インフィニット・ストラトス DEEP   作:右左右 右左

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この小説を書き始めた理由?、ヒロインの子逹から先輩!って呼ばれたいなと思って書き始めました。


入学編
二年目


拝啓 誰か様へ。

 

春も深まり、暖かな感じた生き物たちが、生き生きとし始める季節になりましたね。

 

私はこれから新しい生活が始まる事に心が弾んで・・・

 

 

 

・・・弾んではいないな。

 

 

 

教室の窓辺、清々しい程に目の前に広がる青い空を横目に見ながら、誰かに宛てる事もない手紙の冒頭を頭に浮かべていた。

 

「皆さんこれからS・H・R(ショート・ホーム・ルーム)を始めるですよ!」

 

小学生、そう思える位に背の小さい、紺色のツインテールの教師が髪をピョコピョコさせながら教壇から顔を出す。

 

「皆さんはパイロット科へと進級し、ISに関連する職業の中でも花形とも言えるパイロットへの道のりの一歩を踏み出しました、ここにいる皆さんはライバル関係ではありますが、友として・・・」

 

インフィニット・ストラトス 通称IS。

 

簡単に説明すると、従来の兵器達を凌駕するトンデモ兵器。鉄の雨を降らせてもへっちゃらだし、ミサイルをぶちまかしても切り落とす、航空機なんて遥か彼方に置いていき、果ては宇宙まで航行可能な夢のようなモノだ。

 

ただし、ISには一つだけ問題がある。

 

俺は先生の話しを聞きつつ、チラリと教室を見る。

 

女性しかいない

 

そう、ISには女性しか乗れないのだ。

 

そして、俺の今いるこの場所はIS学園、パイロットやシステムエンジニア、整備士などISに関係する未来のプロフェッショナル達を育成する為の学舎というわけだ。

 

そんな学校になぜ俺がいるかというと、そうISに乗れてしまうのだ。男なのに俺が。

 

 

事の発端は約2ヶ月前、織斑 一夏という少年がISを起動させた所から始まった。彼以外にも男でISを起動させる事が出来るかもしれないという事から日本で全国調査が始まり、しばらくたった時俺が見つかった。

 

今は世界的に調査が始まったが今の所、三人目は見つかってはいない。

 

「はぁ・・・」

 

誰にも聞こえない位のため息を付きながら教壇へと目を移す。

 

が、その途中でこちらを見つめてくる目玉が2つ。

 

「・・・・」

 

先生があれこれ言っているなか、隣の席から何の躊躇いもなくジッとこちらを見つめてくる女の子がいた。

 

水色の髪に赤い目、手には扇子を持っている。

 

(な、なんだ?)

 

困惑

 

何も言わず、暫く見つめあっていたが、フフッと笑顔を浮かべた女の子はこちらに小さく手を振ってくる。

 

俺も思わず手を振り返すがその時、ダンッ!!っと教壇を叩く音がした。

 

「しかぁあし!!そんな甘ったれた、腐ったミカンみたいな考えは今すぐ生ゴミ箱にでも捨ててくるのです!!」

 

突然、教壇の上に立ち上がった先生は腕を組ながら言い放つ。

 

「この界隈は弱肉強食!、とにかく強い者しか生き残れないのです!音大出たのに就職先がパン屋とか、んな学んだことを生かせないまま、なんで音大入ったの?みたいな事を永遠に言われ続ける人間だってこの世界にはいるんです!」

 

バンッ!と手を胸に当て。

 

「でも安心して下さい!、元中国代表ISパイロット、第1回IS世界大会「モンド・グロッソ」で総合準々優勝(・・・・・・)格闘部門準々優勝(・・・・・・・・)した、この王 美友(ワン メイユウ)が貴女達をどんな企業団体も欲する立派なパイロットに育て上げて見せるのです!!」

 

ババァァン!っという効果音が聞こえてきそうな位にフンスッと胸を張る王先生。

 

して生徒達の反応は・・・。

 

「「「「「・・・・」」」」」

 

シーンと静まりかえった教室。そしてそのまま時間だけが過ぎていく。

 

「・・・・はい、以上でSHRを終了しまーす、休み時間に入って下さいです」

 

よいしょと教壇から王先生が降りそのままスタスタと教室から出て行ってしまう。

 

あれ?先生、俺の紹介は?

 

先生が教室を出て行ってから、ザワザワと教室内が賑やかになっていく。

 

「ねぇ、一年生の織斑君見に行こっ!」

 

「うん!」

 

休み時間に入り教室から出ていく生徒がチラホラいるなかそのまま教室に残り友逹と雑談をする生徒達もいる。

 

この辺りはそこらの学校と変わらない風景だなぁ。IS学園って案外普通の学校なのねと思いつつも。

 

俺!一人ボッチ!!

 

もっと興味をもたれるもんかなと思っていたが、先生から自己紹介場を儲けられるわけでもなく、完全に孤立してしまっている!

 

どうすんだよこれぇぇ!!と頭を抱えて席に座っているとふと誰かの影がかかる。

 

「どうも〜、こんにちは」

 

そこにいたのは先ほどこちらを見てきた水色の髪をした女の子だった。

 

「ど、どうも・・・」

 

よかった、積極的に話しかけてくれる人がいて。

 

「王先生、中々、強烈な人だったでしょ?」

 

「ああ、教壇の上に先生が立っていいものなのかと思ったが」

 

水色の髪、手に持つ扇子、言葉使いからして性格は人馴っ子い女の子のようだった。

 

「まあ、王先生身長低いからね、ああでもしないと目立たないから」

 

ケラケラと笑いながら扇子を広げる女の子。あ、名前を聞かなくては。

 

「お前の名前は?」

 

「ああ、自己紹介をしないとね。私の名前は・・・「生徒会長!更識 楯無!!」

 

突然、教室の後ろから大きな声が張り上がる。

 

そこにいたのは外人の女子生徒の一人で可愛らしい金髪の三つ編みを2つ垂らした。

 

巨漢だった・・・

 

いや、女の子だから巨女か?・・・じゃなくて!

 

「クリスティーナ・ハイマッシブ!、生徒会長の座をかけて更識 楯無に決闘を申し込む!」

 

いやに漢らしい顔付きのクリスティーナと名乗った巨女はおもむろに自分の制服を掴み脱ぎ捨てる。元々着こんでいたのか制服の下にはレスリングのユニフォームを着ていた。

 

「あの・・・、クリスちゃん?私今ちょっと取り込み中なんだけど」

 

「問答無用!!」

 

その声と共にクリスティーナさんが駆け出す、教室の後ろからだがその速度は尋常ではなかった。

 

瞬く間に距離を積めてきたクリスティーナさんはレスリング特有のタックルを俺の目の前で放つ。

 

「うおぉぉぉ!?」

 

足を踏み込んだ大きな音と共にフワッと俺の前髪が上がる、強烈なタックル。こっちは椅子に座ったままだが腰を抜かしてしまいそうになった。

 

俺に話しかけてきたあの子は?

 

直ぐに目を向けだが、そこには既にあの子の姿はなかった。

 

ッどこに?

 

そう思った矢先、自分の斜め上から声がかかる。

 

「クリスちゃん、貴女のそういう猪突猛進的な所は好きだけど、ちょっと時を見計らってから挑んで欲しいんだけど」

 

いつのまに動いたのか、彼女は俺の机の上に立ってクリスティーナさんを見下ろしていた。

 

・・・水色の縞模様のパンツが見える。

 

「不意討ちよし、真っ向勝負でもよし、生徒会長は何時如何なる場合であっても挑戦には答えなければならないのでしょ?」

 

どんな生徒会長だよそれ!!

 

「まあ、そうは言ったけど、人が話している時位・・・」

 

「フンッ!!」

 

クリスティーナさんは最後まで話しを聞かず拳を降りおろす。

 

ベキャァア!!っと音立てながら粉砕される俺の机。

 

「俺の机があぁぁぁ!!」

 

フワリと空中で一回をし華麗に着地を決める彼女。

 

「もう、話しを聞かない悪い生徒には生徒会長としてオシオキしちゃうんだから」

 

「ようやくヤル気を出してくれたようでワタシもうれしいわ、楯無ちゃん」

 

そう言って再び俺の前で対峙し合う二人。

 

「オラァァァァ!!」

 

と、叫び声を上げながら、今度は組み付きにかかるクリスティーナさん。

 

しかし。

 

「そこッ!」

 

一瞬。組み付きよりも早く素早く、彼女の三連撃の蹴り技が入った。

 

「ぐおぉぉぉ!?」

 

明らかに女の子が出してはいけないような声を出しながらクリスティーナさんは一瞬宙に浮き、その巨体が仰向けになって教室床に倒れ込む。

 

「ハイ!レスリングで言うと背中が地面に着いたから私の勝ちね!」

 

手に持っていた、扇子を拡げる彼女。その扇子には「勝利」の二文字が書かれていた。

 

「くっ、相変わらずやるわね」

 

手で口元を拭いながらヨロヨロと立ち上がるクリスティーナさん。

 

「私の攻撃を食らって立ち上がる貴女のタフネスも凄いけどね。まっ、怪我してたらアレだし一様、保健室に行って来なさい」

 

「また、挑戦するわ・・・」

 

クリスティーナさん肩を押さえながらオズオズとこの場を後にした。

 

ポカーンと今、目の前で起こったこどが正直信じられなかった。しかし、改めて教室を見渡すとみんな何事もなかったかのように再び雑談を始めている。

 

「ごめんね〜、会話中断しちゃって」

 

先ほどトンデモ武闘会をしていた彼女はゴメンゴメンと舌を出しながら謝ってくる。

 

バケモンかコイツら。

 

「強いんだな、お前は・・・」

 

いや、強いの一言で片してしまっていいのだろうか・・・。冷や汗を欠きながらそう答える。

 

「生徒会長は最強であれって校則だしね、IS学園じゃあ日常茶飯事よ、毎日のように狙われるし」

 

ほとんどクリスちゃんだけど、っと付け加えてはいるが俺の内心は穏やかではなかった。

 

やっぱIS学園普通じゃねぇ、普通の学校みたいとか言った自分を叱咤するべきだった。

 

再び頭を抱えそうになる中、彼女がボソリと呟く。

 

「・・・まあ、最強って言っても猛者はこのクラスにはゴロゴロいるけどね・・・」

 

彼女が教室を見渡す。

 

女子生徒に囲まれているブロンド色のセミロングの生徒。

 

左目から口元にかけて切り傷の跡がある黒い長髪の生徒。

 

机に突っ伏して寝ている小柄な三つ編みの生徒。

 

クラスの子と誰とも話さず読書をしているメガネをかけた白い髪の生徒。

 

彼女の目からはそんな生徒逹が見てとれた。

 

「さて、改めて自己紹介するわ」

 

ポンっと手を叩き、こちらに振り替える。

 

「IS学園生徒会長 更識 楯無よ、楯無でいいわ」

 

スッと手を出され握手を求められる、俺は椅子から立ち上がりその手を握る。

 

「転校生の風見野 薪(かざみの まき)だ、薪でいい、よろしく」

 

 

転校したらトンデモ女子校だった、果たして俺は上手くやっていけるのだろうか・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「楯無、いきなりですまないんだが、この机どうしたらいい?」

 

そこには見るも無惨な俺の机だったものが一つ。

 

「スクラップね」

 

俺の二年目の高校生生活は自分の机を新しくする所から始まる。

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