東方波響録 ~異能力者達の学園!?~ 作:月と風
僕等は寮に戻った。
鈴仙と妖夢は事情をしっていた。
フランが伝えた、という。
頑張って、と言う二人の言葉に不覚にも涙が出そうになった。
みんなが寝静まった頃。
僕は起きた。
そうだ。灰谷と森近に手紙を書こう。
僕が居間に行くと、
鈴仙がいた。
「また書いてるのかよ。」
「うわ!って日々響か。」
「灰谷も今危機的状況だから、書くのは控えた方が......」
「だからこそ書くのよ。灰谷を勇気づけるために。」
「鈴仙も意外と優しいんだな。」
「う、うるさい。撃つわよ?」
「わかったわかった。」
「で、日々響は何のために起きてきたの?」
「灰谷に手紙を書くため。」
「貴方も?」
「まあ、君とは論旨が全然違うけどね。」
そう言って僕は手紙を書き始めた。
えっと......なに書こう。
リーダーの特徴とか書いとこ。
リーダーは確か、頬に傷があったな。
そんなことを書いていった。
後、今日の謝罪も書かなくちゃ。
「ふぅ......終わった。」
「早くない?」
「鈴仙が遅いんじゃない?」
「そうかな......」
自覚ないの?
めっちゃ遅いよ。
「じゃあ出しに行ってくる。」
「はいはい。」
誰もいない廊下を歩きながら考える。
やっといじめられてる人の気持ちがわかった気がする。
あの苦しさと、支えてくれている人のありがたみが。
灰谷もいいファンを持ったな。
灰谷は僕と同じクラスだが、森近は違う。
まず灰谷から行こう。
「えーと...灰谷の教室は確かここだったはず...」
手紙を下駄箱にいれる。
次は森近だな。
森近の教室は遠かった。あいつ確かB組だったよな。
一番遠いやつだ。めんどくさいな。
森近の寮に入ると、物音がしていた。誰かが起きてるのかな?
ちょっと覗いて見よう。
森近だった。なんか書いてる...?
まあ今こそチャンスだな。手渡そう。
「森近。」
「ん?ああ君か。」
いざ手紙を手渡そうとするとめっちゃ恥ずかしい。
どうしてだ。ラブレターでもないのに。
「どうしたんだい?」
「いや...ちょっとこれを...」
手紙を森近の机の上に置いて全力で逃げ出した。
フランにラブレターを手渡せないやつの気持ちもわかった気がする。フランは酷だな。
寮に戻ると鈴仙もいなくなっていた。
手紙を出しに言ったか寝たかだな。
じゃあ僕も寝るか。
おやすみ。
次の日の朝。
食堂で飯を食べていると、突然ゴリラ達から呼び出しが入った。
飯ぐらいゆっくり食わせてよ。
「今日は放課後に屋上だ。」
「はい。」
流石不良、といったところだ。屋上とか初めて行くんですけど。
ゴリラと別れたあと、一緒に飯を食べていると灰谷と森近に目をあわせて見たが、何も言われなかった。
手紙を貰うっていうのもなかなか恥ずかしいんだろうな。
その日の放課後。僕は屋上にいた。
なかなか景色がいいじゃないか。
なんて言ってる場合じゃないか。
「来たな。」
「あ、はい。」
ゴリラ達の登場だ。
「今日は灰谷をボコしてから、色々やりにいく。心して来い。」
「はあ。」
心しても何もやってること自体間違ってんだけどな。
弓道部室に向かう。灰谷がいる。
またか。これだけはやだな。
でも。
灰谷は僕を見ると少し微笑んだ。
僕は涙が出そうになるのを必死でこらえ、灰谷を押さえつけた。
虐めは最近苛烈になっている。
蹴りだけでなく、道具を使ったもの、言葉で罵倒するもの。
とにかくひどい。
だが、耐えなきゃいけない。
灰谷を助けるために。
教室の窓から覗いたフランと目が合う。
フランは僕に微笑む。その笑顔は頑張れ、といっていた。僕もその目を見つめ返す。これが灰谷を救える、と信じて。
虐めは終わった。
今日も灰谷に不死鳥の歌を響かせて去る。
元気になってるといいな。
「マジムカつくあいつ。」
「そうっすよね。」
次々とゴリラが相槌を打つ。
でも。ゴリラの一人が震えているのに気がついた。
こいつは灰谷と同じクラス。
今度話しかけて見よう。
「次は万引きしに行くぞ。」
校内の色々売ってるあの店か。
初めてだな。
なんか悪い、っていう感覚がなくなっている気がする。
これも洗脳なのだろうか。
店の前につくと、
「おい。お前いってこい。」
「......」
そのゴリラは、あの、震えていたやつだった。
その少年が、リーダーから目を反らしている。
肩はひどく震え、なにかを言いたそうに口を開けたり閉じたりしている。
「どうした?怖いのか?」
「......」
相変わらず黙ったまま俯く少年。
「い...嫌だ!!!!」
その少年は突如叫んだ。
自分の言葉に自分で驚いているようにポカンとしていた。
「嫌だ、だって?何でここにいるのかわかってんだろうな?」
リーダーが脅す。
「僕は............嫌だ!!!!!」
そう言って少年は逃げ出した。
「......っあいつ......許さん。後で痛い目にあわせてやる。」
なるほど。こいつの近くにいる奴らは、みんな従わされてるだけなのか。
「リーダー。今日はやめましょう。何か失敗しそうな予感がします。」
「そうだな。今日は解散だ。」
リーダーが解散を告げる。
僕も寮に戻るとしよう。
読了お疲れ様でした。
灰谷君のエピソードも書こうかな......