東方波響録 ~異能力者達の学園!?~ 作:月と風
「......広過ぎない?」
「そうかな?」
ここはフランの家。
名前は紅魔館、というらしい。
まず家の前に門番がいる、という時点で凄い。
しかも門番は、僕が受験したときの試験官、紅美鈴先生だった。
これではフランたちに頭が上がらない気がするが?
とフランに聞くと、学校では立場が逆、ということだ。
紅美鈴先生は丁重に挨拶してくれた。
なんか先生より上の立場になった気分だ。
また、さっきは驚いていてよく見えなかったが、庭も物凄く広いらしい。
それを紅美鈴先生が一人でやっているそうだ。これまた凄い。
中は真っ赤に染め上げられていた。
さすが吸血鬼。
また、大きい階段や、地下室に続く通路のようなもの、
窓から反対側を見ると、大きな湖があった。
しかも、なんか小さい生き物がたくさんいる。
フランに聞くと、これは妖精メイドというらしく、無給で働いているらしい。
見た目以上にブラックだ。
「ようこそ紅魔館へいらっしゃいました。」
そこで僕はまた驚いた。
「咲夜先生?」
「そうなのですが、ここではメイドとして働いておりますので、咲夜、とお呼びください。あと、妹様。お嬢様がお呼びです。」
「うん。わかった。」
何だここ。どんだけ金使ってんだ。
しかも咲夜先生に咲夜、なんて絶対言えない。
「まず、レミリアの部屋に行こう。」
「あ、はい。」
唐突に妹様に変化したフランがいう。
これは従わざるを得ない。
歩くこと数分。
「広い......広すぎるってここ。」
「そんなにないよ。」
「いや、もう。僕の家の10倍以上はあるよこれ。」
そんな悲鳴をあげている間に、
「ここだよ。」
とフランがドアを開ける。
「お姉ちゃん、入るね。」
「お邪魔します。」
「あぁ、フランと日々響、来たのね。いいよ入って。」
中に入ると、レミリア先輩がいた。
自室も広いことは驚きだが、もっと驚いたのは、机の上にあった真っ赤な飲み物とだった。
もしかしなくとも...血?
「あぁ、あれはトマトジュースだよ。お姉ちゃんは血を全部飲めないし、苦いの嫌いだから、甘いトマトジュースしか飲めないんだよ。」
「と、トマトジュース?」
「フラン!何変なこと教えてるの?」
「え?なんのこと?」
フランがとぼける。
知っちゃいけないことだったの?
「ま、まあそれはおいといて。ようこそ紅魔館へ。ゆっくりしてってね。」
「あぁ、はい。よろしくお願いします。」
「えっと...日々響はこの後どうする?」
「うーん...まず紅魔館を見て回ろう。」
「ん。わかった。じゃあ私が案内するね。」
「ありがとフラン。」
「咲夜~紅茶頂戴。」
「只今お持ちしました。」
え?今誰もいなかったけど...
しかも咲夜先生どっから出てきた?
「咲夜は時を操る程度の能力を持ってるんだよ。それで瞬間移動してるように見えるわけ。」
「な、なるほど...」
時を操る程度の能力か...強者だな。
だって時を操ったら何でもできるじゃん。
「じゃあ日々響行こう。」
「はい。」
まず僕等が行ったのは、大きな図書館だった。
とにかくデカイ。本の量が半端じゃない。
「ようこそ。魔法図書館へ。」
現れたのは、紫色のロングヘアに紫色の服を着た女性と、悪魔のような角と羽が生えた少女。
「この、紫色の髪の毛のおば...じゃなくて人がパチュリー・ノーレッジ。そしてもう一人小悪魔って言うの。」
フランが、パチュリーさんに睨まれながら言う。
「よろしくお願いします。夏休み終了まで、滞在させていただきます。」
「よろしくね。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
「早速だけど何か本読んでく?」
「あ...どんな本がここにはあるんですか?」
「魔法に関する本がほとんどね。」
「なるほど...」
魔法か。結構興味あるな。何か借りていこうかな?
「ん~じゃあこの『音と魔法』ってやつ借りてもいいですか?」
「いいわ。期限は夏休み終わるまでね。」
「はい。わかりました。」
ということで本も借りれたし、ここは暇を潰すのにちょうどよさそうだ。
「次は庭に行こう。」
フランに連れられて庭に到着。
庭では、紅美鈴先生が、花壇に水をやっていた。
何か変な感じがする。
この庭もまたデカイ。そして、色とりどりの花が植えられている。
本当にここを一人でやっているのだろうか?
「心配ありませんよ。日々響さん。私も慣れてますから。」
慣れなんてあるのかな?
フランは、たくさんの花に見いっている。
「おーいフラン。そろそろ行かない?」
「ん?あ、ごめん行こう。次は...あれ?もうほぼ見尽くしたね。じゃあ最後に私の部屋と、日々響の泊まる部屋に行こう。」
「ここが私の部屋。」
「これまた広いことで。」
フランの部屋は、真っ赤で、ベッドや装飾が豪華だった。
凄いな。
本当にこの館はとにかくデカイ。
一部屋一部屋がいちいちデカイ。
「こんなに広かったら、掃除大変じゃね?」
「いや、咲夜が時間止めてやってくれるから。」
「あ、そうか。」
納得。
時間止められるのめっちゃ便利。
欲しい。
「ここが日々響の部屋。」
「こんなに使うの勿体ないな。」
どうやって使えって言うんだよ。こんなに広い部屋。
後、赤すぎて目が眩みそう。
「あれ?ここの階段はどこに繋がってるの?」
「それは......」
フランが口ごもる。
「あれ?聞いてほしくなかった?」
「うん......ちょっとね......」
「あ......ごめん......」
「大丈夫。」
フランにも秘密の一つや二つはあるでしょ。
大丈夫、聞かないことにするから。
それにしても、ここで暮らすのか......ちょっとした王子様気分だな。