『…え?』
XANXUSの言葉に驚く茜。
「………」
『随分…急…だね……(そうだった……みんなはイタリアの人たち……)』
同時に、住んでる場所が全く違うことを思い出す。
目覚めてから一緒だったため、帰ることを考えていなかった。
「……あぁ」
『そっか……まぁ、仕方ないよね……いつかは、帰らないといけないんだし………』
悲しそうな顔を見られないために、俯きながらそう言う。
「………」
XANXUSは黙ったまま、茜を抱きしめる。
『XAN…XUS…?』
「…別れるんじゃねぇ…安心しろ」
『うん、そうだね』
少しだけ安心したように微笑む茜。
「………」
茜がそう言うと、茜から離れる。
離れた際、少しさみしそうな表情をする茜。
一度整理するために目をつぶり、すぐに開ける。
XANXUSのほうをしっかりと見ながら口を開く。
『…朝って…何時くらい?』
「3時だ」
『…早いね』
「……あぁ」
数秒互いの間に沈黙が流れる。
茜と同じようにXANXUSのまた離れるのは寂しく思っている。
決して表には出さないが、それは茜と同じなことに変わりはない。
できることなら、このまま茜も一緒に連れて帰りたいと思うほど、その思いは強かった。
もっともそんな提案をすれば、ここのファミリーのことも心配で即答できず、困ることはわかっていたのでそんなことは言わないが。
『じゃぁ、明日…頑張って起きるよ!』
茜は強がるように明るい声でそう言う。
「…あぁ」
そう言い、XANXUSは部屋から出て行った。
茜の強がりには気づかないふりをした。
その後、茜は静かに誰にもばれないように、声を殺して泣いていた。
〔コンコン〕
しばらくして、茜の部屋のドアから、ノック音が聞こえる。
『……はい』
〔ガチャ〕
入ってきたのは奈津。
『どうした?』
「昼ご飯、できたみたい」
『あ、もうそんな時間か……』
時計と窓の外を見ながら言う。
「うん」
『分かった……行こうか』
そう言い、奈津と一緒にリビングに向かう。
赤くなった目は冷やしたから大丈夫だと思いながら。
〔リビング〕
『あ、もうみんな集まってたんだ…』
「えぇ」
『待たせちゃったね』
苦笑しながらそう言い椅子に座る。
「まぁ、みんな揃ったし食べるか!」
「「「いただきます」」」
みんないつものように、賑やかに食べていく。
そんな中――
『………』
茜だけは、静かに食べている。
しかし、その量はあまり減っていない。
時折、なにか考え込むように箸が止まるからだ。
「どうした?」
隣で座っているXANXUSが、そんな茜をみて静かに聞く。
『ん?ごめん、何?』
数秒してようやく茜が反応する。
声が聞こえてではない、視線を感じ、そう聞いたのだ。
「……いや」
『そっか、それなら良いけど』
そう言い、微笑むと、また少しずつ静かに食べ進める。
「………」
黙ったまま、少し茜を見ながら、食べ進める。
「…茜?」
『ん?何?』
今度は、茜の様子を気にした和が話しかけてくる。
「いや…さっきから、あまり食べてないみたいだけど……大丈夫か?」
『そ、そうかな?……あんまり、食欲無くて……』
「…無理するなよ?」
『うん…ありがと……ごめん、コレ残す…』
そう言い、立ち上がり、リビングから出て行く。
〔庭〕
『……ハァ』
しばらく歩いてから、大きなため息を吐く。
すると――
「ひーめ♪」
そう言い、茜に後ろから抱きつく。
『わっ!?……ベル?』
「……どうかした?昼…ちょっとしか、食べてねぇじゃん♪」
茜が気配に気づかなかったことに少し疑問を覚えるベルだが、誤魔化すようにそう聞く。
『…ただ単に食欲が無かっただけだよ……』
「それならいいけどな」
『ところで、そろそろ離してくれない?』
「あぁ」
そう言い、離れる。
『…そういえば、明日帰るんだって?』
「えっ……姫、知ってたの?」
『うん……あ、もしかして黙ったまま帰ろうとでもしてた?』
「うししっ♪当たり♪」
笑いながらそう言う。
それと同時にベルは理解した。
『まったく……ひどいね』
「それで落ち込んでるんだ」
『え!?』
言い当てられ、思わず驚いたような声を出す。
茜からすれば、隠しているつもりだったのだ。
周りから見れば元気がないのは一目瞭然だったのだが、それに気づかないほど茜の気持ちは沈んでいた。
「うししっ」
ベルは笑ったまま。
『…ふぅ……そうかもね』
諦めたように、そう言う。
『ベルたちは、寂しくないの?』
「あぁ……だって、一生の別れじゃないし♪」
『……うん、そうだね……何か、ありがとね…元気出てきたよ!』
笑顔でそう言う茜。
まだ本調子ではないものの、別れるわけではないとXANXUSからも言われた言葉を思い出す。
「どういたしまして。王子、やっさしー♪」
『…じゃぁ、私は部屋に戻るから』
苦笑いでそう言い、戻っていった。
もう、外は暗くなってきた頃…
〔コンコン〕
『はい』
〔ガチャ〕
そこには、和が居た。
「ご飯だって」
『あ…ごめん、食欲無いから……』
少し微笑みながら言う。
「え?昼も、ちゃんと食べてないだろ?」
『んー…でも、今日は要らない……ごめんね』
「そっか…」
和も茜が元気がないことはわかっていたので、無理に聞かず、そのまま部屋から出て行った。
『………ハァ』
ため息を吐きながら、ベッドに倒れ込む。
しばらくそのままでいると、いつの間にか眠ってしまっていた。
〔コンコン〕
ドアがノックされる。
だが、茜は眠ったまま、起きない。
〔ガチャ〕
しばらくしても返事が無いので、中に入る。
そこには、裂が居た。
「茜…?」
ゆっくりと、中に入ってきて、茜に近づく。
『………』
「寝てる……のか…」
そう確かめ、安堵の息を漏らす。
(いや……でも、寝ている奴の部屋の中に入って良いものなのか…?)
心の中でそんな事を思う。
そして、周りを見渡し、ドアを閉めたのも目で確かめる。
「………ッ」
確かめると、目の前で寝ている茜を見て、思わず顔を赤くする。
声が出ないように、手で口を軽く押さえる。
「………(ずっと、ここに居るわけにもいかないな……)」
そう思い、ソッと部屋から出て行った。
〔次の日〕
『………?』
ソッと目を開ける。
外はまだ暗い。
『やばっ!寝過ごした!?』
そう言い、急いで起き上がり時計を見る。
時計は、『2:30』と示されている。
『大丈夫……あと、30分ある……』
そう言い、少し落ち着く。
そして、なるべく音をたてないように、準備を済ませる。
準備が終った頃には、時間は『2:48』と示されている。
『やばっ……もう、こんな時間?!急いで行かないと……!!』
そう言い、部屋を出て、家を出る。
「…姫、まだ来ねぇの?」
空港ではヴァリアーが茜を待っていた。
「そういえば、来ませんねー」
「う゛ぉ゛ぉ゛ぉい!!もう、行くぞぉ!!」
「………」
「ちょっと、待てよ」
「そうですよー、少しは空気読んでくださいー…アホのロンゲ隊長」
XANXUSが何も言わない代わりに、二人が止める。
「…早くしろぉぉ!!」
スクアーロも事情を察してかそう言い、先に歩いていく。
その間にも茜はまだ来ない。
時間は『2:53』
これ以上待って来ても、きちんと話し合う時間はないだろう。
「どうすんだよ?ボス」
「……行くぞ」
そう言い、歩き出す。
すると――
「XANXUS!!」
少し、遠くから声がする。
茜は動揺を隠せないタイプ…っと。
あぁ、失敬。メモしてる場合ではありませんでしたね。(メモしても何も意味無いw)
とくに書くこともないきがするし………最後の声はもちろん…ですね。