「まずいな、大分お腹がいっぱいになってしまった」
ウェルキンの美味しいスコーンを食べ過ぎてしまったのか夕食を前にお腹がふくれてしまい、夕食をどうするかと考えながら夕日が差す廊下を歩く。
まさか、ウェルキンが料理上手だったとは料理に変な事言う割には腕はいいようだ。
またいつか、ご馳走して差し上げますわ、と言っていたので次に食べるウェルキンの料理が楽しみだ。
俺はリフレッシュされた気分の中、寮へ帰る為歩いているとふと見知った顔を見る。
「あれは・・・ソルと・・・えっと、ラウラ?」
夕日が差し込む廊下、放課後の為周りには誰もいない。
そんな中、ソルとラウラが対峙していた。
「ラウラ、どうやら織斑先生からも釘を刺されたはずだが、何故このような事をしたのだ?」
「このような事?あの二人も承諾して始まった戦闘です、何の問題もありません」
「問題がないだと?相手を
「・・・・」
どうやら、余りいい空気ではないようだ、立ち聞きするのは忍びないが廊下の影に隠れてしまう。
「ラウラ、お前もわかってるはずだがここは学園だ。生徒同士互いを思いやり、成長していくのが・・・」
「ッ!貴女も教官と同じようなことを!何故そんなにも腑抜けてしまったのですか!」
「?・・・ラウラ何を言って・・・」
「意識が甘く、危機感に疎く、ISを兵器として見れていない奴らばかりの場所で教官や貴女の能力は半分と生かされていません!」
「ラウラ・・・」
「貴女も教官もドイツに帰るべきです!あまつさえ、実力も低能な奴が国家代表候補生を名のっているなどッ!こんな学園ッ!」
「ラウラッ!!」
「ッ!?・・・」
キンッと張るような声を出しソルがラウラの言葉を止める。ただえさえ静かな廊下が更に静かに思えた、普段は冷静で静かなソルがこんな声を出すなんて・・・
「この学園を否定するつもりなら私も怒りが押さえきれん。そして、ドイツの事を持ち出すなら私も持ち出そう、ラウラ・ボーデヴィッヒ少佐。命令だ、ここではこれ以上の荒事を立てるな」
・・・・少佐?って言う事は二人ともドイツ軍出身なのか?てか今ソル、少佐に命令したよね?という事は少佐以上の階級持ってるの?
「貴女も教官も・・・ここにくるべきではなかった」
ポツリとそう言い残し、ラウラは脱兎の如く走って行ってしまった。
静と静まり返る廊下、夕日に照らされたソルがただ一人廊下に取り残された。
「・・・すまんソル、立ち聞きするつもりはなかったんだが・・・大丈夫か?」
「薪か・・・すまんな、こんな醜態を晒して・・・」
廊下の影から顔を出してソルの横に立つ。
「ふぅ・・・すまん、肩を貸してくれないか・・・」
「え?・・・おまッ・・・まぁいいけど」
ソルはトンと俺の肩に頭を乗せてくる。
引き剥がそうとしたが、ソルの顔を見て気が変わった。コイツも相当疲れてるみたいだ。
二人してラウラが走っ行ったオレンジ色に染まった廊下を見つめる。
「・・・何かあったか?」
「ふっ・・・我ながら最低だと思っているだけだ」
自傷した後こちらに寄りかかり、それから少ししてソルが口を開く。
「ラウラには・・・親がいない」
「親を早くに無くして一人身なのか?」
「いや、あの子は・・・人工的に作り出された子なんだ」
その言葉を聞いた瞬間絶句した。
「一つ前の政権の負の遺産でな・・・ラウラを含め数名の子供が、ただ戦いの為に作られ、生まれ、育てられ、鍛えられた」
「おいおい、そんなの人権侵害待った無しじゃねぇか」
「ああ、それが露見した後その時の政府は解体、直ぐに計画は中止されたさ・・・だが、彼女達は軍に取り残された、それどこかISの登場によって彼女達は更に改造を施された。「
もはや言葉が出なかった・・・今まで平凡に暮らしていたがよもやそんな事が世界のどこかで平然と行われていたなんて想像もしなかった。
「そしてラウラのその「
それは・・・自分に取っての存在理由が無くなるに等しいな・・・
「だが、そんなラウラを救ったのがその時、ドイツ軍にて教官役をする事になった織斑先生だった。私もその頃彼女達と訓練をする機会があってな・・・織斑先生が教官になってからのラウラの成長ぶりは目を見張るものがあった・・・瞬く間に部隊最強にのしあがっていったよ・・・ただその時にはラウラの目に映っていたのは織斑先生の姿だけだった」
成る程、だから教官に帰って来て欲しいとラウラは言っているのか・・・
「私は国家代表の為、普通の部隊に所属しているがラウラ達はドイツ軍の日陰者だ・・・特殊部隊からは移動できない・・・あの子達は、ラウラは・・・本来なら親の愛情を注がれて育たなければいけないのだ・・・あの子達は愛されなければいけないのに・・・私は・・・否定してしまった・・・」
「・・・・」
「すまないな薪こんな話しを聞かせて、薪が黙って聞いていてくれたおかげで吐き出す事が・・・」
「・・・はぁ 」
ポンっとソルの頭に手を乗っける。
「今の状況を少しでも変えりゃいいんだろ?」
「薪?・・・」
んな話しを淡々と聞かされたらなんとかしてくれと言われているような物だ・・・コイツは人が悪いのか天然でやっているのか・・・
「ま、やってみるさ、保証はしないがな」
「え、え?」
ソルが驚きの顔をしてこちらを見てくる。
コイツのこんな顔始めて見たな。
「じゃ、あの子を追っかけるから、またなソル」
「ま、待て!薪!」
ソルの止声を背中で受け流し、ラウラが走って行った廊下を俺も走る。
紅茶もたらふく堪能した後だが、食後の一杯と洒落込もう。
ラウラを探し寮の部屋や、庭、食堂を探した後、屋上に来てみるとそこに彼女はいた。
オレンジ色の夕日は陰りそろそろ夜になろうとしている時だった。
ラウラは一人、屋上のベンチに座ってただ時間が流れていくのを見ているようだった。
「となり、座るぞ」
「誰だ貴・・・」
俺の顔を見た瞬間おっかなビックリした様子でこちらを見てくる。
「流れ弾に当たった奴だよ」
「・・・風見野 薪か」
「なんだ知ってるのか」
「資料で見た・・・二番目の男性操縦者だとな」
なら話しが早い、俺はラウラと少し距離をどってベンチに座る。
「私になんの用だ」
ラウラが威圧するように言葉を言ってくる。だが、少しセコイがこちらはお前の腹の中はほとんど見えているんだ。怖さなんて微塵も感じないぞ、ほんのちょっぴり怖いけど。
少し間を置いてから話しを切り出す。
「・・・ソルはああ言ってたが、本当はお前の事を心配してんだぞ」
「ッ・・・聞いていたのか」
「まぁな、お前の事情もそれなり聞いたし織斑先生に救われたのも分かったが・・・何故一夏にああまで突っかかる?」
唯一分からない所はそこだった、別に織斑先生に戻って来て欲しいだけなら織斑先生との話し合いでなんとかなるはずなのだが、何故一夏なのか?
「アイツは・・・教官の名誉を傷つけた・・・」
「つまり?」
「第二回IS世界大会モンド・グロッソの決勝戦の際、織斑 一夏が誘拐された・・・教官は棄権を強いられ、大会二連覇は消えた・・・」
ラウラはゆっくりと説明し俺に織斑先生が日本代表から教官になるまでの話しをしてくれた。
「は〜、なるほど。でドイツ軍が手を貸して一夏を見つける手助けをしたと」
「そうだ」
「で、その時の借りをラウラ達がいる特殊部隊の教官役になることで借りを返したと・・・あ〜、そうだな、確かに一夏が悪いな・・・ってなるかボケ!」
いやいやいや、無理でしょ!一般人の中学生になに求めてるのこの子!?お前が拐われたから教官が優勝を逃したって。全国の中学生にテロリストに誘拐されない自信がある人って聞いたらほとんどの人が無理って言うよ!・・・一部を除いて!
「ッ!教官の弟であるならそこらのテロリストなら一人や二人!」
「どんだけ教官すげぇんだよ!おかしいだろその物差し!」
「教官は凄いぞ!素手で戦車を薙ぎ倒し、石ころ一つで戦闘ヘリを墜落させる程の人だぞ!」
「それは凄い!」
織斑先生化け物か何かですか?人間性をどこかに落として行ってしまったんですか?
そこからしばらくラウラの織斑先生の武勇伝を聞いた。やれ、機銃掃射を受けながら壁を走るだの、やれ、眠りながらもCQCを使ってくるだの、やれブレード一本でISと戦うなど・・・いや、最後のは一夏達とラウラのいざこざの時に実際にブレード一本で止めてたな・・・て事はマジか・・・
ラウラの熱弁が続くかと思っていると突然、黙りこんでしまう。
「どうした?・・・」
「何故、教官はあんなヤツの為に・・・名誉を捨てたんだ?・・・」
その言葉に対して俺はありきたりな事でしか返せなかった。
「人の価値は人それぞれだ、織斑先生にとって名声や名誉よりも大切だったのが肉親である一夏だったってだけだ」
「私には・・・それが分からない・・・」
ラウラに肉親はいない・・・だから家族の大切さというのが分からないのだろうか。
「私はどうしたらいいのだろうか・・・教官やエンゲルベルト大佐にはきっと愛想を尽かされたに違いない・・・」
さっきまでの勢いは何処へやら、ショボンと頭を垂れベンチに体育座りで。・・・というかソル、大佐なのか。
「それもこれも、全て織斑 一夏がいたから・・・」
「それは、違うんじゃないか?」
再び、一夏へのバッシングが始まる前に止める。
「なんでだ?」
「一夏が誘拐されなかったらお前と織斑先生は会わなかったんじゃないか?」
ソルの話しとラウラの話しをまとめるとやはり一夏が誘拐された事により織斑先生がラウラと出会う事になる。
「それを否定するとお前が救われなくなっちまうだろ?それは織斑先生だって望まない筈だ」
「・・・・」
矛盾。ラウラが一夏を否定する事は自分が救われる事を否定する事でもある。
ラウラは俺の言葉を聞いて体育座りの体と足の間に頭を抱えこんでしまう。
「わかってる・・・わかってるさ・・・」
「なら、なんで」
「ただ・・・アイツの顔を見た瞬間・・・あんな事があったのにヘラヘラ笑っている顔を見た時・・・なんだか、ムシャクシャしたんだ、だから殴った・・・」
その言葉を聞いた瞬間、俺の中でのラウラの考え方が変わった。
最初は軍人やら遺伝子改良で産まれた人間だったりただの織斑先生に妄信的な子として見ていたが・・・
感情で動いた、この子は何か特別な人間なんかじゃない、何処にでもいるただの一人の女の子なんだ。
なら、色々とやり易い。
「ほら」
ラウラにある物をあげる。
「・・・これは、なんだ?・・・コーヒー?」
顔をあげたラウラは俺から缶コーヒーを受け取る。
「さっき買って来たんだ、そしてただのコーヒーじゃないぞブラックコーヒーだ」
「なんでこんな物を?・・・」
ラウラがまじまじと缶コーヒーを見つめる。
「日本の願掛けってヤツだ、おむすびの結果を結びつけるだったり、鰹節の勝つだったりな」
「ああ、前に教官もそんな事を言っていたな・・・だが、コーヒー?」
ラウラが疑問そうにこちらを見てくる。
「コーヒーは「苦い」だ、この苦いブラックコーヒーを飲み込む事が出来たらきっと現実の苦い事も飲み込める・・・そう思って考えた」
「・・・・」
アホかコイツって目で見てくるなこの子・・・
「バカだろ貴様、飲み物一つで解決するほど現実は甘くない」
「甘くないんだろ?ならなおさら苦いだ」
「ぬ・・・」
手に持つブラックコーヒーに目を落とすラウラ。そこから少し考えてくれて。
「・・・わかった飲んでみよう」
プシュっとプルタブの開く音が鳴る。
「イッキだぞ、現実に二口目は無いからな」
「くっ・・・一口でだと・・・」
ラウラは躊躇しながらもコーヒーに口を付け・・・そして、イッキに飲んだ。
「ッ・・・プッハァ!・・・に、苦い・・・」
「飲めるじゃないか」
「これで今の状況が解決するか?」
「きっと解決するって事さ、どんな解決の仕方かはわからないけどな」
「ふん・・・所詮は神頼みか、結局意味がないではないか・・・ん?お前も飲むのか?」
飲み干した後、俺の右手にあるもう一缶のブラックコーヒーにラウラが気づく。
「まぁ、俺もお前と同じように色々抱えてんのさ」
「そうなのか・・・」
鴉堕との決闘の事、サファイアの恋人絡みの事、後、後輩達のいざこざの事。ちょっと気が緩んだ瞬間に何だって色々抱え込んじゃうだか・・・。
「よし、私も飲んだのだ、貴様もイッキに飲め」
「わかってるって俺が決めた事だし・・・」
プシュっとプルタブを開け俺は一瞬の躊躇いもなくブラックコーヒーを飲み・・・
「・・・・」
「どうした?」
「オロロロロロロロロッ!」
「なぁーッ!?」
ベンチの隣にあった植木鉢にブラックコーヒーを吐いた。
「飲めないのか貴様ッ!?」
「いやよくよく考えたら俺ブラック無理だわ、ミルクないと無理、飲めないこんな苦いの」
「何故飲めないのに提案したのだ貴様は!?」
「すまんノリと勢い」
「適当すぎる!!」
怒られた。俺は正座させられガミガミと後輩から説教をうける事になった。
もっと考えて行動しろだったり、少しでも感心した私の心を返せだったり。まぁ色々お説教をうけた。
「全く、貴様はッ!・・・」
「?」
長々と続くお説教は突然途切れたので顔をあげて見る。
「貴様は・・・変なヤツだ・・・」
そう言って、ラウラは寮の中へと続く階段に向かい帰ってしまった。
俺は正座を崩し、地面にあぐらをかく。もう夕日は無くなっていて辺りは真っ黒だ。
最後のラウラの顔、俺の見間違えでなければ少し笑っていた気がする。
「はぁ・・・少しは変わったかな?」
あの子の今がとてもとても苦いもので飲み込めなかったのなら、俺が少しでもその現実をミルクのように柔らかく出来たのであれば幸いだ。
行き詰まった時には息抜きを・・・人間にはそれが必要だ。
だぁ〜、まだブラックコーヒーが口の中に残ってるな。
ラウラが去った後、俺も自分の部屋に戻るべく寮の廊下を歩く。
さっきも思ったけど、俺の周りの悩み事多いな・・・鴉堕の件にサファイアの件、最後に後輩達の件。
自分自身が解決しなければならない事は一つだけだが、他の事も出来れば解決してあげたい。
「ま、そう簡単に事は進まないか・・・」
今日も疲れた、コーヒーの味が残る口の中を濯いでとっととベッドインしよう。
そう思いながら部屋の前に付きいつも通りにドアを開けようとするが。
そういや、一夏がこれからはノックしてから入れって言ってたな、別に男同士なんだから気にしなくても・・・いや、男同士でも入って来られちゃマズイタイミングもあるな・・・うん、しっかりノックして入ろう。
「おい、入るぞ」
「あ、先輩!?気を付けて下さい!恥女が!ブヘェ!?」
「一夏!?大丈夫!?」
箒がいた時のようにノックを二回してから入ろうとすると中から慌ただしい音がする。
何言ってんだかアイツは・・・
一夏妄言を聞きつつもドアを開け普通に入る。
「仮にも世界最強レベルの警備を誇る学園だぞ?恥女なんているわけ・・・」
「お帰りなさい薪君、私にする?私にする?それとも?わ・た・し?」
ドア開けた先には楯無が裸エプロンで俺の帰りを待っていた。
野生の恥女が現れた!
「楯無ぃぃ!!これ以上俺に悩み事を増やさせないでくれぇぇ!!」
「も〜う、やっぱり薪君そういう反応しかしない〜」
「同級生が突然裸エプロンで部屋の中に居たら!誰だって、そいつの頭を心配するわ!」
4つ目の悩み事に、最近友達が恥女になりはじめて来た。が追加された。
「頼むから、常識を逸脱した事をやるのは止めてくれ、もう俺は疲れてんだよ」
「そんな事言っちゃって〜、本当は嬉しいでしょ?女の子がこういう事してくれて」
「そういうのは、せめて時と場合を選べ、後輩の前でそんな姿晒して恥ずかしくないのか?」
「そう言って直ぐ誤魔化す・・・それとも?薪君はこういう経験がないから、億劫になっちゃってるのかな?」
そう言いながら楯無はエプロンの肩紐を片方だけ外れるか外れないかのギリギリの所まで持っていき、挑発的にこちらを見てくる。
「童・貞・さん?」
ブチッと俺の頭で何がが切れる音がした。
「分かった・・・お前がそこまで言うなら・・・」
楯無の手を素早く掴むと強引に引き寄せる。
「キャ!?ッえ?・・・ま、薪君?・・・」
楯無の驚く顔を見た後、掴んでいない方の手を楯無の腰に回して逃げられないようにする。
「あ、え、ちょっ・・・薪く・・・」
「どうした?」
「ちょっと、流石に、いきなりって言うか・・・わ、私、心の準備が・・・それに、織斑君達も居るし、ねッ?」
楯無の顔がみるみる赤くなっていき、困惑した顔からは焦りが見て取れる。
そんな楯無を更に引き寄せ顔を耳元に近づけ囁く。
「お前が私にする?って言って来たんだろ?なら・・・お前を頂きたいな」
「い、言った・・・けど・・・」
「じゃあ、いいだろ?」
「え・・・えぇぇぇ!?」
楯無は完全なパニック状態に陥って。いつもなら俺が掴みかかっても簡単に身を翻してよけるのに動けなくなっている。
腰に回していた手でエプロンの結び目をほどくとシュルリと音を立て外れる。
「楯無・・・」
「ま、薪・・・君・・・」
ギッュと目を瞑り、こちらに顔を向け待つ楯無・・・
俺はその薄紅色の唇を・・・
ポイ
「へ?」
楯無の着ていたエプロンを剥ぎ取り、部屋の外へと投げ捨てる。
「じゃあな楯無、エプロンの下に季節外れのスク水を着て安全圏に逃げていた罰だ。スク水姿で二年生寮まで帰る羞恥プレイでもやってるんだな」
「ちょっ!?薪君!?」
「サファイアに蹴られた腕のお返しだ」
な〜にが、童貞さんだ、お前も処女じゃねぇか。
騒がしいだけの友人はとっとと外に捨てるべきだ、そしてここは一年生寮下手に騒げば・・・
「薪君!私にこんな事して!ただですむと!・・・」
「おい!更識!二年生のお前が一年生寮で何やってる!そしてそこは男子部屋だ!というか何故、スクール水着を着ている!?」
「げ、関羽!?ッ・・・薪君!覚えてなさいよ!この仕打ちは必ず!・・・」
「待て更識!」
ドタドタと廊下で走る音が聴こえる。はぁ、どうやら無事に巡回するターミネーターに見つかったようだな。
これで邪魔者は消えたから俺はようやくぐっすり眠れるわけだ。
「よし、とっとと・・・どうした、おまえら?」
部屋の中に振り替えると顔を真っ赤にした一夏と顔を両手で覆いながらも指の隙間から見ているシャルルがいた。
「あ、いえ・・・その・・・大人だなって・・・」
「・・・・」ブンブンブン
顔をそらして頭をかく一夏とそれを頭で頷いて全力で肯定するシャルル。
「は?・・・」
やっぱり初心だなコイツら・・・
果たして一夏はいつ踏み切る事が出来るのであろうと考えていると、ドアがノックされる。
「おい、今いいか?」
織斑先生の声だ。
「はい、今開けますよ」
ドアを開け織斑先生を見る。どうやら楯無は逃げ切ったらしい・・・スク水で・・・
「さっきここから更識が出てきた筈だが・・・大丈夫だったか?」
「はい、何ともないですよ」
「そうか・・・アイツは一年生の頃から色々やらかしてたからな・・・また、何かやったと思った」
いえ、思っいっきりやらかしてますけど・・・というか織斑先生に一年生の頃から目付けられてんのか、なんでそんなヤツが生徒会長に?・・・そうか、単純に強いからか・・・
「所で・・・そのフリルが付いたエプロンはなんだ?」
「・・・・」
「まさか・・・お前が着るわけでもあるまいな?」
どうしよう・・・楯無の水着エプロンを見て調子に乗って新婚夫婦みたいな事してましたとか言えねぇー、ましてやそれを弟さんの前でやりましたとか死んでも言えねぇー・・・正直に言ったら死あるのみ。マジでラウラが言っていた通りに織斑先生の武勇伝が俺に直撃するかもしれない。
「えーと、ですね・・・」
「なんだ?」
「・・・そうだ!先生へのプレゼントです!!」
「・・・・」
マジかコイツと言った目で俺を見てくる織斑先生。
「はぁ・・・まあ、いい受け取っておく」
「どうぞ!どうぞ!」
「じゃあな・・・今日はもう寝ろ・・・いや、待て、風見野」
織斑先生がドアを締める直前に一言だけ言った。
「ありがとな」
バタンとドアが閉まる。
最後に見た顔はどこか嬉しそうな顔をしていた。
それがプレゼントの笑顔なのかそれとも別の笑顔なのかは分からなかった。
ラウラってオリ主二次小説だとだいたい論破されて凹んだ後オリ主にベタ惚れするのがテンプレ感あるよね。
なのでウチの薪には出来る限り優しく論破したあと変なフォローを入れて見ました。先輩らしさが出てるといいな。
楯無の水着エプロンは早めに出しました、こっからは更に過激な責めにしていく予定です。