インフィニット・ストラトス DEEP   作:右左右 右左

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フォルテとのデート回

始めて一万字を越えた・・・

というか途中から集中力が切れてきてあんまり味のない文になってしまった気がする。


コールド・デート

今考えたらこれはデート何じゃないだろうか・・・

 

今日は日曜日の昼頃、普段ならIS学園で訓練でもしてる時間帯だが、俺は一人、町の駅まで来ていた。

 

手頃な飲食店やショッピングモール、外部からくる人用にホテルなどが立ち並ぶこの辺りは、かなり静かな場所だが学生が遊ぶなら何の不自由もない場所だ。

 

そんな場所で俺はサファイアと待ち合わせをしていた。

 

今考えたらこれはデート何じゃないだろうか・・・

 

何度も頭の中でリピートする思考、月曜日にサラッと承諾してしまったが、今思えば女子と二人きりで遊ぶ機会って俺の人生で今のところあんまりないな。

 

なんだかそう思うと緊張してきた・・・って、俺はラノベのヒロインか何か!

 

「・・・・」

 

落ち着こう。

 

久しぶりの休日だ、IS学園に入ってからまともに遊んだ事もなかったからな、今日はサファイアに甘えてゆっくりしよう。

 

「ねぇ〜そこのちょっと大人びた君〜。私達と遊ばな〜い」

 

「お姉さん達と遊ぼうよ〜」

 

サファイアを待っていると、通りかかったキャバイ女性二人から声をかけられる。

 

あれ!?逆ナン!?

 

いや、男としては嬉しいけど、サファイア待ってるし・・・

 

「あ〜、いや、自分お金持ってないですし、待ち人を待たせてるので・・・」

 

「まぁ〜そんな事言わずにさ〜」

 

「お姉さん達といいことしようよ〜」

 

なんだこの状況!?

 

女尊男卑のこの時代で何故このような事が起きるんだ!

 

ISが登場して以来、各国はそろって女性優遇制度を取るようになってから男性の地位は右肩下がりになった。しかし、アイドルやホストなど顔の偏差値が高い人達は以前にもまして女性(権力者)から可愛がられるようになった。

 

だが、俺の顔は普通である。恐らくこの女性達には金を搾り取られ直ぐにボロ雑巾のように捨てられり未来しか思い浮かばない。

 

頭の中で何とかこの女性達を回避するシミュレーションを数回するが全て無駄に終わる。

 

どうしよう・・・この状況を打開する為には・

 

「風見野〜待たせたッス」

 

救世主来た!

 

駅の改札口から来たサファイアが俺と女性二人の間に入って来る。

 

「ん、知り合いッスか?」

 

「いや、そういう訳じゃない」

 

ホっと胸を撫で下ろしサファイア押して前に出てもらう。

 

「え?・・・ああ・・・悪いッスけど、私達これから用があるんで失礼するッス」

 

サファイアが俺の手を引き、逆ナン二人から遠ざかる。

 

「なんだ、ロリコンかよ」

 

「顔好みだったのに・・・次行こ、次」

 

なんか嫌なレッテル張られたんだけど!違うからな!サファイアが小柄なだけだ!

 

後ろから聞こえる声に心の中で苦情を言いつつサファイアと共にショッピングモールへと続く道を移動していく。

 

「はぁ、なんで絡まれてんッスか・・・というか風見野って年上にでもモテるんッスか?」

 

「あんなん一生に一度にあるかないかの状況だ、ここ最近で一番驚いた」

 

「なら・・・声かけない方が良かったッスか?」

 

「いいや、助かったよサファイア」

 

礼を言い手を離し隣を歩くサファイアを見る。

 

茶色いブーツにグレーのスカート白いシャツに薄手の黒コートを羽織り、可愛らしいブラウンのポシェットを肩からかけている。

 

いかにも春って感じだ、そろそろ夏も近いが時折寒くなるこの不安定な季節にはピッタリだろう。

 

「なんすか?」

 

「いや、可愛らし服だなって・・・似合うな」

 

「え?あ・・・ありがとうッス・・・」

 

指先で顔をかき、少し頬を赤らめるサファイア。

 

「えっと、そう言う風見野も・・・あれ?普通ッスね」

 

「悪かったな普通の服で、こちとらIS学園に入れられた際から私服は一着しかないんだよ」

 

俺の服装は紺のジーパンにグレーのシャツを着てるくらいだ。オシャレ?そんなもん今頃誰も住んでいない我が家に置いてきた。

 

「は〜、という事は風見野ってこの辺りで遊んだ事は無いんッスか?」

 

「ああ、見知らぬ土地だよ、ココドコー?状態だよ」

 

「ふんふん・・・じゃあッスね・・・」

 

クルンっと回り俺の前に出てくるサファイア、そして少し前傾姿勢になり。

 

「私が案内するッスよ、今日は風見野の事をつれ回してやるッス」

 

あざとい!いつもズボラに見えるサファイアが可愛く見える!

 

「本当か?それは助かる、何も調べてなかったからな」

 

「大丈夫ッスよ、どうせいつものデートコース回るつもりだったッスから」

 

「なるほどそれは安心・・・え?」

 

今、なんて言ったコイツ?

 

「いつものデートコース?」

 

「あ・・・」

 

しまったと言う顔をするサファイア。

 

「なんだ誰かと付き合ってんのか、お前?」

 

俺の問いに目を泳がせながら冷や汗をたらすサファイア。

 

「そ、そうなんッスよ〜。私付き合ってる人がいて・・・ああ、でも大丈夫ッスよ、風見野は関係無いッスし〜・・・」

 

「ちゃんと、付き合ってる人には男と遊んで来ますとか言ったか?最近はそういうので問題になるケースも・・・」

 

「言っては無いッスけど・・・大丈夫ッスから!そういうの気にしない人ッスから!」

 

「まぁ・・・お前が言うならいいが・・・」

 

「ほら!早く行くッスよ、風見野!」

 

「うぉ!?いきなり引っ張るなって!」

 

そうか・・・サファイア付き合ってる人がいるのか。まぁ、サファイア可愛らしい見た目してるし男性(・・)が放って置くわけないか・・・しかし、こんなんでいいのだろうか・・・実は独占欲が強い人でトラブルに巻き込まれるのはゴメンだぞ。

 

クラスメイトの知らない一面を知りつつも、不安を抱えながら俺とサファイアのデート?は始まった。

 

後ろを尾行する謎の影に気づかないまま。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の目の前にはピンクやグレー、黒や赤、紫や水色などと言った薄い布が大量に並んでいる。

 

そのお店の照明は暖かさを覚える明るいオレンジ色?いや、橙色だろうか?そんな色合いを出していて、店員さんも笑顔でお客様を向かえて・・・って・・・

 

薄い布・・・いや・・・これは下着!

 

「サファイアぁぁあ!ここランジェリーショップじゃねぇか!」

 

「うるさいッスね〜、入口に突っ立ってないで早く中に入っるッスよ」

 

俺とサファイアがショッピングモールに入り早速訪れたのは下着売り場もといランジェリーショップだった。

 

まて!男子高校生に対してデートコース一軒目がランジェリーショップって難易度高いぞ!いきなり全開フルスロットルって感じだ!

 

「風見野が任せるって言ったんッスから、文句言ってないで早く行くッスよ」

 

「うぅ・・・」

 

確かにサファイアに任せると言った手前、何も言えない。サファイアに手を引かれ俺はそのままズルズルと店の中に引きずり込まれる。

 

下着って、本当に様々な色があるんなだなぁ、形も多種多様だ。IS学園に入ってから特に一年生寮で過ごしている際、女子の下着は山ほど見る機会はあったのだが、こうしてまじまじと見た事はない、何より女子が隣にいる状況で。

 

サファイアを見ると既にどんな物があるかと物色を始めていた。

 

はぁ、いっそう開き直ってしっかり見て見るか・・・案外一周回って楽しめるかもしれん。

 

という訳で、俺も目の前にあった下着を手に取って見る。

 

「ホウ・・・コレガ、ヒモパントヤラカ・・・」

 

「なんか、風見野がバグってるッス」

 

「知らない物には誰だって動揺するもんだろ。女子の下着を知り尽くしている、男子高校生がいたら見てみたいものだ」

 

「変態優等生ッスねソイツ」

 

「というかなんでこのブラとパンツ前にもヒモがついているんだ?これじゃあ使えにく・・・ああ、そういう事か・・・」

 

「・・・風見野はやっぱりそういうのが好きなんッスか?」

 

「好きか嫌いかと言われたらもちろん好きだが・・・俺には早すぎる、というか今お前が持ってる黒のパンツも早すぎる、黒はアカンッスよ黒は」

 

「風見野は私の親か何かッスか・・・後、私の口癖が移ってるッス」

 

サファイアから黒パンツとブラジャーを没収し元の棚に戻す。

 

しかし、下着の種類って本当に沢山あるんだな。インナー、スパッツ、キャミソール、補正下着、ガターベルト風パンツ、セクシーランジェリー・・・女性って大変だな。

 

次に手に取って見た物はグレーの色をしたヒラヒラのフリルがついた透け透けのキャミソール、いやこれもう隠すとこ隠せてないよね。

 

「ん〜、どんなのがいいッスかね〜」

 

「・・・・」

 

横にいるサファイアに持っている下着を合わせてみるが、サファイアの小柄な体型もあいまって・・・

 

「犯罪的だな」

 

「え、何がッスか?」

 

「いや、なんでも・・・」

 

女性の勝負下着とは恐ろしい物だ、こんなの着られたら人によってはイチコロだわ。

 

そんな思春期真っ盛りの妄想を頭に思い浮かべて要るとサファイアが顔を覗かせてくる。

 

「風見野・・・それがいいんッスか?」

 

「いや、流石にこれは強烈・・・って待て、何?俺の推薦で決めるの!?」

 

異性の同級生の下着決めるって過酷すぎない!?

 

「まぁ、物欲しそうにしてたッスからね」

 

「してねぇよ!」

 

こんなのサファイアに着せられるか!

 

直ぐに元の棚に戻そうとしたが、サファイアにひったくられる。

 

「ニヒヒ、じゃ、これにするッス」

 

「おい!」

 

サファイアを止めようとしたが直ぐにレジへと向かってしまい、そのまま会計をすませてしまった。

 

マジ?・・・着るの、あれ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いてはペットショップに入る俺とサファイア。

 

ペット?

 

「なぁ、寮って動物飼うの禁止だよな?」

 

「いや、そういう訳じゃないッスよ。犬、猫は駄目ッスけど、金魚とかならOKッス。実際にサラが飼ってるッスよ、確か去年の夏祭りで手に入れた金魚だったはずッス」

 

「へぇ・・・ウェルキンが金魚・・・」

 

「名前は刺身ッス」

 

「冗談だよな・・・」

 

「・・・・」

 

「返事してくれ・・・」

 

まぁ、良かった・・・次はまともなお店で。

 

ペットショップは標準的な感じだ、動物の種類は多様だが流石に希少性が高い動物はいないようだ。

 

ちなみにこの店のイチオシはウーパールーパー。

 

以前何時だったか一夏が「自分達ってウーパールーパー見たいですよね」と言っていたが・・・多分俺らはこんな安い生き物じゃないぜ一夏。後、ウーパールーパーって唐揚げにして食えるんだね・・・

 

お値段一匹あたり500~1500円。

 

透明なプラスチック越しに子犬や子猫が大量に入っている場所を通る、寝ているヤツもいれば、起きてこちらを興味深々に見てくるヤツもいる。

 

「で?何しに来たんだここに?」

 

「サラの金魚のエサと・・・今日こそは捕まえるッスよ」

 

サファイアがフンっと鼻を鳴らし近づいて行った先には・・・

 

触れ合いコーナーと書かれた看板が立っていた。

 

ああ、そういう・・・

 

二人してゲージの中に入る、広さはそこそこあり、昼過ぎもあり、かなりの人がこの触れ合いコーナーに入っている。

 

見渡す限り、猫、猫、猫。

 

どうやら今は猫との触れ合いコーナーらしい。

 

「よ〜し・・・ほら、くるッスよ、チッ、チッ、チッ」

 

サファイアがさっそく座り込んで、舌で音を鳴らし猫を呼ぼうとするが、肝心の猫は・・・

 

「フニャ〜」

 

サファイアの方を見向きもしないで、欠伸をかいている。

 

「くっ、なんで来ないんッスか・・・」

 

「そんなんで、猫がくる訳ないだろう犬じゃないんだから・・・」

 

「でも、近づいたら、逃げられたんすよ前に来た時は」

 

なおも懸命に舌だけで猫を呼んでいるサファイアだったが、猫は一向にサファイアを見る気配はない。

 

「諦めたらどうだ?」

 

「ぐぬぬ、こうなったら強行手段ッス!」

 

サファイアが立ち上がりゆっくり静かに近づいて行く。

 

「なんかもう、結果が見えてる気がするんだが・・・」

 

「静かにッスよ風見野・・・」

 

猫の背中を狙ってゆっくり忍び寄るサファイア。後三歩、後二歩、後一歩と近づいて行くが・・・

 

「ニャ〜」

 

「あ!」

 

やっぱり逃げられる。

 

「な、なんででッスか・・・」

 

「猫はぶっきらぼうだしな・・・」

 

猫に逃げられたサファイアが若干泣きそうな顔をする、意気消沈しているサファイアを宥めようと近づいた時。

 

「ニャ〜」

 

「ん?」

 

俺の足下に猫がすり寄ってくる。

 

「どうした、猫?」

 

「ニャ〜・・・」

 

抱き上げて猫の顔を見てみるが全然何を考えているか分からない。まぁ、構って欲しいだけなんだろうけど・・・

 

そんな俺を見たサファイアは信じられないといった顔でこちらに積めよってくる。

 

「な、なんで私はダメで、風見野にはすり寄るんッか・・・」

 

「日頃の行いじゃね?」

 

「そんなんで猫になつかれるんッスか!?マタタビでも体に塗りつけてるんじゃないんッスか!?」

 

「猫に近寄るために体にマタタビ塗りつけるヤツってどんだけ猫の為に努力してんだよ」

 

サファイアが尋常じゃないくらいに抗議してくる。

 

まぁ、昔から動物にはヤバいくらい好かれやすいって家族にも言われてるけど・・・

 

「はぁ、じゃあほら。お前が持て」

 

「うぇ!?あ・・・」

 

猫を押し付けると一瞬サファイアが戸惑うが直ぐに落ち着く。

 

「ふぁ・・・猫だ・・・」

 

「ニャ〜」

 

猫の脇を持ってマジマジと見つめるサファイア。

 

どんだけ、感動してんだ・・・

 

フニャリとサファイアの顔が緩み、猫と会話し始める。

 

「よ〜しよしよし、可愛いヤツッスねお前は」

 

「ニャ?」

 

「こう見てると頬擦りしたくなってくるッス」

 

「ニャ?ニャ?」

 

「えい!」

 

「ニャ!」

 

サファイアが猫に顔を近づけた瞬間、猫が両手を伸ばしサファイアの両目を押さえつける。

 

「・・・サファイア、それギャグか何かか?」

 

「もう!・・・でも、肉球が気持ちいッス・・・」

 

「そっか・・・」

 

何となくこの状況をスマホの写真に収め・・・サファイアが満足するまで待って置く。

 

だが、待ってると俺困るんだよね・・・

 

しばらくして・・・

 

「いや〜やっぱり動物っていいッスね」

 

「そうだな・・・だが、好かれるのも大概だぞ」

 

「何言ってるんッスか、動物のあのモフモフは人間じゃあ絶対に味わえない・・・」

 

「この状況を見てもか・・・」

 

俺は動物に好かれやすい。

 

今の状況は頭に猫、肩に猫、腕に猫、胡座をかいて座った隙間に猫、猫、猫、猫・・・

 

「風見野・・・実は体臭がマタタビの匂いだったりするッスか?」

 

「何それ臭そう・・・」

 

「ニャ〜・・・」

 

そうして触れ合い広場内の猫が全て俺の元に集まるまでゆっくりしていった。店員が猫を引き剥がしてくれたのは一時間位後の事だっただろうか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ〜、猫の匂いがシャツについた・・・」

 

「風見野の特技は猫集めだったんスかね?」

 

「常時発動の特技とかいらないだろ」

 

その後も、サファイアと共にショッピングモールを巡り、アクセサリーショップや本屋、雑貨屋などを周りそろそろ帰る時間が近づいていたので最後に駅の前にある、喫茶店に来ていた。

 

モダンな作りをした喫茶店、和洋折衷という言葉が似合いそうな場所だった。

 

二人して席に座り、おしながきを見る。

 

「お、パフェあるじゃないッスか。私はこの宇治抹茶こしあんパフェにするッス」

 

「俺はそうだな・・・無難にこのストロベリーパフェに・・・」

 

おしながきを見ていると飲み物の中に抹茶と書かれたページを見つける。

 

ん?作法なしの本格的抹茶が飲めるお店?・・・

 

そういえば、一夏がコーヒーみたいに楽に抹茶が飲める場所があるって言っていたが・・・そうか、このお店だったか・・・

 

黒い髭の生えたダンディーな店員さんが配膳トレーに水を持ってやって来る

 

「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりでしょうか?」

 

「店員さん!この宇治抹茶こしあんパフェをお願いするッス、風見野は?」

 

「ああ・・・じゃあストロベリーパフェと・・・この抹茶を二杯お願いします」

 

「うけたまわりました」

 

店員さんが水を置き、そのまま店の奥へと帰っていく。

 

「抹茶をなんで二杯も頼んだんッスか?どんだけ飲むんッスか風見野・・・」

 

「いや、後輩が言っていた事を思い出してな。まぁ、俺が奢るからお前も飲んでみろ」

 

「え!奢りッスか!なら飲むッスけど・・・」

 

「ん?」

 

サファイアがジッとこちらを見てくる・・・正確には俺の右手にある財布を。

 

「風見野・・・お金大丈夫ッスか?」

 

「・・・だ、大丈夫」

 

「凄い不安な顔してるッス!」

 

俺は高校二年生だ。一様、一年生の時にバイトをしていて余ってはいるがそれでも今後の事を考えるとあまりに心元無い。

 

「風見野、ここは私が全部払った方が・・・」

 

「それだと俺がヒモみたいじゃん、大丈夫払うから」

 

「ならいいッスけど・・・風見野って結局、何処にも所属してないんッスよね」

 

「いや、IS学園所属になったが・・・」

 

「・・・もしかして補助金とかって無いんッスか?」

 

「そうなんだよ!いいよな!国家に所属してるヤツは!」

 

所属国家。

 

ISを持つ以上、各それぞれのISが作られた企業の国家に所属しなければならない。ISを作るのは各企業だが、その企業は国からの援助を受けてISを開発している。

 

そして操縦者ももれなく国家に所属するわけだが、国家代表や国家代表候補生にはなんと国からの補助金が貰えるのだ、それはもちろん学費や生活に当てられるのだがそれでも余る、その余ったお金は学生には大金と呼べるくらいにはあるだろう。

 

楯無もソルもウェルキンもクリスさんも鴉堕も目の前にいるサファイアもみんなバイトなんてしなくても全然余裕なのだ!いいな〜!

 

「そういえばなんでIS学園所属に?いままでそんな枠なんて無かったッスよね?」

 

「実はな・・・」

 

 

 

ちょっと前・・・

 

「風見野、今いいか?」

 

「あれ、織斑先生?はい、大丈夫ですけど?」

 

一年生の廊下を歩いている時、ふとした瞬間に織斑先生に呼び止められた。

 

「実はお前の所属先が決まってな・・・」

 

「ああ、長引いていた、国際IS委員会のヤツですか」

 

俺の持つISオール・フォー・ワンは様々なISのパーツで作られたキメラ機体だ、最初は企業の反感を買うもんだと思っていてビクビクしていたが企業連からはむしろ好評価だった。

 

リーグマッチ戦を境に多くの企業から開発協力の申し出が届くほど良かったのだが、様々なパーツを組み込んでいるせいで各国揃ってウチの機体!と言うようになっていったのだ・・・事態を重く見た国際IS委員会が仲裁に入り各国を話し合いの席に着けたはずだが・・・

 

「で、結果はどうなったんですか?アメリカですか?イギリスですか?フランス?それともイタリアですか?」

 

「はぁ・・・あのバカどもが話し合い(殴り合い)をした結果、お前はIS学園で預かる事になった」

 

「IS学園所属ですか・・・無難な着地点ですかね?」

 

「ああ、これ以上怪我人が増えなくて良かった」

 

「?」

 

「とにかく、職員室に来い手続きの書類を書いてもらう」

 

「わかりました・・・あ、そういえば織斑先生、俺には補助金とかって・・・」

 

「無い、甘ったれるな。IS学園は日本政府からの金でしか動いていないのだ、貴様に回す金など一円たりともない」

 

「・・・ソンナー」

 

補助金の件は織斑先生により一蹴され、俺は見事にIS学園に所属する事になってしまった。

 

 

 

「という訳だ・・・」

 

「風見野は世界に振りまわせれたって事ッスか」

 

「そういう事だが、まぁ、企業連がオール・フォー・ワンの開発に協力してくれるってのは決まったみたいだし、後は試作兵器の稼働テストとか、ありがたいもんだ、さっそく倉持技研から試作兵器きてるし早く使ってデータを渡さないと」

 

「へぇ〜そんな事があったんッスね」

 

会話が終了したと同時にパフェがテーブルに置かれる。

 

「俺トイレ行ってくるわ」

 

「わかったッス先食べてるッスよ〜」

 

サファイアと話していたらすっかりトイレに行くタイミングを逃してしまった。

 

はぁ、俺は今後どうやって娯楽を楽しめばいいのだろうか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?」

 

トイレを済まして席に戻ろとする時、通りかかった席で怪しい人物を見かけてしまう。

 

「・・・・」

 

その人は店の中なのにしっかりとオレンジ色のコートを着ていて頭には深く被った帽子、足元からはガターベルトが見え、髪は金髪のホーステイル。そして黒いサングラスにマスクという・・・私怪しい人ですよと言っているような感じだった。

 

危険人物だな・・・こういうのは触れない方が・・・

 

そう思い横を素通りしようとした時、一瞬見えた横顔にどこか見覚えがあった。

 

「・・・・」

 

一度止まりジッと見つめて見るとその怪しい人の目線の先にはパフェを食べるサファイアの背中があった。

 

金髪、ホーステイル、サファイア・・・もしかして・・・

 

「ケイシー先輩?」

 

「・・・・」ピク

 

「ダリル先輩ですよね?」

 

「・・・・」ピクピク

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

「サファ・・・」

 

ガッ!

 

サファイアと呼ぼうとした瞬間、顔を片手で捕まれそのまま顔の近くまで引き寄せられる。

 

「フォルテに言ったら・・・コロス」

 

「ふぁい・・・」

 

頬っぺたを鷲掴みされながらも必死で答える。

 

やっぱりこの人めっちゃ怖い。

 

二人してサファイアの方を見るが未だにパフェを食べるのに夢中でこちらには気づいていないようだ。

 

「ふぅ・・・」

 

パッと手を離され自由になる。

 

「・・・痛てて、何やってんですかダリル先輩・・・」

 

「・・・フォルテが心配で様子を見に来ただけだ・・・」

 

「サファイアが心配?」

 

「ああ、下着見たり、猫触ったり、アクセサリー見たり、そんな様子を見てただけだ」

 

様子が心配ってサファイアめっちゃ元気だけどというか今日の全部見てたんかい・・・もはや、ストーカーなのでは?

 

「サファイアと話さなくても?」

 

「うるせぇ、いいんだ、これで・・・」

 

サファイアを見つめるダリル先輩の目を追うと、まさかのサファイアが俺のストロベリーパフェまで食い始めているのを見てしまった。

 

俺のパフェー!

 

この先輩の異常な行動力とサファイアのパフェ強奪に驚きつつもさっき聞いたかった事を聞いて見る。

 

「サファイアが心配ってどういう事ですか?」

 

「お前には関係ねぇ」

 

「今、サファイア組んでいるのは俺です、相方を心配するのは当たり前でしょう」

 

「てめえにフォルテの何がわかる」

 

キッとこちらを鋭く睨んでくるダリル先輩、なのでたじろぐ事はせずダリル先輩の目を見つめて見る。

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

「ふん・・・それでもお前には関係ねぇよ」

 

駄目か・・・まぁ、込み入った事情なのだろう・・・なら、無理に入るのはよくないな・・・

 

「・・・だが、風見野」

 

「はい?」

 

「フォルテに・・・いや・・・何かあったらフォルテを支えてやってくれ、お前が今の相方なら頼む・・・」

 

「は、はぁ・・・」

 

支えるね・・・

 

ダリル先輩は頼んでいたコーヒーを残したらまま席を立ち上がり店を出ていってしまった。

 

俺も席に戻るか・・・パフェないけど。

 

席に戻る手前、ダリル先輩の言っていた事を頭にいれながら、サファイアの横顔を見てると・・・

 

今日1日過ごした中で見たことのない寂しい顔をしていた、目の前の誰も座っていない席を見ながら。

 

「サファイア大丈夫か?」

 

「え?あ、お帰りッス風見野、ストロベリーパフェは・・・溶けちゃたみたいッスよ」

 

「・・・口に赤いソース付いてんぞ」

 

「え?マジッスか!?」

 

ゴシゴシとナプキンで口を拭き始めるサファイア。いや、それだと食べましたっての言ってるようなものなんだが・・・

 

はぁ・・・とため息をつき、いつの間にか届いていた抹茶を飲む。

 

サファイアのあの寂しそうに誰もいない席を見つめる顔、相棒のダリル先輩が姿を現さなくても心配だから見に来たと言う意味とサファイアに何かあったら支えろ、そして・・・いつものデートコース・・・

 

サファイアの顔を見ながら考える。

 

つまり、そこから導かれる結論は・・・

 

「ん?どうしたんスか風見野?私はストロベリーパフェは食って無いッスよ?」

 

「・・・なぁ、サファイア」

 

「?」

 

「お前・・・」

 

 

 

 

「最近付き合ってる人と上手く行ってないだろ」

 

 

 

 

多分、これだ・・・最初の時にサファイアは恋人の話で凄く動揺していたのを思い出した、さて結果は・・・

 

「な、なんでわかったんスか?」

 

良かった正解だった、いや、この場合、事態はよくないのか・・・

 

「いやなに、さっき・・・」

 

ダリル先輩の事言ったら多分殺されるな俺、えっとじゃあ伏せて言えばいいのか。

 

「・・・あ〜、あれだ、俺、洞察力は凄いから、今日1日見て気づいたんだ」

 

「え!?見ただけでわかるんッスか!?」

 

「ああ、もちろん」

 

いや、本当はダリル先輩に言われるまで微塵も気にして無かったけど・・・

 

「で?上手く行ってないのか?」

 

「う・・・そう・・・なんスよ・・・」

 

サファイアの口調が急激に弱々しくなる。

 

「実は・・・突然別れ話をされて・・・」

 

「突然か・・・」

 

どうやら事態は既に深刻化してるらしい確かにダリル先輩も相棒が心配になるわけだ。

 

「多分私が悪いんッス・・・私、面倒くさがりやで、ガサツな所もあるんで・・・それに、愛想尽かして・・・」

 

「ふん・・・」

 

「それで・・・どうすればいいかよく分からないッスけど、とりあえずタッグ・マッチの優勝賞品で・・・どうにか仲直り出来ないかなって・・・今考えているんッス」

 

なるほど、そういう事だったのか・・・

 

サファイアは訓練に対しては面倒くさがって真剣に取り組んでいないと時々思っていたが、今のサファイアは焦っていてそれで時折上手くいかない訓練があったのか。

 

では、俺はどうすればいいか・・・簡単だダリル先輩が言った通り、今の相方は俺だ、俺がサファイアを支えればいい。

 

「サファイア」

 

「?」

 

「ようやくお前のモチベーションが上がらない事に気がつけたよ、なら、俺の優勝の為に精一杯俺も協力しよう」

 

「風見野・・・」

 

「俺も、タッグ・マッチでやらなきゃ行けない事が増えてな、せっかくだ優勝までやってろうじゃないか」

 

「・・・・」

 

「一緒に頑張ろうサファイア」

 

「あ、ありがとうッス、風見野」

 

サファイアが少しだけ泣きながらそう言った。

 

日曜日の休暇はここまで・・・リフレッシュのつもりがまた一つ増えた悩み事をおみやげにIS学園に俺は帰っていく。また明日から頑張らなければ。

 

ちなみに飲んだ抹茶はとても薄い味だった。




薪がこのダリル先輩とサファイアの状況に気づいていく訳ですが、まだ若干、薪は勘違いをしています。

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