幼馴染み達と行くハイスクールD×Dの世界   作:花びら

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更新が遅れて申し訳ないです。
次は今週中に出したいです………。
それではどうぞ!


哀れな堕天使

 どうやら、“赤龍帝”は白だったな。

 これから悪魔になるんだけども…。

 はぁ、俺が心配して駆け付けた意味が無いじゃないか……。

 それにしても、俺よりグレモリーを選んだ時のあの目、何かを覚悟してたな。

 それと僅かに見えた煩悩のオーラ。

 あいつ、まさか乳房で選んだとか言わないよな?

 え?

 言わないよな(必死)!?

 いや、今はそんな事よりも………

 

 「おいおい、なんでお前がいんだ?本部待機のはずだろ?」

 「我らがボスを一人で行かせるはずありませんよ?それに、演出としては良かったでしょう?」

 「確かにそうだが………」

 

 とあるビルの屋上、俺は何故かこの町にいるゲオルクを問い詰めていた。

 しかし、彼は飄々とした顔で、俺を一人にさせるわけには行かない、と言った。

 ゲオルクは神器(セイクリッド・ギア)の中でも特に強力な神滅具(ロンギヌス)の所有者で、その名も絶霧(ディメンション・ロスト)

 結界系最強の神器で、無限に霧を出し、その中に閉じ込めた相手を攪乱させたり、その霧に触れた者を任意の場所に転移させる事が出来る。

 使い方次第では一国をも滅ぼす能力で、かなりのチートである。

 だから、彼には防衛時の要となってもらってるのだが、何故ここにいるだろうか?

 

 「俺がここ来た理由は、ぶっちゃけあなたの護衛任務のついでです」

 「ついで?他にも理由が?」

 「はい。今あなたが脇に抱えている堕天使を本部に「神の子を見張る者(グリゴリ)」本部に届けるよう言われまして、それならば、その類が得意な俺があなたの元に行こうと言うことになりました」

 「そう言うことか。まあ、俺もこいつをどこに置こうか迷ってたし、良いか。んじゃあ、よろしく」

 「お任せを」

 

 俺はそう言って、堕天使を床に置き、それを彼は霧で包んだ。

 霧が晴れた頃には彼女の姿は無かった。

 本当に、ゲオルクの神滅具は便利だな。

 彼、ゲオルクとの出会いは曹操と出会って数ヶ月後ぐらいだった。

 あれは、俺がオーディン様から呼び出しを受けた時、途中で寄った小さな町に、ゲオルクはいた。

 ゲオルクはスラムの孤児だった。

 子供ということで、必死に働いて他の孤児達の面倒を見ようにも、いくら働いても小さな稼ぎにしかならず、それでは自分より年下の孤児達を賄えないことを悟る。

 しかし、ある日に神器が覚醒し、ゲオルクはその能力をすぐに把握した後に、盗みを働いた。

 人から財布を、店から日用品や食物を。

 そんなある日、彼はとうとう捕まってしまい、今までの被害者達に半殺しの状態でゴミ捨て場に放置されていた。

 そんな時に、俺がそこを通りかかった。

 僅かながらに意識があることに気付き、俺は彼に、「何を望む?」と聞いた。

 もしかしたら、何らかの罰でこうしてるのかもしれない、けれど、この問いの返答次第でこの町の状況を理解できると思い、そう問いた。

 すると、擦れながらも小さな声で、「僕………より……こど………も…たち……を」と言った。

 俺はその言葉で理解し、彼を背負いながら人目の付かない場所に彼を隠し、スラムの方へと向かった。

 俺がそこに辿り着いた時、少数の子供達をその倍以上の人数でたこ殴りにしてる大人達がいた。

 それを見てブチ切れた俺は命を取るまではいかないが、大人達全てを地に伏させた。

 子供達の数は8人。

 俺は町の奴らにバレないように、ゲオルクの元まで子供達を連れ、俺に付着してるGPSを頼りに項羽を呼び出し、拠点へと連れてってもらった。

 それから、彼は俺に懐き、数が少なかった頃とはいえ、部下を招集する際、誰よりも真っ先に来るのはこいつだった。

 もう、今となっては俺の右腕のような存在になってる。

 

 「それで、これからどうしますか?」

 

 ふと、ゲオルクにそう声を掛けられる。

 あー、これからか……。

 当然、する事は決まってる。

 

 「リストにはまだ、この町に彼女の部下が三人程潜伏してる。恐らく、潜伏先は無尽の教会だ。今日中に捕まえて、帰るぞ」

 「分かりました」

 

 ゲオルクは、霧を発動し、俺たちの姿はそこから消えるのだった。

 

◆◆◆

 

 俺の名は兵藤一誠。

 昨日までは普通の高校生だった俺だが、今は悪魔になったぜ。

 え?

 意味が分からない?

 俺も言われたら分からないと思うから安心しろ。

 そんな俺だが、今はオカルト研究部の部室にいる。

 なんでも、昨日のことについて、部長であるリアス先輩が俺に聞きたいそうだ。

 とは言っても………

 

 「とは言っても、俺も詳しいことは分からないですよ?突然現れたあの男も、俺も初めて見ましたし……」

 「ん~……。やっぱり、何も知らないのよね……。じゃあ、彼はいったい何者なのかしら…?」

 

 俺がそう答えると、部長は再び悩み始めた。

 さっきからずっとこの調子だ。

 部長の力にはなりたいが、俺は何も知らないしな……

 

 「その彼の特徴で分かるものはないのかい?」

 

 不意にそんな声が聞こえる。

 俺は声の主の方へ見やると、そこにいたのは学園の王子様である木場裕斗が、そう提案してた。

 んー、特徴か。

 

 「特徴つってもな。名前はラッセルで、身長は俺より頭一つ分でかく、全身黒い服に、白髪、顔にはいくつか縫い目のような傷があって、腰には何本かナイフを差してた…………って、思ったよりもあるな…」

 「かなり充分だと思うけどな。もし、“はぐれ悪魔”だったら、サーゼクス様に聞けば分かるかもしれないよ?」

 

 その手があった!

 サーゼクス様というのは、部長のお兄さんで、俺が通ってるこの学園の理事長でもあり、悪魔達が住む魔界を統べる四人の魔王、四大魔王の一人だ。

 しかも、歴代でも三人しかいないという“超越者”という凄い人なのだとか。

 つい先ほど、それを告げられ、理解できずに一瞬フリーズしてしまったのは、仕方ないだろ。

 俺はまだ会ったことはないが、その人ならば何か知ってるかもしれない!

 しかし、部長は何故か渋っていた。

 

 「大丈夫かしら…。邪魔じゃ無ければ良いのだけど……」

 「それでしたら大丈夫だと思いますわ。部長の声でしたら嬉々として返しくれるはずですわ」

 「そうかしら…?」

 「そうですわ」

 「……少し待っててちょうだい」

 「分かりましたわ」

 

 部長はそう呟くと、部長はどこかへ去ってった。

 そんな部長を説得したのは、オカルト研究部の副部長で、部長と並ぶ、学園の二大お姉さまの一人である姫島朱乃先輩だ。

 ちなみに巨乳である。

 部長に負けじと劣らずなおっぱいである。

 そんなもの眼福に決まっている……!

 そんな時、ふと、近くから可愛らしい声が聞こえる。

 

 「………先輩がまたやらしい妄想してます」

 

 そう呟いたのは、学園のマスコットである塔城子猫ちゃん。

 一つ下ながらもかなり毒舌で、猫耳を被せたら絶対に似合うであろう姿である。

 しかし、何故俺の思考が分かった!?

 

 「………顔に出てます」

 

 そんな嫌なものを見るような目で言われた。

 子猫ちゃん、いくら俺でも君からそんな事言われたら落ち込むよ?

 俺がそう心の中で落ち込んでると、部長が戻ってきた。

 

 「ダメだったわ……。お兄様でも、知らなかったわ…」

 

 少し落ち込んだ様子で、戻ってきた。

 しかし、と部長は付け加える。

 

 「お兄様は堕天使勢力に与する“神器使い”じゃないかと言ってたわ。恐らく、イッセーを狙った部下の後始末だろう、と」

 「聞いたことがありますわね。あそこには神器使い専門の部隊があるとか」

 

 堕天使、三大勢力の一角で、特徴なのは黒い鳥のような翼が背中から生えてることらしく、恐らく一番人間に近く、魔力とその翼を隠したら見分けが付かないそうだ。

 実際に昨日あったので、覚えておくようにー、テストに出るぞー。

 

 「部長、それはつまり、イッセー君を狙ったのは部下の暴走……と言うことですか?」

 

 祐斗が訝しむように部長に聞く。

 部長はそれに頷き、部室には変な空気が流れる。

 しかし、そんな空気を部長がすぐに壊す。

 

 「こうなったら、少しでも堕天使に借りを作らすためにも動いた方がいいかしら?」

 

 あ、部長の目が少し混乱してる。

 やっぱり、部長でもこの状況を理解するのは難しいらしい。

 俺は他の勢力やそのトップを知らないから難しいことは考えられないから、ここで静かに沈んでる人達の空気に入れないのが少し悔しい。

 俺はその旨を伝えると、今夜に早速動くらしい。

 俺は見学だとさ。

 部長達は、いったいどんな闘い方をするのだろうか?

 

◆◆◆

 

 夜8時頃。

 俺とゲオルクは廃教会の扉の前に立っていた。

 いくら場所が分かってても人払いと転移防止の結界を発動させるのに時間が掛かってしまい、今となっている。

 はぁ、早く帰りたかったのに………。

 こうなったら八つ当たりでもして帰ろう。

 そんな事を思いながら、扉を蹴破ると、早速ながら光の魔力弾が飛んできた。

 悪魔特効を持つこの光は悪魔が喰らえば大ダメージだが、人間である俺には悪魔よりダメージは喰らわないし、対策として、自分より弱い魔力を無効化するアーティファクトがあるから無駄なことだ。

 ちなみにこれはレイナーレが俺に撃ってきたやつを無効化したものである。

 魔力弾が飛んできて弾けたと同時に、左右から拳と蹴りが飛んでくる。

 俺はそれをバックステップで躱す。

 扉の入り口付近に現れたのは、男女二人の堕天使達。

 一人は紳士服を来た男で、 もう片方は前に捕まえたレイナーレと似たような格好をしてる女だった。

 攻撃を躱されたのが気に食わなかったのか、男の方が俺を睨みながら舌打ちをする。

 

 「ちっ。気味が悪い魔力が来たと思えば、人間とはな……。俺たちも舐められた物だな」

 「そうね。レイナーレ様から未だに連絡無しだし、こいつらで遊びましょうか」

 

 俺たちを見て、そう呟く二人。

 舐めてるのはどっちだってんだ。

 アザゼルに一撃も与えられない奴らが何を言ってるのやら………。

 俺が心の中で、そう呟くと、男の方がこちらとの距離を一瞬で詰めてきた。

 そこから拳が放たれるが、ただの力任せの攻撃なので俺はそれを片手で衝撃を殺しながら後ろに流す。

 これがダメなら、と蹴りも混ぜたインファイトをし始めるが、これは両手でいなす。

 そんな中、チラッと隣を見ると、ゲオルクにも女の方が突っ込んでた。

 しかし、ゲオルクは神器を使わないで魔術で相手をしてるみたいだ。

 それもそうか、こんな奴らに神器を使うまででもないよな!

 

 「せあっ!」

 「く…はっ…!」

 

 俺はインファイトを続ける男堕天使が蹴りを放ったタイミングで、それを一瞬でしゃがんで躱し、男堕天使の空いてるもう片方の足に蹴りを入れバランスを崩させる。

 俺はその隙を狙い、前方に倒れてくる男堕天使のみぞおちに拳を入れる。

 男堕天使は剰りの痛さに耐えれなかったのか、意識を失い、ぐったりとする。

 俺はそれを肩に抱え、ゲオルクの方を見る。

 すると、女堕天使が増えていた。

 あー、さっき俺に魔法撃ってきたやつかな?

 二対一で、本来ならゲオルクが苦戦するはずだが、ゲオルクは涼しい顔で、二人は焦りと怒りの混じった顔をしていた。

 あ、ゲオルクの炎弾が二人に直撃して、二人がダウンした。

 ゲオルクはその二人を縄で縛り、俺も男堕天使を降ろして縄で縛り、ゲオルクの霧で『神の子を見張る者』本部へ送り届けた。

 さて、俺たちも帰ろうとゲオルクの霧を出すよう指示を出そうとしたとき、俺の首元に一閃。

 

 ガキィィン!

 

 しかし、それは当たる直前で見えない壁に阻まれた。

 間違いなくゲオルクの張った障壁だ。

 全く、過保護なんだよ。

 あれぐらい、俺一人でも止めれたっつーの。

 いや、今はんな事よりも、俺を襲った奴か…。

 障壁の向こう側、そちらに視線を向けると金髪の美男子が魔剣らしき物を構え、こちらを見ていた。

 遅れて、その後ろから複数の影が現れる。

 赤髪と白髪と黒髪の美少女、茶髪の冴えない顔の少年。

 なんですかねぇ?

 このラノベ典型の主人公サイドにいそうな人達は…。

 って、彼は“赤龍帝”じゃん。

 俺がそう思ってると、ゲオルクの怒気の孕んだ声が金髪の少年に向けられる。

 

 「おいお前………。言葉も無しに、この方に刃を向けるとは…………良い度胸をしてるな、糞ガキが!」

 「まあまあ、落ち着けって。お前の魔力で彼どころか後ろにいる子達も警戒心丸出しじゃないか」

 「しかし……!」

 「落ち着け、な?」

 「はい……」

 

 俺は憤るゲオルクを宥め、再び、目の前の集団を見やる。

 やはり、赤髪の女はリアス・グレモリーか…。

 

 「よう、小娘。言葉も無しに己の眷属を俺に攻撃するとはどういう了見だ?」

 「そうでもしなかったら、転移しようとしていたでしょう?それで、用件は分かってるわよね?」

 

 おぉ~、こぇーこぇー。

 って、こらこらゲオルク、落ち着きなって。

 相手は俺たちのことを知らねえんだから。

 あ、教えんなよ?

 一応、隠せる情報は隠したいからな。

 俺はリアス・グレモリーの問いに答える。

 

 「それは、この教会にいた堕天使のことか?それなら、俺らの手で()()に届けたぞ。元々俺らはそいつらを捕まえるためにここまで来たんだからな。俺らの任務は終了した。それで、もう帰って良いか?」

 「だとしてもよ。私の領地に無断で侵入したのだから、話ぐらいは良くないかしら?」

 

 んー、簡単に返してはくれないようだ。

 こちらとしては、万が一にも援軍や情報が拡散しない内に帰りたい。

 何故って、俺らの組織は悪魔陣営と仲が悪いからな。

 悪いと言っても、こちらが一方的に嫌がらせをしてるだけだがな。

 最近の俺らの目的は、はぐれ悪魔を生み出す要因となってる“悪魔の駒(イーヴィル・ピース)”の製造を中止させる事だ。

 アレのせいで、力を得たと勘違いして無力な人達が犠牲となってるのだ。

 それで、それを“はぐれ”にして、更に力を得ようとする“はぐれ”のせいで被害が増える。

 実際に、俺らは製造工場を壊滅させたことがある。

 だが、できたのはその一回だけで、良くて半壊、最悪撃退される。

 そんな事もあり、悪魔陣営の所には顔バレしたくない。

 なら、顔を隠せば良いじゃんと言うだろうが、フードや仮面で姿を隠して悪魔達の前で行動したことがあるので、そうした事をすれば、すぐに俺の名前がバレてしまう。

 だから、アザゼルの部下を装ったのだ。

 アザゼルには保護した神器使いによる部隊が存在する。

 その最たる例が“黒狗”だ。

 まあ、あいつらのことは、別の機会でもいいか。

 そんな事より、今、俺は舐められてる。

 どうせ、あの女は俺が神器使いの人間としか思ってないだろう。

 なら、その隙を突いて、全員の意識を刈り取ってとんずらするか。

 うん、そうしよう。

 

 「ゲオルク、いつもの」

 「了解」

 『??』

 

 その場にいたグレモリー陣営は、俺たちが何を言ってるのか分からない様子だった。

 だが、それは次の瞬間に分かる。

 俺らの姿が………掻き消え、すぐに現れる。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 俺らが現れた直後、“赤龍帝”以外の奴らの意識は失った。

 その“赤龍帝”君は、何が起こったのか分からない様子だったが、戦慄した目でこちらを見ていた。

 俺は警戒する“赤龍帝”に近づき、告げる。

 

 「安心しろ“赤龍帝”。ただ単純に意識を刈り取っただけだ。その内に目覚めるだろう。だが、これだけは覚えとけ。俺たちに牙を剥くなら容赦はしないからな」

 

 俺はそう告げて、ゲオルクと共にその場から姿を消すのであった。

 

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