忘れた方は前の話から…私も見よう
「なっ!?」
和の言葉に、驚きを隠せず声をあげた山本。
「ま、待ってくれ……そんな、薫は悪くないんだ!!
なのに……殺すって、他に方法はないのか?」
「分からないんだ! 俺も分からない!! 他に方法は無いんだよ!!」
絶対にやりたくない方法を言った和。
薫を殺す――そんな考え自体思い浮かんでしまった自分を否定するように少し大きな声でそう言う。
「……」
そんな和に山本は何も言えない。
「薫は、全員が真実を知っていても、全員を殺すだろう……
薫の復讐は……きっと、ボンゴレが死ぬか、薫が死ぬか……どちらかなんだよ」
悔しそうな顔をしてそう言う和。
決して話を盛ったつもりはなかった。
薫ならたとえ一人になろうとも復讐を続けるだろう。
今の、制御しない薫ならツナの首をとるのだって安易なことだと考えていた。
茜ならば、強さはあっても、それを人を傷つけるために使おうとはしなかった。
だが、薫は……戸惑いなんて見せないだろう。
そんな強さだから、和は喜びを見せないのだ。
「じゃぁ、殺さずに、痛くて、動けないくらいにすれば……」
「それも、無理だ……薫は、自分がどれだけ傷ついていても、まだ動ければ、動く。
どれだけ痛くてボロボロでも、死なない限り動く……
薫を動かすのは、自分の意思じゃなく……もう、お前らに対する憎しみだ」
「……そんな、どうしようもない……のか」
「そうだ……どうしようもないことなんだ」
その後、お互い何も言わず、ただ、立っていた。
静かに、ただ静かに時間は過ぎていくばかりだった。
〔その頃、薫は〕
『…………暇だ』
屋上で、寝転がりながら言う。
『授業……いいや、メンドイ。今日は、一日サボろう』
と、そう決めた薫の携帯に電話がかかってくる。
『!! この着信音って……』
急いで、携帯を取り出す。
携帯の画面に写し出されている名前は『XANXUS』。
その名前を見て薫は少し顔を嫌そうに歪めた。
『……何で、コイツが……!』
そう言いながらも、電話に出る。
『……何だ』
前置きなしに用件だけを聞こうとそう言う薫。
《……久しぶりだな》
『久しぶり……なんて、言うと思ってんの?』
《……》
『何のようだ』
できるだけ、憎しみを込めて言葉を吐き出す薫。
《この前、俺らのとこに来たらしいな》
『それがどうした?』
《名前、薫にしたって》
『……そうだ』
どうでも良い話に、少しイライラする薫。
《……どうして、俺のところに来ねぇんだ》
『はぁ!? ふざけんな!! 何で、お前のとこに行かなきゃいけないんだ!!』
《……すまねぇ》
『!?』
急に謝るので、驚き言葉につまる薫。
彼の前――電話だけでも、薫の感情を乱すのは簡単だった。
先ほどから表情をいろいろと変える。
いつもの余裕そうな笑みを浮かべることはない。
それほど、薫も必死なのだろうか。
《気づいてやれなくて……》
『そんなの……そんなの、今更だよ!!』
《……そうだな》
『何で……ふざけやがって……』
拳を握り言う。
決して会おうと思っていなかったのに、簡単に電話してきたXANXUSに怒りが募る。
同時に、それを無視することの出来ない自分に対しても怒りを覚える。
《……》
『……切るからな』
《ちょっと、待て》
『……何だよ』
《俺は……まだ、アレを持っているからな》
『!! そんなの……僕は、もうとっくに捨てたよ』
そう言ってから、返事を聞かずに電話を切る。
『……裏切ったその日に捨てたと思っていた……持ってるのかよ……』
そう言いつつ、薫はポケットに入っているネックレスを取り出す。
『……ハァ』
ため息を吐き、ネックレスをポケットに入れなおしてから寝転がる。
薫はそのまま寝てしまった。
それからしばらくして
『スゥ、スゥ、ス……!?』
目を覚まし、勢いよく起き上がる。
もう放課後と分かる……グラウンドでは部活をしている。
『……ハァ』
疲れたように、ため息を吐く。
〔ガチャ〕
誰かが入ってくる。
『?』
「クフフ……久しぶりですね、薫」
入ってきたのは骸だった。
薫の前では無駄だと思ったのか以前のように変装も何もせず、やってきた。
『……僕の名前を、気安く呼ぶな』
睨みながらそう言う。
「クフフ……それは、すみませんね」
すみません、と言いつつも悪びれた様子は見せない。
『何のようだ』
「今日は、君を殺そうと思って、来たんですよ?」
『へぇ』
興味無さげにそう言う薫。
そんな薫の反応に骸は微かに眉をひそめる。
だが、すぐに笑みを貼り付ける。
「随分と余裕ですね」
『……試してみる?』
少し怪しい笑みを見せ、どこからか大きな鎌を出し、そう言う。
「クフフフ、良いですよ……!」
そう言った瞬間、地面が崩れ始める。
『……』
薫の顔に、焦りは無い。
崩れていく地面に普通に立っている。
グラウンドに目をやり、生徒たちが特に焦ったり叫んだりしている様子を見せないあたり、こちらが見えていないことを確認する。
「クフフ、そんな顔していれるのも、今だけですよ……この幻覚を解けますか?」
『てめぇ自体幻覚だろ』
「僕は、君を殺せます」
『(やっぱり有幻覚か……って、ことは……)』
アヤシク笑いながら、思考をめぐらせる薫。
「さぁ、どうやって逃げますか?」
『さぁ……ね!』
そう言い、ナイフを投げる。
だが、それは骸の方向ではない。
「どこを狙っているのですか? 僕はココですよ?」
自分に向かってこないナイフを見て、笑いながら言う。
『フッ、これで良いんだよ……だって……』
最後、結構変なところできっちゃいましたねー。
まぁ、このほうが気になるかもしれないしね?
XANXUSとは……まぁ、特に意味の無い気がする会話ですw
彼の口調が一番定まらない。
和と山本は、そこまで仲良しとかは無いと思います。はい。
ただ、薫の命令だから…って、感じですね。今回のは。
最終編集日 2017/12/17