東方波響録 ~異能力者達の学園!?~ 作:月と風
「はあ、はあ、こんな仕事、時を止めないとやってられんよ。」
紅魔館に来てから早一週間。
館の中のことは全て覚えたが、まだできないのは、元先生たちを、呼び捨てにすることだ。
一生かかっても出来そうにない。
そして、館での生活に馴染んでくると襲ってくるものがある。それは、罪悪感だ。
ここに客人として来ているのに、こんなにのんびりしていいのだろうか。
その罪悪感にさいなまれ、僕は咲夜先生にメイドの手伝いを申し出た。
咲夜さんは快諾してくれた。のだが、
「確かにこの量は、時間を止めないとヤバい。」
そんな量だった。まず、途方もなく広い紅魔館のなかの掃除。やってみたところ、1日かけても終わらなかった。
そして、料理、レミリア先輩の紅茶の運びや、食料の買い出しなど、いくらやっても終わるのもではない。
フランなども、大丈夫っていってくれてたけど、
お手伝いしなければ、僕の精神が、罪悪感に押し潰される。
だから僕は、咲夜先生について、メイドの仕事を覚えることにした。
メイド仕事を始めて4日。段々と色々な仕事に慣れ、
作業をするスピードが早くなってきた。
咲夜先生にも誉められ、妖精メイド以上、と言われた。
果たしてそれは、喜ぶべきなのだろうか。見るところ、妖精メイドは何も仕事をしていないように見える。後ゴブリンも。ホフコブリンって言うんだっけ?
一週間たつと、咲夜先生よりは遅いが、大抵の家事は出来るようになった。咲夜先生も驚いていた。あれ?僕結構才能ある?
どうしても出来ないのは、料理だ。料理難しい。
いや、咲夜先生の料理が上手いのか。
あと、咲夜先生は、レミリア先輩の紅茶に時々変なものを入れる。なんなのだろうか。聞いてみると、知らなくていい、と言われた。きっと血の匂いを消すとかそういう類いの物だろう。
紅魔館の朝は早い。
お嬢様方が起きる前に、朝ごはんを作り、掃除をして、等、起きる時間は朝4:00だ。
「よっしゃ!今日もいつも通りメイドの仕事を......」
「日々響さん。お嬢様と妹様が7:00にお呼びです。」
「はぁ......」
何の用事だろうか。
「お邪魔します。」
レミリア先輩の部屋に入る。
「あ、日々響来たよ。」
「日々響。今日は私達と勝負してもらうわ。」
「はい?」
「勝負よ。貴方の全力を尽くして、私達と戦いなさい。」
「それは勝てるわけが......」
「それは貴方の実力しだいよ。」
それ、勝てるわけなくね?フランも強いし、何しろレミリア先輩は槍だぞ。
卑怯かよ。
まあ、頑張ってみよう。
あ、そうだ!実戦で笛を使ってみよう!
「日々響。準備はいいわね?」
「私達も全力だからね。」
フランは、いつもの戦闘体型を、レミリア先輩は槍を構えている。
「じゃあまず、私からいくわね。」
とレミリア先輩が言い、槍を繰り出す。
神槍【スピア・ザ・グングニル】
槍が超スピードで向かってくる。
避けられん!
音波防壁【メタルコ】
咄嗟に壁を出す。
しかし粉々になる。馬鹿強い。
スピードが減殺されたので身を捻って避ける。
「よく避けたわね。」
壁作って避けられなかったら元も子もないだろ。
音波破壊【フォルテシモ】
地面に音波を叩きつけ、舞い上がった砂で視界を暗くする。
間髪を入れず、
音速弾【アパッショナート】
弾幕を張る。
しかし、あっという間に避けられる。
さすが吸血鬼。運動神経良すぎ。
「次は私よ。」
天罰【スターオブダビデ】
魔方陣が展開され、当たり一面にレーザーが。
槍使わないんかい。奇襲にも程がある。
あの魔方陣何て言うんだっけ?六芒星とか言った気がする。
それにしても避けきれない!
僕の体に完全な隙が出来る。
必殺【ハートブレイク】
巨大な光の槍が繰り出される。
僕はそれをいなそうとした。
威力減殺【ペサンテ】
音波の力によって威力は減ったものの、流石必殺技。
避けきれなかった。
「......っ」
足をかすった。猛烈な痛みがはしる。
でも。
「今こそこれを!」
音波催眠【ドゥルチェメンテ】
笛に音を流し込む。催眠、つまり相手の眠気を誘うのだ。
笛から甘い音が流れる。
「......っ...力が入らない?」
レミリア先輩が膝を尽く。
でも、僕の音力も限界に近かった。
音速弾【アパッショナート】
レミリア先輩に直撃、かと思ったのだが、
「貴方に負けるわけにはいかないの。」
「なんで...今のが?」
もう力が入らない。
符の弍【マイハートブレイク】
さっきより大きな光の槍が僕を貫いた。
不死鳥の歌【ポンポーノ】
僕は意識の糸を必死に掴み、痛みに耐える。
歌が、聞こえる。不死鳥の歌が。
不死鳥の歌は、体を回復させるのだ。
「はい、そこまで!」
「え?」
フランの声で、戦いが終わった。
「え?日々響なんで?」
「なんでって?」
「今のお姉さまのやつ食らったら私でも気絶するのに...」
二人ともびっくりしている。
「回復のやつ使ったから」
「日々響回復魔法持ってたっけ?」
「一応ね。」
「でも今のはお姉さまが優勢だったから、お姉さまの勝ちかな?」
「うん...」
やっぱり先輩は違うな。
「日々響~次は私だよ~」
フランが言う。ちょっと休ませてよ......