腕を躱し、そのまま腹を斬り裂こうとした。

だがしかし、そのまま流れるように機龍は身を翻すや、尻尾を鈴目掛けて放つ。明らかに下がっても間に合わない距離のため、鈴は青龍刀2本を使い、後ろに押されながらも無理やり受け止める。

 

「ぐっ……うっ……!」

 

「まさか受け止めるとはなあ。だが、これはどうだ!」

 

そして急速に逆回転を行うことで、返し刃のごとく飛んで来た機龍の尻尾。それは完全に鈴の横腹目掛けて放たれた。鈴は後ろに下がろうとしたが、先ほど尻尾を防いだ時の反動か、体が少ししびれてることに気付いたときにはもう遅かった。

 

「しまっ……きゃあぁぁああ!?」

 

機龍による尻尾の薙ぎ払い。それがモロにお腹に入った鈴はそのままアリーナのシールドにまで吹き飛ばされ、そのままバリアに激突するや、地面に落ちる。

 

「げほっ、げほっ……!はぁ……はぁ……」

 

立ち上がろうとする鈴だが、あの一撃で絶対防御を無理矢理引き出され、先ほどの衝撃もあって脳震盪を起こしたのか立ち上がろうとするもまた倒れてしまう。

そんな鈴の手前、機龍が降りたつやそのままジッと彼女のことを見つめ、手を差し伸べた。

 

「なんの、つもりよ……」

 

鈴は機龍を睨みつけ、地に刺さっていた青龍刀を抜くや、そのまま切っ先を機龍に向ける。

 

「鈴、完全に苛立ってるのは分かるけどさ、一回冷静になれ。そのままじゃ見えるものも見えないぞ」

 

「どういう意味よ!私はまだ戦え──」

 

「ならさっきのがら空きだった胴は何なんだ。あそこからカウンターでも狙っていたのか?」

 

「それは……ええ、そうよ!だけど失敗した。ただそれだけよ!」

 

「鈴、今は一夏のこと忘れろ。じゃないとそのままじゃひどい怪我する羽目になるぞ」

 

「うるさい!うるさいうるさいうるさい!あたしは!一夏にぃ!」

 

「……」

 

「あんたには分かるの!?こうやって一夏に会いたくて私は来たのに!あいつは、そんなあたしの気持ち何か知らないでぇ!」

 

青龍刀が航に襲い掛かる。だが上手く入らず、装甲を軽く傷つける程度で終わってしまう。

 

「私は……だって……寂しかったのよ……?」

 

そのままぺたりとへたり込む鈴。完全に戦う意思が無くなったのか、青龍刀は量子化される。航はそれ見るや、ため息をつき機龍を量子化し、生身で鈴の前に立つ。

 

「航……?」

 

「だから振られた様にって言っただろ、俺は」

 

「えっ……?」

 

「言葉は間違えても、一夏はお前との約束を覚えてたじゃねえか」

 

「えっ……あ……」

 

頭に血が上っていたが、少しずつ冷静になっていく鈴。そう、一夏は言葉は間違えてても、ちゃんと自分の約束を覚えていてくれた。多少の怒りはあれど、それでも嬉しさがジワジワとこみあげてくる。

ただ不意に、一夏の頬を張ってしまったことを思い出し、少し暗い顔を浮かべる鈴。

 

「ねえ、私一夏に嫌いって言っちゃったんだけど……」

 

「あぁ、そういえばそうだったな。まあ一夏なら自分が悪いってのは分かってるだろうから。どうにかなるだろ。あと……半分とは言わないが鈴悪いな」

 

「半分って……?」

 

「鈍感な一夏に遠回しな告白をしたことかな。まあ、お前がした約束の本当の意味を教えたら鈍感な一夏でもたぶん分かるだろ」

 

「で、でで、できるわけないでしょ!?」

 

鈴は顔を真っ赤にして反論し、航はそれを見るやククッと笑った。

 

「なら俺にはそれ以上のことは考えられないな。まあ、あとは鈴次第だ」

 

それを言われうつむいている鈴。さすがに無理かと航は思っていたが……。

 

「やってやる。やってやるわよ!やればいいんでしょ!?」

 

「お、おう……?」

 

いきなり意気込んできたことで航は驚きを隠せない。だが鈴は完全に立ち直ったのか、そのまま航の方を向く。

 

「航。私、一夏とちゃんと向き合うわ。そして伝えるの、この気持ち」

 

「そ、そうか。頑張れ。なら一夏には鈴は一応気は直したが、対抗戦まで合うの控えとけと伝えとくぞ」

 

「ええ、お願いね。……ねえ、航。あとお願いがあるんだけど……」

 

そう言って鈴は右手に青龍刀を展開する。それを見るや、航はニヤッと笑みを浮かべた。

 

「なら改めて相手してやるよ。来い、機龍」

 

その声と共に四式機龍が展開され、地面に立つ。鈴は青龍刀の切っ先を機龍に向け、先ほどまで浮かべていた泣きそうな顔とは違う、吹っ切れた、とてもすがすがしい顔を浮かべていた。

 

「航、ありがとね」

 

「どうてことはない。ただ、お前たちは仲良くいてほしいだけだ」

 

「ふふっ。さーて、さっきの様にはいかないわよ?」

 

「ならお手柔らかに頼むよ」

 

「それは無理な相談ね!」

 

そして再び機龍と甲龍はぶつかり合う。その戦いは30分にも及ぶのであった。




さて、次回はクラス対抗戦。いったいどんな試合が繰り広げられるのか……。

では次回、お楽しみに。
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