仗助にもしも双子の姉がいたら?ネタ   作:蜜柑ブタ

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重ちー編。





ブルー・ブルー・ローズに導かれて行った先でミナミは、仗助達を見つけるが……?


悪ガキ共

 

 幽霊の女の子に出会った後日。

 

 私は、ブルー・ブルー・ローズをよく見かけた。

 

「あぁ…、もう…。」

 

 何かに向けて導くように動いているのが気になる。気になってしまう。

 うまいこと他の人の目に映らないよう微妙な感じで出ているのが腹が立つ。

 そういえば、仗助は、あれから新しい靴とか靴下とか色々買いそろえてたけど…、一応言っといたよ、お金は大事にねって。

 総額は知らないけど、あの調子じゃ貯金もすっからかんになるよ。きっと。あ~いつ、必死に貯金貯めてたのに…。

 

 あの馬鹿弟だ…。今頃、銀行で頭抱えてるんじゃないかな?

 なんとなく、直感で感じてました。

 

 双子の直感?っと思いつつ、ため息を吐いてたら、足をブルー・ブルー・ローズが引っ張った。

「なによ…? どこへ連れて行こうっての?」

 ここまでしつこいのは初めてだ。

 こうなったら、言うとおりにすべき? 私の意思でやってるわけじゃないよ?

 私は仕方なく、ブルー・ブルー・ローズに従って方向転換した。

 

 ブルー・ブルー・ローズの鮮血色の根っこが、ピョコピョコと進む先に出たり入ったりして、この先だと言わんばかりに動いている。

 

「あれ? 仗助? 億泰君…?」

 

 進む先に、仗助と億泰君がいた。というか何か追いかけるように移動している。

 私が立ち止まっていると、またブルー・ブルー・ローズが足をクイクイと引っ張った。導こうとしている先は、仗助達が走って行った先だ。

「…なに?」

 私は、走らず歩いた。

 そして遠目に、仗助と億泰君に気づかれないよう追跡した。ブルー・ブルー・ローズがそう導くのだ。

 やがて、中学生らしき男の子と、小さな無数のスタンド、そしてその男の子と会話しているらしい、仗助と億泰君を見つけた。

 声をかけようかと思ったが、直感でそれを止めた。

 な~んか、やな予感がするなぁ…。

 あの中学生の男の子…、小銭が入った貯金箱を二人に見せてるよ……。ますますやな予感がする。

 まあ、いいや、ブルー・ブルー・ローズが、どこかから持ってきた双眼鏡持ってきてくれたよ。なに? 仗助達を監視しろってこと?

 私は、その後様子を伺った。

 

 形兆のような軍隊型のスタンドを使えるらしい男の子のスタンドが、やがて杜王町全土内のゴミ箱の中から、ブルースタンプ(※換金すると数十円や百円になる紙切れ)を集めさせていた。

 

 あんの、悪ガキ共…、いや仗助か…!

 明らかにあの男の子のスタンドを利用してるじゃん!

 馬鹿じゃないの? 馬鹿なの!? 阿呆なの!? 姉として恥ずかしいよ!

 んなこと考えてたら、あの男の子に集めさせたスタンプを換金してきた仗助。かなりの大金…、あの札束からするに、6万以上はあるね。

 それをあの男の子に渡してたけど、二人への分け前はわずか1万円。そりゃそうだ。二人とも不満げそうだけど。

 う~ん、あの様子じゃまだまだあの男の子こと利用する気満々そうだな。

 そろそろ姿を見せて、スペシャルなげんこつ入れてやろうか!?

 っと、思ってたら、あの男の子のスタンドがスタンプ以外に集めてきたハガキや封筒などを仗助が捨ててた。

 その中にある金券でも求めてたのか、億泰君が必死に中を探している。

 そして…、やがて宝くじの券を見つけ出していた。

 

 ん? あの様子だと……、さては、当たってたな!?

 

 あのリアクション…、間違いない!

 馬鹿なの、アホなの、大馬鹿なの!? 当たりクジを無償で無名で寄付するような善人を見習え!

 あ~~~~~、もう! うちの警察官のお爺ちゃんが知ったら、どんな雷が落ちるだろう!?

 私が頭を掻きむしっている間に、悪知恵が働く欲まみれのガキ共は、とうとう銀行に向かいやがった。私は、ブルー・ブルー・ローズに導かれずその後を追跡した。

 待てよ…? 換金するとなると手続きが複雑なはずだ。なにせ宝くじの券…、いかなる闇と不幸がもたらされるか分からない。よく大金を手に入れて身破滅させるっていう話はあるけど、あのガキ共のことだ、いかなる手段をもってしても大金を欲しがるはず…。それこそ、スタンドという常人には分からないモノを利用してでもね!

 もう少し様子を見て、これ以上のアホやったら空条さんのところに連絡したろ。そしたらげんこつどころじゃ済まないだろうね。ククク…。

 銀行前の曲がり角で待ってたら、小切手持って出てきやがったよ、悪ガキ共め。

 さてと…、あとは、全部見てたことを言って、げんこつ入れて、小切手没収してと…、って考えてたら、どうやら仲間割れ発生。

 あの男の子が欲に負けたらしく、小切手を自分だけのモノにしようとしたらしい。それに怒った億泰君が男の子を殴った。そして仗助が小切手を奪っていった。

 うん…。げんこつ数発と、顔面追加だ。

 けど、あの男の子スタンドが小切手を奪い、そして逃走劇が始まった。

 馬鹿! 馬鹿だ、大馬鹿だ!

 欲が絡むとこうも人間ってダメになるわけ!? ああもうこれだから金って奴は…。

 私は、あの男の子がスタンドの力で建物の壁を登り、そして仗助と億泰君は、スタンド同士で手を繋いで上へと本体ごと持ち上げて追いかけていた。

 さすがに私の力じゃ上までいけない。仕方ない…、上での戦いが終わるまで様子見だ。

 

 しばらくして……。

 

 紙切れが上から風に乗って飛んでいくのを見た。そしてあの男の子のスタンドがそれを集めに降りてきた。

 さらにしばらく待つと……。

 足がフラフラしてる仗助と億泰君、そして顔を殴られたらしい男の子が降りてきた。

 

「仗助、億泰君。」

「あ? 姉ちゃん? どうしてここに?」

「仗助。私ゃ恥ずかしいよ。」

「へっ?」

「こんな弟とその友達を持った、自分がねぇええええええええ!!」

「ぎゃあああああああああああああ!!」

 私は仗助を捕まえてアルゼンチンバックブーリーカーをかけてやった。

「み、ミナミさぁん!? もしかして見てた!? 俺らのこと見てたぁ!?」

「だ、誰だど?」

「こんの馬鹿弟がぁあああああああああああ!!」

「ぎえええええええええええ!!」

「億泰君! お前もだよ!!」

「ご、ごめんなさあああああああああああい!!」

「ひひひ、ひ、ひぃいいいいいいいいい!?」

「君も軽々しく利用されてんじゃないの!」

「おらも!?」

「まとめて、お仕置きだからね!!」

 

 人気の無い杜王町の一角に、二人の青年と、ひとりの少年の悲鳴が木霊しました。

 

 とりあえず、空条さんに連絡するのだけは勘弁してやった。

 

 

 

 




生身の喧嘩じゃ最強クラスの姉ちゃんこと、ミナミさんでした。

スタンドによる悪さなんて立証しようもないので、500万円は、とりあえず姉ちゃん預かりかな?
たぶん話を聞いた承太郎は、呆れるだろうけど。


そろそろ、吉良吉影かな……。

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