Side一誠
「プロデューサー、その子は…」
「舞さん?」
迷子を捜していたら偶然榊さんとアーシアと名乗るシスター少女と会い、その直後に舞さんと遭遇したが彼女はアーシアさんを目の敵のように睨んでいた。
「あ、あの?…」
舞さんの睨みにアーシアは後退りする。
「…アタシの思い違いだったわ…睨んでごめんな…」
「い、いえ!」
だがすぐに舞さんは謝罪してきた。
「『…相棒!彼女から魔の力を感じる!』」
「は!?…」
「イッセーさん?」
舞さんを見たドライグがそんな事を言ってきたので俺は驚く。
「わ、悪いちょっと声を上げたくなっただけだ(『どういう事だよドライグ?!』)」
「『今朝の様子を思い出してみろ。
恐らく彼女は相棒が悪魔になった事を感付いている…だからこそ先程の行動もシスターを近付けさせたくない一心だったのかもしれない』」
「『なんだって!?…』」
ドライグから舞さんが榊さん同様に何らかの力を持ち得ている可能性があり、俺が転生悪魔になった事も感付いているかもしれないと聞き驚愕した。
という事は既に力に目覚めていて何処かで裏の事情を知り得たという事になる。
「と、兎に角アーシアを教会に連れていかないとならないから」
「ならアタシ達もついていくわ!」
「え、それって私も?…」
俺を心配したのか舞さんはそう言ってくる。
何故か榊さんも巻き込まれているが…
結局俺が折れて彼女達も教会についていく事になった。
そしてアーシアを送り届けた数日後の事だった。
「!?」
「どうしたの?」
「この感じ…」
俺の悪魔の仕事を手伝ってくれるようになった榊さんと舞さんと共に隣町を訪れているとふと不穏な気配を感じ取ったその直後の事だった。
「ぎゃあああああー!?」
「今のって!?…」
「急ごう!」
少し先の民家から絶叫が聞こえ俺達は早急に駆け付けた。
その前に会長に連絡を入れといた方がいいか。
「ひ、酷ぇ…!」
「榊さんは見ない方が良い」
「そうした方が良いみたいね…」
俺達は凄惨な現場に遭遇する。
この家の住人であろう男性が滅多指しにされた後、壁に張り付けにされて何者かに殺害されていた。
舞さんも何時の間にか見慣れてしまっているのかまだ耐性の無い榊さんに警告していた。
そして殺された彼のすぐ下に血文字で何かが書かれていた。
「「悪い人にはお仕置きよ」って意味ですぜ!…悪魔さんよぉ」
白髪の神父が現れる。
「お前か…!この人を殺した奴は!」
「なんでこんな事やったんだよ!」
「だってソイツ悪魔召喚常習者ですよ?なら殺っちゃうしかないっしょ!
悪魔の傍になんかいるお嬢さん方」
「榊さん達は離れて!
ドライグ!」
【BOOST!】
「!?神器持ちだったのかよお前!
だったらコイツでも喰らいなぁっ!」
『相棒、アレは悪魔払いの閃光弾だ!
直撃を喰らうと不味いぞ!』
「みたいだな」
俺は榊さん達を避難させて倍加に入り神父に応戦する。
「へえ、糞悪魔の癖にやるじゃん!そら!」
「遅い!」
難無く二弾目も回避しようとしたその時…
「此処にならアーシアも居る筈だ!兵藤健治様さんじょ…ぎゃあああああー!?腕が、腕があああー!?」
「は?…」
何故か急に現れた糞兄貴が神父の放った閃光弾を右腕にモロに受けて悶えていた。
俺達は一瞬呆ける。
「また悪魔!僕ちん獲物が増えて嬉しいぜい!」
「隙有だ!」
「おっとお!?」
糞兄貴を見て狂喜する神父の隙を突こうとするが避けられる。
「チミは僕ちん特製のホーリーブレードで斬り刻んであげよう!」
「くっ!?…」
隙を見せなくなった神父の斬撃の猛攻に一方的な防戦を強いられる。
だが其処に…
「プロデューサー!避けて!」
「!」
「おおっとおおおー!?」
避難していた舞さんにそう告げられその場から飛び退く。
神父の方も感付いたようで後ろに下がった。
ガキイン!
数秒前まで俺達が居た場所は氷の柱が出現していた。
舞さんは青い二丁拳銃を構えていた。
これが彼女の能力なのか!
「もう一人神器持ちだと!?…」
「フリード神父?…きゃあああー!?」
其処に居て欲しくない存在の絶叫が聞こえてくる。
シスターアーシアがいたのだ。
「ふ、フリード神父、これは一体!?…それに何故此処にイッセーさん達が?…」
「何故って彼と僕ちんの閃光弾を受けて悶えて転がっている男が悪魔だからですよアーシアちゃあ~ん。
其処の女共は人間みたいだけどな」
「そんな!?…」
アーシアにフリードと呼ばれた神父が暴露し彼女は驚く。
「フリード神父、イッセーさん達を見逃して下さい!」
「何言ってやがんですかあ~この子はあ~?教会で習っただろうがよ!悪魔は糞だってよおー!」
アーシアが庇い前に出るも神父は聞く耳など持たない。
そこにシトリー眷属の魔法陣が浮かび上がる。
「会長!」
「一誠君!榊さん達も大丈夫ですか!?…って何故兵藤君が此処に?…って真逆!?…はあ…」
会長達が現れ神父も動きを止める。
会長は何故かその場に居た糞兄貴を見て溜息を零していた。
「ワオッ!今度は悪魔の団体さん!」
「はぐれ神父ですか…なんて趣味の悪い…」
「悪魔に言われたくねえよ!」
「そうですか、ですが今は貴方方の相手をしている余裕はありません。
一誠君、此処は一旦退きますよ」
「了解!」
「逃がすかっての!」
「プロデューサー達はやらせない!」
「チィッ!?…」
会長によるとこの家に神父が呼んだであろう増援の堕天使が迫っているらしく不利だと判断し転移に入る。
そこを逃がすまいとする神父だが舞さんの放つ銃弾に阻まれる。
「プロデューサー!会長さんも彼女の身の安全はアタシに任せて!」
「頼んだ!」
舞さんにそう言われ俺達は転移した。
Side舞
「榊さん、アーシアちゃんもこっちに!」
「は、はい!」
プロデューサー達が転移したのを確認してアタシは神父に向き直る。
「この糞〇ッチがぁ!お前何々だよ!」
「しがないアイドルの卵よ!
だけど普通ではなくなったわ!」
大見え切ったのはいいけど劣勢ね…正直彼女達を守りながら戦える技力は持ち合わせてはいない。
増援もあるなら猶更。
「…舞さん、瑞樹さん…私が戻ります…」
「アーシアちゃん!?」
「イイ心がけじゃないかアーシアちゃあん~そうすればこの二人は見逃してやってもいいぜ?」
「分かりました…」
有無をいわさぬようにアーシアは神父の下へと行ってしまった。
そうなってしまっては此処に居る意味はないわね…私達もその場は帰る事にするしかなかった。