悪の復讐劇   作:カオル06

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もうネタもないし……そろそろ、宣言どおり恋愛小説いきましょうかねー?


名前変更

『?』

何かが手に当たったのを感じ、何かと手のあるほうを見る。

そこには、薫の手の上に、XANXUSの手があった。

薫は、XANXUSを見る。

XANXUSは、後ろを向いていて、表情はあまり読み取れない。

だが、握られた手は、離さずに居る。

薫は少し笑い、そのままでいた。

 

 

「…おい」

しばらくすると、XANXUSが口を開く。

『ん?』

「もう、復讐はしないのか?」

『…うん……私の復讐は終わったから』

一瞬、驚いたような顔をしたが、すぐに答える。

その声に嘘はなかった。

「そうか………」

安心したような声でそう言う。

『…何で?』

「まだ、そんなこと考えてるんだったら…俺が止めてやろうと思ってな」

『…そう……大丈夫、もうあんな事、考えないから』

「だったら、いい……じゃぁ、名前、戻して良いな?」

『え?』

XANXUSを見ながら、驚いたように言う薫。

「ダメなのか?」

『…今更…戻しても……』

不安そうな顔をする。

考えているような仕草をとる。

「…大丈夫だ」

薫のほうを向き言う。

『………』

「俺が一緒に居てやる」

『…うん……ありがと』

嬉しそうに微笑みそう言った。

 

 

 

〔家の中〕

「あ、おかえり」

ドアを開けると、ちょうど任務にいくところの奈津に会う。

『ただいま……あのさ、今、ちょっと時間…良いかな?』

「ん?うん……ココで良ければ」

腕時計を見てそう言う奈津。

その声色から焦りはないと薫はとらえる。

確か奈津に頼んだ任務内容がそこまで難易度の高いものではなかったことも薫は思い出す。

多少時間がずれても問題はない任務だ。

少しだけ時間に余裕ができ、薫は安心する。

薫は一度お礼を言い、険しそうな表情をしながら口を開く。

『うん……あのさ…これからは、私のこと……あの………』

だが、続きが言えず、口籠る。

「?」

そんな薫を不思議そうに見るものの、せかそうとはせず、ただ待つ奈津。

その奈津の様子を見て、一度薫は肩の力を抜く。

『その……』

言葉が出ない。

いざ言おうとすると、やはり不安が脳裏をよぎる。

元々わがままで薫と言い始めたものだ。それを今更戻し、拒絶などされたら…

そう考えると、どうしても次の一言が出なくなる。

そんな様子を見て、中々続きを言えない薫の手をそっと握るXANXUS。

手が触れた瞬間、微かに薫が反応を示した。

そして意を決したような表情で、口を開く。

『!……これからは私のこと、茜って呼んで!!』

「えっ?……茜…って、元の名前…?」

黙ったまま頷く薫。

どことなく自信なさげな表情をして俯く薫。

そんな薫を見て奈津は薫の後ろにいるXANXUSに一度目を向ける。

XANXUSは静かに頷く。

今も昔も、薫を突き動かすのはこいつなのかと、奈津は小さくため息を吐く。

そして、薫の頭を撫でるように手を置く。

薫は少しだけ驚いたように顔を上げる。

「うん、分かった……じゃぁ、茜…行ってきます」

そこには、笑顔でそう言う奈津がいた。

その表情と言葉を聞いて茜も笑顔になる。

『うん……いってらっしゃい』

茜の言葉を聞き、奈津はもう一度微笑んでから任務へ向かった。

 

『…やっ…た…?』

「あぁ」

『…あ、ありがとうっ』

XANXUSに抱きつきながら言う。

「………」

一瞬、驚いたような表情をするXANXUS。

だが、そのままXANXUSも茜のことを抱きしめる。

『あ…ごめん…つい……』

そう言い、少し顔を赤くして離れようとする。が――

「…気にするんじゃねぇ」

そう言い、XANXUSは離そうとしない。

それに対し茜も少し安心したように体を預ける。

『…うん……嬉しいよぉ……分かってくれた…良かった…安心した』

「…まだ全員に言ってねぇ…安心するのは早い」

『…うん、そうだね』

そう言うと、静かに離れる。

「…次、行くぞ」

『うん』

 

 

 

〔コンコン  ガチャ〕

『星姉…哉恵姉……ちょっといいかな?』

星の部屋に行くと、ちょうど二人居た。

「どうしたの?/どうした?」

二人、同時にそう聞いてくる。

『あの……これからは、私のこと…茜って呼んでほしい』

さきほどの奈津とのことで緊張がほぐれたのか、今度はすぐに言葉が出た。

XANXUSはドアの横で、二人には見えない位置に居る。

「茜?…いいよ……ね?」

「えぇ」

『ありがとう……話はそれだけだから!』

そう言い出て行く茜。

「…急にどうしたんだろ?」

「あの子はあの子なりに、頑張っているんでしょう…一歩ずつ踏み出してる」

「…そうだね……頑張ってるんだ」

今の茜を止めるべきではない。目的を見失わせるわけにはいかない。

そう考えた二人はすんなりと名前を戻すことを受け入れたのだ。

部屋にいる二人は嬉しそうに微笑んだ。

 

 

 

『よかったぁ…哉恵姉に何て言われるか心配だったけど…』

「………」

『…XANXUS?さっきから黙ってるけど…どうかしたの?』

XANXUSの顔を覗き込みながら言う。

「…なんでもねぇ」

『そっか……それならいいけど…?あ、着いたよ』

そう言い立ち止まったのは龍の部屋の前。

〔コンコン〕

『…龍…入るよ』

〔ガチャ〕

『今、時間ある?話したい事があるんだけど…すぐに済むことだけど………』

「…あぁ」

『これからは、私のこと、茜って呼んで…ほしい』

「………」

黙ったまま茜を見ている龍。

『…ダメ…かな?』

龍からすると愚問だった。

ボスである命令は絶対だ。

反論する必要はない。

「…別に」

『本当?ありがとう!』

そう言い部屋を出る。

「…良いのか?」

『うん…龍は元からあまり喋らないから…あれは、OKってことだよ』

苦笑いで言う。

「そうか…」

『……さて!次、行こうか』

 

 

 

〔聖菜の部屋〕

『…お願い、これからは茜って呼んで』

「…茜さん…ですか?」

『うん』

「分かりました…よろしくお願いしますね…茜さん」

少しだけ不思議そうな表情をした聖菜だったが、茜の表情を見て、微笑みながら言う。

『こちらこそ!』

 

『…えーっと、次は…和風(わふう)君のところだね』

そう言い歩き出す。

 

 

 

〔和風の部屋〕

和風(わふう)君?入るよー?」

<え?ちょ、ちょっと待って!今はダメ!あと、和風って言うな!!>

『?…まぁ、いいや入るよー』

〔ガチャ〕

「あっ……」

『……ごめん、部屋間違えたかな……君、和風(わふう)君だよね?』

そこで見た光景は、和風が動物とたわむれているところだった。

いつも動物好きなことを隠している和風のそんな姿を見るのは初めてのことだ。

「…だから入るなって言ったのに………」

涙目の和風。

『…いやぁ…ごめん、ごめん…まさか、こんな事になってるとは』

「……お、お前がたくさん連れてくるから…だろ…?」

『あ…うん……そうだね…でも、結構楽しそうだったよ…?』

「……で、用事はなんだ?!」

強引に話題を変える。

『あぁ…うん……今度からは、茜って呼んでね?』

「…え?」

『…だから、茜って……』

「…うん、分かった……茜だな」

和風もまたすんなりと受け入れた。

今持つ雰囲気は薫のものではない。茜のものだ。

その彼女が茜と呼んでほしいと言っているのだ。

それは自然なことだった。

今の状態を薫と呼ぶのはあまりにも相応しくない。

彼女は、茜だから。

『うん、ありがとうね!和風(なごみかぜ)♪』

笑顔でそう言い、部屋を出る。

「あ……今、ちゃんと名前……」

そう呟き、和風も笑っていた。

 

『…あと、一人』

「…一人?」

『今のところは、ね……和は学校だし……じゃぁ、行こうか!』

はりきるように声を出して歩き出す。

 

 

 

〔裂の部屋前〕

『………』

「大丈夫だ」

部屋の前から動こうとしない薫にそう声をかける。

『…うん…………裂、入るよ?』

ドアをノックしながら言う。

<薫?どうぞ>

〔ガチャ〕

『………』

「よぉ…どうした?」

机に向かっていた裂が椅子に座ったまま薫のほうを見る。

『…あのさ……少し、お願いがあるんだ』

「……何?……用件によって返事は変わるけど……」

何かを察したのか、そう後に付け加える。

『…えっと……』

いつもと違い、真剣な表情の裂を見て、思わず俯く。

「…戸惑ってる…って、ことは、大事な用件なんだな」

ため息交じりにそう言う。

「…大事な事なら、しっかり俺の目を見て言って…?」

『うん……あのね、これからは、私のこと…茜って呼んでほしい』

「…それだけ?」

『うん……それだけだけど………って、裂?』

言い終えた後、すぐに俯いていたので、いつの間にか裂は目の前に立っていた。

「…本気かよ?」

裂は少し険しい表情をしてそう言った。

 

 




みんなこんな大事なことあっさりOKするんだねwww
まぁ、最後の裂はちょっとあれっぽかったけど…?
作者的には和風君と薫……茜?のやりとりが好きです。
たぶん茜は和風を見た瞬間、戸惑いながら思い切り目を逸らしたと思いますw
目を逸らしながらの会話w
名前変更したので、今度から文の表記も茜に変わります。
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