インフィニット・ストラトス DEEP   作:右左右 右左

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オリキャラ回

基本的に原作キャラとの絡みをメインに作って行きます。


ソル・エンゲルベルトという少女

学生の本質はやはり勉学だ、それを忘れてはならない。

 

ここは寮の部屋、俺と一夏は揃って机に向かって勉強をしていた。

 

あの事件の後、部屋に戻ってみたら箒が消えていた、というよりは、ようやく部屋が確保出来たので箒が引っ越したって事だ。いや〜、やっぱり女子を含めた三人部屋は狭かったな、男二人の方が気にせず部屋を使える。ようやくのびのびと暮らせるものだ、ベッドにも寝れるし。

 

じゃなくて、今は勉強だ。

 

ここはIS学園、日本を中心に世界中から優秀な人間が集まる場所、勿論、ISの操縦やその知識が求められるのは当たり前だが、それでも基礎的な勉学は出来るようにしなければならない。

 

ならなければならないのだが・・・

 

わっかんね・・・

 

今、目の前にある教材が日本語で書かれているはずなのに読めそうにない。日本語を知らないのではない、何言ってるのか理解出来ないのだ。

 

状況は絶望的だった、このIS学園、偏差値がまさかの80越えという恐ろしすぎる学園、そんなん平凡な高校から来た俺からしてみればそこら中にクラスで頭が一番いい奴がいるようなモノだ。

 

出来杉君のバーゲンセールかここは。

 

勉強についていけない・・・それは学生において致命的である、本来は自分の学力にあった学校にいるのだからサボらない限りついて行けるはずなのだが・・・

 

「サボるサボらないの問題じゃねぇだろこれ・・・」

 

もう一度言おう、状況は絶望的である。

 

どうしよう、楯無やウェルキンに教えてもらわなければ一学期の中間テストでいきなり退学があり得る。

 

夏すら迎える事が出来ないセミになってしまう。

 

まあ、ISを使える男って事で退学はないだろうけど・・・

 

頭を抱えながら隣にいる一夏を見ると同じくして頭を抱えていた。

 

「どうした、一夏?何かわからないのか?」

 

「あ、薪先輩・・・なんとか、数学の問題を解いてきたんですけど、最後がわからなくて」

 

「どれどれ、先輩が教えてやろう」

 

流石に一つ下の学年の問題くらいは分かるだろう、そうたかをくくって渡されたプリントを見るが。

 

 

 

問10.

 

3以上の自然数nについてxのn乗+yのn乗=zのn乗となる0ではない自然数(x,y,z)の組は存在しない事を証明せよ

 

 

 

 

「・・・すまん、無理かもしれん」

 

「ですよね・・・」

 

証明の問題、高校入試には必ずでてくるが、数学としての知識は勿論、その根拠を書く為の説明する力も必要な問題だ。

 

「俺、証明苦手なんだよな」

 

「あー、わかります数学の問題かと思ったら突然国語をやらされてるみたいで」

 

「・・・とりあえず、何か書いて部分点だけもらったら?」

 

「それすらも、難しそうなんですが・・・」

 

「だよな・・・」

 

はぁ、と二人してため息をつく、一夏も俺同様、平均的な学力を持つ所から来た為、正直IS学園のレベルについて行けない。

 

「あぁ、駄目だ駄目だ。一回休憩いれよう、お茶でも飲むか?」

 

「あ、なら俺がいれますよ、先輩は座ってて下さい」

 

一夏が部屋についている簡易的な台所に向かう。

 

一夏はなんだかとても家庭的な所があるんだよなぁ、マッサージも出来るとか言ってたし、いい男だよコイツは全く・・・

 

その背中を見ていると部屋のチャイムが鳴った。

 

「ん?はいはい、今出ますよ〜」

 

ドアを開け、外にいる人物を見ると。

 

「やあ、薪。今いいか?」

 

ソルがいた。

 

ラフな格好、というよりは落ち着いた服装、まだ、春の陽気が残る中の為、ベージュのシャツに黒いスカート、そしてカーディガンを羽織っている。

 

「珍しいなソル、お前が一年生の寮にくるなんて」

 

「なに、少し用があってね、薪は今勉強中だったか?」

 

肩越しに部屋の中を見て、部屋の中の様子を察したようだ。

 

「まぁな、そうだお前この問題分かるか?」

 

「ん、どれだい?」

 

そう言って、ソルに一夏からもらったプリントを突きつけて見る。

 

その問題を見たソルはククッと笑う。

 

「ああ、この問題か、相変わらず数学のエドワース・フランシィ先生はいじわるな人だな」

 

「え、そうなのか?」

 

「ああ、去年、私もこの問題に悩まされたものだよ。ちなみに答えは方程式 xのn乗+yのn乗=zのn乗が n≧3 の場合、 x,y,zは0でない自然数の解を持たない・・・だ」

 

・・・・ん?よくわからん。

 

「つまり?」

 

「3以上での自然数では証明出来ない。答えは無いというのが答えだ、わかったか?」

 

「全然わからん」

 

「プッ・・・ハハハ!まぁ本気で証明するとなると分厚い本は二個必要だからな」

 

なんだ、その問題は・・・

 

ソルに笑われながらも一夏のプリントの問題に答えを書いて置く。

 

「で、ソル、用ってのは?」

 

「ああ、そうだった、そうだった」

 

ソルが身だしなみを整え、俺に向きなおって言う。

 

 

 

「篠ノ之 箒と言う子を紹介して欲しいのだが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一年生の寮の長い廊下を歩く。

 

俺は気になって後ろからついてくるソルに疑問を言ってみた。

 

「何だってまた、箒を紹介して欲しいんだよ」

 

「まぁ、私の個人的な興味だ」

 

まさか、コイツ・・・

 

「篠ノ之博士関連なら止めろよ、アイツ、気にしてるから」

 

一様の忠告、前に話した時には箒、かなり気にしてたし。

 

「ん?ああそうか名字が同じだからどうもそう思っていたが、妹だったのか・・・]

 

まさかの気づいてなかった。

 

「まあ、そうでないならいいけど・・・」

 

しばらくして箒がいる部屋の前に着く。

 

チャイムを鳴らし、返事を待つ。

 

「今、出るから待っていてくれ」

 

声からして箒だな。

 

ガチャとドアが開く音がして中から箒が出てくる。

 

「薪先輩?どうしたんですか?」

 

まぁ、当然の反応だろうな。

 

部屋から出てきた箒の姿は剣道着などではなく、Tシャツ一枚・・・ん〜、胸が強く強調されてる。

 

たゆん、たゆん、と揺れる胸を見ながら、箒にソルを紹介する。

 

「箒を紹介して欲しいって奴がいてな。こちらはソル・エンゲルベルト。俺のクラスメイトでドイツ国家代表だ」

 

「え!?、あ、はい。篠ノ之 箒です、よろしくお願いします 」

 

国家代表と聞いてかしこまったのか箒はビシッと体を整えソルに頭を下げる。

 

「頭を上げてくれ篠ノ之君。ソル・エンゲルベルトだ、よろしく頼む」

 

「はい・・・」

 

挨拶も終わったが本当、何の用が箒にあるのだろう。繋がりがあるとは思えないし。

 

「篠ノ之君、早速だが君に・・・」

 

ゴソゴソと後ろから何かを取り出すソル。

 

「これを着けて貰いたいのだが・・・」

 

 

 

ソルが取り出した物は ネコ耳カチューシャだった。

 

 

 

「「・・・・」」

 

「いや〜、一目見た時から君にはこういった物が似合うと思っていてね、是非、篠ノ之君がこれを着けてる姿を見たいんだ。あ、私は可愛い女の子に目が無くてね、好きなんだ。いや、別にレズって訳ではないぞ、ただ可愛い女の子が好きなんだ」

 

そのセリフを聞いて固まっていた俺は箒に肩を捕まれ二人してソルに聞こえないように会話する。

 

「あの、薪先輩・・・なんですかあの人は・・・」

 

「いや、俺も今凄く驚いてる。今までのソルのイメージが一瞬で崩壊した所だ」

 

黒い貴公子、紳士、もはやイケメン。ソルにはそういった言葉しか当てはまらない子だと、思っていたがまさかそういった趣味があったとは。

 

人は見かけによらないとはこの事か・・・

 

「まあ、箒。あんな事言っているがソルはいい奴なんだ、ここは一丁、ネコになってくれないか?」

 

「嫌です、初対面の人間からネコ耳を着けてくれって言われて承諾する人なんていませんよ」

 

「そこをなんとか頼む・・・」

 

「嫌ったら嫌です」

 

箒の鋭い目付きが俺を睨んでくる。箒、プライドは高いからなぁ、やっぱり無理があるか。

 

そう思っていると中々返答がこない事に気づいたソルがネコ耳カチューシャを両手で握りしめて言ってくる。

 

「そうか・・・まぁ、突然言われても無理があるか・・・しかし・・・見たかったなぁ・・・きっと似合うと思うのだが・・・」

 

シュンと落ち込むソル。それを見た箒は少したじろぐ。

 

「頼む箒、多分お前も数学の問題で悩んでんだろ?答え教えてやっから、ネコ耳を付けてくれ、人助けすると思ってさ」

 

「な、なんで数学の問題の事をッ!・・・・くッ、わかりましたつけるだけですよ・・・」

 

数学の答えを教える事で手を打ってくれたのか、箒はソルからネコ耳カチューシャを受け取り、一瞬、迷ってから頭につけた。

 

「ど、どうですか・・・?」

 

顔を赤らめながら聞いてくる箒・・・

 

それを見たソルは胸元を押さえながら言う。

 

「可愛い!!」

 

「えええええ!?」

 

「可愛いぞ、篠ノ之君!!」

 

「そ、そんな・・・」

 

「ついでにニャ〜とでも言ってくれ!」

 

「え、えっと・・・」

 

頬を赤らめて意を決して言う。

 

 

 

「に、ニャ〜・・・」

 

 

 

数秒の沈黙の後にソルがガッツポーズをする。

 

「くぅ〜!心が洗われるよ!やはり、私の目に狂いはなかった!」

 

「そ、そうですか・・・」

 

「やはり、ネコ耳はいい物だな!」

 

すかさずスマホで写真を撮り始めるソル、それに気づいた箒が直ぐに俺の後ろに隠れる。

 

「しゃ、写真は駄目だ!」

 

「ぬ、そうかなら仕方ない・・・可愛いので写真として保存しときたかったのだが・・・」

 

「薪先輩・・・わた、し・・・そんなに可愛いく、見えますか・・・」

 

こちらの背中から服の袖を掴みながら頬を赤らめて下から見上げてくる仕草に思わずキュンと胸が鳴ってしまう。

 

「ああ、誰が見ても可愛いって言うだろうよ」

 

「そ、そうですか・・・」

 

「今度一夏の前でやって見たらどうだ?アイツも喜ぶと思うが」

 

「えぇ!?、そ、それは無理です!!」

 

更に顔を赤らめて抗議してくる箒、だが、その仕草は駄々をこねるネコにしか見えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし、お前にそんな趣味があったとは」

 

「ふふ、恥ずかしいとは思わないぞ、可愛いものは可愛いのだから愛でて当然だ」

 

「もう少し自重はしてほしいんだがな」

 

「いや〜可愛い子を見るとつい」

 

一通り箒のネコ耳姿を堪能したソルと共に自分の部屋を目指す、部屋に帰って勉強の続きをしなければ。

 

勿論、箒には対価として、数学の答えを教えた、ついでに猫耳も箒はもらっていった。

 

「いいのか?ソルの私物を箒にあげて?」

 

「なにストックは沢山あるからな、ネコ耳も犬耳も種類も豊富だ・・・薪もつけるか?」

 

「・・・遠慮しとくわ」

 

コイツは誰彼構わず付けるのかコイツは。

 

「そんな種類の耳をどうすんだよ、一個、一個つけて遊ぶのか?」

 

「ふふ、薪、人には人の絶対に合う動物の耳があるのだよ、それを瞬時に見極めてつけるんだ。薪は・・・無難に犬耳などはどうだ?」

 

「だから遠慮するって・・・」

 

「そうだ、なら次に出て来た。女の子に合う動物の耳を当てよう、薪もやって見ろ、直ぐに出来るぞ」

 

「んな事・・・」

 

そんな会話をしていると通路にある知らない部屋から誰か出てくる。

 

髪型はツインテールで小柄な体型、八重歯が特徴的な・・・

 

「ん?エロ魔神、なにやってんのよこんな所で」

 

 

 

「「猫だな」」

 

 

 

即答だった。

 

「はぁ?」

 

「凰は猫だな、もしくは猫科の動物か・・・」

 

「薪、ここに虎耳がある、付けてみよう」

 

スッと何処からか虎耳カチューシャを取り出すソル。

 

「え?、なに?・・・」

 

後ずさる凰の肩を掴み、逃げられないようにするソル。

 

「大丈夫痛くしないから・・・」

 

「え、え!?ちょ、ちょっと!エロ魔神、助けなさいよ!」

 

「ああ、すまん凰、後で数学の問10の問題の答え教えてやっから」

 

「なんで、数学の問題の事知ってんのよ!」

 

その後、凰の悲痛な叫びが・・・じゃなかった、弱々しい、ガオーという声が寮に小さく響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日

 

「え?先生に怒られた?」

 

「はい・・・なんでも、お前らにこの問題が解けるわけ無いだろって、元々、考えさせる力をつけさせたかったみたいで」

 

「なんだ、そりゃ」

 

「それが、この問題、人類が解くまで350年かかった難問らしくて」

 

「・・・そんな、問題を高校生にやらせるなよ」

 

恐ろしきIS学園、今後も俺と一夏は、この学園の常識外れな部分に頭を悩まされる事になる。

 

 




この問題がわかる高校生がいたらマジの化け物ですよね。
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