幻想甲虫録   作:さすらいのエージェント

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ソウゴォ!なぜ君が覚醒してスーパートルネードスローを出せたのか!なぜ轟天を倒せたのか!なぜ霊夢の願いが叶ったのくわァ!


白羽の子 ー奇跡の真実ー

轟天を打ち倒し、眠ってしまったソウゴの手当てをした後、彼が起きるまでの間霊夢たちはソウゴの究極必殺技について話していた。

戦いを見ていたコクワガタはソウゴのことが心配でたまらず、起きるまでソウゴのそばにいた。

 

 

魔理沙「けどスゲェよな。ソウゴがあの轟天を倒すなんて」

 

ギルティ「俺がやっても絶対負けてた」

 

聖「確かあの技が発動できたのって……」

 

ウォズ「恐らく博麗霊夢の願い………それか我が魔王が覚醒への片鱗を見せ始めたというべきか」

 

轟天「覚醒への片鱗だと?じゃあソウゴはあの技で(オレ)を打ち倒したことをきっかけにどんどん強くなるというのか?」

 

 

さすがは聖が使うオオクワガタ。轟天は頑強な体を持つだけあってソウゴのスーパートルネードスローを食らっても何事もなかったかのようにケロッとしていた。

 

 

ウォズ「だがさっきの戦いで力を使い果たしたのか、またトルネードスローに戻ってしまった……」

 

霊夢「じ、じゃあさっきみたいにまた願ったらまた使えるの!?」

 

ウォズ「……残念ですがまた願ってもさっきのような奇跡は二度と起こらないかと。とはいえ、我が魔王が究極必殺技を習得する方法はあります」

 

 

その話を聞いた途端、霊夢の目が光り、ウォズに詰め寄るように聞く。

 

 

霊夢「究極必殺技覚えられるの!?その方法って何!?教えて!!」

 

こいし「霊夢落ち着いて?ウォズがドン引きしてるよ」

 

霊夢「だってソウゴが究極必殺技使えたらどんな相手も簡単に倒せるじゃん!!それさえあればあのゲイツとかいう奴に勝てるんでしょ!?早く教えて!!ハリー、ハリー!!」

 

魔理沙「いや、あいつに何されたんだ?」

 

霊夢「そうだった!思い出したわ!魔理沙たちも聞いて!!」

 

 

以前博麗神社に襲撃してきた正邪とゲイツを思い出し、ソウゴが叩きのめされたことを隅々まで話す霊夢。それを聞いた魔理沙、ギルティ、聖は愕然とした。

 

 

魔理沙「ヤベェなそれ……」

 

ギルティ「確かにこういう戦いであの能力使われると厳しいな……」

 

聖「轟天は平然としているようですが…」

 

 

平然としているのは轟天だけではない。こいしとウォズも平然としている。

 

 

轟天「ああいうのは確かに厄介だが、それでもその逆をやればいいんじゃないのか?」

 

ウォズ「その意見は賛成だが、何度も同じ手を使ってくるとは限らない。話を聞く限り、そのゲイツという虫は我が魔王を盾代わりとして使ったのだろう?」

 

霊夢「ええ、そうよ」

 

ウォズ「…………今後はその対策も考えなくてはならないな」

 

 

するとこいしがこんな提案を口に出した。

 

 

こいし「じゃあさ、こんなのはどう?例えば正邪がスペルカード使う前に奪っちゃうとか」

 

霊夢「さすがにそれはルール違反でしょ」

 

魔理沙「それも対策されるんじゃねぇのか?」

 

轟天「(オレ)にいい考えがある」

 

 

と、考えのつく限り様々な提案を出し合う一同。こいしの提案は霊夢の言う通りルール違反ということですぐに却下された。

すると先ほどまで眠っていたソウゴが目を覚ました。

 

 

コクワガタ「あっ、かぶとむしさんおきたよ!」

 

霊夢「ソウゴ!無事だったのね!よかったぁ……もしあのまま死んでたら……」

 

 

霊夢はもうそれ以上言葉が出なかった。何しろソウゴは散々轟天に痛めつけられたのだ。

にもかかわらずソウゴは覚醒し、スーパートルネードスローで轟天を打ち倒した。轟天を倒したことと生きていたことの嬉しさのあまり抱きつき、感極まって泣きそうになる。

 

 

ソウゴ「え?どうなったの?俺負けたの?」

 

轟天「負けたのは(オレ)だ、貴様じゃない」

 

ソウゴ「…………マジ?」

 

魔理沙「マジ」

 

ソウゴ「…………現実?」

 

 

寝ぼけ眼で聞く。まるで夢でも見ていたかのような反応だ。

 

 

ウォズ「我が魔王、勝ったという実感がないのですか?」

 

ギルティ「嘘だろ!?マジで何も知らねぇの!?お前のスーパートルネードスローで轟天に勝ったんだよ!」

 

ソウゴ「………………ごめん、覚えてない。無意識でやってたから………何があったかさっぱりで………」

 

 

ソウゴの口から出た言葉『無意識』。こいしの能力は『無意識を操る程度の能力』。霊夢たちは一斉にこいしの方を見る。

だがこいしはそんな能力など使っておらず、首を横に振る。釈然としなかったのか、全員微妙な表情を浮かべた。

 

 

ウォズ「ともかく!我が魔王が目覚めたことだ、究極必殺技を取得するために次の目的地に連れていくとしよう」

 

コクワガタ「ねーねーしろいかぶとむしさん、つぎはどこにいくの?」

 

ウォズ「それは秘密だ。まあ、いずれわかる……」

 

 

するとウォズのスカーフが生き物のように動き、巨大化し、ウォズたちを包む。彼らを包んだスカーフはそのまま命蓮寺を飛び出し、どこかへ消えていった。

 

 

聖「あのスカーフ万能ですね」

 

轟天「河童に頼めば作ってくれそうだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところ変わって、ここは紅魔館。かつて幻想郷を紅い霧で閉ざす異変『紅霧異変』を起こした吸血鬼、『レミリア・スカーレット』が住む屋敷である。

この屋敷の門番、『紅美鈴』にもパートナーがいる。彼の名は『リュウガ』、種類はヘルクレスオオカブト。どちらかといえばリッキーブルーのような見た目であり、前翅が青白いが、斑点が赤いのが特徴的だった。

リュウガもまた美鈴同様紅魔館の門番を務めているのだが………。

 

 

美鈴「スゥー……スゥー……」

 

リュウガ「また寝てやがる………おい起きろ!門番が寝てどうすんだよ!?侵入者が入ってきたらまた咲夜とジェットに怒られるぞ!?」

 

美鈴「うぇへへ~、しゃくやしゃ~ん……」

 

 

いくら揺すっても声をかけても美鈴は目を覚まさない。

 

 

リュウガ「…………ったく、こんなん咲夜とジェットに見せられねぇじゃねぇか」

 

???「私たちに何だって?」

 

リュウガ「ゲッ!!お前ら帰ってたのかよ!!」

 

 

リュウガが目の当たりにしたのは紅魔館のメイド長、『十六夜咲夜』。そのパートナーである大顎の先が赤みがかったタランドゥスツヤクワガタ、『ジェット』。両手と大顎に食材が入った袋を持っている感じからして、買い物に行っていたのだろう。

呆れていたところを咲夜に声をかけられ、冷や汗をかくリュウガ。これでは自分もとばっちりを受ける羽目になる。

 

 

咲夜「また寝てるのね……ホントにもう、寝ないでちゃんと門番やりなさいっていつも言ってるのに………」

 

リュウガ「悪りぃ…今度は『ヒャクレツケン』使ってでも起こすから」

 

ジェット「ほう?でしたら今からでもしますか?私の『ヒャクレツセン』とどっちが多くボコボコにできるか試してみますか?」

 

美鈴「ヒェエエエエエエエ!!おおおお起きます起きます!!起きるからそれだけは勘弁してくださーい!!リュウガさんとジェットさんのスピードラッシュ、どっちも食らいたくないですゥゥゥゥゥ!!

 

 

恐怖のあまり目を覚ました美鈴。そんな彼女を見て咲夜がナイフを取り出したかと思うと。

 

 

咲夜「じゃあ私のナイフでお仕置きね♪

 

美鈴「あ゛」

 

 

 

 

 

ジェット「全く、リュウガを見習ってほしいものです」

 

 

美鈴は頭にナイフを刺され、気絶していた。そんな美鈴を見た咲夜、ジェット、リュウガは呆れ、ため息をついた。

 

 

ジェット「純粋ゆえに騙されて入られてしまうのも問題ですが、それでも仕事をしてくれて大変ありがたい」

 

リュウガ「ホントに面目ねぇ」

 

咲夜「イクスさんにはバカって言われていますが」

 

リュウガ「せめて筋肉つけろよなぁ、あいつ……」

 

ジェット「バカは公認ですか?」

 

リュウガ「筋肉バカと言うなら問題なし!」

 

 

咲夜とジェットがため息をついた時、紅魔館から紫色のギラファノコギリクワガタが出てきた。

そのギラファノコギリクワガタの名は『カリスマローグ』。背中にはどういうわけか『鰐』という漢字1文字が書かれていた。

 

 

カリスマローグ「お帰り。ピーマン入ってないよな?」

 

リュウガ「オメェはいい加減ピーマン克服しろや!」

 

ジェット「ローグ様、好き嫌いはいけませんといつも言ってるでしょう?」

 

咲夜「今日の夕食ももう決まっています。楽しみにしててくださいね?」

 

カリスマローグ「…………嫌な予感がする」

 

リュウガ「後でイクス呼んで()()()阻止しねぇと」

 

咲夜「それを言うなら()()阻止です」

 

 

だがリュウガたちは全く知る由もなかった。この後ある客人が訪れるということを。

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