EPⅠ「俺、プロデューサーに!?そして非日常の始まりです!/らぶドルですか?」
Side一誠
「えっ!?お…私が再始動するらぶドルのプロデューサーにですか!?」
「ああ、一誠君、君はこの事務所で働き始めてもう二年経ったからね。
そろそろ第三期候補生達の事を任せてみても良いかなと思っているんだ」
「…」
義母さんの紹介で義母さん達らぶドルを輩出したSFP(スフィートフィッシュプロダクション)というアイドル養成事務所にバイトとして勤め始めて二年。
ある日、俺は上司のプロデューサーである智弘先輩に呼ばれていくとそんな事を言われて驚いた。
ちなみに義母さんが変身能力を持っている事は彼等も何故か認知しているみたいだ。
理由は聞いていないが
「そ、そんな大任とても私なんかじゃ…」
「…僕が君を面接した時に言った言葉は覚えているかな?」
「えっと確か…「プロデュースというものはアイドルと共にある」ですか?」
「そうだ。何事も経験無くては人を導く事は出来ない」
「そ、そうですよね…だったら是非共精一杯やらせて頂きます!」
「そう言ってくれると思っていたよ!彼女達の事よろしく頼んだよ!」
「はい!」
先輩に言われ俺はらぶドル三期候補生のプロデューサーになる事を承諾したのだった。
早速俺は初顔合わせに候補生達が居るSFの養成場へと向かった。
「ど、どうも~!候補生の皆さん…」
「あ、プロデューサーさ…ん?…」
「アレ?智弘じゃな…ってアンタは!?…」
「おっ、えっと確か同じクラスの野々宮さんだっけ?候補生だったんだな…俺は長澤一誠、今日から君達のプロデューサーを先輩に任せられたんだよろしく頼む!」
「そうですか貴方が智弘様がおっしゃていた例の!…」
「智弘の後輩さん歓迎するにゃー!」
「長澤って二期生の!…」
「本当に大丈夫なのかぁ?」
「ははは、可能な限り善処するよ」
学園でクラスメイトになっていた茶髪おさげの少女野々宮 舞さん、語尾が猫みたいな猫谷 海羽さん、如何にも大和撫子といった佇まいな桐生 琴葉さん、一期生メンバーでユニット「ショコラ」を組んでいた北条姉妹の末っ子である北条 比奈さんの四人と顔合わせを果たした。
まだまだ駆け出しヒヨっこな俺を見て野々宮さんが心配の声を上げたのでそう告げる。
「それじゃあ自己紹介も終わった所で早速だがレッスンに突入しよう!」
「「は、はい!」」
なにはともあれ自己紹介を終えた所で早速のレッスン指導に入るのだった。
~レッスン終了後~
「うーん…候補生達も皆確かに先輩方にも惹けをとらない素質は持ち得ているんだけど…何かこう足りないものがある気がするんだよなあ…少なくとも今のままじゃ到底本格的なデビューには程遠いかもしれないな…」
レッスン後の帰路、俺は候補生達の様子を見て一人呟いた。
智弘先輩達なら何か分かるのかもしれないがこれは俺に任された案件だ。
自分達の手で出来うる限りは何とかしたい。
そう思考を巡らせていた時だった。
♪~
「歌?…」
街中の雑踏の中からこれまでに耳にしたことのないギターの旋律に乗せてとんでもなく綺麗ででも何処か儚さを感じるそんな歌が聴こえてきた。
その歌を耳にした瞬間、俺は何時の間にか駆け出していた。
これが俺にとって運命の出会いとなる。
「はあはあ…」
「…何?…」
俺の姿を目にすると歌を奏でていた少女は歌うのをやめ此方をじっと見てくる。
少女の歌を聴いていた他の観衆達は「やれやれまたか」といった様な視線を向けてきている。
と、兎に角彼女を勧誘してみよう。
「わ、私SFPの新米マネージャーをやっております長澤一誠と申し…」
「デビューならする気無いから…」
「え?」
「だから私にCD出せとかそういうの一切お断りしてるから!」
「あ…ちょ、ちょっと…」
自分の名刺を出しながら勧誘してみるも少女にはそう一蹴りされてしまう。
食い下がろうと試みるが少女はまるで嫌悪するかの様にギターを仕舞いその場をさっさと離れて行ってしまった。
「あんちゃん、こりゃ振られちまったな」
「あら?誰かと思ったらイッセーちゃんじゃない!」
「ってうお!?連凰さん居たんスか!?」
このオネエな人は連凰・ピエーリーさん。
以前智弘先輩と一緒に仕事した時に知り合ったSFPと並ぶアイドルを輩出している事務所の所長さんである。
「プロデューサーとして任せられたもので…それであの子は…」
「それは凄いじゃない!…とあの子ね…ここ最近になってゲリラでああやって歌を披露してはいるんだけど何故か芸能勧誘を受けないスタンスを貫いているみたいなのよねぇ…アテクシもそれはもうやんわりと断られちゃったわ…」
「連凰さんもですか…」
百戦錬磨の連凰さんでも駄目だったのか…でも…
「彼女の事諦め切れないみたいね?」
「は、はい…」
「彼女をおとすのは至難の業よ?」
「分かっています!」
「そう…今後成功する様に祈っているわよ」
「はい!ありがとうございます!」
連凰さんは俺の決意を目にして応援してくれるスタンスになった。
背中を押されて俺は再び帰路に着いた。
だが…
『相棒、警戒しろ!』
「!」
帰路の公園で俺が持つ力の内の一つである【赤龍帝の籠手】に封印されている存在、ドライグが警告してくる。
警告を受けて俺は周囲に転がっている石ころを搔き集めて臨戦態勢に入る。
少し進むと何故か元糞兄貴が中年のおっさんに刺され血を流している所に遭遇した。
「む!?人払いの結界は張っておいた筈なのだが…まあ良い見られたからには見逃す訳にはいかぬ!運が悪かったと諦めろ!」
「そういう訳にはいかないな!」
「何ッ!?…ぐわっ!?…」
既に倍加を終えていた籠手でおっさんを殴り付けると吹き飛んでいく。
「おっさん、堕天使だよな?この町で一体何を企んでいる?」
「我等の事を知っていようとは…ならば尚更始末せねばならぬな!」
おっさん堕天使は光の槍を投擲してくる。
「だんまりか…なら仕方な…」
おっさん堕天使が目的を語らない事を確信し俺はもう一つの力を使う為に先程搔き集めた小石に手を伸ばそうとした。
だが…
「キャア!?」
「何っ!?」
突如第三者の悲鳴が聞こえてきたのだ。
恐らく元糞兄貴の惨状を見て悲鳴を上げたのだろう。
しかも今の声は…
「チッ!また目撃者が…」
「君は!?…」
おっさん堕天使は舌打ちし、俺はそこに居る筈が無い居て欲しくない存在があった事に驚きを隠せなかった。
そう、ついさっき俺が勧誘しようとした歌の少女が居たからだ。
「君、早く逃げるんだ!」
「で、でも!…」
「早く!」
俺は少女にそう叫んで促すが
「逃がす訳にはいかんな」
「糞っ!?…」
おっさん堕天使がそれより早く飛んで彼女を捕らえようとする。
「ドラゴンショット!」
「おっと!」
ドラゴンショットを放って牽制するが飛んでいる為に容易く回避されてしまう。
今もう一つの力を使える隙が無い…一体どうすれば…
「今度は此方からいくぞ!」
「避けて!」
『相棒!』
「はっ!?…ぐふぅっ!?…」
少女とドライグが叫ぶが俺は思考していたせいでおっさん堕天使の槍を避け切れずに腹部を貫通させられてしまった。
「い、嫌ああああああー!?」
少女の絶叫が響く。
「はあはあ…ここまで手間をかけさせられるとは想定外だったが残るはお前一人だけか」
「い、嫌!…」
堕天使ドーナシークはゆっくりと少女に魔の手を忍ばせようとする。
「!?」
「え?…」
キイイン…と突如輝きを放ち魔法陣らしきものが二つ展開される。
「むっ!この紋章は…不味いな!…誰かが奴等を呼び出す道具を持っていたか…仕方無い此処は撤退するとしよう」
魔法陣を目にした瞬間、ドーナシークは撤退していった。
Side?
「人が倒れている!…彼方で倒れている兵藤君はリアスに任せるとして此方の方は私が転生させるとしましょう」
私は蒼那 支取、駒王学園の生徒会長をしています。
又裏の名をソーナ・シトリー、悪魔です。
私は幼馴染であるリアスと共にチラシの呼び出しに応じて召喚されたら兵藤君と確か長澤一誠君でしたっけ?
彼等が血塗れで倒れているのを見て息を引き取っているのを確認し彼等を蘇生させる事にする。
「あ、あの…」
「貴方は…」
しまったもう一人居たのか…恐らく偶然兵藤君達のいざこざに巻き込まれてしまった一般人だろう。
人払いの結界が張られていたにも関わらず此処に居るから恐らく神器の類を宿しているのだろうが。
「その人、助かるんですか?…」
「ええ、助けてみせますよ絶対に…人間では居られなくなりますが…」
「え?…それってどういう…」
「今は時間がありません。
それと貴方にも後日話を聞かせてもらいます」
「あ…は、はい…」
ン?…私は少女がシトリー家産のチラシを持っているのを見てこの子が長澤君の為に私を呼んだのだと確信。
急いで悪魔の駒を長澤君の体に埋め込み蘇生させる。
この時、残っていた兵士の駒を全て使っても蘇生させるには至らず駒が突如として変異の駒に変化したのには流石に驚いたのだった。