幼馴染み達と行くハイスクールD×Dの世界   作:花びら

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残酷にして始まりの希望

 「記憶が戻ったか………」

 

 とある深夜、僕は………いや俺は目が覚めた。

 唐突だが、俺の名はジャック・ノーロセス。

 ……()()の名は山之内(やまのうち)慎二(しんじ)

 俺は5歳を迎えたこの日、前世の記憶を取り戻した。

 しかし、ここで思わぬ誤算が生じた。

 更にまた、()()()()()()()()()()()()()()のである。

 これのせいか、俺は頭痛で目が覚めたのだ。

 記憶の中にあるのはいつも霧、霧、霧ばかり。

 そんな中で自分は怒り狂い売春婦と思わしき女性を次々と殺している。

 その数合計五人。

 これだけで充分すぎるほど、この記憶の持ち主が分かる。

 恐らく、いや間違いなく“切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)”の物だ。

 しかし、何故彼の記憶が俺にあるのか…?

 考えられる中で一番有力なのは、俺の前々世もしくは俺の祖先が“切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)”で、あの方たちが施した記憶の蘇生術に効果で蘇ったもしくは与えられた。

 しかし………俺が“切り裂きジャック”と関係してるとは夢にも思わなかった。

 ん……?

 もしかして、暗殺の才能は“切り裂きジャック”からか!?

 ハハハ!

 これから人生は波乱に満ちてそうだぜ!

 あー、仕方ない。

 今日はもう考えるのをやめるか…。

 それじゃあ、おやすみなさい。

 zzzzz……。

 

◆◆◆

 

 おはようございます。

 今日は早速の朝ご飯を食べてから、我が友たちに会いに行こうと思います。

 ご馳走様でしたー!

 俺は間食した後、歯磨きしてから我が友の家に走り出した。

 俺が生まれた場所は、質素だが貧相ではない微妙な位置の村っぽい。

 そのため、俺も含めてこの村にいるのは30いってるかどうかと、非常に数が少ない。

 さて、そんな事を考えてる内にどうやら着いたみたいだ。

 俺はその家のドアをノックして叫ぶ。

 

 「リョウくーん!あーそーぼー!」

 

 すると、とてとてと可愛らしい音が聞こえ、ドアが開かれ、そこから出て出て来たのは黒髪のクール系美少年だった。

 そいつは俺を見て笑顔になり、一緒に遊ぼうと、もう一人の親友の家へと向かった。

 ちなみに俺の容姿は白髪の可愛らしい顔となっている。

 そのせいで“男の娘”と勘違いされがちだが、俺はそのつもりは全くない。

 俺は一先ず記憶を戻ったは良いが、他の奴ら………転生者はリョウともう一人なのは間違いないので、そいつらの記憶が戻ってるかが問題だ。

 纏めて確認したいのでもう一人も一緒に遊ぶついでに確認しようと思う。

 さて、もう着いたみたいだ。

 さっきと同じようにドアを叩いて、叫ぶ。

 

 「エルザー!一緒にあーそーぼー!」

 「は~い!」

 

 俺の声に可愛らしい声が返ってきて、ドアが開かれる。

 そこから現れたのは緑髪の可愛らしい少女は俺を確認すると、速攻で抱き着いてきた。

 嬉しいんだけど、ちょっと痛いです……。

 

 「なあなあ、これで全員揃ったし、何して遊ぶ?」

 

 俺の心情を知ってか知らずか、リョウがそんな事を言う。

 そこで俺はすかさずに森で遊ぼうと言った。

 言い忘れていたが、この村は森で囲まれており、そこから木の実や木材を収穫・入手し、畑を耕す肥料作りをして自給自足で過ごしている。

 それとは別に、子供たちの遊び場にもなってるのである。

 森に入って村から少し離れた所まで行くと、俺は振り返り二人に確認を取る。

 

 「塵も積もれば?」

 「山となる」

 「壁に耳あり?」

 「障子に目あり」

 

 最初がリョウで、次にエルザが俺の問いに答えた。

 俺たちは互いに近づき

 

 「「「ぱぁぁん!(無言のハイタッチ)」」」

 

 を決めた。

 そして、真っ先にリョウ=諒太が口を開く。

 

 「全員記憶が戻ってるを呈に話していいんだよな?」

 「ああ、良いぞ」

 「俺たちは全員、記憶を取り戻した。おけ?」

 「「おけ(親指を立てる)」」

 「そこで、確認を取りたいんだが………お前らは知らない誰かの記憶とかないか?」

 「………お前もか」

 「僕もだよ…」

 「やっぱりか……。それが誰かの記憶かは?」

 

 その時、俺は言うか、迷ってしまった。

 なんせ俺の持ってる記憶はかの“切り裂きジャック”だ。

 あの世界的に有名な殺人鬼だ。

 いくら、快楽のためにやってないとは言え、殺人を犯したことに変わりはない………。

 しかし、エルザ=麗凪が自分の記憶を先に語ってしまう。

 

 「………僕の記憶はエルキドゥのだったよ」

 「「!!!?」」

 「最初に森の中で生まれたところから、最後にエルキドゥの親友らしき人物が僕を看取ってた所までの記憶があるから間違いないと思うよ」

 

 それを聞いたリョウは、何かに頷きながら自分の記憶を語り出す。

 

 「俺の記憶は項羽だ。記憶にあるのは一人の女性と敵を獲物で薙ぎ払ってることばかりだったが、その女性が俺のことを項籍様とか言ってたから間違いない」

 

 俺は幼馴染み達の記憶がどちらも大英雄だったのに、俺は自分を恥じていた。

 だってそうだろう?

 二人と違って俺は反英雄的存在だ。

 俺の記憶を聞いて、二人は幻滅するだろうか?

 俺の記憶を聞いて二人から距離を置かれたら?

 俺は、俺はーーーー

 

 「それで、お前の記憶は誰なんだ?」

 

 不意に諒太の声が聞こえた。

 俺はその諒太の顔を見たとき、自分は何を考えていたんだろうか。

 

 「僕は、いや僕たちは君がどんな人の記憶だろうと君の親友さ。だから話してごらん」

 

 ああ、やっぱり、俺には勿体ないくらいの友人たちだ……。

 話してみてもいいかな…。

 

 「俺の記憶は“切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)”だったよ……」

 「「……………」」

 

 その時二人はとても驚いた顔をしていた。

 やっぱり、だめだっ…………

 

 「へぇ、存在してたんだな」

 「かっこぅいい~!正しく闇夜に潜む暗殺者って感じで良いじゃん!」

 

 そんな事無かったわ…。

 寧ろ何故か喜んどる……。

 心配した俺が馬鹿だったな……。

 

 「さて、全員の記憶も確認したことだし、メインディッシュでもいくか」

 「メインディッシュ……?あー、神器の解放か」

 「そうだ。取り合えず2つ持ちのエルザから行くか?」

 「おっけー。確か……解放、『天の鎖(エルキドゥ)』!」

 

 エルザがそう言い放った瞬間、彼女の周りから金色の鎖が彼女を守るように現れた。

 しかも、なんか蛇みたいに動いてる…。

 

 「効果とかって分かるか?」

 「ちょっと待って、鎖から聞いてる」

 「「え?聞けんの?」」

 

 それから少しして、彼女は何度か頷いて、聞き終わったのか俺たちの方に向いて笑顔で、口を開いた。

 

 「私の『天の鎖』は神性………神に関係してる成分みたいなもので、それが高ければ高いほど相手の拘束力を高めるみたい」

 「へぇ、MAXでゼウスとかオーディンクラスも縛れるのか?」

 「上限は無いみたい」

 「鬼強じゃん………」

 

 相手が神話勢だとしても返り討ちにできちゃうことだろ?

 普通に強いんだが………。

 

 「じゃあ、次は皆で行くか」

 「分かった」

 「いっくよー!せーの、」

 「解放、『民の叡智(エイジ・オブ・バビロン)』!」

 「解放、『機界王子(アンノウン・ディクテイター)』!」

 「解放、『偽り写し記す万象(ヴェルグ・アヴェスター)』!」

 

 その瞬間、俺たちの体に変化が生じた。

 俺の両腕が幾つもの朱い模様で描かれた獣のような腕に成り、リョウの頭に装置のようなヘルメットが被らされ、エルザには先程まで付けてなかったネックレスが現れた。

 もしかしなくてもこれが神器もしくは神滅具なのだろう。

 効果は分からないが、強いのは間違いないはずだ。

 それから、この状態で何ができるのかと試していたら、かなり時間が経っていた。

 そう言えば、忘れていたが、スプンタ様が詳しいことが書いてある本があるとか言ってたな。

 今日はお母さんに早めに帰るよう言われてたし、もう日も大分下がってきたから帰るか。

 そうして、俺たちは帰路に着いた。

 しかし、歩いて十分してから変な臭いがし始めた。

 それは混ざってはいけない何かが無理矢理混ざったようなーーーー。

 俺がそう思ったとき、リョウが走り出した。

 思わず、「リョウ!」と叫んだら動きが止まって此方を見る。

 その顔は何か焦ってるような感じがした。

 そして、リョウが次に発した言葉で俺たちも無意識に走り出した。

 

 「この臭いは、血と火の臭いだ!」

 

 まずいまずいまずいまずい!!

 俺らのせいか?

 もしかて、俺らが神器を解放させたから?

 とにかく家族が無事という一縷の望みを胸に抱えながら、俺らは走った。

 しかし、現実はなんと無情なのだろうか。

 村は燃え、中からは絶望の悲鳴と狂気に満ちた笑い声、何かが潰れたり引き裂かれるような音が聞こえてくる。

 内心で嫌だ嫌だと思いながらも勇気を振り絞って中に入る。

 そこにあった光景は………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自分の親が見るも無惨な姿で息絶えてる姿を嗤いながら踏み潰してる黒い羽を生やした人間のような者達だった。

 その瞬間……俺の意識は消えた。

 

◆◆◆

 

 今、村を襲っているのは“はぐれ悪魔”と呼ばれる、何らかの理由で主人を無くしたもしくは捨てられた者達だった。

 彼らにも主人はいたのだが、今までの悪行がバレて監獄行きとなってしまったので自分達も捕まるのでは?と思い逃げてきた連中である。

 しかし、その途中で“はぐれ悪魔”の一人が神器の気配を感じてしまったので、その神器を奪って自分の物にしてしまおうと考えてしまったのである。

 村に着いては早速、魔法で火を付けた。

 そこから、地獄始まった。

 男は苛烈なまでに甚振り、女は犯してから殺すという自分達のやりたいように暴れていた。

 恐らく、優越感に浸りたかったのだろう。

 その証拠に彼らの顔は狂気と万能感に満ちた顔をしていた。

 だが、彼らの運命は定まってしまった。

 悪魔の一人が村の入り口付近を見ると、そこには三人の子供が立っていた。

 背丈からして5歳くらいだろう、それぞら髪が違う色をしていた。

 しかし、悪魔は気付いた彼らの内のどれかが神器使いだろうと踏んでいた………が、次の瞬間に仲間の一人の首が飛んでいた。

 いったい何が……、と思って周りを確認すると、その死体の近くに一本の黄金の鎖が浮いていた。

 原因はその鎖の切っ先にある刃。

 その刃の大きさは短剣程度だが、人一人の首を飛ばすには充分すぎた。

 しかし、脅威はそれだけじゃない。

 誰が操ってるのかは分からないうちに黒髪の男の右手が光の剣と化し、その切っ先を此方へ向けたと思った瞬間、その延長線上にいた“はぐれ悪魔達”が光の剣により切り裂かれた。

 鎖が、光の剣が、今も悪魔を葬ってる中、更に脅威は増える。

 白髪の子供の全身が、人狼の形になるが、人狼と違うのは全身が眼と口以外全てが真っ黒と言うことだろう。

 それは毛などでは無く、真っ黒な何かで覆われてることに“はぐれ悪魔達”は気が付く事は永遠になかった。

 その()()()は、“はぐれ悪魔達”との距離を、子供では有り得ない筋力で一瞬で詰め、眼前にいた悪魔をその獰猛な爪で切り裂いた。

 それに恐怖し、悪魔達が後退った瞬間、その中で最も後方にいた悪魔の首が飛んだ。

 当然、その正体は黄金の鎖。

 気が付けば、最初は十数人いた悪魔達の残りは四人となっており、飛んで逃げようとした一体の悪魔は鎖で足を縛られ、黒髪の子供の腕から放たれた光線により一瞬で消滅した。

 残りは一人ずつ、それぞれ子供たち一人ずつの餌食となって、“はぐれ悪魔達”は全滅したのであった…………。

 

◆◆◆

 

 俺はふと、意識を取り戻した。

 景色は変わらず、悲惨な光景しか映らない。

 しかし、体に違和感を感じたので全体を見ると、なんか真っ黒だった。

 しかも手とか足とかも獣みたいになってた。

 数秒後にそ俺の体は萎んでくように縮んでいき、最終的に元の体へと戻っていった。

 いったい何だったんだろ………!?

 急に視界に入ってきたものが入り、思わず飛び退けてしまい、それを見てしまう。

 それは、R18レベルのグロさで横たわる、俺たちの村を襲ったやつの死体だった。

 前世の俺だったら間違いなく、吐いてたはずなのに、今は少し気分が悪い程度で済んでるのが謎だ。

 …ハッ!

 リョウとエルザは!?

 そう言って周りを見回すと、お互い少し離れているが無傷ながらも意識を失ってるだろう二人がいた。

 俺はエルザから一人ずつ運び、比較的被害が少ない家の中に連れ込んだ。

 生きていたベッドに運び終わったは良いものの、…………これからどうして生きていこうか………。

 この年齢じゃ、働けないしな…。

 はぁ………。

 俺が近くにあった椅子に腰を下ろして、内心嘆いていると、隣にある本棚に目が行った。

 しかし、その中でも一冊だけ存在感が違う本があった。

 俺は確信する。

 これこそが、あのお二方が仰っていた本なのだろう。

 俺はその本を手に取り、一頁一言一句見逃さないように集中しながらその本を読むのだった。

 

 

 

 「ん………、あれ?ここは…?」

 

 窓から日差しが差し込む中、どれだけ時間が経ったのか分からず、読んでる途中に不意にそんな声が聞こえた。

 その声に体が反応し、その方向に体を向ける。

 そこにはベッドから上半身だけ起き上がらせて眠そうに目をこすってるエルザがいた。

 

 「大丈夫か!?怪我とかしてないか?」

 「お、落ち着いて。僕は大丈夫だから…」

 

 思わず声を大きくしてしまったが、彼女は無事みたいだ。

 そこで、俺の声で起きたのか、リョウも上半身だけ起き上がらせて、俺の方を見た。

 

 「…………おはよう」

 「その間が恐かったが………おはよう。どうやらお前も無事みたいだな」

 

 リョウは朝に弱い。

 そのため、普段は起きてから三十分は寝惚けてるが、今回はそう普段通りにもいかなく、彼は一瞬で覚醒した。

 そして、悲しそうな顔をしながら口を開く。

 

 「そうか……。守れなかったか…………」

 「ああ………」

 「ヒグッ。ヒッ、うわああああああああ!」

 

 起きてから耐えてた涙がここで、決壊した。

 エルザは泣きじゃくり、リョウも静かに一筋の涙を溢した。

 俺も悲しい……………だのに、涙が出ないんだ…。

 しかし、ここで悲しんでるだけじゃ、俺たちは前に進めない。

 泣いてる二人を見て、俺は真剣な眼差しで二人に提案をする。

 

 「なあ、一ついいか?」

 「………なんだ?」

 「ヒグッ………なに…?」

 

 二人が反応をしたのを確認して、俺はその提案を告げる。

 

 「俺たちで組織をつくらないか?」

 「「組織……?」」

 

 訳が分からないようにしてる二人に俺は説明をする。

 

 「そうだ。俺らみたいに、人外に被害を受けた人達を保護して行く組織だ。俺らが強くなれば、それに伴って組織も強く、広くなっていくはずだ。そして、その分、被害に遭った人達を保護しやすくなり、時期がくれば保護したその人の行きたいところに行かせて、その人が無事に過ごせるようにしてやる。どうだ?俺らは三人いたから、こうして無事にいる。しかし、一人だけだったなら、俺は己を犠牲にしてでも復讐の道に走っていたはずだ。俺たちみたいな奴らを増やさないためにも、一緒に来てくれないか?」

 

 俺はそう良い締めくくり、二人に手を差し出した。

 それを聞いた二人は、呆けた顔をしていたが、数瞬した後に笑顔に成り、俺の手を取った。

 

 「良いじゃねえか!最高じゃないか!お前がそうしたいというなら、俺は喜んで協力してやる!」

 「僕もだよ!もう僕たちみたいな人達を増やしたくない!共に行こう!未来ある人達のために!」

 

 俺はその言葉に泣きそうになったが、堪えて宣言をする。

 

 「俺、いや俺たちはここに宣言をする!特別な力を持ったからと言って、居場所をなくした者達の居場所をここに作ることを!そして、その者達が笑って幸せと言える明日を共に作っていくと!」

 

 そう言って終わりにしようとしたが、リョウとエルザが更に宣言をする。

 

 「我らはここに宣言する!無力な者達を我らの手で守り抜くことを!そして、あらゆる種族、性別、年齢、強さ、全てに於いて一切の差別・侮辱をしないと!」

 「僕たちは先駆者であり、開拓者であり、未来そのものだ!己の信念を貫き通す覚悟を決め、弱者には手を差し伸べ、罪人には鉄槌を下す覚悟を持つ必要がある!そして、共に行こう!決して誰も後悔などさせないことをここに誓おう!」

 

 その言葉に合わせて、俺は組織の名前を決めた。

 その名はーーーーーー

 

 「「「我らの名は、信念の方舟(ビリーブ・ノア)」」」




 慎二=ジャックの見た目は『FGO』のジャックの男体化ver.。
 諒太=リョウの見た目は『黒執事』のシエルに似ている。
 麗凪=エルキドゥの見た目は『FGO』のエルキドゥ・リリィに似ている。
 既に所有されている神器・神滅具の効果が、原作とは異なる場合があるのは、作者の原作知識がガバガバなせいで申し訳ないです。
 それでも応援してくれるという方はこれからもよろしくお願いします。
 次回は成長して十年後くらいからスタートです。
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