インフィニット・ストラトス DEEP   作:右左右 右左

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マイペースなあの子

フォルテ・サファイア

 

髪型はポニーテールではなく先端にリボンを着けた、ちょっとボサボサ気味の三つ網おさげと言った感じだIS「コールド・ブラッド」の待機状態になったいる。髪の色はダークブルーとでも言えばいいか。

 

小柄な身体に猫背な姿勢のせいでより小さく見える。多分二年生で一番小さい。まあ、王先生程小さくはないが。

 

そして、ギリシャ代表候補生、実力は二年生の中でもかなり高い方だ。IS学園では有名な「イージス」の片割れであり、まさしくタッグ戦のスペシャリスト。

 

そんな、子と俺はタッグを組むことになった。

 

教室にて―――

 

放課後、サファイアの近くの席の椅子を借りて二人で対面する。

 

「まずは、風見野の事を知りたいッス」

 

「俺の事?てっきりISの模擬戦でもして力量を試されるかと思っていたんだが・・・」

 

「違うッスよ、タッグ・パートナーに必要なのは、息の合った連携もそうッスけど。まずは、信頼関係ッス、信頼関係が築けなかったら相方に背中を任せる事もままならないッスからね」

 

ノンノンノンと人差し指を振りながら腰に手を当てて答えるサファイア。

 

「そうだな・・・プロフィールか・・・」

 

「一気に言って見て下さいッス」

 

突然そんな事言われてもなぁ。

 

そう思いつつ頭に浮かんだ事を手当たり次第に言っていく。

 

「・・・風見野 薪。男、年齢は16才、四人姉弟の真ん中、学歴は平凡なのにIS学園に入ってしまった学生、趣味は・・・多彩だな、色々やってる。小説、ゲームにマンガ、模型にアニメ観賞に映画も見るな、ドラマとかも、後、楽器のベースも少々。好きな食べ物はないけど、嫌いな食べ物は・・・お麩かな」

 

「特技はないッスか?」

 

「ISに乗れる事とかじゃ駄目か?」

 

「それは、世界が知ってるッス」

 

世界か〜。

 

終了。

 

「ん〜、普通ッスね」

 

「悪かったな普通で」

 

「なんかこう最も、驚くような趣味でもあればいいんッスけど」

 

「そんな物を一般男子高校生に求めないでくれ」

 

むしろ、多彩な趣味を持ってる事や四人姉弟とかに驚いて欲しかったんだが・・・

 

「あ、そう言えば、俺、実は目が悪い」

 

「え!そうなんッスか!?」

 

そこに驚くのかよ。

 

「ああ、普段はコンタクトだが、夜には外して眼鏡かけてる」

 

「眼鏡風見野・・・見たことないッスね」

 

「レアだからな、見た事あるのは一夏と箒くらいか」

 

後、今後はシャルルも追加されるのか。

 

「ほら、次はお前だ、サファイア」

 

「えぇ〜、めんどくさいッス」

 

「俺だけ言ったら不公平だろ」

 

めんどくさいって・・・人に言わせて置いて自分は逃げるつもりか、させんぞ。

 

渋々といった感じで自己紹介を始めるサファイア。

 

「えっと、フォルテ・サファイア、女子、16才ッス。ギリシャの代表候補生で、専用機を持ってるッス」

 

「その辺りはもう、何度も聞いたんだが・・・趣味とかは?」

 

サファイアは少し悩んでから言い始める。

 

「料理を・・・」

 

「へぇ・・・料理出来るのか」

 

「食べる事ッスかね」

 

食い専かよ。

 

「日本にきてから、この国の料理って凄い美味しいんだなって思ったッスよ。どこ行っても、色んな食べ物があって目移りしちゃうッスから。でも、やっぱり、ショッピング・モールで食べたあのパフェが一番、美味しかったッスね〜」

 

食べたパフェの事を思い出しているのか、少しよだれが出ているサファイア。

 

まあ、パフェが好きとかは女の子らしいが。

 

「なるほどな、じゃあ、特技は?」

 

「ISの能力を使って、一瞬で冷凍ジュースとか作れるッス」

 

「なにそれ、夏にめっちゃ便利」

 

科学の結晶が、便利グッズになると誰が予想しただろうか。

 

「いや、待て、それは、お前の特技じゃなくてISの特技だろ」

 

「バレたッスか」

 

「当たり前だ」

 

終了。

 

俺とサファイアで、一通りの互いのプロフィールを見せ合った結果は。

 

「ん〜、風見野とは普通に仲良くなれそうなんッスけど、まだ何か足りないような・・・」

 

「そりゃ、自己紹介しただけで仲良くなれたら、人間関係に苦労しねぇよ」

 

「じゃあ、そうッスね。今度の週末の日曜日に駅前にでも遊びに行かないッスか?」

 

遊びにか・・・まぁ、仲良くなるなら、それが一番手っ取り早いか。

 

「わかった、遊ぶか」

 

「よし、じゃあ、そうするッス」

 

遊びに行く、約束を交わし席を立ってそのまま教室を後にするサファイア。

 

「じゃ、私はダリル先輩との用事があるんでさようならッス」

 

「え、終わり!?この後に訓練とかしないの!?」

 

「めんどくさいでまた明日ッス」

 

「それもめんどくさいのかよ!」

 

手を振りながら消えて行った。

 

「・・・・はぁ」

 

席に座り直し、ため息をつく。

 

なんと言うか、アイツのペースに乗せられっぱなしだったな、楯無とは違い、別の意味で振り回されそうだ。

 

「これから、どうなるんだか・・・」

 

今後の行く末に不安を募らせていると、教室の入り口から暗い顔をしたサファイアが帰ってきた。

 

「どうした?サファイア。忘れ物か?」

 

「あ〜・・・いや、なんて言うんすかね・・・」

 

サファイアが気まずそうに頭を掻く。

 

「そ、そう言えば、用事なんて無かったんすよ・・・」

 

「はぁ?」

 

「い、いいから、風見野の言う通り、これから第三アリーナに訓練しに行くッスよ」

 

そう言うだけ言って、サファイアはまた教室を後にする。

 

「はぁ・・・何だって、ダリル先輩との昨日の約束を・・・なにも無かったら今頃デートだったんッスけどねぇ・・・」

 

ボソボソと何かを言いながらトボトボと歩いていくサファイア。

 

「何か言ったか?」

 

「なんでも、ないッスよ」

 

俺はそのの丸まった猫背を見て思った。

 

マイペースな奴だな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サファイアとの訓練は余りいいモノではなかった。最初こそ、それなりにやっていたのだが、途中からサファイアのやる気がなくなって、ほとんどダラダラと過ごすような訓練だった。

 

「楯無との訓練と比べたら楽っちゃ楽なんだけどな・・・」

 

寮の廊下を歩きながら自分の部屋を目指す。

 

楽と言えば楽、しかし、なにも身に入らない訓練は意味がない。

 

楯無の場合は次に俺に何を教えるべきかを考えて来てくれるのだ、毎回課題があり、それが出来たら終わり、それが出来なければ何度でもやる。辛い訓練だがとても分かりやすく、シンプルだ。

 

だが、サファイアは・・・なんと言うか、適当な所が多かった。多分、普段から訓練をすると言っても上級生のダリル先輩に任せていたのだろう。というかサファイアは誰かに教える事自体、始めてなのではないだろうか・・・

 

悶々とした考えの中、特に激しい訓練などもしていないのに疲れた身体を引きずって自分部屋に入る。

 

「ただいま」

 

「先輩、お疲れ様です」

 

「お疲れ様です・・・」

 

ん?ああ、そうか一人増えてるんだっけ。

 

入った部屋の中には一夏以外にもう一人、金髪の子がいた。

 

どうやら、二人は食後の休憩もかねてお茶をしていたようだ。

 

「よろしく、一つ上の風見野 薪だ」

 

「朝あった以来ですね。シャルル・デュノアです、よろしくお願いします」

 

「ああ、何か困った事があったら俺か一夏に言え、同じ男性同士仲良くしよう」

 

「は、はい」

 

一夏同様、素直な後輩なようだ。

 

近くの椅子に座り、一息つく。

 

「先輩もお茶いりますか、日本茶ですけど?」

 

「ああ、貰おうか」

 

俺の分の日本茶が入れられ、早速いただく。

 

ん〜、やっぱり日本人は日本茶だよな、緑茶。せんべいと合う、ようかんと合う・・・そう言えばお腹が減ってきた、まだ、夕飯食べてないし、後で行こう。

 

「このお茶、紅茶とはずいぶん違うんだね。不思議な感じ。でもおいしいよ」

 

「気に入ってもらえたようで何よりだ。今度機会があったら抹茶でも飲みに行こうぜ」

 

「抹茶か・・・シャルルの口に合うかな?」

 

「合いますって、美味しいんですから」

 

抹茶、緑色の濃い液体と言えば聞こえが悪いが、まあ、自分は好きな部類には入るな。ちょっと前の抹茶ブームもあって日本人にも広く浸透してるし。

 

「抹茶ってあの畳の上で飲むやつですよね?特別な技能がいるって聞いた事があるんですけど・・・一夏はいれれるの?」

 

「抹茶は「たてる」って言うんだぜ。いや、俺も略式のしか飲んだことな」

 

「確かに俺も本格的にやった事はないな、京都にでも行けば直ぐに出来るが・・・この辺りも探せばあるか?」

 

「そう言えば、今は駅前に抹茶カフェっていうのがありましたよ。コーヒーみたいな感覚で飲めるやつです」

 

「抹茶カフェか・・・じゃあ、今度シャルルを誘って行って来い一夏」

 

「わぁ、今度誘ってよ一夏。一度飲んで見たかったんだ」

 

「おう。ついでに色々案内もするぜ。せっかくだし今週末の日曜にでも出かけるか」

 

「本当?嬉しいなあ。ありがとう、一夏」

 

柔らかな笑みを一夏に浮かべるシャルル。中性的な印象があるシャルルの笑顔はまるで女性のようにも思えてしまう。

 

というか・・・

 

「ま、まあ、俺も久しぶりに抹茶を飲みたかったし、ついでだよついで」

 

「ふふっ、ありがとう」

 

一夏が照れてる。一夏、シャルルは男だぞ、お前はただでさえ女子に囲まれているのに、そこからさらに新天地に向かおうとするのか?俺は止めんが後ろから刺されるぞ。

 

「先輩も一緒にどうです、たまには後輩との仲でも深めましょうよ」

 

「わりぃが、日曜には予定が既に入っていてな、また今度の時にでもな」

 

よいしょと立ち上がり、部屋を後にする。

 

「あれ?何処に行くんですか先輩?」

 

「夕飯だ、まだ食べて無くってな、だから帰ってくるまでに二人ともシャワーを浴びといてくれ」

 

「わかりました。シャルル順番とかどうする?基本、先輩は遅いから最後になるんだけど」

 

「あ、僕が後でいいよ。一夏が先に使って」

 

後輩達の会話を聞きつつドアを閉めて食堂へと向かう。

 

シャルル・デュノア・・・楯無からは気をつけて、なんて言われたが、なんて事はない俺達と同じただの一般人のようにしか見えない・・・だか・・・中性的な顔・・・。

 

 

 

「まさか・・・実は女の子とか?・・・」

 

 

 

・・・ないな、というか確かめようがないな、やろうと思ったらそっちの気があるのではないかと校内で噂されてしまう。

 

「はぁあ・・・なんなんだよ、いったい・・・」

 

身の回りで起こる様々な事柄に頭を悩ませつつ今日はご飯にありついた。

 

 

 

そして、また今日から床で寝る日が続く。

 

 




凡骨主人公 風見野 薪

薪は果たしてシャロットの正体に気づけるのか

後、フォルテとは仲良くなれるのか
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