魔獣創造って最強だよね   作:超高校級の切望

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教会の追放者

 神の死を知った。それを、上司に問い詰めてしまったイリナとゼノヴィアは教会から追放された。

 教会は異分子をひどく嫌う。かつては聖剣使いとして尊敬の念を集めた彼女達も、神の死を知れば即座に異端。尊敬から嫌悪の目に変わった周りの態度に、打たれ弱いイリナは耐えられなかった。

 

「───ねぇ、ゼノヴィア……主が居ないって、私達、なんのために祈ってたの?」

「イリナ……」

 

 正直、自分もどうすればいいのか解らない。イリナは黙り込んだ上層部に詰め寄っていて、最終的には有無を言わさず異端認定された。明確な答えは返してこなかったが、恐らく神の死に何の嘘偽りもないのだろう。ならば、祈りになんの意味がある。なんのために悪魔達と戦っていた。

 

「すまない、私も、解らない」

「……だよ、ね……これから、どうしよっか」

「いっそ悪魔にでもなってみるか?それとも、もう神に身を捧げる必要などないのだから、子供でも作って幸せな家庭でも作ってみるか?」

「悪魔……子供───イッセー君……」

 

 ブツブツと呟き出す相方。正直、かなり怖い。

 しかし、子供か。自分で言った言葉ながら、改めて妙や気分だ。子供と言えばあのペスト、父上と呼んでいた存在が自分と同年代の王神帝だということに今更ながら驚く。

 そういえば彼はアーシア・アルジェントやフリード・セルゼン(?)を保護していた。自分達も、保護を頼めないだろうか?このままでは路頭に迷うのみ。はぐれの行き着く先は大概が堕天使と相場が決まっているが、コカビエルとの一件の後、正直入りにくい。と、その時───

 

「うんうん。りょーかいペストちゃん、私もミカド君のところそろそろ帰るから、お土産期待してなよ~」

 

 ちょうど今考えていた人物の名前が聞こえ、振り返ると白い肌に金色の髪という白人のような色合いで、アジア系の顔立ちの女性が狐のデコがあしらわれたデコケー片手に話し込んでいた。通話が終わったのか、携帯をしまう。

 

「──もし、少し良いだろうか?」

「はい?」

 

 

 

 

 

 王神帝はリアス・グレモリーに呼び出された。当然無視した。

 いい加減、ここは自分の領地だと騒ぐのだから勝手をするなとうざったい。なので───

 

「日本神話よりこの地を預かることになった。お前等は俺の許可なくここに住むことは出来ない。これから言葉遣いに気をつけて暮らすように」

「何を言っているの?人間がはぐれ悪魔や堕天使幹部が攻めてくるこの地を管理できるつもり?」

「はい、お前出てけ」

「──な!?」

 

 途端、日向の神が日光に神力を混ぜ風の神がリアスの身体に絡みつく風を発生させ、土の神と紐の神が縛り付けて町の外まで運んでいった。

 

「───土地神権限超便利」

「て、てめぇ!よくも部長を!」

「潰れろ」

「ぶへ!?」

 

 下向きの風によって床に押しつけられるイッセー。しかし、赤龍帝の籠手を出して力を倍化しながら立ち上がろうとしている。まあ名も無き神は神というより精霊に近い存在だ。一応神滅具持ちであるイッセーなら抗えるのだろう。そう考えるとリアス・グレモリーが混乱していなかったら弱い神だし、消されていた可能性もあるわけか。それを理由に追い出せるが日本神話にゃいろいろ世話になってるからなぁ、と不必要な犠牲は払わない方向で神々への命令を解除する。

 

「まあ、そういうわけでこの土地の霊的支配者は俺だ。今後は発言に気をつけろよ?」

「待てよ、部長を返せ!」

「学ばない奴だな」

『全くだ──』

「───ッ!?」

 

 倍化した力で殴りかかったのに、あっさり片手で受け止められる。籠手から呆れたような声が聞こえてきた。

 

「よう、お前がドライグか?エクスカリバーの初代担い手と知り合いなんだってな?体用意してやるからうち来ない?」

『誘いはうれしいがな、俺は自分の失態で封印された。なら、いずれ神器からでるなら自分の力でと思っているよ』

「そいつ弱そうだしそのうち禁手の力使うのに代価差し出してくるかもだぜ?そん時に体全てを貰えよ。で、覇龍起きた時乗っ取ってみれば?」

『ふむ──小僧、お前此奴に勝ちたいんだよな?』

「お、俺の体はやらねぇぞ!」

『冗談だ。貴様如きを糧にしたところで、この男には勝てんよ』

 

 ククク、と馬鹿にしたように笑うドライグ。と、そこへずぶ濡れのリアス・グレモリーが戻ってきた。神々にどこか沼に落とされたらしい。泥臭い。

 

「良くもやってくれたわね!」

「やるさ。俺には今、その権限があるからな」

「日本神話に抗議してやるわ!覚えておきなさい!」

「魔王の身内だから殺すのは面倒ごとに発展しそうだが、先に手を出してくれんならいくらでも言い訳は立つ。抗議なんてせず来いよ、かかってこい」

「────ッ!!」

 

 ギリィ、と歯軋りするリアス。ケラケラ笑うミカド。

 

「リアス、やめなさい」

「ソーナ?貴方もこの男の味方をするの?随分躾られたようね、おばさま達やセラフォルー様が知ったら悲しむでしょうね」

「味方も何も、今の貴方に正当性は少しもありませんからね?それと、ミカドくん。手続きは終わりました。二人の転校はつつがなく」

「おう、サンキューな」

「二人?」

 

 と、イッセーが反応する。

 

「この前の二人が追放されたらしくてな、アーシアと同じく学園生活でも楽しませてやろうかと」

 

 

 

 

 

 

「転校生の紫藤イリナです、仲良くしてね♪」

「ゼノヴィア・クァルタだ。仲良くしてね」

 

 

 

「──あの二人も抱いたんですか?」

「ゼノヴィアは普通に求めてきて、イリナは頻繁に覗いてるが部屋に来たことはないな」

「───相手にされる数が減りそうですね」


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