悪の復讐劇   作:カオル06

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何故、雲雀は薫を裏切るようなことをしたのか?


わざと裏切る?

「え? 何?」

『どうして、急にそんな事聞いてきたの?』

「……さっきも言ったけど、悔しかったから……自分では分かったフリをしていたから」

薫の急な質問にも和ははっきりとそう答える。

薫のことをまっすぐ見つめたまま。

『そっか……分かった♪』

「あぁ……殴られたところ、大丈夫みたいだな」

そう言い、和は部屋から出て行った。

『……悔しかった、ね』

そう呟いてから、あるものを見ていた。

 

 

時間は経ち

〔コンコン〕

『はい?』

〔ガチャ〕

「ご飯……出来たわよ」

星がそう言いながら入ってくる。

『分かった。アイツは僕が呼んでくるから』

「分かった……お願いね」

薫の言うアイツが誰なのかはすぐに分かったようで、少しだけ頷き出て行った。

〔バタン〕

『さて、呼びに行くか』

そう言い、軽く腕を伸ばしてから、雲雀の部屋に向かう。

 

 

〔部屋前〕

〔コンコン〕

『雲雀恭弥……ご飯、出来たって』

〔ガチャ〕

呼ぶと、中から雲雀が出てくる。

だが、少しムスッとしている様子だ。

そんな雲雀を見て薫は少しだけ首をかしげる。

そんな薫を見て雲雀は一度ため息を吐いてから口を開く。

「フルネームで呼ぶのは、やめてって言ったでしょ?」

『そうだったかな? それはごめんなさいね』

あぁ、と納得した様子を見せた後、挑発的な返事をし、不敵な笑みを浮かべる薫。

「……咬み殺すよ」

『フッ……出来るものならね♪』

鼻で笑い、そう言う。

すっかりいつも通りの薫。

簡単にはいかない、とわかり、少し口角を上げる雲雀。

「……」

その時、雲雀は薫の右上のおでこに大きな絆創膏が張られているのに気づく。

『……何?』

薫は視線の先に気付きつつ、そう聞く。

「……別に、なんでもないよ」

『あっそ……早く行くぞ。みんなを待たせている』

そう言うと、足早に歩いていく。

雲雀はその後ろを、おとなしくついていく。

 

 

〔リビング〕

『お待たせ♪』

「……遅かったな」

真っ先にそう言ってきたのは裂だ。

怒っているわけではない。彼なりの気遣いだろう。

薫は座っている人たちを見る。

どうやら、薫たちが最後のようだった。

『何? 心配してくれたの?』

悪戯っ子のような笑みを浮かべる薫。

分かってて聞いている。

裂もそれを分かっていて、そう聞く薫に対し、少し顔を赤くする。

「ち、違ぇよ……腹が減ったから、早く来いと思っていただけで……」

『そっか、じゃぁ早く食べようか』

苦笑しながら言う。

「「「いただきます」」」

そうして、みんなでご飯を食べた。

奈津はずっと雲雀を警戒して、睨むようにみていた。

だが、雲雀は、そんなの気にしないように、普通に食していた。

一方、和は珍しく薫の隣でご飯を食べた。

わざわざ、薫と雲雀の間に入り、薫を守るように、ずっと隣に居た。

 

 

そして、ご飯を食べ終わり、みんな各自の部屋に戻った頃――

「……」

和は、雲雀の部屋の前に立っていた。

そして、覚悟を決めドアをノックする。

<誰?>

「ちょっと、邪魔する」

〔ガチャ   バタン〕

返事を聞く前に中に入る。

「何?」

「お前、わざと薫を裏切っただろ?」

「……さぁ、何のことだい?」

誤魔化すように目を閉じそう言う。

「誤魔化すなよ……なんで、そんなことした?」

「……ああでもしないと、薫は僕と本気で戦わないだろうからね」

「本気で戦う?」

首を傾げ聞き返す。

「そうだよ……彼女には、僕達を殺す事出来ないだろうしね」

「……分かった。もういい……じゃぁな」

〔バタン〕

「……ハァ」

和は小さくため息を吐き、部屋に戻った。

 

 

〔次の日〕

『……すごい、元通りだね』

朝、早速雲雀の家が直っているか見に来た薫たち。

来た頃には、完全に直っていた。

「結構、頑張ったほうだ……」

疲れ果てたような顔をしている和風。

『ご苦労様……と、いうわけで、もうこの家に住めるみたいだから』

雲雀を見てそう言う。

「そうだね」

『僕は、帰るから……いつまでも、敵と一緒に居る気にもならないしね♪』

そう言い、歩いていく薫だった。

少しは気が緩んだようにも見えたが、あくまでそれは仲間がしたことへの侘びだ。

薫は全く気を許したわけではないのだ。

 

 

〔薫たちの家〕

『……』

帰ってきてから、マッタリ本を読みながらコーヒーを飲んで過ごす薫。

「……なぁ、薫」

いつの間にか、リビングに来ていた奈津が薫に声をかける。

一度奈津のほうへ視線を向けた後、部屋を見渡す。

気付けば、いたはずの星がいない。

今、この部屋には、薫と奈津しかいない状態になっていた。

『どうしたの?』

「今回は何も無かったから良いとして……敵を家に泊めるなんて、危険すぎるかなって……」

元々、自分に責任があるため、強くは言えない様子の奈津。

『何も無かったから良いんじゃない?』

「でも!」

思わず声を上げ言う。

そして、すぐにしまった、というような表情をして頬をかるくかく奈津。

「あ…………でも……やっぱり心配で……」

ソファーに座りながら言う。

すると、薫は本を閉じてから――

『……うん……ありがとう、心配してくれて』

「え……えっと……うん?」

いつもと違い、素直に言われて、少し戸惑う奈津。

同時に静かに微笑む薫をみて、茜を感じた。

やはり、同じなのだと改めて思う。

全てが変わったわけではない、そのことに少しだけ嬉しく感じる。

『ふふっ……じゃぁ、僕は部屋に戻るから』

薫自身、自分の言動がおかしかったのか、少し笑い、部屋に戻る。

 

 

〔薫の部屋〕

『……さて、そろそろアレの準備をしていかないとね♪』

そう呟き、なにやら作業を始める。

 

 

『文章はこんな感じでいいよね』

アヤシク笑いながら言う。

〔コンコン  ガチャ〕

「邪魔する」

薫が返事をする前に、入ってくる龍。

そんな龍に薫は苦笑する。

『返事してないけどね……で、どうしたの?』

返事をしていないまま入ってくるのはいつものことなので、特に気にした様子を見せない薫。

数秒置いてから、龍に用事をきく。

龍は滅多に自分から誰かに声をかけたりしない、無口な男だ。

そんな龍がわざわざ部屋にくるときは、必ず何かあったときだと今までのことから確信していた。

「……任務報告書」

例に漏れず、龍はそう言うと、薫の前に、報告書を差し出した。

 




なんだかんだいって、みんなのボスは薫ですねー
和は薫を守りまくりですねー。雲雀と薫の間に入ってまで…w
あと和風君すごいね。一日で完全に直しちゃったよw
ついでに、雲雀帰った後、結構ほのぼのしてたなぁ………


最終編集日 2017/12/29
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