〔ガラッ〕
「極限に邪魔するぞ!!」
そう言いながら、教室に入ってくる。
笹川 了平――ボンゴレ晴れの守護者。
「ムッ!! 居たな!! 何故、お前がここに居る!!」
薫を見るなり、早々そう言う了平。
そんな了平に薫は呆れたような表情を見せる。
『……また、変なのが増えたなぁ』
「変なのだと!?」
『自分の教室にお戻りください……先輩♪』
相手にする気がないのか、笑顔でそう言う。
「何ぃ!? 俺の質問に答えていないぞ!!」
『……だったら、なんですか? 別に、あなたの質問に答える意味なんてないですよ?』
あくまで笑顔で、そう言い放つ薫。
あまりに崩れを見せないその綺麗な笑顔に、了平は少し冷や汗をかく。
明らかに敵意剥き出しにしている了平と違い、薫は全く敵意を見せない。
その表情や、読めない感情に単純な了平は、本当に敵なのかと疑問に思ってしまう。
「うっ……し、仕方ない……今日は戻るとしよう」
その結果、薫の言葉に押され、そう言い、了平は戻っていった。
了平の登場により、空気が少し緩む。だが……
『……ハァ、ふざけんなよ』
さっきの笑いが嘘のように、表情が一気に変わる。
「!?」
みんな、薫の迫力に負けたのか、固まっている。
『……どうかした?』
無表情を崩さないまま、そう言う薫。
今までの笑っていた薫が、どれだけ手加減していたのかを思い知らされる。
「……」
「ツナぁ? 大丈夫ぅ?」
「あ、あぁ……大丈夫だ」
そう言いつつ、少し震えているツナ。
『……フッ、本当に大丈夫? 震えているよ?』
そんなツナを見逃さずに、笑いながらそう言う。
「……ッ」
図星をつかれ、歯を食いしばる。
「大丈夫ですか!? 10代目!」
「……大丈夫」
〔キーンコーン〕
『あ~ぁ、馬鹿な事していたら、時間無くなったね~』
ツマラナイというような顔をして、言う。
『ま、とりあえず座ろうか、和♪』
「……ハァ」
和は何か考えるようにため息を吐きながら、席に着いた。
「……」
『沢田綱吉……超ツナじゃないと、何も出来ないの?』
未だに、少し震えているツナに向かってそう言う薫。
「!!」
『ふふっ』
「お前は、黙っとけ……」
『……ハイ、ハイ』
仕方ないな……と、言う感じに、呟いた。
〔屋上〕
「……」
雲雀は一人で、考え事をしていた。
昨日、薫が言った言葉のこと。
自分はどうすればいいのか。
色々な事を考えていた。
しばらく経ってから、雲雀は何か思いついたように、目を開け、また閉じた。
らしくない……そう思いながらも、その作戦は、今日、実行しようとされていた。
〔放課後〕
『和、帰ろうか』
「あぁ」
そう言い、二人は、教室から出て行く。
〔廊下〕
『……あ、そういえば……雲雀に呼ばれていたんだっけ?』
「そういえば……」
『……ま、いっか。メンドイし♪』
「……」
そうして、二人が帰ろうとすると、その途中で雲雀と会う。
「やぁ」
『……どうも』
「やっぱり、帰ろうとしていたね」
『……はい』
少し、考えてから、そう答える。
「……ま、いいよ、僕も今日は、少し用ができたからね」
『そうですか、それは良かったですねー』
受け流すように、返事をする。
「……」
薫の反応に怒ったのか、黙り込む雲雀。
『では、さようなら』
そんな雲雀なんて視界に入らないのか、そう言い、二人は帰っていった。
「……さて」
そう一言呟いてから、ツナたちの居る、教室に向かう。
〔ガラッ〕
音をたて、教室に入った瞬間、教室の空気が変わる。
皆、若干の恐怖心あらわにしている。
「……」
そんな生徒たちのほうを見もせずに、雲雀は黙ったまま、山本のほうに向かう。
「ん? どうかしたのか?」
「……少し、話しがあってね」
「え? あ、あぁ……分かった」
滅多に人と話しなどしない雲雀が、自分から来たので少し驚きながらも返事をする山本。
「じゃぁ、こっち、来て」
そう言い、雲雀は教室から出る。
山本は急いで追いかけていく。
そんな山本を生徒たちは、心配そうに見つめるばかりだった。
〔屋上〕
「ココなら、誰も来ないね」
そう言い、山本のほうを向く雲雀。
山本は首をかしげている。何を言われるのか見当もつかないのだろう。
そんな山本に何の前置きもなく、雲雀は口を開く。
「……実はね――――――」
「!?」
雲雀の言葉が山本には信じられなかった。
「ハハッ、変な冗談言うな」
最初は軽く流したが……
「本当だよ」
「……」
雲雀の真剣さに、何も言えなくなる。
元々、冗談なんて言う性格ではないことを山本もわかっているつもりだ。
それでも、山本は信じられないというような顔をする。
「悪い……用事、思い出した……」
少しして、青い顔をしてそう言い、山本は屋上から出て行った。
「……」
雲雀は黙ったまま、山本を止めることなく、ただみていた。
〔その頃、薫たちは〕
『あ、和』
「ん?」
『ちょっと、先に帰っててくれる?』
「え? ……あぁ、分かった」
理由を聞こうとしたが、すこし考えた後、何も聞かずにそう言い、和は先に帰っていった。
『……さて、適当に歩いていくか』
和が見えなくなった頃、そう言い、薫も歩き出す。
和を先に帰らした理由なんてものはない。
ただ、一人で、適当に歩きたかっただけだ。
なので、理由を聞かれなかったのは良かったと思う薫。
もしかすると、和はそこまで察していたのかもしれない。
もっとも、理由を問われたとしても、薫は上手く誤魔化したであろうが……
しばらく、薫が歩いていると……
「ワン!」
どこからか、犬の鳴き声が聞こえる。
『ん?』
鳴き声がした方に向かうと……
「ワン、ワン」
そこには、まだ小さい子犬が居た。
『……捨て犬?』
そう言い、しゃがんで、犬を持ち上げる。
『……かわいいな』
少し、悲しそうに微笑んで呟き、降ろす。
しばらく犬をみていると、犬がすり寄ってくる。
『アハハッ、くすぐったいよ』
優しい笑みで、犬と接している。
と、そこに――
「……雲雀の話が本当なら……」
すごく思いつめたような顔で、歩いてくる山本。
考え事をしながら、歩いていると……
『アハハッ、くすぐったいよ』
と、言う声が聞こえてきた。
「!!」
山本が顔を上げる。
その先には、薫が居た。
「……!?」
学校とは違う優しそうな顔をしているので、少し驚く。
「……茜?」
思わず、その名前を呟く。
目の前に居るのは、薫だが、その表情は茜だった。
自分たちの前には決して現れてくれない、優しい彼女、そのものだった。
あー……せっかくの了平の初登場があっけなく終わったw
了平が好きな方はすみませんでしたぁ!!
了平のキャラはいまいち分からないため、登場は少ないと思う………
え?薫が雲雀に言ったことはなんだったのか?
…………………さぁ?実は、考えてないのですよ~w想像でwww
雲雀は、山本に何を吹き込んだんでしょうかね?
最終編集日 2017/12/11