東方波響録 ~異能力者達の学園!?~   作:月と風

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第二十二話~人望皆無~

僕等は寮に戻った。

 

鈴仙と妖夢は事情をしっていた。

フランが伝えた、という。

頑張って、と言う二人の言葉に不覚にも涙が出そうになった。

 

みんなが寝静まった頃。

僕は起きた。

そうだ。灰谷と森近に手紙を書こう。

僕が居間に行くと、

鈴仙がいた。

 

「また書いてるのかよ。」

「うわ!って日々響か。」

「灰谷も今危機的状況だから、書くのは控えた方が......」

「だからこそ書くのよ。灰谷を勇気づけるために。」

「鈴仙も意外と優しいんだな。」

「う、うるさい。撃つわよ?」

「わかったわかった。」

「で、日々響は何のために起きてきたの?」

「灰谷に手紙を書くため。」

「貴方も?」

「まあ、君とは論旨が全然違うけどね。」

 

そう言って僕は手紙を書き始めた。

えっと......なに書こう。

リーダーの特徴とか書いとこ。

リーダーは確か、頬に傷があったな。

そんなことを書いていった。

後、今日の謝罪も書かなくちゃ。

 

「ふぅ......終わった。」

「早くない?」

「鈴仙が遅いんじゃない?」

「そうかな......」

 

自覚ないの?

めっちゃ遅いよ。

 

「じゃあ出しに行ってくる。」

「はいはい。」

 

誰もいない廊下を歩きながら考える。

やっといじめられてる人の気持ちがわかった気がする。

あの苦しさと、支えてくれている人のありがたみが。

灰谷もいいファンを持ったな。

 

灰谷は僕と同じクラスだが、森近は違う。

まず灰谷から行こう。

 

「えーと...灰谷の教室は確かここだったはず...」

 

手紙を下駄箱にいれる。

次は森近だな。

森近の教室は遠かった。あいつ確かB組だったよな。

一番遠いやつだ。めんどくさいな。

 

森近の寮に入ると、物音がしていた。誰かが起きてるのかな?

ちょっと覗いて見よう。

森近だった。なんか書いてる...?

まあ今こそチャンスだな。手渡そう。

 

「森近。」

「ん?ああ君か。」

 

いざ手紙を手渡そうとするとめっちゃ恥ずかしい。

どうしてだ。ラブレターでもないのに。

 

「どうしたんだい?」

「いや...ちょっとこれを...」

 

手紙を森近の机の上に置いて全力で逃げ出した。

フランにラブレターを手渡せないやつの気持ちもわかった気がする。フランは酷だな。

 

寮に戻ると鈴仙もいなくなっていた。

手紙を出しに言ったか寝たかだな。

じゃあ僕も寝るか。

おやすみ。

 

 

次の日の朝。

食堂で飯を食べていると、突然ゴリラ達から呼び出しが入った。

飯ぐらいゆっくり食わせてよ。

 

「今日は放課後に屋上だ。」

「はい。」

 

流石不良、といったところだ。屋上とか初めて行くんですけど。

ゴリラと別れたあと、一緒に飯を食べていると灰谷と森近に目をあわせて見たが、何も言われなかった。

手紙を貰うっていうのもなかなか恥ずかしいんだろうな。

 

 

その日の放課後。僕は屋上にいた。

なかなか景色がいいじゃないか。

なんて言ってる場合じゃないか。

 

「来たな。」

「あ、はい。」

 

ゴリラ達の登場だ。

 

「今日は灰谷をボコしてから、色々やりにいく。心して来い。」

「はあ。」

 

心しても何もやってること自体間違ってんだけどな。

 

弓道部室に向かう。灰谷がいる。

またか。これだけはやだな。

でも。

灰谷は僕を見ると少し微笑んだ。

僕は涙が出そうになるのを必死でこらえ、灰谷を押さえつけた。

 

虐めは最近苛烈になっている。

蹴りだけでなく、道具を使ったもの、言葉で罵倒するもの。

とにかくひどい。

だが、耐えなきゃいけない。

灰谷を助けるために。

 

教室の窓から覗いたフランと目が合う。

フランは僕に微笑む。その笑顔は頑張れ、といっていた。僕もその目を見つめ返す。これが灰谷を救える、と信じて。

 

虐めは終わった。

今日も灰谷に不死鳥の歌を響かせて去る。

元気になってるといいな。

 

「マジムカつくあいつ。」

「そうっすよね。」

 

次々とゴリラが相槌を打つ。

でも。ゴリラの一人が震えているのに気がついた。

こいつは灰谷と同じクラス。

今度話しかけて見よう。

 

「次は万引きしに行くぞ。」

 

校内の色々売ってるあの店か。

初めてだな。

なんか悪い、っていう感覚がなくなっている気がする。

これも洗脳なのだろうか。

 

店の前につくと、

 

「おい。お前いってこい。」

「......」

 

そのゴリラは、あの、震えていたやつだった。

その少年が、リーダーから目を反らしている。

肩はひどく震え、なにかを言いたそうに口を開けたり閉じたりしている。

 

「どうした?怖いのか?」

「......」

 

相変わらず黙ったまま俯く少年。

 

「い...嫌だ!!!!」

 

その少年は突如叫んだ。

自分の言葉に自分で驚いているようにポカンとしていた。

 

「嫌だ、だって?何でここにいるのかわかってんだろうな?」

 

リーダーが脅す。

 

「僕は............嫌だ!!!!!」

 

そう言って少年は逃げ出した。

 

「......っあいつ......許さん。後で痛い目にあわせてやる。」

 

なるほど。こいつの近くにいる奴らは、みんな従わされてるだけなのか。

 

「リーダー。今日はやめましょう。何か失敗しそうな予感がします。」

「そうだな。今日は解散だ。」

 

リーダーが解散を告げる。

僕も寮に戻るとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読了お疲れ様でした。
灰谷君のエピソードも書こうかな......
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