「さて、数はそちらが有利かな」
曹操の言葉に、霧の奥から無数の獣が現れる。自立型や創造系の神器だろう。
『
「おお、数で攻めるか。怖いねえ」
帝の影から、全く同じ姿の、感じる威圧感からして格上の獣が現れた。
「こちらは亜種の
「お前も取り込めば良いのに。与えられた力じゃなく、奪った力を使えよ」
「俺はそうすると、聖書の神に成り代わられそうだからね。君みたいに口説き落とせるなら話は変わるのだろうが」
俺には無理さ、と肩を竦める曹操。自分を、というよりは聖書の神を一切信用していないようだ
「それなら心を清く正しく入れ替えることをおすすめするわ!」
「そうなれば、主はお前に応えるだろうさ」
と、イリナとゼノヴィアが言うと曹操は少しだけ考えるような素振りを見せ槍を見つめる。そして、フッと笑った。
「嫌だ、断る。こうしてこの世に生まれたのに、何故生き方を他者に委ねねばならない? ああ、勘違いはしないでくれ。君達を馬鹿にした訳じゃあない。神の教えに従う、そう選んだ君達を俺は尊重しよう」
だが、尊敬はしない。
「好きに生きさせてくれ。その果てに、敗北した俺を悪と罵るが良い。勝利した暁には、祖先同様英雄として人が語り継ぐだろうがね」
「ま、話し合いで済むラインは超えてんだ。それにほら、あれだ。お前等が攫った狐………あれ一応俺の女とも言えるし」
影から新たに飛び出してきた日本刀。それもまた、魂持つ生きた刀。
「ふむ…………」
遥か離れた距離で振るい、しかし曹操が右に構えた槍とぶつかり合う。
曹操の右側の京都の景色が切断された。
「それは済まなかったね。でも返す気はないんだ………嗚呼、嗚呼………ならば答えは一つだろう? 俺は言ったぞ、手合わせをしようと」
「良いね。お前は特別に、
龍雲図の龍をそのまま実体化させたかのような龍が、屏風の虎が、鶴が、風神雷神が飛び出し曹操へと襲いかかる。それが開戦の合図となり、英雄派と三大勢力達も飛び出した。
「戦だ戦だ! 殺し合いだぁ! なぁてめぇ等! 酒で酔わすなんて、つまんねえ殺し合いだけはさせんなよお!?」
酒呑童子は別にそれ自体は恨んでいないが、殺し合いが出来なかった事は悔やんでいた。
そんな彼もとい彼女の前に現れた英雄を名乗る者達。
「我を殺し首を掲げてみろ! さすれば貴様等も英雄だあ!」
源頼光。その部下にも劣る弱者達。対して自分は嘗ての時代よりも強化された怪物。勝負にもならないだろう。だが、加減はしない。
英雄と呼ばれたいと、勝利が欲しいというのなら、限界ぐらい超えてみせろと鬼は叫ぶ。
「俺達も行くぞ! 木場!」
「うん、イッセー君!」
グレモリー眷属である木場が主から借り受けた代理承認カードを取り出し、プロモーションを許可する。
「王神いいいいい!!」
「おっと」
と、英雄派の一人が帝へと向かってくる。新たに生み出した刀で受け止める。
「久し振りだな、アーサー」
「兄様! ダーリンになにするんですか!?」
斬り掛かってきた眼鏡の男の名はアーサー・ペンドラゴン。騎士王アーサーの血を引き、選定の聖剣コールブランドを扱う男だ。
「いい加減に私達の関係を認めてください!」
「認められるわけがないでしょうが!? 恋人ならまだしも体だけの関係で、しかもこいつは母上にも手を出したのですよ!?」
「おい待て、手を出されたのは俺の方だぞ。てかショタコン多いのか、母親って」
夜這いしてきたのは向こうだというのに、何故怒られるのか理不尽な、と顔を顰める帝。
湖の乙女から剣を受け取った後、宿を探していた帝に声をかけ、家に泊め、部屋を訪れ「愛し合いましょう。今すぐに、命令です」と抱いてきたのは向こうなのに。
「兄様の相手は任せてください!」
「おう、任せた」
と、流刃若火を取り出す帝。
曹操が槍から光線を放ち、帝が炎を放ち烈しく火が散る。
「フリード!!」
と、ジークフリードが現れた。そういえば、曹操って会談の場に居たじゃんと思い出すイッセー。その後色々ありすぎて皆忘れていて。
色々な事をしていた帝は素で忘れていた。
多分命や舞なら覚えていた。
「今日こそ返してもらうぞ、僕のグラム!!」
「いいや。すまないが、それは無理だ。私は、この剣に相応しい人間になるともう決めた」
「……………見逃してやろうか?」
膝をつく曹操に、帝は尋ねる。
曹操は肩で息をしながら帝を睨んだ。
「まだまだ成長の余地はある。何より面白い。見逃してやってもいいぞ?」
「……………………」
「なんだ? 英雄の名に泥でもつくか?」
「汚名など、後の成果で洗い流せるさ。それが出来るなら、だが…………ああしかし、シヴァに目をつけられるわけだ。いや、それは思い上がりだな。俺程度が、シヴァの尺度を知った気になるなど」
ククク、と笑う曹操。槍を伸ばすが、帝は流刃若火で受け止め、同時に発光。
攻撃ではない。その前兆があれば回避出来た。ただ眩しいだけの、攻撃力を一切持たないが故の溜めのない発光。
「侮るなよ。見逃されるのではなく、俺の意思で逃げる……………と言えれば格好がついたのだろうがね」
距離を取ろうとしたが、影から現れた蛇に捕えられた曹操は自虐するように笑う。
「嗚呼、本当に。仕方がない…………見逃してもらうとしよう」
「…………………」
蛇が離れる。とはいえ、帝は兎も角他の者が見逃すはずもないだろうと周りを見る。赤龍帝も中々やる。ヴァーリは言わずもがな。
それに帝の部下の鬼に妖狐。他の幹部を連れてきても、恐らくは………
「ところでお前の実験ってのは、面白いか?」
「さて。それは観客によるとしか言えないかな。ただ、我々のスポンサーとしては神を殺す槍や、手持ちのある毒の性能を見たいようだが」
「…………………ほう」
興味深そうに呟き、チラリと英雄派の下っ端達を燃やす九尾の姉妹を見る帝。交渉する隙があるとするなら、そこか。
「九尾の姫の命は保証しよう」
「はは。命乞いか」
「汚名など後で洗い流せると、そういったが? 最終的に勝てば、歴史など歪められる」
「つまり、まだ勝つつもりがあると?」
「さてね。見逃してほしいだけのハッタリの可能性もあるが」
「……………………」
不意に酒呑童子と妲己の動きが一瞬だけ止まり、動きが僅かに鈍くなる。酒呑童子に至っては顔に不機嫌が浮かんでいた。
「じゃあ、生きてたら逃げていいぞ」
「──!!」
ボボッと流刃若火から溢れる炎の温度が変わる。
「万象一切灰燼と成せ」
次の瞬間、偽物の渡月橋が炎に包まれた。
「逃げ切ったか」
下っ端は死んだが、アーサーは咄嗟に空間を切り裂きジークフリードは魔剣のオーラで身を守り曹操は聖槍の輝きで身を包んだ。
イッセー達に配慮したうえで更に手加減したとは言え、並の戦士なら文字通り灰燼と化していただろうに。
「死ぬかと思ったね、実際」
「軽くいうなよ曹操。どうするつもりだ、あの化け物!」
「インドラ辺に泣き付けば、シヴァが目を付けた男だ。嬉々として戦ってくれるだろうが、まあ無理だな」
ジークフリードの言葉に肩を竦める曹操、自分が禁手を使おうと勝てないだろう。
あれが神器を通してではなく、神器を取り込み己の力とした者の強さ。
「じゃあ、どうするってんだ………」
「一番無難なのは、この槍の真の力を解放出来るまで修行を積む。つまり、今回は逃げるべきだが………そしたらまあ、殺されるだろうね、彼に」
ははは、と笑う曹操。
「逆に言えばやることさえやれば殺されない。あれはこちらをなめている。いや、正確に評価して下に見ている。何時でも殺せるから、面白そうなことをしている間は生かしていいとね」
だからあっさり見逃した。
「くそっ………」
「何を悔しやがる必要がある? 神の顔色をうかがっているのは、変わらないだろう。むしろ僥倖だ、死神などよりよほど扱いが難しい彼が、暫くは我々を捕らえる気がないのだからね」
「英雄として誇りはないのですか?」
そう尋ねるアーサーに、似たような質問をされるものだと笑う曹操。
「誇りなど、英雄になってから持てばいい。俺達は所詮テロリスト。勝利しない事には身の程知らずに神に挑んだと神話の一節に語られ、或いは語られもしない存在なのだからね」
「卑劣に、卑怯に、浅ましく英雄を目指そうじゃないか。英雄譚において卑劣な手段など、珍しくもないのだから」
アーサーは、目を細め尋ねる。
「曹操………貴方は、本当に英雄と呼ばれたいのですか?」
「ああ、好き勝手生きてそう呼ばれたなら、面白いと思わないかい?」
感想待ってます
やはりそろそろR18を書くべきか
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書かなくて
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どっちでも良い
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書け、命令だ
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