翌日。
堕天使職員や悪魔職員が捜査を開始し、学生であるイッセー達は情報が入るまでは観光することになった。
案内は九重と九久と帝に面を取られ大天狗に破壊された妖狐の娘、弥子。片手間で作った狐の面(材料:高天原の木)をやったら跳ね回り喜んでいた。
「……………おと、ちちうえ」
「なんだ九久?」
「ちちうえ」
「そうだな」
「………ちちうえ」
ポテポテ近付き、キュッと服の裾を掴んでくる九久。ロリコンの元浜はブフッ、と鼻血を吹き出し貧血で気絶した。
「おいおい大神、マジで父親なのか!? どういうことだよ!?」
「俺が10を少し超えた頃襲って来た女が孕んでたらしい。因みに見た目はこれな」
と、八坂の絵を見せる帝。精巧に描かれた八坂の絵の胸を見て、こんなお姉さんが淫乱!? と松田は鼻血を出し過ぎて貧血で気絶した。
「…………………」
九重は何とも言えぬ顔で異父妹とその父を見る。妖怪達は決して話そうとしなかった九久の父。
妹が欲しいとよく母に強請っていたが、ある日、本当に出来た妹の父親。九重が見る物語では子とは夫婦で育てるものだし、狐は子供を独り立ちさせるまでは家族単位で生活する。
だから母にも九久にも会いに来ない父親は死んだか、母と妹を捨てた最低な奴だと思っていたが、むしろ襲われた側でそもそも認知もする必要があるのかという関係だった。
「ところで昨日はおとうさんとか言ってなかったか?」
「ことばづかいは、なおせと」
「まあそうか」
半妖とは言え、仮にも姫だ。それに昨日の態度を見る限り不当な扱いを受けていたわけでもない。
「…………あれやって」
と、肩車された子供を指す九久。基本的に我が子に甘い帝は肩車してやった。
因みに九重にも父は居ない。少し寂しさを感じていると、九久がジッと九重を見る。
「ちちうえ、あねうえまいごにならないよう、てをつないであげて」
「ああ良いぞ」
「な!?」
手を繋がれ思わず叫ぶ九重。ジッと見つめてくる妹を前に、振り払うことも出来ず仕方なく…………そう、仕方なく手を繋いでやることにした。
そして一同は京都を回る。途中九重の好物である湯豆腐を食ったりグレモリー眷属の木場と合流したり帝が酒を飲もうとしたところをロスヴァイセに見つかり、ロスヴァイセが帝に煽られるまま酒を飲み酔っぱらったりと色々あった。
そして一同は渡月橋にやってきた。
渡月橋は渡り切るまでに振り返ると授かった知恵を失ったり、男女が別れるなんて話がある。
それを聞いたアーシアはフリードの腕にしがみつき、ルフェイが帝の……九重が繋いでる手とは反対の手を握った。
アーシアはそういうことを信じやすいから。ルフェイは、楽しんで居るのだろう。
九重が面白く無さそうにルフェイを睨むから、ますます楽しんでいる。と、その時だった。
帝が、ルフェイが、酒呑童子、妲己達が顔を上げる。同時に、ぬるりと生暖かい空気が一同を包み込む。周りに変わったところはない。
あくまで街並みにはだが。
人が消えた。居るのは裏の世界に関わる者達ばかり。
イッセー達は戸惑いながら周囲を見回し、足元の霧に気づく。
「
「でぃ、でぃめ………?」
「
と、ヴァーリが空からやってきた。近くに居たようだ。というかロスヴァイセの近くに居たのだ。一応堕天使総督の名代、堕天使陣営に所属しているロスヴァイセの様子を見に来たのだろう。
「俺達以外の存在はこのあたりから綺麗さっぱり消えている。いや、俺達が
「レーティングゲームのフィールドみたいなもんか?」
「ああ、三大勢力の技術は流れている。それを応用したものと見て間違いないだろう。そして、作った空間に霧の力で転移させられた」
ほとんどアクション無しで、それが可能なのだから神滅具というのは恐ろしいものだ。と、九久が怯えるように帝の頭を抱きしめる。
「死んだ母上の護衛が言っておった。気付いたら、霧に飲まれていたと」
つまり、八坂を攫った者と同じ。渡月橋の先から複数の気配が現れる。
「はじめまして、王神帝、そして二天龍」
挨拶してきたのは学生服の男。何故か韓服もきている。手に持った槍にイッセー達悪魔は顔を青ざめさせていた。
「お前が英雄派のリーダーか?」
「曹操を名乗っている。三国志で有名な曹操の子孫さ…………一応ね」
「……………知ってるかルフェイ?」
「え、はい。知ってますよ! 三国志の、ええと………肝油です!」
「ゼノヴィア」
「知らん!」
「イリナ」
「え、ええと………三国志だから、えっと。さ、三兄弟の一人!」
「…………弥火」
「私は知ってますよ。呉の王です」
「魏だよ!」
と、イッセーが突っ込んだ。と言っても三國無双とかの知識だが。
「全員、あの男の持つ槍には気をつけろ。あれは最強の
原初の殺人者カインの血族であるトバル・カインが天から堕ちてきた金属で作った特別な槍。神の子の血を浴び特別な力を得て、その後神器として改造された槍。
極め、認められればあらゆる状況に即した神の奇跡を起こす事も可能な無類の強さを誇る神滅具。
「アーシア達は見るな。心が持っていかれるぞ!」
「…………………」
帝はジッと槍を見る。あれは間違いなく『遺志』が宿っている。取り出して改造して天界を乗っ取れるだろうか? いや、あくまで残留思念か?
「貴様! 一つ聞くぞ!」
「きくぞ!」
「これは小さな姫様方。何でしょう? 私ごときでよろしければいくらでも答えましょう」
「母上を攫ったのはお前達か!」
「左様で」
あっさり認めた。九久も帝の髪を掴む手に力が入る。帝でなければ部分ハゲになっていた。
「母上をどうするつもりじゃ!」
「御母上には、実験にお付き合いしていただくのですよ」
「実験じゃと? お前たち、何を考えておる!」
「スポンサーの要望を叶えるため、というのが建前かな」
「スポンサー?」
三大勢力の裏切り者か、或いは何処ぞの神話の連中か………? と神を殺せる槍を見る帝。少なくともオーフィスは彼等に力を貸していない。
「で、わざわざ俺等の前に顔を出したのか?」
「隠れる必要がなくなったのでね。挨拶と共に、手合わせでも願おうと思って」
「良いぞ。ゼノヴィア、イリナ」
と、帝は影から鍔も柄も、刀身すら純白の刀をゼノヴィアに、木札がついた紐でつながった二本の刀をイリナに渡す。
「新しい魔獣だ」
「え、これ魔獣?」
「日本の付喪神や、ゲームでよくあるインテリジェンスウェポンをモデルにしてる。名前や使い方はつかめば教えてくれる」
「なるほど、袖白雪………」
「双魚理ね!」
手切れ金代わりに渡された聖剣を、彼女達は現在保有していない。天界が同盟の証としてデュランダルの攻撃的オーラを押さえる改造を施すと申し出て、その改造の材料にエクスカリバーを使うらしいからだ。
「しかし英雄ね………神器所有者を拉致し、洗脳を施す者が良く名乗れるものだ」
「ははは。夢見がちだねヴァーリ………ジャンヌ・ダルクは嘗て魔女と蔑まれ、ヘラクレスは人を救うためでなく子を焼き殺した贖罪で試練に挑んだ。シグルドだって、王族の財宝欲しさに兄を殺している」
「……………何が言いたい」
ヴァーリに睨まれた曹操は、臆することなく笑いながら答える。
「英雄など劇的な勝利をした人間に与えられる記号に過ぎない。人を救う英雄を夢見るな。何処まで行こうと殺戮者だろう…………ま、本気で人類を救いたいと考えている馬鹿は居るが、結局俺達は英雄の血や魂で人より優れた力を持ち、人にはない神器という力を得た人間さ」
肩を竦め、英雄の血も魂も継ぐことなくシヴァに認められた帝を見つめる曹操。
「それに、こうして『力』を得たならそれで何処までできるか試してみたいだろう? 人を救う為に振るう者を否定はしないが、そう生きろと己の生き方を決められるなら全力で抗おう。ようは、好きに生きてその果てに英雄と呼ばれるような勝者を目指してるのさ」
「…………………あいつ、面白いな」
帝は曹操がちょっと好きになった。
感想待ってます
やはりそろそろR18を書くべきか
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書かなくて
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どっちでも良い
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書け、命令だ
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書いてください