魔獣創造って最強だよね   作:超高校級の切望

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仙術

 ヴァーリ・ルシファーの指導の元、グレモリー眷属達は修行をする。ヴァーリ曰く今以上に強くなりたいのなら小猫と朱乃は己の血を受け入れギャスパーは人見知りを直しリアスは特にどれが優れたとかはないが上級悪魔らしいスペックは持ってるのでとにかく鍛え木場は剣については知らん、お前の師匠に頼め!と丸投げし、イッセーは───

 

「どわああぁぁぁ!!」

「どうした赤龍帝の小僧、スピードが落ちているぞ」

「よし、では新たに考案した『マリカーサンダー』で防御力、攻撃力、身長、体重を半分にしよう。身長が半分になった場合横、奥行きも半分になるわけだから単純に体積は八分の一。その上で筋力が減るのだから攻撃力は落ちるがなぁに、体重が軽くなるぶん軽やかに動ける。歩幅は減るから遅くなるが」

「お、俺を、新技の実験台にするんじゃねぇぇ!」

「言葉遣いに気をつけろ!俺はお前の先生だぞ!」

 

 元龍王タンニーンと歴代最強の白龍皇ヴァーリに追いかけ回されていた。

 武術の才能はない。魔力はゴミ。ならば、とにかく体力を付けて倍化の割合を高めろ。それがイッセーの修行だ。

 

 

 

 

「とったどー!」

 

 川を泳いでいた魚を捕らえ叫ぶイッセー。

 僅かな休憩時間。食料は自分で見つける。それも修行なのだとか。

 

「…………何してんだ、俺………はぁ、おっぱいと話したい」

「何言ってんのお前」

 

 こんな山の中で、ドラゴン達に殺されたくない。死ぬ前にリアスとエッチなことをしたい。リアスの処女が欲しい。童貞はリアスで捨てて、朱乃の処女も貰いたい。そして、彼女達のおっぱいと話したい、などと頭のおかしな事を言っていると不意に声をかけられる。今は休憩時間の筈!?と振り返るとそこにはこの川の主を食ってるミカドが居た。

 

「お、王神帝!」

「様をつけろデコ野郎」

「───ッ!」

「なんてな。公的の場ではそうさせろってグレイフィアが言うが、ここはただの山の中。単なるクラスメートとして接しろよ兵藤」

 

 食うか?と魚を差し出してくるミカドにいらねぇよ!と断るイッセー。うまいのに、と巨大魚の頭蓋を噛み砕く。

 

「時に兵藤、己の力を倍化するお前が手っ取り早く強くなる方法があると言ったら、どうするね」

「───ッ!そ、そんな方法が!」

「俺に一撃でも入れられたら教えてもいーぜ」

 

 さあカモンカモン。と両手を広げるミカドに、疑念の目を向けるイッセー。

 

「お前は、俺たちのことが嫌いなんじゃないのか?」

「嫌いではない。見下してるだけだ……ああ、でも兵藤。お前は面白い奴だと思ってるよ」

「………でも、本当に強くなれるのか?」

「そうだな……じゃ、こうしよう。強くなれなかったらお前の両親を殺す」

「…………は?」

 

 その言葉に、イッセーが固まる。此奴、今なんて言った?

 

「だって俺はお前が強くなれる方法を教えに来たんだぞ?それで強くならなかったら、それはお前の怠慢だ。そんな怠け者に育てた両親は殺さなきゃ、だろ?」

「────ふ」

「ふ?」

「ふざけんなぁぁぁぁぁ!!」

 

 ごぅ!と真っ赤なオーラが溢れ出す。そのまま殴りかかってきたイッセーの拳を避け腹を蹴る。川に向かって吹っ飛び水柱が立つ。

 

「おお、力が桁違いにあがったな。よしよしいい傾向だ。じゃ、約束通り両親は殺さない」

「…………え?」

 

 溢れるオーラに気づき、川の水で頭も冷え、その言葉に冷静になる。確かに力は上がった。しかし直ぐに消えた。え、まさか、からかわれただけ?此奴ならあり得る───

 

「じゃ、次から本番。因みにこれ失敗したら赤虫の胸を平らにする」

「…………………。────────。……………はい?」

 

 長い沈黙。イッセーが首を傾げる。そして、漸く理解したのかうんうん、と頷く。

 

「ぶっ殺してやらぁぁぁぁ!」

 

 

 

 

 

「さて、王神帝の、『これで安心強化教室』~」

「きーんこーんかーんこーん」

「きんこんかんこーん」

 

 ミカドがスーツに着替えてケラケラと何時もの笑みを浮かべながら言うと何処からともなく現れたらオーフィスとイッセーは初めてみる赤髪の少女がチャイムの真似をする。

 

「体中が痛い」

「しっかりしろよ。ちょっと首つかんで山の斜面にこすりつけただけだろ?」

 

 ボロボロのイッセーと、そのイッセーをボロボロにして悪びれる様子のないミカド。

 

「強くなる方法だが簡単だ。仙術を覚えればいい」

「…………仙術?」

「俺が使う術だ。自然界に存在する力を己の力に変える。これなら、自分が出せる以上の力を取り込んでから倍化して一度の倍化の強化率があがる」

「そ、そんな術があるのか………」

「おう、まずは俺が気を流し込むから。それ感じ取る練習からだな」

「…………お前は、どうしてそこまでしてくれるんだ?俺の変態なところが面白いってだけなのか?」

「ああ、それはな。夏休み前に………」

 

 

 

 ミカドは行きつけの和菓子屋に向かう。期間限定の1日数量限定の菓子を食いに行くためだ。しかし、目の前で最後の一個がなくなった。塔城小猫が一気に20個買ったからだ。

 倍額払うから一個くれないかと頼んだミカドに、小猫は貴方のことが嫌いだから、いやです、とミカドを嫌悪の目で睨み断った。

 

 

「と、言うわけだ」

「え?小猫ちゃんがお前に菓子を譲らなかった事と、俺を鍛えてくれるのにどんな関係が?」

「え、だから言ったじゃん。さ、修行修行。俺らこの後あの、ほら………あれ……サイクリンクロードに会いに行くからそれまでに仙術の基礎を覚えろ。覚えなかったら赤虫と半ガラスの胸を平らにするからな~」

「────っ!」

「まあまずは己の気を把握するために、己がどんな性格なのか把握することだ。取り敢えず親が殺されると脅されるより胸が小さくさせられるでキレる奴だなお前は」

「なんだ───」

 

 と!とはいえない。事実、今まさにそうだったのだから。

 

「それと勘違いも消せ。お前は赤虫の為じゃなくて自分のために力を欲してるんだろ」

「な、何だと!?ふざけんな、俺は部長の為に──!」

「あははは。何?好きなのか?笑わせんな、お前は頑張ったご褒美にやらせてもらいたいだけだろ?」

 

 激高したイッセーに腹を抱えて笑うミカド。イッセーが反論しようとするもミカドの言葉は続く。

 

「お前、俺がぶっ飛ばしたフェニックスの所の奴と同じで、ハーレムを作りたいんだよな?」

「一緒にすんな!俺は確かにハーレムを作りたいけど、ライザーみたいに女の子を道具としてみたりしねぇ!」

「は?してるだろ。だからハーレムなんて作ろうとしてんだ。良いか?ハーレムってのはそもそも王が子孫を残す道具、女を集めた後宮のことで───」

「俺はただ、部長や朱乃さんに彼女になって欲しくて、エッチなことがしたいだけだ!後二人の処女欲しい!」

「どちらか片方が告白してきたらつき合いたいか?」

「当たり前だろ!」

「先に告白してきたほうが『私だけを愛してください』って言ってきたら?」

「────え」

 

 本日何度目かのフリーズ。

 ミカドはやはりケラケラ笑う。

 

「お、お前だって、言われたりするんじゃないのか?」

「あるね」

「なら──!」

「だけど俺はクズだ。俺が気持ちよければそれで良い。相手の事なんて知るか。普通に断ってる」

「─────」

「お前も、ハーレムの夢は諦めないんだろ?ならお前は、やはり自分本位だ。赤虫達を助けようとするのは、見返りとして体を差し出して欲しいからだ。さて兵藤一誠。もう一度言うぞ?自分を把握しろ。両親の殺害の宣言より、抱きたい女の胸を消されると言われた方がキレる己の悪辣さを───」

 

 

 

 

 

 

 小猫は、ミカドが嫌いだ。リアスを虫扱いするし、何より、()()()()()()()である彼が、怖くて仕方がない。あの性格、きっと姉のように力に飲まれたのだと、人間なのに必要以上に力を求めようとするからだ、と嫌っている。

 ミカドはそんな小猫をただからかうためだけにイッセーに仙術を教え込むことにした。

 

 

 

 小猫は一人森の中を走る。修行を終え、パーティーに出席したのだが、嗅ぎ覚えのある臭いを放つ黒猫を追ってきたのだ。

 あのイッセーも、仙術を初歩だが覚えたという。仙術………仙術だ。

 恐ろしい力だ。あんな力、この世界に必要ない。この臭いの主も、そんな力に飲まれた者の一人。自分の、身内。

 でも、どうして、大嫌いな彼女に会うために一人で来たのだろう。誰かに、それこそあの場にいる魔王達に報告すべきだった。

 話したいことが、あるから?彼女に言いたいことがあるから?

 自分は、彼女にあって、どんな顔をしたいのだろう。どんな顔をすれば───

 

「よーし、残りはケツから入れるか」

「んぶほぉぉぉぉぉっ!!」

「……………」

 

 どんな顔をすれば良いのだろう───?きっと、見なかったことにするのが一番なのだろう。うん、そうに違いない。

 と言うかあの男、ソーナ会長ともセフレだしこの前セフレらしい魔女っ娘といたし女にだらしないと思っていたがまさか姉にまで手を出しているとは。しかも、その、かなりマニアックなプレイを。まさかかんち──

 

「さぁて、後はこんがり焼くだけですよぉ。体の中に突っ込んだ果物が肉の臭みを消してくれます」

「こういうのって腹かっさばいて果物積めるんじゃねーの?」

「解ってませんねミカド君は。生きたまま焼くのが通なんですよ」

「ま、美味いならそれでいいか」

「んぐぅ!んん!んぉぉぉ!」

 

 その上こんがり焼かれて美味しくいただかれるのか。本当に、マニアックな…………ん?こんがり?

 

「ま、待ってください!」

「「ん?」」

「んぁえ!?いうぇえ!」

 

 茂みから飛び出すと裸に剥かれ手足を太い木の棒に縛り付けられ青白い炎の焚き火にくべられそうになっている姉と、姉を火にくべようとしているミカド、そして火力の調整をしている金髪の狐耳美女がいた。




猫「どんな顔をすれば良いのだろう」

帝「笑えばいいと思うよ」

狐「一緒に食べます?あ、なんならハンバーグにして食べましょう♪」

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