インフィニット・ストラトス DEEP   作:右左右 右左

2 / 24
主人公のISはオリジナル要素を極力削りました。
こんなんでどうでしょう?

キャラクター名変更8/20

ソル・ビビッド→ソル・エンゲルベルト


マイ・パートナー

「風見野君、君には専用機が与えられるのです」

 

昼休み、まだIS学園に馴れない俺の為と楯無が色々と案内をして最後に食堂で昼食をとっていた時、王先生からそう言われた。

 

「俺の専用機?」

 

「そうですよ、専用機が与えられるのです。それはとっても名誉なことなのですよ!」

 

笑顔でピョコピョコとツインテールを揺らしながら王先生が説明をし始める。

 

先生曰く、ISは467機しか世界には存在しないISの開発者である篠々乃 束博士がある日を境にコアの製造を中止してしまったからだそうだ。その為ISは各国にとって貴重なものとなり、その保有数がその国の戦力そのものと言っても過言ではないらしい。

 

「そんな、一国が喉から手が出る程、欲しいと思うISを俺が貰ってもいいんですか?」

 

「ん~、国際IS委員会が男性操縦者のデータを欲しがっているんですよ。それと様々な魔の手から貴方自身を守る為に絶対防御や生命維持装置があるISが与えられるのです」

 

「魔の手?」

 

「はぁ〜、世界にはいたいけな男の子に対しても良からぬ事を考える奴らがわんさかといるんですよ」

 

やれやれとため息を付きながら首を横に振る王先生。

 

「じゃ、放課後に渡すので後で職員室にくるように、いいましたからですね〜」

 

そう言って先生は手を振りながら行ってしまう。

 

そんな先生を見送りながら食事を再開しようとすると。

 

「へぇ〜、薪君、専用機持ちになるんだ」

 

「ああ、らしいな。突然言われても実感は沸かないが」

 

楯無が喋りながらハンバーグをナイフで切り、そのまま口に運ぶ。

 

俺も箸を取り、鮭の切り身を食べてからご飯を口に入れ込む。

 

「織斑 一夏君も専用機持ちになるらしいし、男の子二人揃って専用機か、いいな〜」

 

「簡単に手に入らないモノを手にして悪かったな、だがお前も専用機持ってんだろ」

 

「フフン」

 

更識 楯無 ロシア代表。

 

先ほど校内を案内された時に色々ISについても説明されたが、まさか一国の代表だったとは恐れいった。伊達にIS学園の生徒会長を名乗っているわけだ。

 

食べる手を止めニヤニヤとこちらを見てくる楯無。

 

「・・・どうした」

 

めっちゃ食べずらいから早く用件を言ってくれ。そう思いつつ野菜に箸を伸ばす。

 

「私が教えてあげようか?」

 

その言葉を聞いて思わず箸を止める。

 

「ISの操縦をか?」

 

「ええ、このロシア代表にして、IS学園生徒会長が手取り足取り、教えてあげるわよ」

 

「本当か?、それは助かる!」

 

「気にしないで、初心者には誰だって優しいわよ」

 

よかった、ISの起動なんて、全国調査の時以来だし、正直かなり不安だった。ISの基礎訓練なんて本来は一年生の内に覚えなければならない事なのだが。

 

いかんせん、俺は二年生の時に転校してきてしまったのだ。確実にパイロット科の授業に付いていける気なんてしなかった。

 

そこに現れた救世主 更識 楯無。

 

楯無お前、巨漢を意図も簡単に蹴り倒すヤバい女の子だと思ってたけど本当にいい奴なんだな。目の前の楯無が女神のようにすら思える。

 

俺の中の不安が一つ晴れ、晴れやかな気分で食事を再開する。

 

しかし、俺はその時の事を後々後悔する羽目になる。楯無の不敵な笑みに気づかないまま。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここですよ」

 

放課後、楯無と共に王先生に連れられてやって来たのはIS学園にある倉庫の内の一つ。

 

その中は薄暗く、天井の高い場所にある照明だけが光源と言ってもいい。

 

「あれ?王先生、この倉庫って生徒立ち入り禁止じゃあなかったでしたっけ?」

 

楯無が、俺の後に続きながらそう質問する。確かにあまり人が立ち入った様子もないような場所だ、所々にホコリすら詰まっている。

 

「ま、まあ。今日から解禁されたのですよ。なので今後は使っても構いません・・・」

 

・・・多分、風見野君位しか使う人いないと思いますけど・・・。

 

最後にボソッと王先生が何かを言った気がするが、よく聞こえなかったのでスルー。

 

暫く歩いて行くと照明に照らされたシートに被せられた何かがあった。

 

「これですか?」

 

「はい、これが風見野君のISです、今シートをとりますよ。あ、楯無ちゃんそっち持って下さい」

 

「はい、わかりました」

 

そう言って王先生と楯無がシートの端を握る。

 

自分の中で緊張が走る。俺の専用機、そう聞くと聞こえはいいが、実際に持つとなるとどんなものなのかと期待してしまう。

 

「では、しかと見てください。これが風見野 薪の専用機です!!」

 

シートが取れる音と共に現れたのは・・・。

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

あれ?

 

「あの、王先生?、専用機は?」

 

「これが!風見野 薪の専用機です!!」

 

いや、二度も言うな。

 

「王先生?、だってこれどう見ても・・・」

 

そう、どっからどう見ても。

 

「コアだけ?」

 

楯無が一番いいたい事を言ってくれた。

 

二人してISの固定台にセットされているISのコアを見てから王先生の方を見る。

 

「う、うう・・・」

 

「せ、先生?」

 

「うわぁぁぁぁん!!」

 

先生が泣き始めた・・・。

 

「風見野君、申し訳ないのです〜!」

 

突如として泣いて謝って来た先生に対して二人とも唖然としていると、先生が事のあら回しと言う言い訳回想に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー数週間前ー

 

夜、カタカタとパソコンのキーボードを叩く音が聞こえて来る部屋。

 

「ちーちゃん、二番目に見つかった子が起動したISはその子の専用機になるんですか?」

 

「ここでは織斑先生と呼べと言っているだろう、(メイ)

 

「今、ちーちゃんもニックネームで呼びましたですよ、というかいいじゃないですか。もう私達二人しかいないのですよ?」

 

織斑 千冬と王 美友二人は仲良く揃って残業していた。

 

IS学園職員室、ISという国家間の貴重なモノを預かる上に、各国の生徒逹の教育。果てや、衣食住まで管理しなければならない、ハンパではない情報量が飛び交うIS学園。勿論仕事の量もハンパではない。

 

「はぁ、来週からは寮に新しい生徒が入ってくるのか・・・」

 

ため息を付きつつ、コーヒーを啜る千冬。

 

「今年も賑やかな子達が入ってきそうですね、ブリュンヒルデちゃん」

 

「止めてくれ・・・」

 

ケラケラと笑いながら、カ○リーメイトを口に入れる美友。

 

「ちーちゃんのクラスの子の殆どが私の担任するクラスの子になるなんて思いもしませんでしたよ」

 

「アイツらは手を焼くぞ、更識 楯無、ソル・エンゲルベルト、鴉堕 舞姫(からすだ まいひめ)、フォルテ・サファイア、最後に(かすみ)・オウアランダー」

 

「この前、霞ちゃんも専用機持ちになって、その五名が二年生の専用機持ちですか」

 

そんな、雑談をしながら残りに残った仕事を片付ける二人。元々はモンド・グロッソで戦いあった二人だが争いも過ぎれば良き友、仕事の場で気兼ね無く話せる友は貴重だ。

 

「そういえば、さっきの二番の専用機の話しだが、確か風見野 薪が起動したのはIS学園のラーファル・リヴァイヴだろ?一機IS学園から無くなる事になるが、大した痛手ではないだろう、教師陣が使うISを一個訓練機に回す予定だ」

 

「そうだったんですか、了解で・・・え?、ラーファル・リヴァイヴ?」

 

「ああ、ラーファル・リヴァイヴだ。それがどうかしたのか?」

 

千冬が美友を見ると顔が真っ青になっていた。

 

「お前まさか・・・」

 

美友が様々な書類が山のように乗った自分の机をかき分けてヨレヨレになった紙を一枚見つける。

 

「く、訓練機のラーファル・リヴァイヴが故障してスペヤパーツがないからって理由でなんか知らない間に使ってないISがあるな〜と思って、パーツをそこから拝借してって言うかですね・・・」

 

「・・・つまりは?」

 

「・・・初期化しちゃったのです・・・はい・・・」

 

ただでさえ静かな誰もいない職員室に更なる沈黙が訪れる

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

「助けて!!ちーちゃん!!」

 

「無茶言うな!!」

 

この二人って、本当仲がいいんですよね。一年生 副担任 山田 真耶 談

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、織斑先生の提案したこの倉庫ですか?」

 

王先生の回想が終了し楯無が扇子に手を当てながら聞く。対して先生は真っ白に燃え尽きたの如く、ポツポツ

と言葉を紡ぐ。

 

「はい・・・。ここは今は現役を退いた一世代のISのパーツや二世代のジャンクパーツなどを保管してある場所なんです。生徒逹に使わせる訳でもないですし、かと言って国に戻すのも面倒と言うことでずっとここに保管してあったのですよ」

 

「えっと、じゃあ俺のISは・・・」

 

「はい、ここにあるジャンクパーツで作る事になります・・・」

 

まさかの組み上げからスタート、そしてパーツはジャンク品・・・。

 

「だ、大丈夫ですよ、風見野くん。今ならこのIS、なんと整備士科の子とシステムエンジニア科の子も付いてくるんです!」

 

ヤル気を取り戻し始めた先生。だけどもそんなテレビ通販みたいな事言われても!

 

先生がなんとか弁解しようと躍起になっている時、倉庫の入り口から声が聞こえた。

 

「王先生〜!色彩 朱理が今来ましたよ〜!」

 

倉庫に入って来たのは二人、赤い髪の女の子と青い髪の女の子だった。

 

「あら、先生が言ってた整備士とシステムエンジニアって、朱理ちゃんと藍理ちゃんだったの」

 

「お〜、楯無。相変わらず話題の中心にいるなお前、そしてこっちが同級生の方の男性操縦者か」

 

ふーん、とこちらを舐めるようにみてくる。

 

いかん、押されては駄目だ。

 

「風見野 薪だ。よろしく」

 

こちらから手をだすと、ニカッと笑った赤い髪の女はこちらの手を取る。

 

「よろしく!整備士科に所属してる色彩 朱理(しきさい あかり)だよろしくな薪!でこっちの青いのは・・・」

 

色彩 藍理(しきさい あいり)です、システムエンジニア科に所属しています。薪さん。よろしくお願いいたします。」

 

「よろしく、ってお前ら双子か」

 

朱理と藍理。二人の容姿は瓜二つだ、髪は二人共ツインテール。赤い髪が朱理、青い髪が藍理といった感じだ後違いがあるとすれば・・・

 

「先生!このISを組み上げちまえばいいんだな?」

 

「そうです私の救世主!是非お願いするのです!」

 

「じゃあ、姉さんは状態のいいパーツを持ってきて組み上げて、私はシステムの立ち上げしとくから」

 

「おし、任せろ!適当にパパッと組み上げるから!」

 

「もう、姉さん真面目にやって。あ、先生も手伝って下さい」

 

「はい!この王先生がなんでも引き受けますよ!」

 

・・・性格だな。強気で大雑把な姉に真面目で冷静な妹っと言った所か。

 

とりあえず俺はそこら辺にあったパーツに腰かけて作業を見守る。

 

「あの二人が組み上げるなら安心ね」

 

そう言って隣に座ってくる楯無。

 

「そんなに凄いのかあの二人?」

 

「ええ、天性の朱藍コンビって言われる位には凄いわ、私のチームにも欲しかったな〜」

 

「チーム?」

 

「ええ、二年生からはクラス別とかじゃなくてチーム別なの」

 

そう言ってISが組み上がるまでの間、楯無のチームの説明が始まった。

 

「一年生でISの基礎を学んだら。二年生からは各それぞれの学科に別れて新学期がスタートするんだけど、その際にチームを組む訳。専用機持ちは勿論、専用機を持ってない生徒逹も自分達でISを調整して運用して、試合で結果をだす。そう言った仕組みなのよ」

 

なるほど、企業だけに整備や調整、測定を任せるのではなく自分達だけで成果を上げていくのか、確かにそれだけ企業がやっている事に近い事をやっていれば、就職した際にも即戦力として期待出来るわけか。

 

「薪君もチームを組むならばあの子逹はオススメよ、楯無ちゃんのお墨付き」

 

「チームか・・・」

 

今後の事を思いはせつつ自分のISが組み上がっていくのを見つめる。パーツ自体元々あった為、組み上がる時間は差ほどかからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

組上がったISに乗り込みアーム、レッグのサイズ調整をしていく。

 

「おお、本当に動かせるんだな」

 

「動かせなかったらここにはいねぇよ」

 

そんな会話をしながら朱理は王先生が下から持ち上げた部品を取り胸部装甲の調整もする。

 

「薪?キツくないか?」

 

「ああ、大丈夫だ。所であれ着てないけどいいのか?」

 

「んあ?、あれ?」

 

ISの固定台の上、まだISはその四肢を固定されているため俺自身体を動かせない。

 

「ああ!、ISスーツの事か?いいんだよあれはISスーツはISとの相性を良くしたり、追従性をあげたりするモンだから、それに今日は組み立てだけだし」

 

本格的な調整は明日からだな〜。

 

と、朱理が言っているのを尻目に俺は今の状況を見る。

 

胸がガッツリ当たってるんだが・・・。

 

今は完全に朱理に抱きつかれるような形となっており、朱理が動く度に胸が押し付けられるのだ。

 

平常心だ、向こうが気づいていないなら、俺も気づかない。知らなかったという事にしよう。

 

と今の状況を楽しむ方向にした。

 

「鼻の下が伸びてるわね」

 

「伸びてますですね」

 

王先生と楯無にはしっかりバレてた。

 

なんやかんやで楯無に叩かれつつ、ISが組み上がりいざ歩行テストを始める事になる。

 

「薪さん、ロック解除しますよ」

 

「ああ、頼む」

 

ガシャンっとISを固定するロックが外れる音がする。

 

「さあ、薪君!今こそ日進月歩!もはや使われる事もない運命だったパーツ達に今一度命を吹き込むの!」

 

楯無が俺に向かって扇子を突きつける、その扇子には明日への三文字。

 

あの文字どうやって変えてんだろ?

 

そんな考えを頭の隅に追いやり、歩く事に集中する。

 

「行くぞ・・・」

 

ゆっくりと固定台から足を下ろす。

 

「ッ・・・・」

 

一歩目。

 

だだの一歩だがなんだか感動してしまった。

 

「薪君、そのまま外へ・・・」

 

楯無に導かれながら、光射す倉庫の外へ向かう。

 

二歩目、三歩目と順調に歩を進め今太陽の下に・・・が。

 

「・・・・」ガシャン

 

「・・・・」ゴション

 

「あの・・・薪君?」ガシャン

 

「どうしった?」ゴション

 

「なんでそんなペンギンみたいな歩き方してるの?」ガ

 

「・・・・」

 

思わず立ち止まる。

 

「楯無、ISってこんな歩きづらい兵器なのか?」

 

「ん~多分、私の見立てでは右足と左足のサイズが違うせいだと思うの」

 

「朱理ィィ!!」

 

パーツを選んだ本人を見る。

 

「あれぇぇ?、寸法間違ったかなぁ?同じパーツなんてないからちょっと待っててね」

 

たはぁ〜 と手で頭を掻きつつ、再びパーツ選びを始める朱理。

 

「はい、じゃあ薪君、固定台に戻って」

 

「ええぇぇぇ!?」

 

この状態で歩くの結構疲れるんだけど!

 

「つべこべ言わずに走る!」

 

走れないんだけど!

 

「いいからもう一回!」

 

もう一回、もう一回、もう一回っと倉庫内に楯無の声が響きわたる。

 

「じゃ先生は、職員室に戻るので戸締まりお願いするのです。あ、風見野君!ここに風見野君がお泊まりする寮の鍵置いときますのです」

 

「お疲れ様でした。王先生」

 

「はい、藍理ちゃんも頑張って下さいなのです」

 

そう言って、先生はスキップをしながら倉庫を出て行く。

 

「クソッ!元凶が消えた!」

 

「ほら、薪君!サイズが合うパーツ見つけるまで寮にはいけないわよ!」

 

「嘘だろ!」

 

その後固定台から倉庫の入り口を10往復位してようやくサイズのあったパーツが見つかった。

 

だがISを装着して倉庫の外に出た時にはもう日は落ちていた。




機体名は。
ジャンク・ウォーリアー!


嘘です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。