東方波響録 ~異能力者達の学園!?~   作:月と風

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第二話~校長室なんて入学初日に行けるわけがない~

D組は一番奥の教室だった。

っしゃ。これで変なことしてもばれないね。

うん。

 

教室に入ると、みんながクラス中が静まった。

 

だから俺なんか悪いことしたか?

みんなが冷たい目線を向け、ひそひそと話す。

隣の女の子はあからさまに嫌そうな顔をして席を下げる。

 

なんなのこれ。これが世に言ういじめってやつ?

だとしたらあんまり怖くないな。

 

「はい。静かに!」

 

妹紅先生の声が響く。

うるさい。

 

「まず、君たちには、武器を選んでもらう。武器は、剣、弓、魔法の能力を持っている人は魔法だ。」

 

...じゃあ僕は魔法かな?

てか魔法強すぎでしょ。チートってやつかな?

 

「まずは、前に武器を色々おいておいたから、自分が一番しっくりくるものを探せ。」

 

「また、その後ペア決めをする。このアイナ王国では戦闘時、二人一組で戦う。ペアは自分たちで決めろ。個人の能力だけではなく、チームワークも大事だぞ。」

 

教室がざわつく。みんなが立ち上がって、武器を見に行ったので、僕もどんな種類があるのかを見に行くことにいた。

 

「おい、日々響。」

「はい。」

 

急に呼び止められる。

嫌な予感しかしないんだけど。

 

「お前は、校長先生がお呼びだ。」

「...はい?」

「校長先生がお前の事を呼んでるんだ。」

「はぁ...」

「いいから行ってこい!」

 

嫌な予感は見事的中。

いや何この状況。

絶対退学になるパターンじゃね?

兎に角僕は走り出した。

 

校長室の前に立つ。

これは、入学式に遅刻するより緊張するな。

 

「失礼します。」

「...あぁ、日々響君か。入って。」

 

中は、今の時代に合わない木造で、居心地がよかった。

どうしよう。とりあえず謝るとしよう。

 

「すいません。」

「え?」

「え?いや、だからあの、入学式に遅れてしまったことを...」

「あぁ、大丈夫だよ。それより君に伝えたいことがあるんだ。」

 

退学にはならなそうだな。

 

「君は、この学年で一番成績がいいんだ。」

「え?」

 

何のことをいっているのか。

横の少女は試験官を粉々に吹き飛ばしていたというのに。

 

「だから君は、ペアを決める権利があまりないんだ。」

「あれ?妹紅先生は、ペアは自分たちで決めるっていってましたけど。」

「でも強い人は、強い人同士と組ませないと、その能力が勿体無いってもんだ。」

 

理論は無茶だが、言っていることはだいたいわかる。

 

「じゃあ僕は魔法で。」

「だよね。君は音波を操れるんだもんね。」

 

なんで知ってんだ?

そういって、校長先生はタブレットを操作する。

 

「魔法だったら、君のペアは...」

 

そういって校長先生が見せた人は。

 

 

 

あの、僕の横で試験を受けていた少女だった。

 

 

 

奇遇かよ。よりによってあの少女...

あの子と組むと、命の危険があるな...

 

「ちなみに、名前はフランドール・スカーレット。種族は吸血鬼。」

 

きゅ、吸血鬼?血吸うのか?

怖いな。

 

「えっと、剣だったら誰ですか?」

「魂魄妖夢。」

 

この人は剣をやるために生まれてきてるな。

要するにガチ勢だ。しかも、周りに何か浮いてるし。

 

「銃だったら誰ですか?」

「鈴仙・優曇華院・イナバ。」

 

この人目怖い。赤いよ。

しかもうさみみつき。

 

 

 

結論。みんな可愛い。

 

後、男子弱くね?

そして僕が出した答えは...

 

 

 

「魔法で。」

 

「本当にいいんだね?」

 

「はい。」

 

 

 

男に二言はない。

カッコいい、俺。

 

「粉々にされても責任取れないからね?」

 

やっぱ怖いわ。

 

校長先生は、トランシーバーらしきものに声を吹き込んだ。了解、という返信も聞こえた。

 

そして、先生は僕を見据えた。

 

「いいかい?日々響君。今、アイナ王国が置かれている危機的状況を知ってるね?」

「はい。」

 

無論、知っている。

アイナ王国は昔から非好戦的だった。

しかし、今は、ベスマー帝国が立てた全国統一計画の最初の犠牲者として狙われているのだ。

 

「君たちがどんなに抵抗しようとも、戦争の波は必ずやってくる。そのときに胸をはって戦えるようになって欲しい。君は、この学年の期待の星なんだ。どうか、その自覚を持って、進んで行って欲しい。」

「...」

 

何も言えなかった。

僕にかかっている期待が大きすぎて押し潰されそうだ。それでも、僕を認めてくれた、校長先生に感謝しなくちゃね。

 

「なーんて、そんなに期待してないけどねー。だって入学式は遅れて来るわ、あって開口一番謝るわで期待なんてできるもんじゃないな。」

 

前言撤回。相当傷ついたわ。

 

「ごめんね。いきなり呼び出しちゃって。もう教室に帰ってよろしい。」

 

はい、と呟き、校長室を出た。期待、という言葉が頭を離れない。

 

「期待か...」

 

僕の何を期待しているんだろうか。

窓から見える中庭の大きな桜の木が、風に揺られている。桜が風にもてあそばれていた。

しばらく僕はそこに立ち尽くしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 




ということで第二話でした。

校長室に入学式初日から行くとは、響君も大変ですね...

また、ゆっくりと書いていきましょう。

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