悪の復讐劇   作:カオル06

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二人の間には、いったい何が…?


会いたくない…会うわけにはいかない

『……は? いないよ?』

冷たい表情のままそう言う薫。

だが、スクアーロは引く様子を見せず口を開く。

「本当はXANXUSに会いに来たんじゃ、ねぇのかぁ!?」

『……』

スクアーロから、その名が出た瞬間、薫の表情は変わった。

薫は黙ったまま、悲しげな表情で、スクアーロを見る。

「!?」

さきほどまでとは、全く違う表情だったので、驚くスクアーロ。

思わず言葉を失う。

あの日、最後に見た……茜の表情と重なる。

 

「どうして、ボスに会いたいんですかー?」

ただ一人、話についていけないフランがそう言った。

そう言った瞬間、ベルが焦ったような表情に変わる。

「お前は黙っとけ……隊長、後は頼んだから」

そう言い、フランを引きずって、中へ入っていった。

「……そうじゃねぇのかぁ?」

二人のやり取りを見て少し落ち着いたのかスクアーロはそう言う。

『ハッ……ハハッ、何でアイツに会わないと駄目なわけ?』

悔しそうな顔をしてそう言う。

いつもの余裕が感じられない薫。

明らかに誤魔化すように笑う。

――さすがにこれ以上はダメだ。

そう思い、和は薫を守ろうと腕を伸ばす。

「……はぁ?」

『自分を殺した奴に会いたがる奴なんて居ないよ?』

苦笑いで言う薫。

その瞬間、和が驚いたような表情をした。

あと少しで薫に触れようとしていた手が止まる。

そして、その手は薫に触れることなく、静かに下ろされた。

もっとも、薫より後ろに立っていたため、その表情や行動派薫からは見えなかったが。

(分かっていたのか……)

内心、そう思う和。

そう。薫に最終的止めをさしたのはXANXUSなのだ。

それを皆黙っていた。

だが、薫はそれをずっと知っていたのだ。

と、言っても、薫の言う〝殺された〟というのは、外傷的意味ではないのだが。

「!?」

スクアーロも驚いた表情を見せる。

『何? 知らないと思った? アイツでしょ? ……僕を……茜を最終的に倒したのは!

 そんな奴に会う気は無いよ……じゃぁね』

そう言い、またそこから、立ち去ろうとする。

薫が歩き出す少し前を和は歩く。

それには、薫に表情を見られないようにしたところもあった。

――きっと、今の表情を見られたら幻滅される……

自分でも、悲しげな表情をしていると自覚していた和はそう思った。

「ちょっと待てよ! 本当は……まだ好きなんじゃねぇのかぁ!?

 だから、わざわざ、来たんじゃねぇのかぁ!?」

『ッ……うるさいな……違うって言っているだろ……』

薫は呟くようにそう言う。

それを聞いた和は動きを止めた。

少し焦ったように和は振り向き、薫を見る。

もう、自分の表情に構っている場合ではなかった。

その時の和は、もう先ほどの表情なんて忘れ、ただただ薫を“守る”ためだけに動いた。

背を向けているため、スクアーロに薫の表情は見えない。

だが、薫の表情が見えている和は、安心させるように、薫の肩に手を置く。

すると、薫の体から力が抜けたようで、いつものように笑った。

そして、振り向き――

『あ、だったら、アイツに伝えといてよ。

 僕は、薫として……ボンゴレに復讐しに来たって……ね』

そう不敵な笑みをみせながら言い、帰った。

 

 

〔帰り:日本に着いてます〕

『……ハァ』

「知っていたんだな……」

『何を?』

「薫を最終的に……」

その続きの、言葉に詰まる。

なぜなら、殺したといっても、ちゃんと生きているからだ。

『あぁ、そのことか……まぁ、銃を使うのはアイツだろうし……技は強力だったしね

 それに……私がアイツのことで間違えるわけないじゃん』

茜として、最も近くにいた存在を間違えないと、悲しそうな顔で、あくまで外傷的なことを話す薫。

当然、和もそうなのだが。薫以外、みんな死にかけた原因は外傷だと考えているのだ。

「……ごめん」

『何で、和が謝るの?』

「薫なら大丈夫と思っていて……」

『僕は、大丈夫だよ……と言っても、もう壊れたからだけどね』

「……そんなこと、言うな……ただ、薫は……」

『優しいのは僕じゃない……茜だよ。まぁ、あの子は甘かったんだけどね』

和の次の言葉を予想してそう答える薫。

それを聞いた和は少し驚いた顔をする。

「え?」

『茜は、甘すぎた……その結果がアレだ…………バカ、だね』

拳を握って言う。

『……最後まで、もしかしたらって、変な期待を持って……何、信じていたんだろ』

「でも、薫は…………なぁ……1つ聞いてもいいか?」

なんとか言い返そうとした和だが、それよりも気になることがあったためそちらを優先する。

『何?』

「あのさ……その、今でも……好き……なのか?」

言い辛そうにそう聞く和。

その言葉を聞き、薫は息をのむ。

スクアーロに言われたときもそうだったが、XANXUSのことが出ると、薫は一気に感情を読み取りやすくなる。

これではダメだと思い、薫は一度大きく息を吸う。

『……それは、XANXUSのこと?』

「あぁ」

『……ない、な……僕は誰かを信じる心を失くしたからね』

「……」

薫の言葉が微かに途切れ途切れだったのを、和は見逃さなかった。

『あ、やっと着いたや……疲れたー!〔ガチャ〕ただいまー!』

「ただいま」

 

 

〔その頃、ヴァリアーでは〕

〔バンッ!!〕

勢いよく、ドアが開く。

「ボスゥゥゥ!! 邪魔するぞぉぉぉ!!」

「うるせぇ! カス鮫が!」

「なんだとぉ!?」

「……カスが……何の用だ」

スクアーロの言葉をかるく無視して用件を聞く。

「あ、あぁ……実は、今日は、客が来たんだが……」

「……」

それがどうした。それがXANXUSの持った感情だった。

「その客が……茜だったんだぁ……」

そんなXANXUSの気持ちを知ってか知らずか焦っているような顔をしてそう言う。

「!?」

その瞬間、表情には出さないが、驚くXANXUS。

それと同時に殺気を放つXANXUSにスクアーロは一歩下がる。

「……ドカスが……とうとう、頭が逝ったのか?」

「っんな訳あるかぁぁ!!」

「アイツは死んだんだ……もうこの世には居ねぇ」

「でもよぉ、確かに見たぜぇ……ベルやフランだって見たんだ……間違いねぇ」

「……」

「あ、でも、茜は、名前変えたみたいだぁ……確か、薫……そう言ったな」

「……」

何かを考えているのか、黙り込む。

「そういえば……アイツから伝言だぁ。

 『薫として、ボンゴレに復讐しに来たって』……だってよぉ」

「……カスが」

「いいのかぁ?」

「何がだ?」

「会わなくていいのかぁ!?」

「……あぁ」

「何でだぁ!? ボスは会いたいんだろぉ!?」

「……どうせ、何時か会うだろ」

「でもよぉ!! ボスも、まだ好きなんだろぉ!?」

「あ? アイツとは、時が来るまで会うわけにはいかねぇ」

スクアーロの問いには答えず、言葉を濁す。

「時って何だぁ!? それが、てめぇなりの罪滅ぼしかぁ!?」

「うるせぇ! これ以上、余計なこと言うと、カッ消すぞ!!」

そう言い、銃を向ける。

「……チッ」

〔バタンッ〕

スクアーロは、舌打ちをして、部屋から出て行った。

静かになった部屋の中、XANXUSは首にかけたネックレスをそっと握り締める。

「……カスが」

 

 

〔ベル&フランは〕

「結局、何でボスに会いたがっていたんですかー?」

「ししっ♪ お前が気にする事じゃねぇし♪」

「気になりますー」

少し、棒読みで言う。

「お前、本当に、気になってんのか?」

「なっていますよー? あの、薫って言う人と、先輩達の関係もですけどー」

「お前は知らなくても、いいっての」

「じゃぁ、せめて、どっちか1つ教えてくださいー」

「……分かったよ……言えばいいんだろ? じゃぁ、ボスの事で……」

「おー」

軽く、手で拍手をする。

「……実は、あの二人は、恋人同士だったんだ」

「だった? って、いうことは、今は違うんですかー?」

「さぁな……その後、色々あって、知らねぇし♪」

「じゃぁ、直接、聞けば早いんですねー?」

「お前、まさか、聞くつもりか!?」

「暇ならですー」

「……」

どうなっても、知らね……と、思うベルだった。

 

 

〔薫の家では〕

「大丈夫だったか!?」

家に帰ると真っ先に言ってきた奈津。

『大丈夫だよ……本当に奈津は心配性だね、でもありがとう』

少し、笑いながらそう言う。

「……だってよ、敵のところに行くなんて……」

薫と和の姿を見て、安心したような表情になりながらもそう言う。

「あ、その事だが、ヴァリアーは真実を知っていた」

「は!? どういうことだよ!?」

「つまり、味方ってことだ」

「……そうだった、のか」

一気に気の抜けたような表情になる奈津。

そんな二人のやり取りを見ていた薫が、口を開く。

『……味方? 僕は認めないよ』

「薫?」

『1度裏切られている……認めたくない……』

 

 




えっと、まず初めに、スクアーロってXANXUSのこと名前で呼ぶっけ…?
もし呼ばなかったら、すみませんでしたー!!
さてさて、まぁ、二人は恋人同士という設定にしてみました。
そこー、年齢のこと気にしたら負けね。

最終編集日 2017/12/15
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