悪の復讐劇   作:カオル06

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題名……関係ないかも?


犠牲者

「え……いいのかよ?」

和の言葉に少し驚いたような声をあげるベル。

そんなベルに和はひとつため息を吐いてから口を開く。

「俺は別に構わない。薫もたぶん、そうするだろうし……」

「ありがとうございますー」

「……とりあえず、部屋に案内する」

そう言うと、部屋から出る。

その後ろに、ヴァリアーがついてくる。

だが、XANXUSだけは、その場から動こうとしない。

「ボス? どうしたんだよ?」

「……俺は、この部屋で良い」

「何、言ってるんだ? ココは病室だぞ?」

和が少し眉をひそめながらそう言う。

「気にしねぇ」

そう言うXANXUSは椅子から立ち上がる様子を一向に見せない。

それを見てさらに何か言おうと和は口を開くが、スクアーロが和の肩に手を置く。

「ああなれば、何を言っても無駄だぜぇ」

珍しく、スクアーロが小さい声――と、言っても他のものからすれば大きい声だが――で言う。

スクアーロにそう止められ、和は諦めたように一つため息を吐く。

「……仕方ないな……他のやつの部屋に案内する。お前らは今日はもう帰れ」

和はツナたちのほうを見てそう言い、ヴァリアー(XANXUS以外)を後ろに歩いていく。

 

「言われた通り、俺らはもう帰ろうか」

その場に残されたツナたち。

ツナがそう言ったのに対し、獄寺が反応する。

「……そうですね」

ツナたちも薫のことが気にならないわけではない。

だが、気を利かせているのだろう。

XANXUSに対して。

この場に残るのは彼だけで良いと思って。

茜であるとき、最も近しい人物だったから。

「あ……ツ……ツナ」

山本が、少し気まずそうにツナを呼ぶ。

その声にツナは振り返り、小さく頷く。

「そうだね……山本は正しかったのに……ごめん」

「わ、悪かったな」

「ハハッ、別にいいのな!」

ツナたちの言葉を聞いて、安心したように笑いながらそう言う山本。

「ありがとう! まぁ、帰ろうか。色々話したいこともあるし」

そういい、ツナたちは帰っていく。

そのため、部屋には薫とXANXUSの二人になる。

「……」

『……』

目を覚ます気配は全く無い。

黙ったまま、さっき和から受け取ったネックレス見る。

「……カスが(捨てたんじゃなかったのか)」

そんなことを思いながら、呟く。

怒っている雰囲気ではない。

それどころか、そう呟いた声はどこか、嬉しそうだった。

 

 

「とりあえず、一通りは終わったな……」

案内し終え、病室に戻ろうとする和。

その足を一歩動かしたところで――

「ただいまー!」

玄関から、誰かの声がした。

「……任務から帰ってきたのか」

そう呟き、玄関に向かう。

 

 

〔玄関〕

和が玄関に着くと、そこには哉恵が居た。

「あ、ただいま」

「おかえり」

「しかし、和がわざわざ来るなんて、珍しいね! 何かあった?」

「……それは、みんな帰ってきてから話す」

少し考えた様子を見せたあとにそう言う和。

一気に全員に話したほうが当然早いと思ったのだろう。

それに、和自身、時間が欲しかった。

何かとバタバタしていたのがやっと終わったのだ。

ファミリーの人に話す前に整理しておきたいと思ったのだ。

薫が治療されている間、時間があったとはいえ、その時は考える余裕なんてなかった。

助かるかどうか分からない。そんな状況の中、物事を整理するのは難しかったのだ。

ツナたちの前では、なんとか状況を説明してみせたが、内心混乱していた。

なので、落ち着いて話せるようにしておこうと思ったのだ。

「あぁ、そう?」

不思議そうな顔をしてそう言う哉恵。

深く突っ込んでこなかったのは、何かを察したからなのかどうかはわからない。

「……みんながリビングに集まったら連絡して」

そう言い、歩いていく。

「……変なの」

そう呟く哉恵だった。

 

 

 

 

哉恵と和が話した数時間後、ガルムーンのみんなはリビングに集まっていた。

「……じゃぁ、今日遭った事を話す」

そう言い、和は全てを話していった。

薫が自分で撃ったことも、ヴァリアーがしばらく、泊まることも。

薫の様子はXANXUSが見ているということ。

ボンゴレの人たちも、真実を知った事。

全てを話した。

 

「何で、真実を知っているとはいえ、元々敵だった奴らを……」

まだ信用しきれない様子の裂がそう言う。

その言葉に奈津が頷き、口を開く。

「そうだよ……もし、何か企んでいたら……」

「それだったら、薫が死にかけていた時、何もしないだろ?」

「……でも、本当に大丈夫なのか?」

やはり、その場を見てないみんなにとってはあまり信用できないことであった。

だが、はっきりと大丈夫だ、と言い切る和。

「すごい、自信ね」

そんな和の様子に首をかしげる星。

今まで敵として接してきた人達のことを、今日だけで和が信じているのだ。

不思議に思って当然だ。

「俺は、アイツらのことを信じるから……」

和自身、どうしてここまで言い切れるのかは謎だった。

しかし、彼らには信じるに値する薫への思いがあると、どうしてか分かってしまった。

和も少しだけ複雑な気持ちだったが、今争っている場合ではないのだから納得するほかない。

「……今の言葉、ボスが聞いたらなんて言うか」

珍しく龍が発言する。

今まで人を信じずにいた薫の意見を反対するような和の意見。

それに対して、右腕としての価値を龍は見たのだ。

龍の中ではボスは絶対。つまり、薫は自分の全てなのだ。

どんな無茶でも薫の命令なら従う。

茜というボスと薫というボス。

同じ人物でありながら、周りに対する姿勢が全く異なっていても、やはりボスであることにかわりはない。

龍は茜ではなく、今は薫を見ているのだ。

その薫が人を信じないと言うのだ。

それならば自分もそれに従うのみ。

なのに和は反対のことを言う。

それは龍から見れば薫への、ボスへの反発と同じだった。

だから、龍は和に対しわずかに怒気を含んだ。

「それは……良いんだよ……きっと、薫は俺の事……」

目を伏せながら呟くようにそう言う和。

“守る権利”を失ったことを思っているのだ。

薫自身に言われたのだ。本心かどうかは謎だが。

龍はそんな和に少しだけ違和感を覚えた。

和から感じ取る悲しみ。

それを感じた龍は怒りをおさめる。

自分の見ていないときに起こった出来事を聞いたとはいえ、見ていない。

なにしろ、薫から命令されたわけではないのだから、これ以上は何も言えないからだ。

「分かんないよ? 起きたら、案外気にしてなかったりするんじゃない?」

少し沈んだ空気を明るくするような声で哉恵がいう。

「薫はそんなに、単純じゃないだろ?」

「そうかな……」

何か言いたげにそう呟く哉恵。

「何か心当たりがあるの?」

「薫はただ気づいてほしかったんだよね?

 ……やっぱり、同一人物だもん……その時の薫は、茜みたい。

 誰も傷つけないために、自分が犠牲になるなんて……」

「そうだな……昔と同じだ……」

悔しそうな顔をしながら言う和。

守れなかったあの日を思い浮かべる。

「和、無理して思い出さなくていいわ」

「あぁ……」

星に言われ、少し落ち着く。

「……今回はここまでにしましょう。ご飯とかもあるしね」

「そうだな」

その言葉で、みんなそれぞれ行動を始めた。

 

 

 

〔和の部屋〕

「……(犠牲……か)」

茜も同じだった。

自分ひとりがすべてを背負うことで、解決しようとしたのだ。

ファミリーの誰にも相談せず、傷は任務だなんだと適当に誤魔化していた。

多少は茜に疑問をもったものだが、誰も深くは詮索しようとはしなかった。

きっと、聞いても何も答えなかっただろう。

いつものように笑うだけだっただろう。

〔コンコン〕

突然聞こえたノックの音に和の思考は遮られた。

「どうぞ」

和が声をかけるとドアが開く。

入ってきた彼はすぐにドアを閉めた。

そこには、和風が居た。

「珍しいな……どうしたんだ?」

「いや、さっきの話……気にしてるんじゃないかな……と、思って」

「……大丈夫だ……まぁ、少しはアレだけどな」

「和さ……何か、後悔してない?」

「え?」

驚いたような顔をする和。

どうしたわかった。そう言いたげな表情をする。

「やっぱり……で、何をそんなに?」

「たいした事じゃないけど……」

「いいから言ってみろよ」

微笑みながらそう言う。

その微笑みに少しだけ安心したように和は口を開く。

「……良かったのかな、薫を助けて」

 




……あ、桃放置してた…………どう説明つけようかなぁ…?
うーん……ツナたちが、一緒につれて帰ったってことにしよう!!
で、ファミリーとの会話に和風君が居なかったことに気付き、急遽いれたwww
聖菜さんは、もう事情は把握済みなので…ね………
あと龍のボスに対する執着心の強さね。
どっかで過去編書かないとだめなやつだ、これ。
よーし、番外編書くぞー


最終編集日 2018/01/28
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