魔獣創造って最強だよね   作:超高校級の切望

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コカビエル

 コカビエルは駒王学園で手持ちの聖剣を合体させるつもりらしい。その際溢れるオーラを魔法陣にそそぎ込み、この町を破壊する術式を完成させる。

 リアスはやっぱり魔王に連絡せず誘いに乗った。

 

「せめて自分より強いのは明らかな俺等に頼るって選択肢はねーのかね?」

 

 学校を覆う結界の外、ソーナの言葉を聞きケラケラ笑うミカド。

 

「ところであのカメレオン君は?」

「匙は、閉じ込めておきました。主に無断で教会と協力、だけなら新人なので見逃しましたが日本神話主神と個人的に繋がりのある者の身内を襲ったので」

「ほーん」

 

 まあ実行犯はイッセーと小猫だが、その辺りは関係ないのだろう。手を組むことを選んだのは彼自身なのだから。

 

「中の状況は?」

「なんかリアス・グレモリーの騎士が聖と魔を支配する聖魔剣ってのに目覚めて、聖剣使いの青い方がデュランダル出して二人で合体聖剣エックスカリバーを折った。ん?てか、聖剣使いのツインテが持ってる剣俺の天之尾羽張じゃん……ミコトが勝手に貸したか?まあ、家じゃ包丁ぐらいにしか使ってねーけど」

 

 ちなみに炎も出るので切ると焼くを同時に行えるのだ。日本神話に頼まれとある神器をバラバラにして取り出した。結果、その神器に封じられていたもう一つの存在が活性化して宿主を侵蝕していたが知ったことではない。

 

「あ、後なんかコカビエルが神死んだことを話して聖剣使いが落ち込んだ」

「え、今、さらっととんでもないこと言いませんでした?」

「さぁて、そろそろ俺も混じるかねぇ────ん?」

 

 結界を通り抜けようとしたミカドは不意に足を止め顔を上げる。

 

「………こっちのが面白そうだな………ペスト、監視から交戦に切り替え。それと、これ呼んだのは其奴だ。願いを叶えさせろ、ミコトにな」

「へ?こっち?任せる?あの………!?」

 

 ドン!と地面を蹴り飛んでいくミカド。ソーナは、子供っぽい人ですね、と呆れたようにその背を見送った。

 

 

 

 

 

「退屈だな。コカビエル程度で、わざわざ動かなくてはならないとは」

『そういうなヴァーリ。アザゼルがお前に頼みごとなど、滅多にないのだぞ?』

「…………まあ、それもそうだな」

 

 夜空を飛ぶ一つの影に、二つの声。白い機械的な翼を広げるのは銀髪の少年。年は、高校生ぐらいだろう。

 彼が向かうのは、駒王学園。そこにいるコカビエルに用があるのだ。後少しで到着───

 

「ぐっ──!?」

 

 突然、衝撃が走る。あまりの衝撃に吹き飛ばされるも翼を広げ空気をつかみとどまる。いったい何者が、と先程まで自分がいた場所を睨めば彼が向かおうとした駒王学園の制服に身を包んだ片目を隠した少年が足を振り上げた状態で笑っていた。

 

「白い龍の鎧(ドラゴン・メイル)───白龍皇か」

「何者だ、君は?」

 

 こうして空に浮かんでいるのだ。神話側の関係者なのだろう。だが、彼のような特徴の人間の噂は聞いたことがない。

 

「王神帝だ。仲良くしてね」

「……ヴァーリだ。仲良くしたいのなら、俺の邪魔をしないでくれるかな?」

「連れねぇこと言うなよ。コカビエルみたいな雑魚の相手、つまんなそーだからよ。遊んでくれ、な?」

「コカビエルを雑魚扱い、か………良いね───いや」

 

 と、獰猛な笑みを浮かべたヴァーリだったが不意に止まる。

 

「どうやらコカビエルがやられたようだ。すまないね、アザゼルとマリカーの約束もある。早く帰らなくては」

「あ、何だ、マリカー?そうか、じゃあ仕方ないか」

『仕方ないのか!?』

 

 

 

 

 時を少し遡る。神の死を伝えられ、その場に膝を突く。

 悪魔達も圧倒的な力の差を前に恐怖を感じる中、イッセーだけが折れなかった。

 

「俺は戦争を始める、これを機に!お前たちの首を土産に!俺だけでもあの時の続きをしてやる!我等堕天使こそが最強だとサーゼクスにも、ミカエルにも見せつけてやる!」

「ふざけんな!お前の勝手な言い分で俺の町を、俺の仲間を、部長を消されてたまるか!それに俺はハーレム王になるんだぜ、てめぇに俺の計画を邪魔されちゃ困るんだよ!」

「ハーレム?赤龍帝はハーレムが望みか。くく、まあそこまで強ければ、女もよってくるだろうな」

『ああ、それは勘違いだぞ古き堕天使よ』

 

 コカビエルが赤いオーラを放ち凄むイッセーを見て楽しそうな笑みを浮かべる。と、水を差すような声が聞こえてくる。古い堕天使であるコカビエルはその声に聞き覚えがあった。

 

「どういう意味だ?赤龍帝ドライグ」

『そのままの意味だ。この小僧は、少し改造されていてな。本来なら女を寄せる──まあ、こいつの普段の行いでは多少見直させる程度のオーラを放つのだが、女を寄せるから戦いを引き寄せる、にオーラの質を変えられている。だからお前のように強者を求める者は強者に感じるが、単なる雑魚だ。期待するな』

「うおい!」

 

 自分の相棒に単なる雑魚扱いされ思わず叫ぶイッセーだったが、赤龍帝、ドライグは不機嫌そうだ。

 

『せっかくあの剣の担い手に出会えたかと思えば、それに敵対しているわ大した実力もないくせに格上に喧嘩売るわ………お前の中でお前を見て、俺は何度死を覚悟したことか』

「死?」

『やはり気づいてないか。あの男、此方まで手を伸ばせる……お前のような器では体全てを無理矢理奪っても発揮できる力はたりんだろう』

 

 あの男?と首を傾げる。自分に関わりがありオカルトに関係する者といったら、ミカドか?

 

「ははは。宿主に恵まれぬとは、不幸だなドライグ……では、どうだ?俺とともに来ないか?この時代、神器を抜き出す技術かある」

『────は』

 

 コカビエルの提案にイッセーが緊張する中、ドライグは静かに声を漏らす。

 

『ははは!はーはっはっはっは!ふぁははははは!!』

 

 籠手から聞こえるのは嘲るような大笑い。

 

『神器を抜き出す?ともに来ないか?ははは!笑わせてくれるな小烏!自分達烏こそが最強と知らしめるのではなかったのか?俺達ドラゴンこそ最強だと知らしめてどうなる!?戦士より、道化の方が天職だぞお前は!はははは!』

「─────」

『所詮その程度だ。お前は、自分だけでもと言いながら、自分がどれだけ弱いのか良く分かっている。ククカカカ──まあ己の分際を弁えているようで何よりだ。今からアザゼルに泣きついてきたらどうだ?僕一人では怖いから一緒に天使や悪魔と戦ってください、とな!はーはっはっは!』

「──ふん。俺とて、本気ではないさ。もう良い、再び世をさ迷え!」

「お、おい!なんか滅茶苦茶キレてんぞ!?どーする!?」

『どうするもこうするも、元より身の程知らずに挑もうとしたのだ。何も変わるまい?』

 

 ククク、と笑うドライグ。コカビエルは、そのドライグの宿主であるイッセーを狙い光の槍を放つコカビエル。イッセーでは、ここにいる悪魔ではただ何の抵抗も出来ずに死ぬしかない一撃。しかし──

 

「んっんっん───交戦の許可も頂きましたし、手を出させてもらいましょうかね」

 

 ゴゥ!と吹き荒れた黒い風が竜巻となり光の槍を砕いた。

 

「何者だ!」

「んっんっんっん──さてはて何者かと問われると、まあ自己紹介はした方がよろしいのでしょうな」

 

 竜巻がはれると、その中央に立っていたのはネズミだった。ネズミが俺の槍を?と困惑するコカビエル。いや、コカビエルだけでなく誰もが困惑していると、周囲から大量に黒いネズミが現れる。

 

「にゃ──!?」

「ネ、ネズミ!?」

 

 そのネズミ達は竜巻を発生させていたであろうネズミの元に集い重なり、溶け、形を整える。

 

「ある時は小さなネズミの群、ある時は旅行好きの紳士、ある時は主を喜ばせる道化師、そしてその正体は──!?」

 

 全身隙間なく体を覆い肌の露出がいっさいない黒衣。闇のような黒い服に、その闇に浮かぶ白い鼻高のマスク。俗に言うペスト医と呼ばれる格好をした男は優雅な仕草で帽子を胸に当てお辞儀して、大袈裟な動作で両手を広げる。

 

「少年少女に老若男女、近くへ寄ってとくとみよ!我が輩こそは王に創られし魔人が一人、ネズミを引き連れる男(ラッテンフェンガー)、ペストでございます」




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