幼馴染み達と行くハイスクールD×Dの世界   作:花びら

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 久々の更新で申し訳ありません!
 え?待ってない?
 それはそれでショック………。
 えー、今回のエクスカリバーの所を書いてたら、なんか違うとなり、それが何度も繰り返されて遅れました。
 そもそもとしてコカビーは今回不参加ですのでかなり考えました。
 そして、今回は二つに分けることに決めました。
 次回は三者視点から行きます!
 それではどうぞ!


聖剣計画・前編

 「ジャックウウウウウウウウ!!待てええええええ!!!!」

 「ぎゃあああああああ!死ぬううううう!」

 

 『信念の方舟(ビリーヴ・ノア)』の本部にてジャックが項羽に追い掛けられるという珍らしい事態が起こっていた。

 組織に三人しかいないトップが同じトップに追い掛けられてる状況に、それを見掛けた下っ端達は、ジャック様がまたやらかしたのか、と生暖かさと呆れた目で見ていた。

 こうなった原因は、項羽の最高傑作の一つをジャックが断りなく勝手に使ったからである。

 使ったのはエルキドゥだが、ジャックが彼女に渡しさえしなければ使わないのは分かってるため、彼女は無実となった。

 その代わり、その罪もジャックに行くことになるため、ジャックは必死に逃げてるのだ。

 

 「てめえだって虞姫さんだったら渡すだろうが!」

 「うっ!?……確かにそうだが、今回は別だ!俺の秘蔵コレクションから持って行きやがってええええ!」

 「ハッハッハ!使わねえ方が悪い!では、とんずらさせて貰うぜ?あb……」

 「悪いな。俺もテメエを逃すわけにはいかないんだわ」

 

 ジャックがお得意の気配遮断で本部から逃げようとした瞬間、唐突に前方から聞こえてくる声にジャックは前方を向く。

 曲がり角が無い廊下の少し離れた所にそいつはいた。

 ジャックはそいつが来る予定は知らなかった上に自分の気配感知にそいつが引っ掛からなかったことが疑問で前方にいるそいつを見て驚きの声を上げる。

 

 「アザゼルゥ!?何でお前がいるんだ!?」

 「項羽から聞いたぜ。俺と項羽の力作を勝手に使ったらしいな?てめえには仕置きが必要だ」

 「ちょ、ま!グフッ!」

 

 ジャックはアザゼルの攻撃から避けられず顔面に喰らったために動きを止めてしまい、その隙に項羽から捕まってしまった。

 それからジャックがどうなったか………語るまでも無いだろう。

 

◆◆◆◆

 

 「あー、酷い目に遭った……………」

 

 おひさー、ジャックだぜ。

 あの駒王町についての報告は既に終わり、今日は学校が休日な上に、最近は特にこれと言った用事もないので、暇を持て余していた。

 そんな俺は今、本部の廊下をとぼとぼ歩いていた。

 ったく、なんだよあいつら。

 あいつらの作った人口神器なんて使う機会なんかそんなないんだから、別に良いじゃ無いか。

 だったら大切な人に使った方が良いじゃんかー。

 …………なのに、項羽とアザゼルと来たら、罰として俺を被検体にしやがって………。

 ちょっとだけメタくなるが、文面だけじゃ今の俺の状態がおかしいのは伝わらないだろうから教えるが…………今、俺の声は普段よりも高くなってる。

 察した奴はいるかもしれないが、俺は今、女となってる。

 あいつらの被検体となって最後の最後に“性転換銃”とかいう摩訶不思議なものを作ってたらしく、それを浴びせられたら、俺の髪が腰辺りまで伸び、身長が少し縮んで、下がなくなって上が生えた…………地味にでかいし……。

 たぶん、エルよりあるんじゃないか、これ。

 エルに嫉妬されないだろうか…………………されるな、うん。

 まあ、そんなエルも可愛いんだけどな(←嫁バカ)

 そうやって、新しく増えた双丘を見てると、突然後ろから誰かに抱き着かれた。

 俺は振り返り、その人物を見る。

 そこにいたのは黒いマントで身を包みながらも、その中から細い腕を俺に巻き付けて、顔にいくつかの傷跡がある白髪の少女が俺の顔を見つめていた。

 その少女は俺がそちらへ向くと、満面の笑みを返して言う。

 

 「おかあさん♪」

 「だから、お父さんと言いなさい」

 

 俺のことをおかーさんと呼ぶこの少女の名は、“ジャック・ザ・リッパー”。

 俺と同じ名前だ。

 しかし、顔は今の俺の顔を幼くしただけなので、殆ど変わりないのだが、俺とエルの実の子ではない。

 ()()できてないからな。

 けれど、養子だから俺とエルの子供なのは間違いないだろう。

 そんなこの子の正体は、“サーヴァント”だ。

 サーヴァントというのは、“聖杯”というあらゆる願いを叶えることができる願望器を手に入れるための儀式で召喚される使い魔のような存在だ。

 その儀式というのが、“聖杯戦争”。

 七機のサーヴァントと7人のマスターによるバトルロワイヤル形式で行われる戦争だ。

 しかし、それは()()()()の話になる。

 俺が参加した聖杯戦争は、十四機のサーヴァントと十四人のマスターによるチーム戦だ。

 二チームに分かれ、お互いにいるサーヴァントは7機ずつで殺し合い、勝ったチームでその中の残ったペア同士で更に殺し合い、生き残った一組のペアが願いを叶えられるというルールだったのだが……………今回の場合は少し違った。

 まず、俺のいたチームが黒で、相手が赤だったのだが、黒はとある一族だけのメンバーだった。

 それがユグドミレニア一族だった。

 その中、俺は偶々ロンドンにいたのだが、金髪のチャラ男が緑髪の美人を連れていたのを見掛けてたのだが、どうも雰囲気が良くなく、直感でも嫌な感じがしたので、気配を消してこっそり後を付けってたら、一件の民家の中に入っていって、元から描かれてあった魔法陣が光り、チャラ男が呪文を唱えた終わった瞬間、その魔法陣から出て来たのが、ジャックだった。

 ジャックは出て来た瞬間にそのマスターを殺した。

 何故かって?

 あのチャラ男は“ジャック・ザ・リッパー”を呼び出して、緑髪の美女を生贄に差し出そうとしていたからである。

 ジャックはそんな事をする奴が許せなかったらしく、緑髪の美女ーーーーー六導 玲霞(りくどう れいか)をマスターとして認めた。

 俺は当時、聖杯戦争のことなど全く知らなかったので、危険と判断して彼女たちと接触し、それから紆余曲折といった運命を退け、とある事情により、ジャックは受肉して俺たちの養子となっている。

 

 「あれ?…………おかあさんになってる…?」

 「あ、今気付いたのか。いや、違う、そうじゃなくて………………。とりあえず、俺のことはおとーさんって呼ぶんだぞ?」

 「…………?おかあさんなはおかあさんだよね?」

 「うぅ…………」

 

 ジャックはマスターとなった者を老若男女関係なくおかあさんと呼ぶ。

 俺は男だから勘弁してほしいのだが……………そんなつぶらな瞳で俺を見るな……。

 俺に大ダメージが来るから…!

 

 「あれ?玲霞だ。何やってるの?………………ジャック?」

 

 そんな中、エルまで現れた。

 混沌待ったなしじゃねえか!

 取り敢えず、俺はエルに説明する。

 

 「よう、エル。実はなーーーーー」

 

 ~説明中~

 

 「項羽……………( ^_^)b」

 「だろ?(o^-')b」

 

 裏切り者ぉぉぉぉぉぉ!

 つか、項羽てめえ!

 なんでお前がいるんだよ!

 

 「いや、部屋に忘れ物したから取りに来たんだが、面白そうなことになってるなと思い、駆け付けてきたぜ!」

 

 親指立てんなこの野郎!

 お前のせいで俺がこんな目に………

 

 「だが、エルは嬉しそうだぞ?」

 「(満面の笑み)」

 「ならば良し」

 「おかあさんが二人いるー!わーい!」

 

 もはやカオスであったが、嫁が喜んでいるのならば構わない!!

 それからとやかく騒ぎ、項羽が神器の研究に戻ってから三人だけとなった。

 エルが俺に嬉しそうに話し掛けてくる。

 

 「ふふっ、君が女の子だったらこんなに可愛いんだね」

 「はぁ~…。後一週間このままか………。辛い…」

 「おかあさんは可愛いよ?」

 「エル、玲霞……………俺のメンタルは豆腐並みなんだ。……今時性転換ものなんか流行んないぞ……」

 「別に良いじゃんか。今夜は楽しめそうだね♪」

 「エル………お前、まさか……!」

 「今夜は寝かせないよ?」

 「ジーザス!!慈悲をくれ!」

 「あるわけないじゃないか」

 「(チーン…)」

 「おかあさんが真っ白になっちゃった?」

 「大丈夫だよ玲霞。明後日には元に戻ってるから」

 「何をするの?(好奇心&無邪気な目)」

 「………………玲霞にはまだ早いよ。あー、そうだ。今日は誰かと遊ぶんじゃなかったの?」

 「あ!そうだった!ナーサリーと遊ぶ約束してたんだった。またねー」

 「うん、またね」

 

 締めくくりにお互いに手を振り合い、残ったのはエルキドゥとジャックだけになった。

 ジャックは彼女の姿が見えなくなった途端、立ち直りエルキドゥに向く。

 

 「それで?何か用か?」

 「酷いな……。これでも僕たち夫婦じゃないか。なのに、真っ先に掛ける言葉がそれだなんて……」

 「それは悪いと思ってるが、この時間帯はお前いつも保護した奴らの面倒を見てるはずだろ?だからこんな廊下で会うことなんて滅多にないと思ってな」

 「そうだね。じゃあ、早速始めていこうかー!」

 「おー」

 「まず一つ目」

 「複数あんのかよ……」

 「ゼルレッチさんが今度来るってさ」

 「あ?…………あああ!?嘘だろ!!なんで!?」

 

 ゼルレッチ………本名をキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグと言い、真祖という吸血鬼の完全上位互換的存在の一人で、魔術協会のトップに君臨する人物だ。

 魔術協会は“魔法使い”達が集う組織ーーー『黄金の夜明け団』や『灰色の魔術師』ーーーとは別の“裏側”の存在で、恐らく唯一と言って良い、神秘ーーー“裏側”の存在ーーーの漏洩を防止するのを目的として設立させられた魔術師達だけの組織だ。

 ゼルレッチさんも表は魔術師を装ってるが、実際は人外だしな。

 そして、超強い。

 前に勝負することになったんだけど、手も足も出せずフルボッコにされたよ畜生め。

 しかし、なんで来るんだ?

 あの人の裏の()()の邪魔はしてないはずだが……?

 

 「『今度話があるから邪魔させて貰うぞ。アップルパイ用意して待っておれ』だそうだよ」

 「話って何だよ…………。()()()()で何かあったか……?()()ドラゴンか…?」

 「二つ目」

 「進行早いな!?もっと説明ないの?」

 「歓迎会は三日後だって」

 

 歓迎会。

 新たに保護した者や入団した者達を纏めて歓迎するために行われるパーティーだ。

 ある程度の数が揃ったら開催しており、その日だけは仕事は早めに切り上げて皆が自由参加できるものだ。

 今回で一定数に揃ったらしく、その準備をしてたらしい。

 あー、片付けが大変な予感がする…。

 

 「もうか。早いもんだな」

 「三つ目」

 「………なあ、俺の言葉に返さないお前もどうなの?」

 「バルパーの次の出現予定地が分かったよ」

 「!!!………やっとか」

 「うん、やっとだよ」

 

 バルパー・ガリレイ、自らの悲願のためだけに数多の子供の命を犠牲にした大罪人。

 聖剣の妄想に取り憑かれた哀れな愚者だ。

 あいつは実験を終えては被検体だった子供達を処分して捨ててった。

 生き残りはいないものかと探していたところ、なんとグレモリー眷属の『騎士』である木場祐斗が唯一の生き残りだった。

 本名をイザイヤと言い、今は偽名で一般生活と悪魔稼業をこなしているが、その裏では復讐心を日に日に募らせている。

 今となっては恐らく、聖剣を見ただけで仮面が崩れるはずだ。

 ……………本来なら、俺は彼を救えたはずなのだ。

 しかし、未熟だったために気付くのが遅れ、陰ながら見守ってきたが……………もう良いだろう。

 

 「俺が行こう」

 「おや?会議はやらなくて良いのかい?」

 「いらない。彼は俺が殺したも同然だ。今までは陰ながらだったが…………今回のでタガが外れるかもしれない。これは俺の我が儘だが、行かせてくれないか?」

 「フフッ、分かっているとも。行くと良いさ。ただし、僕も行くよ」

 「そうかい。んじゃあ早速ーーーーー」

 「俺を忘れては困ります」

 

 俺とエルの会話に突然割り込んできた男の声。

 それは横から聞こえたので、そちらを向くと…………ゲオルグが立っていた。

 

 「ゲオルグ…………なんでここに?」

 「聖剣計画を潰すのでしょう?なら、連れてって貰えないかと」

 「それは良いが………なんか目的でもあるのか?」

 「あると言えばあります。()()()()()()()()()()()を研究材料にしたい」

 「あー、そう言えば天使や堕天使にも効く“闇”を開発してたんだっけ?」

 「ええ。今回で完成するかもしれません。…………今更ですが………その姿はいったい……?」

 「項羽のせいだ。後は察せ」

 「あっ、はい。後一つだけいいですか?」

 「ん?なんだ?」

 「出てこい」

 「………………」

 「あれれ?なんでレオナルドがいるの?」

 

 ゲオルグの後ろからこそっと現れた小学生ぐらいの少年、名をレオナルドと言い、神滅具(ロンギヌス)の中でも四種しかない上位の存在である魔獣創造(アナイアレイション・メーカー)の所持者だ。

 先日エルが保護してきた者達の一人で、まだ本部に慣れていないだろうに…………なんでこんな所に?

 

 「実は………レオナルドが自分の力をいち早くも制御したいと言って俺の所に来まして………まず最初に実戦を見せてから覚悟を決めて貰った方が良いと思いまして。それならば、最近あのクソ爺が動くらしいから、それに同伴させてもらえないかと。それに、俺の神滅具があった方が保険にはなるでしょう?」

 

 と、ゲオルグは笑みを浮かべながら理由を淡々と述べる。

 そりゃ、確かに神器の中でも最高峰の防御力と厄介さを兼ね備えてる絶霧(ディメンション・ロスト)ならばレオナルドも安全に見学できるし、帰りも楽だが…………

 

 「お前………他の奴らから文句とか言われないのか?」

 「情報収集を制する者が世界を制するのです。敗者が吠えたところで何も思いません」

 「流石だねぇ……」

 

 俺らの幹部は十二人いるが、殆どの幹部ともなると中々外に出れるチャンスが中々無いため、今回で二回連続で俺の護衛という建前を使って外出するゲオルグに何かと言われる。

 先日行ったアスクレピオスやギャスパーも二、三ヶ月ぶりだったしな。

 それをどうでも良いと言えるのはペルセウスと曹操、カルナぐらいだろう。

 曹操は項羽と一緒にいられれば文句なしだし、ペルセウスはよく情報収集のために外に駆り出される上にはぐれ悪魔を狩りに出掛けることもあるし、カルナは農作業に夢中だからな。

 まあ、今回はゲオルグが一枚上手だったということで納得させるしか無いだろう。

 そもそもゲオルグを口で負かすことができるのは俺らボスと曹操とカルナぐらいだろう。

 黒歌と美猴は面白いぐらい簡単に言いくるめられるし、アスクレピオスや孔明は粘るが結論で言えば話題を逸らされ帰ってくしな。

 いや…………ゲオルグは分かるとしてレオナルドは………そうか。

 そもそもゲオルグは賢い。

 そんなゲオルグがこんなときにレオナルドを連れて行こうとはしないだろう。

 なら、彼の覚悟も本物のはずだ。

 フッ、ゲオルグは本当に子供に甘いな。

 俺はレオナルドの目線に合わせるようしゃがみ込み、聞く。

 

 「…………まあ、そうだな。トップである俺が認めよう。覚悟は当然………?」

 「…………(こくり)」

 「OK、ならば連れて行こう。エルも良いよな?」

 「勿論」

 「じゃあゲオルグ頼む」

 「分かりました」

 

 そうしてゲオルグは転移の魔法陣を展開させる。

 待ってろよ、ガルパー。

 今回は()()()のようにはいかねえからな?

 そうして、俺たちの見てる景色が変わっていった。




 どうでしたか?
 満足してもらったら嬉しい限りです。
 まあ、自分の妄想の集大成なんですがね。
 次回はなんと、あのキャラが出て来ます!
 ヒントは聖杯です。
 それではいつかまた近いうちに…。

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