いつか頂点に立てるまで 作:匿名設定するの忘れてた人
まだ食べません。一応色々考えてるんでちょっと待ってくださいませ
あれから2年半。
あと半年で4歳という年頃になって、走ることも話すこともできるようになった俺は、最近外に出るようになった。
2歳ちょっとになったとき、お母さんが外に連れ出してくれたのだが、その時たまたま外に子供を連れ出していた人達とお母さんは軽く会話していた。
ちなみにこの時の“軽く"、は主婦たちにとっての"軽く"である。
思い出して欲しい、自身の母親のことを。
立ち話が止まらず、ずっと待たされた経験をしたことがある人も多いのではないだろうか。
ちなみに俺も前世で経験したことがある側である。
早く会話終わらせて、と催促するとあとで少ししか話してない的なことを言いだすのだ。
まあ、何が言いたいかというと長い間何もない空間で待たされたわけである。普通の子供なら堪える、なんなら精神年齢17歳である俺も辛かった。
その待ち時間に耐えられなかったお母さんと話してる3人の女性の子供達。
元気いっぱい、THE子供という感じのジャック。
同じく、元気いっぱいな女の子、クリス。
ちょっと内気な女の子、サリナの3人に話しかけられたのである。
俺のお母さんが参戦する以前から話していたらしい主婦3人組の子供である彼らが、暇すぎて話し出すのは当たり前な話だ。
そこに新しく俺のお母さんと俺が入ってきたので、俺とも話そう、となったらしい。
話しかけてくれたのはうれしい限りだが、残念ながら中身17歳の俺からしたら、子供のテンションについていけないんだけど…
そう思っていたが、案外ついていけるもので、内気なサリナと同じぐらいなテンションとはいえ、うまく混ざれた。
その日はお母さん達のおしゃべりが終了したのでそのままお開き。
それからお母さん達も、その三人のお母さんと意気投合したようで頻繁に話すようになり、それに従って俺らも話す機会が増え…
結果的にお母さんたちのおしゃべりがなくても、普通に遊ぶようになった。
今日もその4人で海軍ごっこをするらしい。
ルールは前世の鬼ごっこのようなもの。
ただ単に1人海軍を決めて、海賊の3人が逃げ回る、ただそれだけ。
唯一違う点といえば、不遇職であった鬼が、こっちの世界では人気だということか。
海軍の人気は、子供たちの中で結構高いらしく、みんな海軍をやりたがった。ちょうど、子供用の海軍の帽子を持っていた俺が、この遊びのために持ってくるようになって、さらに海軍の人気が増したように思える。勿論、海賊もある程度人気はあるらしいが、子供たちの間では正義の味方である海軍が人気のようだ。
まあ、お父さんが見てる新聞をちらっと見たけど、ロジャー海賊団と金獅子海賊団が大戦を繰り広げてるとかなんとか。
結構怖い感じに書いてあって、海賊全て最低の蛮族、的な印象がこの村では強いから、その影響もあるのだろう。
早速始まった海軍ごっこ。
海軍は元気いっぱいジャックくんである。
見事じゃんけんでその権利を勝ち取った。
何度も言うが俺は中身17歳である。
ここは大人しく捕まって、「ジャックくんすごいやっ!」と満面の笑みで褒めれば、見事な好青年になれるだろう。
しかし思い出して欲しい。
赤ん坊になって、完全に忘れていたが、俺は向上心の塊。
悪いがこの子供相手のゲームでも負けてやるつもりはない。
目指すはトップ、それ以外は所詮『それ以外』で纏められてしまう。
ならばやるべきなのは圧倒的な実力差を見せることだろう。
子供達には悪いが、全力で行かせてもらおう。
ふはははは、と内心魔王気分で高笑いしつつ、走り出す。
この村は、ナーラス島という田舎島の中にある、田舎村、ナジ村というらしく、田舎の名にたがわず、周りは木々が生い茂り、幸いなことに隠れる場所なら沢山ある。
サッと、転ばないように木々の間を移動していく。
よくよく考えたら、こんな田舎にいるお父さんって海軍の中でも下っ端の、さらに下っ端なんじゃねぇかな、と失礼な事を考えながら、隠れる場所を探す。
上、下、右、左。全ての方向を確認して、絶対に見つからない場所を探さなくては。
流石にまだ3歳なので奥に行き過ぎないように、と注意して、それでも見つからないような場所を探さなくてはいけないのだから結構大変だ。
そうして走っていると見たことのない、奇妙な果物を発見した。
形はメロンに近く、それでいて外側から線がぐるぐると中心に向かって捻れている模様をしている。
ただの模様であるはずなのに、その渦巻きに奥行きが感じられて、トリックアートでも見ているような、そんな気分にさせられた。
興味を持った俺は立ち止まって、木の上に実っているもぎ取るために、木に登った。
前世でも、この世界でも見たことのないこの果実は、きっと大変希少なものか、新種のものか、どちらにせよ、親に一度持って行って聞いてみよう。
その果実が、もしかしたらめちゃくちゃ美味しい果実かもしれない。ニヤニヤしながら木を登って、その果実に手をかけ。
「あっ!ストラみっけ!」
その声と共に木から滑り落ちた。
しまった、果実に夢中になりすぎて、海軍ごっこ中ということを忘れてしまった。
よほど果実がくいたかったのか、落ちてもしっかりと果実をに掴んでいる自分の両手に拍手を送りつつ、起き上がってすぐに駆け出す。
何故かこの世界の住人は丈夫らしく、ちょっとした痛みだけで起き上がった俺は頑張ってジャックから逃げた。
捕まりました、はい。
悪魔の実ゲット、やったね。
なんの実かは、まだ内緒です。