Side一誠
「…はっ!?…」
確か俺は元糞兄貴が町に侵入してきていた中級堕天使に殺られている所に遭遇して、何故かあの歌の少女まで現場に居合わせてそれで…
「『そして堕天使に襲われたあの少女を相棒が庇って大怪我を負ったという訳だ』」
「ドライグ…もしかしなくても俺は転生悪魔になったのか?」
「『ああ、仮にも俺を宿し敵が中級程度だったとはいえ直撃を喰らったんだ…本来ならば怪我だけでは済まないレベルだったが偶然にもあの兵藤健治や少女が何処かで貰った(押しつけられた)であろうチラシで悪魔達が呼び出されてな』」
「そうか、それで俺や糞兄貴を転生させたのは?」
「『兵藤がリアス・グレモリーで相棒がソーナ・シトリーだ』」
「そうか…」
「『相棒今ホッとしたな?』」
「そりゃあそうだろう!あんな無能に仕わされて糞兄貴と一緒にいるくらいなら低投票率のアイドルを一位に輝かせるプロデュースの方が遥かにマシさ!
その点シトリー会長さんの方がまだマシだよ」
「『親友の無能っ振りには気が付いていないだろうがな…』」
「其処は指摘すれば良いだろ。
問い詰められた本人が認めるかはどうかはさておき…これからどうしよう?…」
「『まああの少女も事情聴取も兼ねてお呼ばれされる筈だ。
もう裏の世界と無関係という訳にはいかなくなったしな』」
「そうなんだよなあ…」
事実あの子がシトリーのチラシを持っていなきゃ俺はあの無能共の所に転生させられ満足のいくプロデュース活動が出来なくなっていただろう。
彼女を巻き込む事になってしまった事に酷く後悔するばかりだったがくよくよしてばかりなどはいられない。
俺は気を取り直し登校した。
そして放課後、俺はシトリー会長に呼び出された。
~生徒会室~
「あ…」
「あ!…」
既にあの少女が先に生徒会室にやって来ていた。
俺も彼女も言葉に詰まる。
「あ、あのギターは?」
「あれなら町のコインロッカーに預けてきてあるわ…」
「…」
「えっと、話を進めてもよろしいでしょうか?」
「おっと!?す、すんません!」
ついつい彼女と目を合わせ変な空気になっていた所にシトリー会長が割って入る。
「では長澤一誠君、悪魔として貴方を我がシトリー眷属の一員として歓迎致しましょう」
「悪魔?…」
シトリー会長の言葉に少女が首を傾げる。
「貴方は榊 瑞樹さんでしたね。
長澤君は榊さんを襲ってきた町に侵入してきていた堕天使の攻撃から貴方を庇い大怪我を負いました。
其処に貴方ともう一人襲われていた男の子が持っていたチラシによって私ともう一人私の親友の悪魔が呼び出されました。
とても人の現代の医療では治療が可能な傷ではなく仕方無く私達は悪魔として転生させたのです」
「チラシって駅前で渡されたあの?」
「はい恐らくは」
「そんな事が…」
シトリー会長の話を聞いて歌の少女、榊さんは驚いていた。
「シトリー会長、俺からもお話があります!」
「榊さんの身の安全と貴方のアイドルプロデュース活動に関する事ですね?」
「はい」
「はあ…リアスったら…今度サーゼクス様に包み隠さず御報告をしなければ…」
俺の持つ神器が何なのか、今迄町に蔓延っていたはぐれ悪魔の駆除は誰が行っていたのかについて既に調べはついていたようで会長は頭を抱えていた。
どうやらあの無能は自分の手柄の様に報告していたみたいだが…いくらなんでもそりゃあないだろう…。
「では榊さんには駒王学園に編入するという事になりますがよろしいですか?」
「え?…」
シトリー会長から突然の編入の話をされて榊さんは驚いていた。
「少し調べさせて頂きましたが貴方は中学卒業後、諸事情によって高校には通っていなかったみたいですね。
裏で良からぬ事を企む連中から貴方を守るにはそれが最善ですので…勿論学費等は特例として免除させて頂く事も可能ですよ?」
「…」
会長の話を聞いて榊さんは迷っているようだった。
自由に町中で歌うのを取るか学生生活を取るかで…
「榊さん…君が何を思って歌を歌っていたのか俺は知らない。
だけどこれだけは言える…君の歌は素晴らしいものだという事を!
それを失わせる訳にはいかないんだ!」
「…それは間違い…私が歌うのは復讐の為なのに…」
「復讐?…」
榊さんはそう呟き顔を暗くしてしまう。
「…だけど長澤さんだっけ?貴方に助けられた恩が学校に通う事で返せるのならこの話は受けます」
「分かりました。では手続きは此方で処理しておきましょう」
話はまとまった。
「でもアイドルとかはやるつもりないから…では今日はこれで失礼させて頂きます。これからよろしくお願い致します」
榊さんの編入が急遽決まり彼女はそう言いながら生徒会室を後にした。
「…」
「えっと…なんて言ったら良いのか…」
「い、言わないで下さいよ~…」
二度目の拒否を受けて俺は会長に慰められながら消沈しかけていた。
だけど諦めないぞ!