IS~人と怪獣の境界線~   作:妖刀

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どうも、最近夏の暑さに参ってる妖刀です。夏になってホントに毎日暑いですよね。もうゴジラにでもなって海を泳ぎたいぐらいです。

では今回のお話は前回、一夏はセシリアをギリギリまで追い詰めるも負け、そして第2試合である航とセシリアの試合が待っていた。


では本編どうぞ!


決戦 クラス代表決定戦 中

 あれからピットに戻った一夏に待っていたのは、千冬からありがたーい説教であった。現在一夏は固い床の上で正座しながら千冬の説教をくらっており、もう雰囲気からすごい落ち込んでるのがよくわかる。

 その後、真耶に宥められて説教が終わるが、一夏はどんよりと暗い雰囲気を出しており、それを見た航たちもさすがに苦笑いを浮かべるしかできない。

 その中、箒は彼に寄り添うや、そのまま一夏の手を取った。

 

「一夏……代表候補生相手にとても頑張ったぞ。だから落ち込むな。次勝てばいいんだ」

 

「箒……」

 

 それが効いたのか落ち込んでいた一夏が徐々に元に戻り、そしていつもの一夏になった。それを見届けた千冬は小さく笑みを浮かべ、そして今度は航の方を向く。

 

「さて、次は篠栗。貴様の番だ。準備は出来てるか?」

 

「大丈夫です。いつでもいけます」

 

 そう言って羽織っていたパーカーを脱ぎ捨てる航。そして彼の黒のISスーツが露わになるが、彼の姿を見たとき、楯無以外の誰もが驚きや少し顔をゆがめたりと十人十色の反応を見せた。

 その中一夏は恐る恐る彼の背中を指さした。

 

「航……その背中は?」

 

 彼の背中にあったもの。それは10cmにはならないだろう複数の背びれだった。それは背骨に沿うように生えており、よく見たら肋骨の部分にも小さく背びれが生えているのだ。

 

「ああ、これか?生えて来た」

 

「生えて来たって……」

 

 あっさり言われたためどう返せばいいのか分からず、一夏も困り顔を浮かべてしまう。だが航はそんなのを気にせず、そそくさとピットの真ん中に立ち、ゆっくりと目を閉じた。

 

「皆、航から離れて」

 

 その時、楯無の指示の元、航から大きく離れる面々。いったい何が起きるのか……。その中心で航は目を閉じたままだが、何か気を張り詰めているように感じる。そしてすぅっと目を開く。

 

「来い、機龍」

 

 それに呼応し、光始めるドックタグ。そしてまばゆい閃光がピット内を包んだと思ったら、轟音と振動がそこにいた人たちに襲い掛かった。それにびっくりし、こけてしまう一夏と箒。楯無もバランス崩すも、とっさに正して航のいた方を見ていた。

 そして光が収まり、その巨体が露わにとき、一夏はその姿を見るや言葉を無くしてたが、ぽつりとその名をこぼす。

 

「三式、機龍……?」

 

「機龍……いや、この時は四式機龍ね。それがこの機体の名前よ」

 

 そう説明する楯無。

 鈍い銀色の全身装甲ボディ、三列に並んで生えている背びれ、鋭い手足の爪に長い尻尾。極め付けはゴジラに似た頭部。それに背部と腕部には黒と銀を主とした色で仕上がった武装が装備されており、その姿はまさに50年前にゴジラと共に海に消えた対G兵器、三式機龍とほぼ一緒だったのだ。

 その姿。それを全員が“見上げて”おり、そして長い尾がユラリと上がり、そのまま地面に叩き付けられる。

 

「あの、更識先輩……。コレ、大きくないですか?」

 

「大きいわね」

 

「大きいわねって、これのどこがISなんですか!?」

 

 箒はありえないと言わんばかりに叫ぶ。この機体、身長が5mと普通のISと比べてとても大きいのだ。ピットは元から天井高めに作られてるが、申し訳程度に身をかがめ、少し窮屈そうにしている機龍。

 千冬も真耶もぽかんとしており、誰もがその姿に圧巻させられていた。……ただ1人を除いて。

 この時、箒はプルプル震えてる一夏の姿を見る。

 

「……げぇよ」

 

「一夏……?」

 

「すげえよ航!これ三式機龍そっくりじゃねえか!いいなぁ!」

 

 目を輝かせ、その周りを回るようにして機龍を眺める一夏。その姿はまるで好きなものを見た子供のように見えるが、彼からしたらロマンのようなものが目の前にあるのだ。そんなの無理もないだろう。

 

「黙れバカ者が」

 

「んぐっ!?」

 

 頭に出席簿をくらって沈黙する一夏。そして千冬はじろりと楯無の方を見るや、楯無はそれに気づきヒラヒラと軽く手を振り返す。これはどういうことかと詰問しなければ気が済まないが、今はこの機龍がどう戦うのか、それが少し気になっていた。

 

「航、いつでも出れるわよ」

 

「わかった。……篠栗航、機龍、行くぞ」

 

 ズン、ズン、という重い足音を響かせながらカタパルトに向かうが、機龍はカタパルトを無視してそのままアリーナに向けて歩いていく。

 

「篠栗、カタパルトに足を乗せるように指示が出たはずだが?」

 

「織斑先生無駄ですよ。機龍は重すぎるから特注のカタパルトじゃないと重量オーバーで飛ばせません」

 

 それを聞いた千冬は、呆れた顔で出撃を見送るのであった。

 

 

 

 

 

 アリーナ中央。壊れた装備を交換したセシリアは、次の試合に向けて精神統一を図っており、そして先ほどの試合を振り返っていた。

 

(素人とはいえ専用機、ここまで実力差を埋めてくるとは思いませんでしたわ……。もう油断いたしません。あんな無様な勝利ではなく、ちゃんとした勝利を取って見せましょう……!)

 

 グッと拳を握りしめるセシリアだが、観戦席からは飛んでくる応援はすべてカットしていた。どうしてかというと……。

 

「オルコットさーん!次も勝ってー!」

 

「生意気な男なんてボコボコしちゃって!」

 

 応援されているのはわかる。だがこのような応援は如何なものか。

 セシリアも確かに女尊男卑の考えは持っているが、ここまで露骨にされると何か嫌悪感と共に鳥肌が立つのだ。そのため観戦席の声を聴かないようにしており、再び集中する。

 その時、ピットの入り口が開いた。この後カタパルトに乗せられて篠栗航が飛び出してくる、そうセシリアは身構えた。

 だがしかし、いまだにカタパルトの音が一切せず、それどころか何かが歩いてる音らしきものが聞こえたのだ。

 

「何ですの、この音は……」

 

 ISにしては重すぎる。それに普通はカタパルトを使うはずなのにその様子も見えず、いったい奥から何がやってくるのか、セシリアは警戒しながら見つめる。

 そして影になってる所からその姿を現した時、セシリアはそれを見るや息をのんだ。

 

「何ですの、あれ……」

 

 巨大な銀色の龍が現れた。それがセシリアの最初の感想だった。だがその大きさは自身のISより一回り以上大きく、鈍く光る銀がその威圧感を大きくしてるかのようだ。

 

「何アレ……」

 

「大きい……」

 

「あれってホントにIS……?」

 

 観戦席も困惑するが、その大きさの迫力に飲まれ誰かが息をのむ。機龍はカタパルトの先端に立ち、周りを一瞥した後、そのまま飛び降りたのだ。地に着こうとする前に太腿部スラスターを展開、そしてゆっくりと高度を上げて行き、セシリアがいる高度へと上がる。

 

「待たせた」

 

「それ、本当にISですの……?」

 

「一応、な」

 

 怪訝な顔で見るセシリアだが、そういうのなら仕方ないとスターライトmk-Ⅲを展開。そして銃口を機龍に向けた。

 

「今度は最初から行かさせてもらいますわ」

 

「ははっ、やっぱり一夏はアンタに一矢報いてたか」

 

「ええ、とても驚きましたわ。さて貴方も同じようなものなのでしょう?」

 

「もちろん負ける気はない」

 

 それを聞くやフフッと笑うセシリア。そして武器の安全装置を解除し、いつでも撃てるようにする。

 

『試合開始!』

 

「お先いただきますわ!」

 

 セシリアはスターライトmk-Ⅲの引き金を引き、レーザーはそのまま機龍へと向かう。だが機龍は体を捻り、尻尾を振うことでレーザーをかき消した。

 

「なっ……尻尾は攻撃用の武器というわけですか」

 

 斬り払いと同じと判断したセシリア。そして再びレーザーを放つと、機龍は太腿部スラスターを輝かせてそのまま躱した。

 

「お返しだ」

 

 機龍がジッとセシリアを見るや、それに連動するように左右からせり出したバックユニットの砲身部と言える部分が連動して動く。すると突如、セシリアは複数からのロックオン警告が鳴り響いたことに驚いた。

 

「全弾発射!」

 

 そして機龍のバックユニットから12発のロケット弾、6発のミサイルが放たれる。ロケット弾は直線的に飛び、ミサイルは大きく弧を描きながらセシリアの元へと飛んでいく。

 

「なっ!?ですが数だけのミサイルで!」

 

 即座にセシリアは後ろに下がり、ビットを展開するやロケット弾の半数を一気に破壊。そして煙を斬り裂いて飛んで来た残りを躱しながら、セシリアは追いかけてくるもの全てを撃ち落とす。

 そしてビットが機龍めがけて飛び出した。

 

「ビット撃ちながら動いてる……!」

 

「当り前ですわ。先ほどの試合では手を抜いていましたが、もう油断いたしません。さあ踊りなさい、わたくしとブルーティアーズの奏でる円舞曲(ワルツ)で!」

 

 セシリアの射撃を合図に他のビットも射撃を始める。ビットによるオールレンジ攻撃。航はスラスターを器用に使って地を駆けるように躱していく。だがその巨体からかすべて躱すのは叶わず、どうしても被弾してしまう。

 だがそれで一瞬よろめいたように見えるが、機龍は何事もなかったかのように攻撃を止めない。

 

「硬い、ですわね……!」

 

 どれぐらいダメージが通ったのか分からないが、あの様子だとあまり効いてないと考えるセシリア。だがそうしてる間にも機龍からの攻撃は止まず、それを的確に撃ち抜いていくが、やはり数の暴力というべきか何発かロケットが抜けて来た。

 だがミサイルより誘導があまりかかってない。それが分かってるセシリアはとっさに動いて躱したが……。

 

「近接信管!?」

 

 ロケットはセシリアの近くで起爆。多数の爆炎と爆風に煽られ、シールドエネルギーが大きく削られる。そうしてる間にも再びミサイルは飛んで来たため、セシリアは地面に向けて一気に落ち、地面ギリギリのところで向きを変えてそのまま地面と水平に飛ぶ。ミサイルはそれに反応することができずに次々と地面に落下し起爆していった。

 

「もう、何発ありますの!?」

 

 完全に弾薬庫としか思えない数。この状況をどう打破するか悩むセシリアだが、このミサイルの威力を思い出すや彼女はバックユニットに照準を合わせ、引き金を引いた。

 

「これでどうです!」

 

 機龍がバックユニットからミサイルを放った瞬間、セシリアはそれを3つ一気に打ち抜いた。巨大な爆炎が機龍の身を焦がし、ゼロ距離とあってその巨体が揺らいでバランスを崩す。

 これならいける。セシリアは小さく笑みを浮かべ、放たれたばかりのロケットミサイルを撃ち抜き、その衝撃を機龍に浴びせることで射撃も併せてダメージを与えた。

 

「ぐぅ……!」

 

 大きく退いて地面を削りながら着地する機龍。この攻撃でシールドエネルギーもそこそこ削れており、バックユニットもまだ使えるが、流石に近距離の爆発により発射部が数か所エラーを吐き出している。

 それを見たセシリアは、この機体の特性を見抜いたのかビシッと指を指して来た。

 

「やっぱりその大型の機体、重量が重すぎてあまり動けないと見ましたわ!そのための重装甲。そして機動力をカバーするためのミサイル等の武装。それにその姿、空中ではなく陸上で戦う機体そのものですわ。そのような機体でわたくしに勝てると思いまして!」

 

 そして機龍を十字で囲むようにビットを配置させ、そして避けた先にいつでも撃てるように準備を済ませるセシリア。機龍は一切動かず、ただ尻尾がゆらゆらと動いていた。

 この状況で動かないことに不気味に思ったが……この時、ユラリと機龍が顔を上げた。

 

「なら言わせてもらう……誰が遅いと言った」

 

 ゾッとするような重い声。一瞬冷や汗が出て、彼女は悲鳴を上げるかのように指令を出す。

 

「ティ、ティアーズ!」

 

 即座に十字砲火を浴びせようとするが、機龍は尻尾を地面を抉りながら振りまわすことで土煙と共に礫を四方八方に飛ばす。それによってセシリア本人以外からの攻撃を一時的に無力化し、グンと顔を上げてセシリアを見上げた機龍は全スラスターを起動。

 その衝撃波で地面を大きくえぐりながら、機龍はセシリア向けて飛び出した。

 

 

 

 

 

「航、だめっ!」

 

 楯無の叫びを聞いたとき、周りにいた者全員がギョッとした顔で彼女の方を見た。いったい何が起きるのか、起きたのか分からず困惑するが千冬は冷静に彼女に声をかける。

 

「どういうことだ、更識」

 

「それは……機龍の第三世代兵装が航に強く干渉を始めてます……。これ以上航が暴れればオーバーロードで……」

 

「待て、どういう意味だ。詳しく説明しろ」

 

 そう聞くが、楯無苦汁の表情で目をそらす。だが言えと言う眼つきで睨みつけてくる千冬に観念したのか、大人しく口を開く。

 

「あの機体の第三世代兵装は人機一体……機体に人体の神経を直接接続しています」

 

「何……!?」

 

 人機一体。それは過去に提唱されたこともある案だった。だがしかし、これを行うには強靭な肉体と精神が必要となり、強大な負荷がそれぞれに発生する。そして体のどこかに機体と繋がるための装置が必要となるため、この技術は禁忌として封印されたのだ。

 

「だが待て。篠栗に繋ぐための端子……まさか、あの背びれか」

 

「……はい。あれが送受信ユニットとしても働いてるみたいで、背びれを使って脊髄に直接つないでるのと同じ状態になってます。ただこの人機一体、並のISだとシールドバリアを張れない等の異常が発生することがこの時分かり、結果作られたのが追加ユニットであり、航を護る鎧である四式機龍となってます」

 

 それを聞いたとき、誰もが絶句していた。そんな危険なモノを積んで、彼は戦いに挑んでたのかと。

 

「ま、待ってくれよ!それを航は知ってるのか!?」

 

「えぇ、知ってるわ。彼はそのリスクを承知でアレに乗ってるのよ」

 

「どうして!」

 

「……航は欲してるのよ。力を」

 

「力……」

 

「そういえば一夏君は航と中2の途中まで一緒だったのよね。ならあの事件は知ってるでしょ?」

 

「それは……」

 

『ワァァァアアアア!!!!』

 

 一夏が目を伏したとき、いきなり歓声が響いた。いったい何があったのか見てみると、先ほどまでセシリアが航を見下していたのに、今となっては航がセシリアを見下し、そのセシリアは大地に叩き伏せられていたのだから。

 

 

 

 

 

「何が……なんで……」

 

 セシリアはいったい何が起きたのか半ば混乱していた。先ほどまで自身が空にいて、彼が下にいた。なのに今は逆転しており、逆に彼に見下されている。

 

「っ……!っはぁ!はぁ……はぁ……。少々意識が飛ぶなんて……」

 

 顔を振り、改めて機龍を睨みつけるセシリア。

 大地を飛び立った時、機龍の動きが変わった。先ほどの機械に近いものではなく、とても生物に近い、滑らかな動きに。その瞬間自身の狙撃の命中率が大きく下がったのだ。

 一体何があったか分からないが、それに驚いたおかげでセシリアの反応が遅れ、その結果、接近を許してしまいあの巨木の様な尻尾の攻撃をくらったのだ。その一撃は重いでは表せぬほどの一撃で、絶対防御を発動させられた挙句そのまま地面に流星のごとく墜落。だがそれで止まらず、そのまま地面を大きくえぐりながらセシリアは吹き飛ばされたのだ。

 

(たった一撃であの威力。次、下手に当たればもう後がないですわね……。それにあの速度、流石にだまされまし……っ!?)

 

 急な警告音。

 セシリアはとっさに起き上がり、そのまま一気にその場を離れる。次の瞬間、先ほどまでセシリアのいたところに機龍が勢いよく着地……いや、おそらくセシリアを攻撃したのだろう。だがセシリアが逃げたことでそのまま大地を割り、その黄色の双眸が彼女を睨みつける。

 この攻撃を躱さなければ……セシリアの一筋の冷や汗が流れるが、彼女は離れながら機龍の右目を狙撃した。だがそれはすぐに躱されてしまい、ギョロリとその目がセシリアを捉える。

 

「キァァァアアアア!!」

 

 機龍は吼え、セシリア目掛けてスラスター全開で一気に突っ込んだ。セシリアは近づかせまいとビットと自身の射撃を合わせて機龍に攻撃を加えるが、その巨体に似つかわぬ俊敏な挙動。すべての攻撃をまるで読んでるかのように躱していき、少しずつ距離を詰めていく。

 

「そんな滅茶苦茶な動きで……!」

 

 そうは言うが、セシリアの攻撃が当たらない。その時、機龍の手が近くにいたビットを捕まえるや、万力に掛けるかのように一気に握り潰す。

 

「ひとつ」

 

「くっ……!」

 

 セシリアは3機のビットを前に集中させ、網を張るようにレーザーを放つ。だが難なく躱されると、機龍の口にエネルギー反応が出てることに気付いた。そして口を開くや、そこから雷のような光線がセシリア目掛けて放たれたのだ。

 

「きゃぁ!?」

 

 咄嗟にビット1機を盾にして防ぐがビットは大きく斬り裂かれ、そのまま火球に転じる。機龍は止まらない。

 そしてその爪をセシリアに突き立てようとおおきく振りかぶった時だ。

 

「いい加減に、しなさいっ!」

 

 至近距離からのミサイルビット。機龍が回避運動取ろうとする前にミサイルビットはそのまま直撃。その爆風に少しダメージを受け、吹き飛ばされるセシリア。

 どれほどのダメージが入ったか分からない。そのためセシリアは追撃にレーザーを放とうとしたが、突如爆炎を斬り裂きながら伸びる手。それはセシリア確実にとらえる死神の鎌の様でもあった。

 

「しまっ……ぐぅっ!」

 

 そのまま押し付けるように伸びた手はセシリアの顔を掴み、そのまま遠心力を付けられて投げ捨てられる。飛ばされる中、彼女が見たのは自身目掛けて飛んでくる多数のミサイル群だった。

 

「嘘……!」

 

 そして近接信管もあわせ、すべてのミサイルが起爆。セシリアが悲鳴を上げるが全て爆発音でかき消され、そして大地に1つ、青が墜ちた。

 

「くっ……うっ……」

 

 誰もがその姿に絶句してる中、ズゥン……と重い音を立てて着地する機龍。その黄色く光る目がセシリアを捉えるや、バックユニットを彼女向けてロックオンした。

 絶体絶命。このまま機龍が放とうとしたときだ。瓦礫の中から1つの青が立ち上がる。セシリアだ。

 

「まだ……、まだわたくしは負けてはいませんわ!」

 

 機体の損傷は大きく、武装もほぼ残っていない。だが代表候補生として己のプライド、家の当主としての誇り。それらがセシリアを奮い立たせ、意地でも立ち上がる。

 ボロボロになった機体でもまだ動く。セシリアはスターライトmk-3を握り、その銃口を機龍に向けた。

 

「キァァァァ……キィィァァァアアアア!!!」

 

 そしてビリビリと機龍の咆哮を響かせると、そのまま一斉射が始まり、爆炎などがセシリアを包んでいく。誰もがセシリアの負けを覚悟した。だがしかし、爆炎の中からセシリアが飛び出だすや、同時に2機のビットが機龍の邪魔をするようにレーザーを放つ。

 おかげでセシリアを確認するや掴みかかろうとしてた機龍は急速に方向転換。だがそれでも一気に距離を詰め、途中1機のビットをさらに破壊した。

 そして接近するや、そのまま高らかに振り上げられた右手。そのままセシリア目掛けて振り下ろされるが、彼女は後ろに下がってその爪を躱し、そのまま機龍の顔めがけてレーザーを撃つ。

 直撃したが、仰け反る仕草を見せずに再びセシリアに接近しようとする。

 

(やはり……!彼は近接戦にこだわるスタイル!トドメは至近距離から仕掛けてくるつもりですわね!)

 

 セシリアは気づいたのだ。空中だと尻尾の攻撃が三次元になるが、地表付近だと大きさが災いし、尻尾の動きが単調になる。そのため攻撃が手足を用いたものになるが、それならまだ回避は容易かった。

 だからといって油断は全くできない。あの加速力を活かして一気に近づかれるため、その瞬間がとても危ないのだ。

 攻撃を当てては後ろに下がる。決して高度を取らずに行うため機龍の大きさが威圧感となってセシリアに襲い掛かる。だがこの状態でもセシリアはあくまで冷静に機龍に対して攻撃を緩めない。

 だがしかし、そんな時間も終わりを告げる。もうブルー・ティアーズに限界が来たのか、機体出力がガクッと下がり始めたのだ。

 

「こんな時に……しまっ……!」

 

 もう逃げられない。そして機龍は尻尾をセシリア目掛けて。大きく尻尾を薙いだ。

 

「インター・セプ……きゃぁああ!!!」

 

 尻尾の薙ぎ払いがモロに直撃してしまい、インター・セプターを展開したがそれでも一瞬で折れ、セシリアは大きく吹き飛ばされる。それによってシールドエネルギーは0となってしまうセシリア。

 

『セシリア・オルコット、シールドエネルギー0。勝者、篠栗航!』

 

 試合は終わった。だがほとんどの人は拍手もせず、ただ茫然としていた。




四式機龍

○○○○社(後の話に記述)が作り上げた第三世代IS“機龍”、の追加ユニットもといオートクチュールの1種(と思われる)。
体高:5m
重量:ISの数倍以上

待機状態:2枚の銀色のドックタグ


装備
バックユニット(6連装ロケット弾×2、3連装ミサイル×2)
腕部レールガン
口部メーサー砲


ちなみにその姿

【挿絵表示】






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