私は突然の出会いに驚いてしまった。
「つ、つかさくん!?こんな所で何をしてるの?」
「それは僕も聞きたいよ。星河さんこそどうしてここに?」
「え…。そういえばなんで私ここに来たんだろ…。」
「ふふっ。変な星河さん。」
「あ!そうだ!星を見に来てたんだった!ここの星すごく綺麗なんだ!」
するとつかさくんが驚いたように言った。
「へー!奇遇だね!僕もここにたまに星を見に来るんだ。それで今日も星空を見ようと思ってこの公園に来たんだ。そしたら泣いてる星河さんを見つけたから…。」
「え…?」
本当だ。なぜ、私は泣いてるんだろう。つかさくんに出会えて嬉しいはずなのに。こんなに楽しい気持ちなのにどうして涙が出ているんだろう。
「う、ううん!なんでもないから大丈夫!」
(気づいたら涙が出てるなんて、私も初めてのことだから不思議だな…。)
「本当に大丈夫?」
「うん、見ての通り元気だよ!」
「そっか、それならいいんだけど…。」
「ほ、ほら!つかさくんも座りなよ!」
私はポンポンとベンチを叩きつかさくんを隣に誘う。
つかさくんはまだ心配そうな顔をしていたがやがていつもの笑顔に戻っていった。
「うん。じゃあそうしよっかな。」
こうして、二人きりの天体観測が始まった。
「あれが春の大三角って言われてる星だよ。」
「へー!じゃあ、あれは!?」
つかさくんは星についてとても詳しかった。
あまり詳しくない私の初歩的な質問にもすぐに答えてくれる。
「星河さんって凄い好奇心旺盛だよね。」
「だって気になるじゃん!」
「ふふっ。そういうのすごくいいと思う。でも気をつけないといつか、知ってはいけないことまで、知ってしまうかもしれないよ。」
「そんなことってあるのかな?」
「うん、きっとね。」
「も〜、つかさくんが言ってること難しいよ〜。」
「そんなに気にしすぎなくてはいいんたけどね。」
笑いながらつかさくんの言葉を聞いていたが、少し自分についての疑問が出てきた。
私の両親はいつ、どこで、なぜ死んでしまったんだろう。
それについてなぜか全く知らないということ。
そして、両親が居なくなっておじいちゃんの家で過ごしていたはずなのにその記憶がほとんどないこと。
なぜだろう…。
「…星河さん?」
つかさくんの声で私は引き戻される。
「あ、ごめんね、ちょっとぼーっとしちゃって…。」
「うーん。星川さんって普段は明るいけどたまに凄い考え込んでいる時あるよね。」
心配そうにつかさくんが言った。
「たまに考えちゃうことがあるんだ。でも大丈夫だから!」
少し強がる私につかさくんは優しく言ってくれた。
「言いたくないことがあるなら僕は無理には聞かないよ。でも本当に辛かったら僕が相談に乗るから、いつでも言ってきて。」
そう言い、また微笑むつかさくん。本当に優しいね君は。
「わかった!頼りにしてるねつかさくん!」
「うん!それじゃあ、そろそろ帰ろっか。家近くだし送っていくよ。」
「ありがと!」
そして、ベンチから立ち上がり私はずっと言いたかった言葉を勇気をだして言った。
「それでさ…、つかさくんが良かったらでいいんだけど…。」
「ん?なに?」
「…連絡先交換しよ!」
私の中で精一杯勇気をだした言葉だった。私って本当にこういう時はダメだな〜。
「うん、いいよ!」
つかさくんが簡単に答えたのを見て、緊張した私がばからしく、恥ずかしく思えてきた。
連絡先の交換が終わると、私は気持ちを悟られないように必死に笑顔を作る。
「ありがとう!これからもよろしくね!」
「うん。こちらこそ!」
そう言って私達は一緒に公園を出る。
顔がまだ少し熱い。さっきまであんなに冷えていたのに。
つかさくんに連絡先を聞けた嬉しい気持ちとその程度のことでドキドキする自分自身に対してもどかしい気持ち。
その両方を抱えたまま、家へ向かって歩いていく。
そしてもうこの時には涙を流していたことなんてすっかりと忘れていた。