IS~人と怪獣の境界線~   作:妖刀

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どうも、雨続きで塗装が出来ない妖刀です。季節遅れの梅雨?はちょっと流石にやめてもらいたい。


代表決め~そして放課後~

 あれから再び教室には千冬と真耶が教卓におり、授業が始まる。

 

「それではこの時間は実戦で使用する各種武器の特性を説明する」

 

 千冬はそう言って授業を始めようとするが、何か思いだしたかのような顔をして黒板の方を向いていた体を再び生徒の方へと向ける。

 

「ああ、そういえば今度クラス代表戦があるからクラス代表を決めないといけなかったな」

 

 クラス代表とは何なのかと一夏が首をかしげてるのに気づいたのか、千冬は小さくため息を吐いてそれについて説明をしていく。そして自薦他薦で誰がしたいか聞いた時だ。クラスの大半の女子たちが手を挙げたんだ。

 

「私は織斑君を推薦します!」

 

「私も織斑君を!」

 

「私は~わーた……篠栗君をあげま~す」

 

 そのまま一夏が圧倒的有利の票数を得ることになってるが、当の一夏は自分が挙げられていることに気付いてないのか呆けた顔のままだ。

 

「ふむ、今のところ織斑の票が多いな。では代表は織斑一夏でいいか?」

 

「え、俺!?」

 

「なんだ、気づいてなかったのか?」

 

「お、俺辞退します!」

 

「ダメだ。推薦を受けたのだからそれに応えろ」

 

「なら俺は航を推薦します!」

 

 千冬に断られた一夏はとっさに航を推薦する。この時航に驚かれながらも睨まれたが、一夏は今はそんなこと気にしてられない。そのためにどうにかしてでも逃れようと奔走する。

 だがその時だ。

 

「納得いきませんわ!」

 

 そう言って机をたたき、立ち上がったのはセシリアだった。いったい何なのだろうと、周りからの注目を一斉に浴びる。

 

「そのような選出は認められません!大体男だからってそれでクラス代表とかされたら恥さらしですわ!このわたくし、セシリア・オルコットに一年間その屈辱を味わえというのですか!」

 

 そしていろいろ言ってるセシリアだが、次第にその言ってることは日本の侮辱となっていき、周りにいる生徒たちも教員も次第に顔が険しいものになっていく。

 おかげでそれに我慢できなくなった一夏。我慢を忘れてつい反論してしまった。

 

「イギリスだって何年メシマズ大国だよ」

 

「なっ!?わたくしの国を侮辱いたしますの!?」

 

「先に侮辱したのはそっちだろ!確かに日本には多数の怪獣が現れたけどさ!」

 

 一夏がぼそりと言ったことに反応したセシリア。そしてお互い睨みあっていたが、セシリアがそのまま一夏の机の元に来るや、彼の机に手をバンッと叩きつける。

 

「決闘ですわ」

 

「ああいいぜ。四の五の言うよりそれが早い。なあ、航」

 

「……俺も?」

 

「当り前ですわ。貴方も推薦されてますのよ?」

 

「……わかった」

 

「で、ハンデはどうするんだ?」

 

 最初は誰もが自分たちに欲しいハンデの話と思ってたが、一夏はセシリアにどれだけハンデを付ければいいと言ったのだ。その時、クラスにいた女子の大半が嘲笑し、一夏は今の世の中の事を思い出すや少し顔を青くする。

 

「織斑君、それ本気なの?」

 

「男が女に勝てるわけないじゃん」

 

「もー、男ってホント常識が無いのね、嫌になるわ」

 

「そんなにISの力知らないの?ISさえあれば怪獣だろうとすぐ倒せるのよ」

 

「「は?」」

 

 この時航と一夏の声が完全に一致した。ただ航の声がとてもドスの効いたものだったから周りにいた女子たちはビクリと体を震わす。

 

「怪獣がすぐに倒せる?ならゴジラもか?」

 

「あ、当り前よ!それの何が間違ってるのよ!そもそもあんな大きな足の遅いトカゲとかISで倒せないわけないでしょ!」

 

 航の問いに女子の誰かが反応し、周りもそれにうんうんと頷いてる。一夏は顔が険しいままだが、航はあくまで冷静な姿勢で口を開く。

 

「怪獣を、ゴジラを倒せる?冗談じゃない。怪獣は人の手では決して倒せないからこそ怪獣なんだ。人知を超えた者を倒すことは人の行いの範疇にはないんだ。女が男より強い?そんなの関係ない。怪獣を倒せるのは怪獣だけだ。それを知らずに怪獣の事を語られたくないんだが、分かってくれるか?」

 

 過去、とある男に言われた言葉を思い出しながら話す航。それに周りはぽかんとしていた。

 聴いてくれたのだろうか?そう思っていたが誰かが失笑するや、それは次々と伝播していく。

 

「な、何がおかしいんだよ!」

 

 狼狽する一夏だが、一緒に笑っていたセシリアは息を整えるや、彼女からしたら滑稽に見える男2人に向けてその理由を話す。

 

「怪獣?ゴジラ?ふふふ、面白い冗談を言いますのね。そんなのは全て過去のものですわ。今の主力は戦闘機や戦車でなくIS。勢力を考えれば怪獣など取るにたらないものではなくて?」

 

 見下すような笑み。周りの生徒もそれに同調するかのようにそれに賛同し、2人を見下しながらいろいろ心無いことを言い放ってくる。

 一夏は航に続くように“それでも”と一夏は言おうとしたが、航が一夏の肩に手を掛けて彼を制する。

 

「……一夏、もうこれは俺らが何言っても無駄だ。完全にアウェイになってる」

 

「だけどよ!」

 

 航が首を横に振ったことで、一夏は歯を食いしばりながらもゆっくりとうつむく。それを見たセシリアは勝利を確信したかのような笑みを浮かべ、そのまま2人を見下す。

 

「では見せてもらいますわ。教官を倒したその実力というものを」

 

「あー、その前に一ついいか?」

 

 いきなり水を差されたことで航を睨みつけるセシリア。

 

「いきなり何ですの?」

 

「そういえば教官ってどうやって倒したんだ?国家代表が相手だったんだろ?」

 

「え?」

 

「え?」

 

『えっ?』

 

 航の言葉にシンとなる教室。航も予想外の反応されたことに少し戸惑い、そのまま助けを求めるように千冬の方を向く。

 

「織斑先生……どういうことですの?教官はこの学園の教師のはずでは……?」

 

「私もそれは初耳だ。篠栗、いったい誰が貴様の相手をした」

 

 そして全員が怪訝な顔で航を見るが、航も困った顔で頬を掻いてる。そして白状するかのように口を開いた。

 

「俺、現日本国家代表が相手だったんだけど」

 

『えっ!?』

 

「なっ……!?」

 

「なるほど、やはり更識か……」

 

 それを聞いたとき全員は絶句するが、千冬はため息を吐いて手を頭にやる。実際この学園在学で現国家代表となるとごく一部に限られる。そのため千冬は一瞬で誰か見当ついたのだ。

 

「で、結果は知ってるがどうだった?」

 

「えー、俺も専用機で頑張ったんですが向こうも専用機だったため、一方的に負けました」

 

 千冬の問いに答えた航だが、当の千冬はさすがに頭が痛いのか顔に手を当てたままため息を漏らす。

 だがそんなことよりセシリアは彼の言ったことを信じれないのか驚きを隠せない。

 

「貴方、専用機を持ってますの!?」

 

「ああ、これだけど」

 

 そう言って航は首にかけていた2枚の銀のドックタグを見せる。いったいどんな機体か分からないが、男が専用機を持ってるという屈辱を感じたセシリアは歯噛みする。

 

「では来週の月曜日に第三アリーナで三人で戦ってもらうぞ。いいな」

 

「「「はい」」」

 

 3人は返事し、余った時間で元の授業に入るのであった。

 

 

 

 

 

 それから時は飛び放課後。航は忘れ物があったため教室に戻るため一夏と離れ、現在本音と一緒に学生寮に向かっていた。

 

「女子と同室かー。正直すごい不安なんだけど」

 

「だいじょ~ぶだいじょ~ぶ。わーたんなら大丈夫だよ~」

 

 のほほんと笑みを浮かべる本音。

 実は授業が終わった後、千冬と真耶から寮暮らしであることが航と一夏に伝えられたのだ。まあ、実際この世に2人しかいない男子搭乗者が外から通学とかいつ誘拐にあってもおかしくないため、このような措置は正しいのだろう。だがしかし、男同士で同室にならず、お互い女子と同室と言われたとき、流石に航も呆けた返事しかできなかった。

 

「わーたん。1週間後、大丈夫なの~?」

 

「あー、どうだろ。なあ、代表候補生ってどれぐらい強いんだ?」

 

「え~っとね……あ、かんちゃんだ~!お~い」

 

「え、本音……?」

 

 本音が手を振った先にいたのは、水色の髪をした眼鏡をかけた女子だった。おどおどとした雰囲気の彼女だが、航の顔を見るなり、びくりと体を震わす。

 

「あ、かんざ……」

 

「っ……!」

 

 そして眼鏡をかけた女子はそのまま速足で去ってしまい、航は手を伸ばそうとするも途中で止めてしまう。

 

「かんちゃん……」

 

 本音も寂しそうなその背中を見送り、そのまま一緒に寮に入る。そしてエレベーターで上がり、一緒に降りた後彼女の部屋の前に着いた。

 

「私はここだから~じゃあね~」

 

「ああ、また明日」

 

 パタパタと袖の長い手を見送り、航は自分の部屋を目指しだす。

 

「えっと1030、かぁ……」

 

 途中地図を見ながら進んでいた航だったが、目の前にたくさんの女子の群れがいたため足を止めた。いったい何なのだろうかと思ってた時、1人の女子がこちらを向いた。

 

「あ、篠栗君よー!」

 

「え、もう一人の男子!?」

 

「ほんとだ!」

 

 いきなり女子たちに絡まれて困惑する航。よく見れば全員薄着であり、目の毒だったため必死に視線を逸らそうときょろきょろした時だ。

 視線の先に映ったのは一夏だったが、何かに追われてたかのように肩で息をしており、床にへたり込んでいる。いったい何があったか気になり、女子たちに道を開けてもらいながらも一夏の元へ向かった。

 

「一夏、何してるんだ?」

 

「航か!助けてくれ!」

 

 汗だくの一夏を見て、いったい何があったのか把握し切れてない航だが、一夏の説明を聞くなりため息を吐いた。

 

「さすがに一夏が悪いだろそれ……おい、箒、ちょっと扉開けてくれ」

 

「航、か?……ちょっと待っててくれ」

 

 航がノックしながらそういうや、少し間を置いてチェーンがあるため全開しないも扉が開く。

 

「うぅ……」

 

「うっ……」

 

 そこから覗く涙目で睨みつけてくる箒。それにすごい罪悪感に責められる一夏は手を合わせながら箒に許しを請うた。

 

「箒、俺が悪かった!だから中に入れてくれ!頼む!」

 

「箒。許してやれとは言わないけどこのまま外に置いとくと他の誰かに持っていかれるぞ?」

 

「そ、それは……!……一夏、入れ」

 

 そして扉が開き、そこには寝間着姿の箒がいたが、彼女の後ろには木刀が見え隠れしており、一夏もサーっと血の気が引いたのかひきつった笑みが浮かんでいる。

 流石に航も苦笑いを浮かべており、大人しく木刀を手放すように促したら大人しく手放したため安堵した。

 

「じゃあ、俺は部屋に行くから。ちゃんと仲直りしとけよ」

 

「え、もう少しのんびりしないのか?」

 

「この状況でできねーよ。それに……ねぇ?」

 

 箒と目線が合うや、察した箒は顔を真っ赤にする。それをニヤッて笑みを浮かべた航は、どうにか理由を付けて一夏たちの部屋を後にした。まあ、最終的に一夏の襟首を箒が掴んで、部屋の中に引きずって行ったが。

 それから5つほど間に部屋を挟み、目的の部屋の前に到着する。

 

「えーっと、この部屋か……」

 

 ノックするが反応が無く、ドアノブを触ると鍵がかかってたため、今はいないのだなと判断した航は鍵を開けてドアを開けた。

 だがしかしそこにいたのは、1人の女子だった。

 外にハネた水色の髪にルビーのような赤い瞳。そして誰もが見てもスタイルの良い体をしている彼女だが、一番大胆だったのは衣装だった。なぜなら服を着ず、その上からエプロンを着る、俗にいう裸エプロンだからだ。彼女の豊満な胸が布を三次元に消費しており、裾の方も何とか股下になっているという状況で、腕をグッとすることでその谷間を強調させる。

 そんな彼女は航を見るや、にこっと笑みを浮かべた。

 

「お帰りなさい。ご飯にする?お風呂にする?それとも、わ・た・し?」

 

 バタンと何事もなかったかのように扉を閉じた。そして手に持っていた鍵の番号と部屋の番号をもう1度確認する。確かに間違えていない。だがしかし、先ほどの光景を思い出すや少し顔を赤くする航。

 

「何で……?え、何で……!?」

 

 今日疲れすぎて幻覚でも見たのだろうか。航は改めて恐る恐る扉を開く。

 

「お帰りなさい。私にする?私にする?それとも・わ・た・し?」

 

「さっきより選択肢無くなってるんだが……」

 

「ふふ、どうする?」

 

 まだ外にはばれていない。そのため急いで彼女と一緒に部屋の中に入る航。「きゃ、大胆ね」とか言ってるが、今はお構いなしだ。

 

「いったい何やってんだよ刀奈!」

 

「ふふーん。航が同室だからつい、ね?」

 

 IS学園生徒会長更識楯無……更識刀奈は楽しそうな笑みを浮かべているが、目をスッと細めるやエプロンの裾をつまんで少し持ち上げ始める。

 

「ねえ、見たい?」

 

 ゆっくりと裾を上げていく刀奈。だがしかしくるっと翻して見せるは、黄色のビキニを着た彼女の姿だった。

 

「ふふ、残念でしたー。裸じゃなくて水着エプロンよ」

 

 悪戯が成功したという笑みを浮かべるが、すらっとした腹回りやフリフリとお尻を動かす仕草は彼の劣情を催し、ごくりと喉の鳴らす航。だがしかし、いい加減満足したのか彼女は脱衣所に向かいそのまま中で着替えて出てきた姿は、襟と縁が白になった水色のノースリーブのワンピースだった。

 そして刀奈はベッドに座ってる彼の隣に腰掛け、そのまま頭を彼の肩に預けるように、もたれかかって身を寄せる。

 

「ねえ航。私と同室で嬉しい?」

 

「すごい嬉しい。むしろ安心した」

 

「ふふっ。そう言ってくれて嬉しいわ」

 

 実際彼女も幼なじみである航と一緒に学園生活を過ごせることがとても嬉しかった。おかげで生徒会長の権力を使い、何やかんや航との同室の権利を手に入れ、こうやって一緒に住むことができる。

 それにここずっと彼に触れれてないのだ。刀奈はその分を埋めるかのように、まるでじゃれるかのように彼に更に身を寄せ、航も嬉しそうに彼女を抱きしめる。

 彼女が甘え続けて30分ほど経っただろうか。少しは満足したのか刀奈は離れ、そして少し身だしなみを整えて彼の本題に入ることにした。

 

「さて航。本音ちゃんから聞いたけど来週、代表候補生と闘うらしいね?」

 

「そうだが……」

 

「なら私に任せなさい。貴方だけの家庭教師になってあげるわ」

 

 彼女の手にいつの間にか握られていた扇子が開き、『準備万端』と書かれた文字を見せる刀奈。航からしても渡りに船といえる千載一遇のチャンス。これを逃すまいと即座にお願いするが、刀奈はキョトンとしていたがその後苦笑を浮かべた。

 

「もう、そこまでしなくても大丈夫よ。楯無先生にお任せあれ。と言っても、航のあの機体なら正直ね……」

 

「というか刀奈。いくらお互い専用機とは言え、一方的にボコボコにするか?」

 

「それが試験官の仕事だもの。それでも手加減したのよ?航に怪我されたら困るし」

 

「いくら未調整故に中身で戦うことになるとはいえ、装甲だけ狙ってシールドエネルギー綺麗に削るかなぁ……」

 

「そこは実力よ。さて航、貴方の機体が機体だから今は座学の方を中心にするね。……ちゃんと付いていけてる?」

 

「一応……でもお願いします」

 

「任されました。まあその前に腹ごしらえね。航の大好きなの作ってるから、食べていってね」

 

 不意に美味しい匂いがした。その匂いの元をたどるや、そこにあったのは部屋に備え付けられているキッチンの上にあった寸胴鍋からしてるのだ。

 

「航の大好きなビーフシチュー。貴方のためにたくさん作ったわよ」

 

『いっぱい食べる君が好き』と扇子で見せる刀奈。先ほどからどうして文字が変わるのか気になった航だが、それより刀奈の作った夕食の方が優先だ。

 

「さあ航。召し上がれ」

 

「いただきます!」

 

 そして刀奈と一緒に夕食を食べる航であった。




楯無さんの部屋着姿、Twitterでどうしようか悩んでたら“気品”があるやつというリプがあったため、とても悩みました。だって彼女、下着ワイシャツ姿が一番に思い浮かんでしまうんだもん。
なお初期案だとシャツとホットパンツだったけど、これはブレイジング・メモリーに外着のがあったため没になりました。
なお自分的にはシャルラウラが着てたようなあんな着ぐるみの着てもらいたいし、和服もイイよな、って思ってたり。


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