悪の復讐劇   作:カオル06

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奈津爆発?ちなみに、和の目覚めは、少ししてから


奈津の思いと和の目覚め

『……』

奈津の声に、少しだけ驚き黙る薫。

「それ以上……それ以上……」

近づきながら呟く奈津。

『?』

首を傾げ、奈津を見る。

奈津の言葉を静かに待つ。

「それ以上……自分を下げないでくれ……」

薫の肩を少し強く掴みそう言う。

『ん? 何言ってるの?』

それでも、薫は変わらずに、笑顔で言う。

「頼むから……もう、やめてくれ……自分の気持ちに嘘をつくのを……」

奈津の声は震えている。

とても辛そうに顔を歪めている。

『……嘘?』

やっと、少しだが、薫の表情が変わる。

「悲しいなら悲しいって、辛かったら辛いって……誰にでもいいから、言ってよ」

『……僕は、悲しくも辛くもないよ? 感情なんて捨てたもん』

「それも、嘘だろ? もう、いいよ……それ以上、自分を隠さないでくれ。

 自分を嘘で纏わないで……自分を捨てないでくれ……」

肩に置いていた手を離し、崩れ落ちるように、床に座り込む。

――どうして、そんなに悲しむのだろう。

薫は少し不思議だった。

ボスとはいえ、これは薫自身のことだ。

それなのに、奈津は自分のことかのように辛そうにしている。

その表情や行動を見て、なぜそこまで他の人を思うのか疑問に思う。

だが、それは奈津の性格上仕方のないことなのだろう。

そう思い、薫はそれ以上考えることをやめた。

 

『……奈津は心配性すぎるよ……でも、ありがとう』

「え?」

奈津がパッと顔を上げる。

『心配してくれて……でも、誰かに頼りたくなんかないんだ』

「何で……?」

『誰かに、心配かけるのは嫌だし……

 ……確か、前に裂にも言った気がするけど、僕は人を信じないから』

「……」

その言葉に奈津は何も言えなかった。

わかっていたことだ。薫が薫になったときから、人を信じていないことは。

だが、改めて本人から言われると苦しいものがあった。

『奈津も寝ないとダメだよ?』

「あ、あぁ……じゃぁ、おやすみ」

それ以上何かを言うことはできないまま、奈津は部屋を出て行った。

 

 

それから、どんどん時間は経ち、気づけばもう真夜中と言ってもいい頃だった。

たぶん、もうみんな寝ているだろう。

そんな中で、薫はまだ起きていた。

ずっと、和の傍に居た。

『ねぇ、僕って酷い奴だね?』

一人、和に向かって呟く。

『自分を捨てるな、か……うっ……くっそぉ……ッ…………』

薫の目には涙が浮かんでいた。

『感情は……捨てた、のに……おかしいな……』

その後も、薫は泣き続けた。

声を出来るだけ出さないように、声を殺して泣いた。

 

 

〔次の日〕

『……』

結局、薫は一睡もしなかった。

いや、出来なかった。

一晩中泣いていたわけではない。

数十分すれば涙はひき、ひどく疲労した。

だが、それでも和から目を離そうとはしなかった。

自分への責任なのか、それとも、他にすることが思いつかないほど頭が回らなかったのか。

真偽はわからないが、一晩中和のそばにいたということは事実に違いない。

『……ハァ』

小さくため息を吐き、立ち上がり部屋から出る。

さすがの薫といえど、疲弊している様子だ。

ふらふらしながらも廊下を歩いていった。

 

 

〔玄関〕

『……』

とりあえず、外の空気でも吸おうと思い、ドアに手を掛ける。

すると、そこに――

「あれ? どこか行くの?」

丁度、哉恵が入ってきた。

『……うん、ちょっと適当に歩いてくるから』

「そっか、いってらっしゃい」

『うん』

そう言い、哉恵と入れ違いに外に出る。

 

 

しばらく歩いてから

『……ふぅ』

小さく息を吐く。

相当気が滅入っていたのか、少し落ち着き、ゆっくり考えることができるようになった。

(助けられたんだな……何時ぶりだろう……人に助けられるのは……

 もっと、早く気づけば、自分で何とか出来たんだろうな。

 ……もう、どんな顔して和に会えばいいのだろうか?

 たぶん、笑えないだろうな……いつものように、笑えないだろう……)

そんなことを思って歩いていると……

〔ドンッ〕

「てっ……」

『わっ、と』

前をしっかり見ていなかったため、誰かとぶつかってしまった。

薫はとりあえず、ぶつかった人を確認する。

『お前は……』

その人は、見覚えのある顔だった。

「……あ」

ぶつかったのは紅月だった。

紅月もぶつかったのは薫と気づき、声をあげる。

『……』

薫は黙ったままその場を去ろうとする。

だが――

「ちょっと、待てよ」

『?』

振り返り紅月を見る。

「……あ、アイツ、その……どうなんだ?」

少し小さい声で、聞き取りづらい早口で言う。

『さぁ、まだ目、覚ましてないから』

「そうか……」

『……じゃぁ、僕は行くから』

そう言い、薫は歩いていく。

それ以上、紅月が薫を呼び止めることもなかった。

 

 

 

〔その頃、和は〕

「……ん」

ゆっくり目を開け、周りを見渡す。

「あ、起きたのね」

入ってきた星が気づく。

「俺……何でココに……?」

体を起こしながら言う。

「薫を……庇ったそうね」

「あ、そうか……あのまま倒れたのか……」

「えぇ……薫が家まで運んできたのよ」

「え? 薫が……そうか……それで、薫は?」

「そうとうショック受けてたわよ……」

その言葉に、少し驚く和。同時に嬉しさを覚える。

「そう、か(心配……してくれたのかな)」

「……まだ起きたばかりで落ち着かないでしょ? 落ち着いたらリビングに来なさい」

そう言い、星は出て行った。

 

 

 

『……そろそろ、目、覚ましたのかな?』

腕時計を見ながら言う。

『……まぁ、いいか(戻る気にもならないしね)』

帰ってから謝ろう。

そう思い、もう少し気を休めることにした。

 

 

 

〔その頃、家では〕

「……」

落ち着いたのか、リビングに来た和。

「落ち着いたのね」

「あぁ……」

「もう、大丈夫なのか?」

「大丈夫だ」

そう言う、和の声は少し震えているように思える。

「……そうか」

だが、そのことには触れず、そう言う奈津。

「……薫は、どこに行った?」

「え?」

和の一言でみんな首を傾げる。

そんな中――

「何か、適当に歩いてくる……って、言って出かけたよ」

「えっ……一人で?」

「うん」

「!! ……ッ」

「あっ! 和!」

和は走って出て行った。

誰も気にしていなかった。

いつもの薫が、とても強いから……強すぎるから。

だが、和だけは違った。

嫌な予感がしてとまらなかった。

 

 

 

『……』

ずっとこうしているのもダメだと思い、家に帰ろうとする薫。

そして、立ち上がった瞬間、すぐ後ろに人の気配がした。

「ちょっと、君」

『はい?』

振り向いた瞬間――

〔ガンッ!!〕

強い衝撃が、薫の頭をはしった。

 




おぉっと?最後、ちょっと殴られちゃったかな?
そして、起きたばかりなのに、飛び出した………;

あと、今回結構更新遅くなってしまいましたね、すみませんでした。


最終編集日 2017/12/22
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