悪の復讐劇   作:カオル06

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真実に気付いた時には、もう遅い。
もう、昔のカノジョではないのだから………


今更、怖がる事はない

「え?」

薫の言葉を思わず聞き返す京子。

『そんなの、どうでもいいさ……何? 真実? バカじゃないの?』

冷たい目で淡々と言い放つ。

「茜、ちゃん?」

『何度言わせるの。僕は、薫って、言ったはずだけど?

 ……それに、いまさら、真実を知っていても、意味無いよ?

 僕は壊れた後だしね……もっと早く、気づいていれば、なんとかなったかもね

 ……でも、そんなの、今更だよ…………茜は、もう居ないんだから』

「あ……ごめん」

『謝られてもなぁ……僕は、和たちが……僕の本当の仲間が居ればいい。他はいらない。

 だから無駄だよ? 早く、帰れば? 早くしないと……殺すよ?』

「……」

微かに殺気を放った薫に、京子は怯えたような表情になる。

そして、京子は何も言わないまま、走って、出て行った。

『あらら……泣いちゃったかな?』

「……でも、味方だろ?」

『味方? ……ハハ、アホらし……そんなもの、必要ない。

 それに彼女は戦力にならない。いても無意味だ。邪魔はいらない』

少し、歯を食いしばり、片手で、目元を抑えながらそう言う。

その姿は悔やんでいるような……ごめんなさい、と謝っているようにも見えた。

そんな薫の頭を撫でながらも、〝味方は必要ない〟その言葉に、反応する和。

『あ、和は居てよね……さっきも言ったけど、和たちが居るから、必要ない。他の奴なんて、信じられないしね』

そんな和を見て、少し笑ってから、そう言う。

「……そっか」

薫がそう言うと、和は安心したように笑った。

会話が、ちょうど終わった後――

〔ガチャ〕

『お客さんが多いなぁ……』

ダルそうに言う。

「やぁ、いくら待っても、来ないから、来てみたら……」

『今度は、お前か』

そう言う薫は、既にいつもの笑顔を貼り付けている。

 

「……また、姫野がやったの?」

『あぁ……当たり』

雲雀の口から出た言葉に、少しだけ驚く薫。

だが、すぐにいつものように、少し笑って返す。

「僕は、アイツが嫌いでね……風紀を乱しすぎだよ」

『……その言い方だと、お前も真実、知っているんだ』

「まぁね」

『どうだった? 人が死んだ後に真実が分かるって』

一瞬にして笑顔が消えた薫はそう問う。

京子の時と同じように、本心を覗くような冷たい目で雲雀をみる。

薫の青色の瞳は、静かに雲雀をうつしている。

「……」

『その、嫌いな奴を、ずっと、お前は守っていたんだよ?』

「……」

雲雀は何も言えないまま、黙っている。

『……ずっと黙っているって、ことは……自分のバカさが、分かったの?』

「……僕は、今度は君を守るよ」

『群れるの嫌いな、雲雀恭弥が?』

「……」

『ハァ……そんなもの、必要ないから。生憎、私も大勢での行動は嫌いでね』

つい先ほどまでの表情が嘘かのように、いつものように笑いながらそう言う。

『あ、ついでだから聞いとくよ』

「?」

『なんで、真実を知ってるくせに、沢田綱吉たちは、アイツに?』

「……彼らは、真実を知らないからね」

『ふぅ~ん……それだけだから、では……』

薫が、それを聞いたのは、本当に理由が知りたかったわけではない。

ただ、全員真実を知っているのかどうかを確かめたかっただけだ。

雲雀によって、彼らは真実を知らないことがわかった薫は、それ以上何も聞かなかった。

そう言い、雲雀の横を通り過ぎ、帰る。

和も、後ろに付いていく。

「!?」

薫は、雲雀の真横を通る時、ある言葉を残して――

「何か、言ったのか?」

『ん? ちょっと……ね』

楽しそうに笑いながら、そう言った。

 

 

〔家〕

『あー! 久しぶりに学校行ったー!』

「……と、言っても授業はほとんど受けてないけど」

『まぁ、いいじゃん♪』

笑いながら言う。

 

「おかえり」

靴を脱いでいると落ち着いた、キレイな声が聞こえた。

声に振り返って、アクア色のショートヘアの女性を見た薫は穏やかな表情になる。

『星、ただいま!』

「……すぐ、ご飯作る」

白崎 星(しろさき せい)――ガルムーンファミリー、雨の守護者。

少しだけたれ目であり、綺麗なペールブルーの目を細め、優しく微笑みながらそう言う。

『あー……確かに、お腹へったね~』

「待っていて……」

『うん!』

「……さて、待っている間、何するか」

星が歩いて行ったあと、和が呟くように言う。

『僕は、部屋に戻るよ』

「そう?」

『うん。着替えたりもしないといけないしね』

そう言い、薫は部屋に戻っていった。

「……ハァ」

そんな薫の後ろ姿を見届けたあと、和は小さくため息を吐いた。

 

 

〔薫の部屋〕

部屋に入ってから着替え、パソコンを開く。

『……さて』

パソコンの電源を入れ、何か、作業を始める。

『…………できた』

笑いながら言う。

そして、パソコンを閉じ、ベッドに倒れ込む。

『アハハ……久しぶりに、彼らを見たけど……駄目だね』

笑いながら、言う。

だが、その笑みにはどこにも優しさが含まれていない。

しかし、憎悪も含まれていない。

一体、彼女は今、何を思っているのだろうか――

〔コン、コン〕

誰かが、ドアをノックする。

その音で、薫の思考は一旦途切れた。

『……どうぞ』

起き上がり、言う。

〔ガチャ〕

『どうした?』

「ご飯……出来たって」

呼びに来たのは和だった。

『そっか、じゃぁ、行こうか』

 

 

〔リビング〕

『あれ? 龍、久しぶりに見るね』

「…………任務」

夢幻 龍(むげん りゅう)――ガルムーンファミリー、霧の守護者。

ラベンダー色の眠そうな目を薫に向け、それだけ言う。

『へー、で、なんか、情報掴んだ?』

彼は主に、情報収集をしてくるのだ。

「あぁ」

短く返事をする。

『それは、結果報告、ちゃんとしておいてね』

「そんなことよりも、早く食べよー」

会話の途中で割り込んできた、明るいオレンジ色のロングヘアの彼女に薫は苦笑する。

『……哉恵姉は相変わらずだね』

「その、姉ってつけるの、やめてって言っているでしょ」

桐羽 哉恵(きりう かなえ)――ガルムーンファミリー、雷の守護者。

少しつり目な黄色い目で軽く薫を睨むように見る。

『分かったよ……じゃぁ、食べようか』

「「「「いただきます」」」」

その後は、みんなで色々な話をして、ご飯を食べた。

 

 

〔次の日〕

「……薫、本当に行くのか?」

学校へ行く前に、和が聞く。

『え? 行くけど……何で?』

「昨日の事で、クラスの奴らは……」

『フッ……僕が、あんな奴らに、負けると思う?』

「え? 思わない……けど」

『……じゃぁ、決まり……行こうか』

それ以上は聞かない、と言う様に笑いながら歩き出す薫。

「あ、ちょ! 待てよ」

『♪』

和はそんな薫を急いで追いかけた。

 

 

〔校門〕

『着いたね』

「……」

「やぁ」

昨日と同様、雲雀が声をかけてくる。

『……おはようございます』

不敵な笑みを浮かべ挨拶する薫。

「昨日の言葉は、どういう意味かな?」

『……そのままですよ』

「今日、放課後に応接室にきてね」

『考えておきますよ……ま、答えは決まっていますけどね』

そう言い、薫たちは中へ入っていった。

 

 

〔教室前〕

『到着♪』

楽しそうに言う。

「?」

そんな薫を不思議そうに見ている。

どうしてそこまで楽しめるのか、不思議だったのだ。

だが、その疑問を口に出すことはなく、ただただ薫を見る。

『じゃぁ、入ろうか♪』

「待って、上……」

ドアの上を指して言う。

『ん? あぁ、黒板消しのこと?』

ちいさく頷く和。

『この仕掛け……小学生みたいだね……バカだよ』

呆れたような表情をしながらそう言う。

「……どうするんだ?」

『ん? そうだな……』

しばらく、考えていると――

 

「ちょっとぉ、そこ、邪魔なんだけどぉ」

相変わらず、高い声をあげて、そう言う桃が来た。

『ん? ……あぁ、ごめんね……どうぞ』

そう言い、ドアの前から退く。

「ありがとぉ(フッ、昨日の事でビビッてるわぁ)」

そう言い、ドアを開けようとする。

(……バカだ)

必死で、笑いを堪える薫。和も口元を抑えている。

そして、桃がドアを開ける。

〔ガラッ  ポンッ〕

見事に桃の頭の上に、黒板消しが落ちた。

「!?」

予想外の結末に、クラス全員が驚く。

「何? これ!?」

すごく驚いている桃。

必死に髪の毛についたチョークの粉を落とそうとしている。

「ごめん! アイツに当てようとしたんだけど……」

「いいのぉ……桃、強いから、大丈夫だよぉ」

「そっか……ありがと」

「どうしてくれるんだよ!? 桃たんに当たったじゃねぇか!?」

薫に向けて言い放つツナ。

『は? 僕のせい? ソイツが勝手に入っただけだよ? バカじゃね?』

本当にバカにするように笑う。

「なっ!」

「てめぇが、先に入らねぇからだろ!」

『……ハハ……アハハハッ』

壊れたように笑う。

「!?」

「……薫?」

そんな薫にクラスの人たち、もちろんツナ達、そして和も驚いたような表情をする。

『ハハッ……いや~、ごめん、ごめん……あまりにもみんな、バカだったからさ』

「どういう、意味だ?」

少し睨みながらそう聞く山本。

緊迫した空気の中に……

「極げーん!!」

と、遠くから叫びながら、教室に近づいてくる一人の生徒。

 

 

     




いやぁ、今回新キャラ多かったねー。
まぁ、最後の人は言わずとも誰かは分かりますよね…?
薫の本心は作者にも分からない!!って、それじゃだめだけどねw


最終編集日 2017/12/11
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