数え直したらプラウダの車両を加えて15両でした。申し訳ありません。
すでに書き直しはしています。
それでは、よろしくお願いします。
「ミカさんたち戻ってないのですか? そんな、馬鹿な……」
苦労して継続高校の学園艦にヘリコプターを止める許可をもらって、継続高校の戦車道チームと接触した結果、返ってきた言葉がこれである。
「まさか大学選抜チームと戦った後から戻ってないなんて……」
「もう一ヶ月以上経つよね。優花里さんから、ボートくらいの大きさの小舟で帰ったって聞いた気が……」
西住さんと顔を見合わせてミカさんたちの行方を考える……。
これって遭難? 代表チームどころじゃないぞ。警察に連絡しなきゃいけないんじゃない。私は少しだけゾッとした。
そんなことを継続高校の戦車道チームの子に話すと、さらに衝撃的な話をされた。
「えっ? 戻らないのはいつものこと? 『警察? それはこの国に必要なものかな?』って言うくらい警察が嫌いって……。どう考えても必要だろ!」
とにかく警察はいらないからって力説された……。どんだけ警察を恐れてるんだよ……。
「とりあえず、ミカさんの行方は会長たちにも協力してもらって大洗の情報網をフル活用して探そう」
「うん。じゃあ、大洗に戻ろうか?」
西住さんと相談していると携帯電話の着信音が鳴った。会長からか……。
『仙道ちゃーん、今どこー?』
「あっ、今は継続高校でミカさんに声をかけようとしてたんですけど、どうやら行方不明らしくて……」
『おやー、そりゃあ大変だねー。じゃあ、大洗からも調査しとこうかー』
「ええ、それをお願いしようと思ってました。それで、何の用件でしょうか?」
『いや、今日はもう遅いから良いんだけどさー。なんか、チョビ子んとこのP40の修理が終わったらしくってさー、代表チームの話をしたら乗り気になっちゃってねー。チョビ子なら問題ないっしょ』
「そうですね。アンチョビさんなら、強豪校の隊長にも引けを取らないと思います。明日にでもアンツィオに行ってみます」
ということで、ミカさんの捜索は続行するとして、アンチョビさんに会いに明日はアンツィオ高校に行くことになった。
アンツィオは西住さんとデートして以来だなー。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「よく来たな! みほに玲香! ランチタイムに来たのは幸運だったぞー。ちょうど、ペパロニが秋の新メニューを開発してな。これからカルパッチョも含めて三人で一緒に試食する予定だったんだ。お前たちも食べていくがいい」
アンチョビさんがペパロニさんとカルパッチョさんを引き連れて迎えに来てくれた。
「ええーっ、本当にいいんですか? みほ、やったな。昼ごはん代得したぞ」
「玲香さん、正直に言いすぎだよ」
私が喜びを素直に口にすると、西住さんがツッコミを入れる。
でも、アンツィオの料理、というかペパロニさんの料理は武部さんや会長に負けないくらい美味しいからな。しかもタダならさらに美味しいこと間違いない。
「ペパロニさん、新メニューって何なのですか?」
「おっ、玲香! お前さん、グイグイくるねー。そいつぁ、見てのお楽しみだ!」
ペパロニさんはかなり自信があるらしく、上機嫌に笑っていた。
これはかなり期待できそうだぞ。
「あれっ? おっかしーな。ここに置いておいた皿がごそっと消えてるぞー」
ペパロニさんが自分の屋台の中でキョロキョロしながら料理を探していた。
どうしたんだろう。料理がドロンと消えてしまったとでも言うのだろうか?
「おい、ペパロニ! お前、本当にここに料理を置いたのか?」
アンチョビさんが疑いの眼差しをペパロニさんに送る。確かに、ペパロニさんってそそっかしいところありそうだし、置いた場所を忘れたとか有り得そうだな。
「アンチョビ姐さん、そりゃあないっすよ。確かにあたしはここに置いたんですって」
ペパロニさんは悲しそうな顔でアンチョビさんの言葉に返事をする。
ふーむ、確かにここで調理したんだったら、少なくとも屋台の中になくちゃおかしいよな。
「みほ、どう思う?」
私はこの状況について西住さんに聞いてみた。
「ペパロニさんが、勘違いしてるとは思えない。おそらく、アンツィオの皆さんが私たちを迎えに来てくれた間に何者かが料理を持っていった……」
西住さんの何者かが料理を盗んだと推理したようだ。
うん、私もそう思う。じゃあ、誰が盗んだのかだけど……。
「
カルパッチョさんが他の屋台の方から歩いてきて報告した。
これはきな臭くなってきたぞ。
「ピザ泥棒だー! ピザ泥棒が出たぞー!」
叫び声に加えて履帯の音が聞こえる。これは、CV33だけじゃないぞ。
私は声がした方向を振り向くと、BT-42をCV33が追いかけていた。しかもあのBT-42には継続高校のエンブレムが付いている。
「おいっ、みほ! あのBT-42って……」
「うん、ミカさんたちの車両だよ」
私と西住さんはあ然とした顔をしていた。そういえば、中学校時代に弁当をミカさんに盗まれたことがあったな。
手癖悪すぎだろ、あの人……。
「どうしようか? みほ……」
もう、あの人を代表チームに入れるの辞めようかなーって半分くらい思いながら、私は西住さんに意見を求める。
「うーん、ペパロニさん、美味しそうな匂いの煙を出してください。――もくもく作戦開始です」
西住さんは凛々しい顔つきになり、作戦を発動する。
「美味しそうな匂いっすかー。とりあえずニンニクとオリーブオイルでも使うかー」
ペパロニさんは西住さんの指示により、煙を出した。
そして――。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ようやく捕まえたぞ。ドロボー」
「泥棒じゃないよ。みんなが食べてって私に話しかけてきたんだ(ポロローン)」
アンチョビさんの前にはグルグル巻に縛られた、ミカさん、アキさん、ミッコさん。
口元にはジェラートだったり、チーズだったり、色々付いていた。
というか、まさかあんな簡単な罠に引っかかるとは……。
匂いを屋台から出しっぱなしにして、ペパロニさんは屋台の中で隠れて、私たちは屋台の周りを包囲する。
匂いに誘われて継続高校の3人はまんまと屋台の中に入り込んで御用となったのである。
「とりあえず、この人たちドロボーなんで、警察に突き出しましょうか? アンチョビ姐さん」
ペパロニさんは珍しく怒った顔をしてそんなことを言う。
確かに泥棒なのは間違いないしなー。でも、遭難していたみたいだし、お腹が空いていたのもあるんだろう。
「ミカさん、遭難していたんですよね? 継続の戦車道チームの人たち心配していましたよ」
私はそうミカさんに質問する。つらい遭難していた話を正直に話せばアンチョビから情状酌量の余地について論じてくれるかもしれない。
「違うよ、風がここまで、運んできてくれたんだよ」
なんかポエムみたいなことを言ってきた……。
「ちょっとミカ。素直に謝ったほうがいいよ」
「あたしら、3日間、その辺に生えてる草しか食べてなくて……つい……」
悲しそうな顔をするアキさんとミッコさん。
その辺に生えてる草を食べる勇気がすごいよ。
「
カルパッチョさんはアンチョビさんに彼女らの処遇をどうするか聞いた。
「うーん、仕方ない! ペパロニ! ありったけのパスタを持ってこい! アンツィオから、空腹で帰すわけにはいかないだろっ!」
「えっ、姐さん、いいんですか!」
「ああ、腹が減ったら、正常な判断が出来なくなるものだ」
アンチョビさんはニカッと笑ってミカさんたちを許してくれた。
「ミカさん、あのう、今度世界ユース大会があるのですが、代表チームに入ってもらえませんか?」
私はもはやこの人とコミュニケーションが取れる気がしなかったので、ダメなような気がしたが、一応聞いてみた。
「うん、入ろう」
「そうですよね。やっぱりダメ……って、いいんですか?」
私は跳びはねるくらいびっくりした。
「風がね、出る必要があるって言ったんだよ」
よく分からないが、出てくれるらしい。
「私たちも出るぞー!」
「
「タカちゃんと会えるし楽しみねー」
アンチョビさんもP40で参戦してくれることが決定した。
これでようやく17両出揃った。
さて、どうやって残りの車両を集めようかと考えたとき、会長から電話が来てアイデアを出してくれた。
『じゃあさー、仙道ちゃん。トライアウトでもやろっか』
会長はいつもの飄々とした口調で思いつきを口にした。
やっぱり、ミカを上手く書けないです。変人すぎるので……。
次回はトライアウト編です。