東方波響録 ~異能力者達の学園!?~ 作:月と風
もう季節は冬。外は一面の雪景色。こんな日は、外を眺めてぼうっとしたい......のだが、僕がやっていたのは
「いい加減おとなしくなれよ!この雑魚が!」
虐めに協力することだった。
灰谷虐めはまだ終わらない。ずっとゴリラ達が虐めている。灰谷ももう傷だらけで、見ていられない。
ドスッドスッと蹴る音が響く。最近灰谷は、気絶するのが早い。そろそろ精神もヤバイのだろうか。
「畜生。もう気絶しちまった。帰るぞ。」
虐めっ子たちは憎々しげに灰谷をみて去っていく。
僕も帰り際に灰谷に不死鳥の歌を聞かせ、教室を出る。
「今日はまだ早いな。じゃああいつを倒すか。」
「あいつって誰すか?」
「逃げたやつだよ。」
逃げた少年。もとゴリラの仲間だったやつだ。
今がチャンスだな。
「リーダー。どこでやるんですか?」
「体育館裏だな。今日あいつを呼んである。」
「それ、来ないんじゃないですか?」
「来なかったら捕まえるまでだ。あいつのクラスと寮はわかる。」
「リーダー。その前にトイレにいってきていいですか?」
「早く戻ってこいよ。逃げたらお前も怪我じゃすまないぞ。」
「逃げるなんて、そんなことしませんよ。」
そう言って僕は走り出した。向かった場所は、自分の寮。今こそあいつを倒すチャンスだ。
勢いよく扉をあける。
「ちょっと聞いてくれ。」
「いきなりなによ......」
びっくりしている鈴仙と妖夢とは対象的に、フランはなにかがわかったような顔をしている。
「わかった。虐めっ子を倒すんでしょ。」
「なら話がはやい。」
そこで僕は軽い打ち合わせをして、また、虐めっ子の方に走って戻った。
「遅かったな。」
「腹を壊してしまったもんで。」
「体育館裏にあいつはいなかったから、寮にいって捕まえてきた。あいつは縛ってある。」
横のゴリラ達が震えている。どうしたんだ。
「リーダー......」
誰かが小声で言う。
「何だ?」
「いや、何でもないっす......」
「臆するなよ。あいつは俺たちを裏切った裏切り者なんだから。」
「はい......」
体育館裏につく。そこには、あの少年が縛られたままもがいていた。
「お前、自分が何をしたかわかってるな?」
「嫌、だ......」
「怪我じゃすまないって言ったよな?」
「......」
「なんか言えよ!」
リーダーが怒鳴り、蹴りを食らわせる。
右ストレートにまた蹴り。息をつく暇を与えていない。
「リーダー......」
誰かが怯えたように呟く。流石に恐ろしい。
目が残忍に光っていた。もう堪えられなかった。
「リーダー!!!」
「もうやめろよ!!裏切ってんのはお前らだろ!」
反撃開始。
木の影から人影が四人。
中に灰谷がいることに気がつき驚く。
僕は寮の人達にしかいってないんだけどな......
「っお前......騙しやがって......!」
「騙されるお前らが悪いんだろ。」
冷静にと頭が叫んでいる。
「だがお前らは勝てない。俺の能力を知っているな?」
「じゃあ能力を使わずにその能力を解除できたらどうかしら?」
「そんなこと出来るはずがないだろ!」
「私が薬科部で一番薬を作るのが上手いって言うことを知らないで言ってるのかしら?」
「秘伝 能力一時解除薬『四散型』」
「......なっ」
鈴仙が瓶に入った液体を投げる。その瓶は床に当たって割れ、そこから煙が立ち上った。
「能力が使える?」
「本当だ。」
フランも灰谷も驚いている。
「ではまず私から行きますよ。」
今までずっと黙っていた妖夢が静かに言う。
剣伎【桜花閃々】
妖夢がゴリラ1に向かって走りながら剣を抜く。
「流石に俺をなめすぎだな。そんくらいよけれるわ。」
「ではこれは?」
剣の軌道上から、さらに桜色の剣が閃く。
「うおっ」
ゴリラ1は避けきれずにバランスを崩す。
禁忌【レーヴァテイン】
フランの剣がゴリラ1を襲う。
ゴリラ1の肩から血が吹き出す。
「......っう」
ゴリラ1は気絶。
残りはリーダーだけだった。
もはや仲間が全て逃げ、能力も使えないリーダーは、ただ助けを乞うことしか出来なかった。
それを灰谷が見下ろす。
「ごめんって。わかったから。」
「何がわかったのか言ってみろよ。言えないだろ。虐められているやつの気持ちも理解できない奴は死ねよ。」
剣縫嵐【ソードオブファイナル】
剣がリーダーに向かって突き刺さる。
至るところから血が吹き出す。
「灰谷......?なにやってるの?」
リーダーはもう息がなかった。
全身血塗れで横たわるリーダー。
「僕は何をやって......?」
灰谷は呆然としている。
「お前はリーダーを......」
「そ、それ以上言うな!」
灰谷は叫ぶ。
辺りは返り血で真っ赤に染まっていた。