〔ドサッ〕
誰かが倒れる。
だが、それは、ツナたちボンゴレでも、ヴァリアーでも、和でも無かった。
その場に倒れたのは、薫だった。
「……え?」
目の前で、ついさっきまで自分に銃口を向けていた人物が倒れていった。
その事実を上手く受け止めきれない和。
皆も状況の把握がしきれていないのか、誰も動けずにいる。
「か……おる? ……薫!!」
ようやく動いた和の大きな声で、みんないっせいに薫に近寄る。
薫はビクともしない。
「どういうことだ……何で薫が……」
ツナは混乱しているようで、青い顔をしている。
和は必死に薫を呼び続けている。
「落ち着け、とりあえず、手当てしねぇと」
そう和に声をかける獄寺。
彼は意外にも冷静だった。
あの時、そこにいたのは薫だった。だが、彼はそこに茜を見たのだ。
茜ならきっと――
そう思った矢先の出来事だったのだ。
それもあって、誰よりも早く、立ち直ったのだった。
獄寺の声にハッとする和。
「そうだ……電話……聖菜に電話しないと!」
そう言い、携帯を取り出し、急いで電話を掛ける。
<プルルル プルルル プルr――はい>
「聖菜!!」
<どうかしましたか?>
「説明は、後だ!! とりあえず、手当ての準備をしておいてくれ! すぐに行く!!」
それだけ言うと、電話を切り、薫を抱える。
皆も後ろについていく。
〔診察室〕
「聖菜!!」
ドアを荒々しく開けながら叫ぶ。
「お待ちしていました……どうぞ、こちらに」
そう言われると、薫をそこに下ろす。
「薫さん? ……とりあえず、この部屋から出てください」
なぜ薫が? という疑問を口にしようとした聖菜だったが、和の表情を見てやめた。
一刻を争うような焦りの表情を見せている和。
聖菜はそれに答えようと、すぐに出ていくように指示をした。
「頼んだ」
そう言い、言われたとおり、部屋から出る。
「薫は!?」
「……まだ、分からない」
そう言いながら、前にある椅子に座る。
「……さっきの一瞬で……何があったんだ」
「薫は……自分で、自分を撃ったんだ……あの銃声はその音だ」
「何で、自分で撃つんだぁ!!」
「そんな事、分からない!(どういうことだ……いや、ちょっと待てよ……)」
――消える。
「……まさか」
「何か分かったの?」
「薫は……最初から自分が死のうとしてたのかも……」
「どういうこと?」
「薫、言ってた……『僕の目から消える』って……最後も『消えて』だった」
「確かに、言ってたけど……」
首を傾げながら言う。
「目から消えるってさ……自分が死んでもみんなを見なくなるから……だから……」
「!!」
その時、ツナはある事に気づいた。
目から消えるとは、言っていたけど、本気の殺すは一度も聞いたこと無かったのだ。
本当にツナたちを倒そうとか、したこと無かったのだ。
剣を振るう事はあっても、本気で殺されると感じたことはなかったのだ。
少しの間、沈黙が流れる。
「って、ことは、薫さんは気づいてほしかったんですねー」
唯一、全ての状況を把握しきっていないフランが言った。
それを聞きベルが頷く。
「そうだな……ボス、どうすんだ?」
「俺が、アイツが起きるまで傍に居てやる……いいよな?」
和を見ながらそう言うXANXUS。
「……あぁ、そのほうが、薫も喜ぶだろうし……一番、気づいてほしい人なんだろうな」
和の言葉にXANXUSは何も言わなかった。
「じゃぁ、俺らもしばらく日本に居るぞぉ!!」
「それで、コイツはどうするんだよ」
声を低くし、桃を見ながらそう言うツナ。
桃は震え上がっている。
「ソイツは……薫に決めてもらう(生きていたなら……な)」
心の中で、静かにそう思う和だった。
しばらくして
〔ガチャ〕
手当てが終わったのか、部屋から聖菜が出てくる。
「薫は……」
不安そうな表情で聖菜に近づく和。
聖菜は一度ため息を吐き、眉をひそめたまま口を開く。
「まぁ、何とか生存は可能ですが……いつ、目を覚ますかは分かりません。
それに、目を覚ましても、意思を持っているか……」
「そっか……」
安堵と不安の息を吐く。
「……それから」
和の傍で、小さな声で言う。
「薫さん……結構本気で死のうとしていたみたいです」
「何で、そんなことが?」
「……薫さんのことですから、どこを撃ったらすぐに意識を失い、
楽に死ねるか知っていたんでしょう……」
少し、深刻そうな顔をしながら言う。
「知っていた……だから、全然動かなかったのか……」
「おそらくは……」
「ん? でも、薫は助かったんだろ? 何で?」
「はい……それは、これが、少しはガードになったんでしょう」
そう言うと、ポケットから、ネックレスを出す。
「ネックレス……これ、つけてたのか?」
「はい……それのおかげで、何とか……深くまでは銃弾が入り込まなかったようです。
それでも重傷には変わりありませんでしたが……ですが、これがなければ、とっくに……」
「……(薫……こんなネックレス、持ってたか?)」
そう思い、しばらくそのネックレスを見ていると――
「おい」
後ろから、和を呼ぶXANXUS。
「?」
「そのネックレス……ちょっと、見せろ」
「これか?」
そう言い、それを渡す。
「……」
「何か、知ってるのか?」
「……あぁ」
「?」
様子が変なXANXUSを不思議そうに見ていた。
「あ、中に入っても良いですから……では」
そう言い、聖菜は歩いていく。
相当気を張ったのだろう。
少しフラフラ歩いていく。部屋に戻り休むのだろう。
「……」
無言で、部屋の中に入るXANXUS。
『……』
目を覚ます気配はないが、呼吸は安定している薫が眠っている。
それを見て安堵の息を漏らす。
「グッスリ眠ってるし♪」
横から、ヒョイとベルが薫を見る。
ベルも安心したような表情をしている。
「ところでー、しばらく日本に居るって言いましたけどー」
そんな中、フランが些細な疑問を感じる。
「ミーたち、どこに泊まる気ですかー?」
「確かに……どーすんだよ、ボス」
ベルの質問にXANXUSも考えているのだろうか。
何も言わずに黙っている。
「だったら、しばらくココに泊まれよ」
悩んでいるヴァリアーをみて、和が呟いた。
そうだよ。自分で撃ったんだよ。え?うん。よくあるパターンだよ?悪い?
っと、まぁ……大丈夫。私死ネタ嫌いだから!!あ、これネタバレ?w
それで、ネックレスは…あれですよ。前々からずっと書いてきた…思い出の品?w
書いてて思った……和とツナたち一気に仲良くなりすぎだろ!!と………
そして、なんでネックレスあるの知ってるはずなのに、そこへ撃つ?と………w
最終編集日 2018/01/10