大洗のボーイッシュな書記会計   作:ルピーの指輪

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いつも感想や誤字報告ありがとうございます!
前回から続いて鍋パーティー開始です。
よろしくお願いします。


鍋パーティーとバトルロイヤル

「大学選抜チームのメグミさん、アズミさん、ルミさんの歓迎を兼ねた、鍋パーティを開始する! 会長、自慢のあんこう鍋です。ぜひ、召し上がってください」

 

 河嶋先輩の音頭で残暑の残るこの時期に鍋パーティが開始された。

 エアコンをバカみたいに効かせる、地球に優しくない食事会だ。

 

「まずは、あん肝をじっくり炒めるのがコツなんだー。そこに、味噌をいれてー」

 

 会長は手慣れた手付きであん肝を炒める。

 愛里寿さんはピッタリと会長の隣で楽しそうに調理風景を眺めていた。

 

「ちょっと、まずくない?」

「隊長の顔を見て! あのできるお姉さんを尊敬する眼差し。アリシアさんに向けてた目と同じよ」

「でも、さっきのあの顔見たでしょう。絶対に敵にしたら厄介なタイプ。間違いないわ」

 

 その光景を悔しそうな顔をしながら眺めているメグミさんたち。何をそんなに張り合うのか?

 とりあえず、用件だけは済ませなきゃ。

 

「あのう、先輩……。少しだけよろしいでしょうか?」

 

「あら、あなたは仙道さんだったかしら? そういえば、私はあなたに撃破されたような……」

「あー、さんざん逃げて、最後においしいとこ持っていった」

「アリシアさんとも反則みたいなやり方で相討ちになってたわね」

 

 うっ……。まさか、試合のことで根に持たれてる? 仕方ないな、こういう手は会長みたいで嫌なんだけど……。

 

「これ、この前に愛里寿とお泊り会したときの写真です」

 

 私が携帯電話に写っている愛里寿と西住さんと撮った写真を見せた。

 

「「かっ可愛いー!」」

 

「ちょっと、何よこれ……、天使じゃない?」

「くっ、羨ましけしからん!」

「これは、かなり刺激が強いわね……」

 

 思ったとおり過ぎる反応に私は苦笑いした。

 

「もし、よろしければ、愛里寿さんに頼んで、この写真を先輩方にお渡し出来るようにしますが……」

 

「なっ、あなたは私たちを買収するつもりね」

「最近の女子高生は恐ろしいねー」

「まったく、仕方ない子なんだから……」

 

 あれ? 流石にそんなにチョロくなかったか。

 

「で、何をすればいいの?」

「西住のところは切り離していいよ」

「あんまり無茶はできないわよ」

 

 チョロかった……。

 

「えっとですね、今度開催される戦車道の世界ユース大会にオーバーエイジ枠で先輩たちに出ていただきたいのですが……」

 

 私は率直に要件を伝えた。どう考えても彼女たち以上の適任が思いつかなかったからだ。

 

「まぁ、その件については隊長が私たちを頼ってくれたんだしー。元よりそのつもりだったからいいわよ」

「ちゃんと、隊長と同じチームで一緒に戦えるようにしといてよ」

「なーんだ、簡単な話だったわぁ」

 

 意外にも素直に二つ返事だった。まぁ、愛里寿さんの頼みでここに来てるのだから、当然か。

 

「ところで……、私たちの車両は誰が他に乗るの?」

 

 アズミさんが唐突に思いもよらないことを言う。

 

「へっ? 誰ってそれは大学選抜の人で……」

 

「君ってバカなのか? オーバーエイジ枠は三人なんだろ? 私たちで定員じゃないか。だから、私たちの車両の他の搭乗員は高校生に決まってるだろ?」

 

 ルミさんが呆れたような顔をしてそう言った。あーっ、そうだったー! 

 私は自分のうっかりさ加減が嫌になった。

 

「まぁ、私たちから後輩に頼むことは出来るけど。ケイやアリサなら都合してくれると思うし……」

 

 メグミさんはサンダース出身らしく、ケイさんやアリサさんの名前を出す。

 

「でも、隊長の戦車には大洗の子が乗るんだろ? だったら、こっちの子の方が連携取りやすいんじゃないか?」

 

 ルミさんは意外と真面目な意見を出す。というか、愛里寿さんが絡むとポンコツになる感じだな。

 

「うーん、だったら、大洗の戦車道の演習を見させてもらって、私たちが搭乗員を指名するのはどうかしら?」

 

 アズミさんは腕を組みながら意見を出してくれた。

 ふむ、それはいい考えだ。

 

「それでは、先輩たちの都合の良い日にちを教えて欲しいのですが……」

 

「別に明日でいいわよね」

「うん、どうせウチら暇だし」

「まだ、夏休みだからねー」

 

 大学生はまだ夏休みなんだって、いいなー。

 ということで、着替えなどは私たち生徒会が準備するということで、三人には来客用の学園艦にある宿泊施設に泊まってもらうことにした。

 

 そして明日、みんなの練習を見てもらってパーシングの搭乗メンバーを決めてもらうことにする。

 

 ついでに私と西住さんがいない間にバレーボール大会を開くという条件で愛里寿さんの車両に期間限定で乗ることが決まったアヒルさんチームも試してみよう。

 

「さぁ、鍋が煮えたよー」

 

 先輩たちと話しているとあんこう鍋が完成したみたいなので、私たちは食事をすることにした。

 

「はふはふ、くっ悔しいけど美味い……」

「あんな感じなのに、女子力が高いのか……」

「試合で負ける以上の敗北感ね……。隊長の胃袋を掴まれちゃう」

 

 その後、三人はこっそり会長に料理を習うことにしたらしい……。武部さんに習ったほうがよっぽど気楽だろうけど、面白そうなので黙ってた。

 

「やっぱり、会長の料理はプロの味……」

 

「いやー、島田ちゃんにそこまで褒められると照れるねぇ」

 

 会長も素直に美味しそうに食べる愛里寿が可愛いみたいで、自炊する日が増えてると言ってた。

 まぁ、本当に美味しそうに食べるし、仕草も可愛いよね。

 

 そして、食事会も終わって、この日は解散となった。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 翌日の早朝、戦車道チームのみんなは一人も欠けることなく集合してくれた。

 

 アヒルさんチームのみんなはパーシングの操縦方法などを愛里寿さんに教わり、少しだけ別で練習してからの全体練習の参加となった。

 

 全体練習は蝶野さんが最初に来た日と同じようなバトルロイヤル式の殲滅戦をやってみた。

 

 こういう練習は久しぶりだけど、最初の練習のときとは比べ物にならないくらい白熱した。

 

 私たちも当然勝つつもりで挑んだ。

 

 しかし、早々に新生アヒルさんチームにより撃破されてしまう。

 なんで、初めての車両でこんなに強いの? というか、89式じゃないアヒルさんチームって半端ない強さだな。それに愛里寿さんの指揮も加わるから余計に手に負えない。

 

 レオポンさんチームはカバさんチームと激戦を繰り広げて辛勝するも、あんこうチームに撃破される。

 

 アリクイさんチームはウサギさんチームをあり得ない装填速度で追い詰めて撃破したが、その瞬間をカモさんチームに砲撃されて白旗を上げることになった。

 

 そのカモさんチームもあっさりとアヒルさんチームに負けてしまう。

 

 そして、その間にあんこうチームはレオポンさんチームを撃破していた。

 

 よって試合の終盤は予想通り西住さんのあんこうチームと愛里寿さんのアヒルさんチームとの一騎討ちとなった。

 

 ここから先は異次元の戦いとなる。まさに実力伯仲の大激戦。

 全国大会の決勝や大学選抜戦にも勝るとも劣らない、戦車道の天才同士の死闘である。

 

 おいおい、これって練習だよね? あんこうチームの力も前より増してないか?

 

 苛烈な砲弾の応酬。複雑な読み合い、そして、精神力の勝負。

 

 しかし、僅かな練度とそして長い間のチームとして戦った期間の差は後半になると顕著になっていき、最後にはあんこうチームに軍配が上がった。

 

「まさか、隊長が……」

「乗ってるやつが下手くそなだけだっ」

「そうかしら、高校生にしてはやると思ったけど」

 

「「でも、隊長……、なんだか楽しそう」」

 

 メグミさんたちは三人揃って、微笑ましいものを見るような目で愛里寿さんを見ていた。

 

 愛里寿さんは本気の勝負が出来たんだから楽しいんだろうな。彼女はそれを西住さんに望んでいるんだろうし。

 

「どうですか? 気になる車両などはありましたでしょうか?」

 

 私は彼女たちに感想を聞いてみた。

 

「そうね、並外れたパワーを感じる三式のチームは面白いと思ったわ」

 

 メグミさんはアリクイさんチームが気になるみたいだ。

 

「隙を見て目ざとく狙うルノーのチームは好きだね。個人的に……」

 

 カモさんチームを好んだのはルミさんだ。

 

「詰めが甘いけど、色々と奇策を狙うⅢ突のチームはいいものを持っていそうだわぁ。あのときもハンバーガーショップじゃなかったら危なかったかもしれないし」

 

 アズミさんはカバさんチームを評価する。

 

 というわけで、大学選抜チームで中隊長を務めた三人はユース代表のオーバーエイジ枠で入ってくれることになった。

 

 そして、それにあわせて、アリクイさん、カモさん、カバさんチームもパーシングの搭乗員として参加することが決定した。

 

 あれ? ウサギさんチーム以外が全部世界ユース大会に参加することになったような……。

 

 この事実は、後のウサギさんチームに大きな変化をもたらすことになる……。

 

 

 こうして、11両目までが決まったので、残りは9両となった。

 

 メグミさんたちにはしばらくこっちで愛里寿さんと共にパーシングの操縦方法などの指導をお願いすることにした。

 

 愛里寿さんと一緒ということもあり、三人とも快諾してくれて助かった。

 

 そして、朝練のあと、私と西住さんは再び大洗女子学園を離れて代表チームのメンバー集めに動くのであった。

 

 次の目的地は聖グロリアーナ女学院である。

 

 ダージリンさんには既に許可はとってあり、お昼にお茶会を開いてくれるとのことであった。

 

「じゃあ、行こうか、みほ。二日間連続で疲れているかもしれないけど……」

 

「ううん、平気だよ。玲香さんと旅をするのは楽しいもん」

 

 可愛らしく返事をする西住さんをヘリコプターに乗せて、私たちはグロリアーナの学園艦がある神奈川に向かって飛び立った。

 

 さて、ダージリンさんはどんな反応をするのだろうか?

 




ウサギさんチームだけのけ者になってしまいました。
しかし、ここからウサギさんチームにはチャンスが?

しかし、完全オリジナル展開は今までとは比べ物にならないくらい時間がかかりますねー。
ここまで来てこんなことを言うのは非常に辛いのですが、最初の頃よりクオリティが下がってきてるような気がすると実感してます。

ここからは更新速度を下げてゆっくりと考えてから投稿しますのでご了承ください。
もっと頑張れると思ったのですが、すみません。

次回は聖グロリアーナからスタートしますのでよろしくお願いいたします!
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