東方波響録 ~異能力者達の学園!?~ 作:月と風
太陽が燃えているとはこのことを言うのだろう。
今にも落ちてきそう......なはずなのに、
ここは、快適だった。
「何でこんなに涼しいんだ?」
ここは校庭。僕にとって馴染み深い場所だ。
今まさに体育祭が始まろうとしている。
「魔法じゃないの?」
とフランが正論を返す。
そうか。ここ特殊能力学園だもんね。
風一つ吹いていない。太陽は燃えている。
なのに快適で涼しかった。これも魔法だね。
魔法いず神。
「それにしても暇だなぁ。」
「そう?」
体育祭は、体を動かしている時が楽しいのであって、他の試合に観戦しているときは全く面白くない。
横のフランは、魔法で土を固めてオブジェ作りに忙しい。
なにやってんだ。
「お知らせします。この後の障害物競争に出場するペアの方は、赤門へ集まってください。」
体育祭は赤、青、黄、緑に別れて戦う。
A組は緑、B組は黄、C組は青、我らがD組は赤だ。
赤団は、ここ最近優勝がないらしい。
僕の本気で優勝させてやるか。
「僕ら障害物競争でるじゃん!いこう!フラン!」
「えーちょっと待って。このオブジェ作ってから。」
「だからダメだって。」
オブジェを作ろうとするフランを引っ張り赤門までつれていった。
「障害物競争にでるペアのみなさん。このレースは、校庭から出て、模擬戦闘場までの道のりをペアで2周してもらいます。道には様々なトラップが仕掛けられていますのでご注意ください。」
やけに丁寧だな。
お前らがトラップ仕掛けたんだろうが。
そんなことを思っている間にバン、と乾いた銃声がなる。
スタートだ。
僕は咄嗟に足に筋力強化をかけ、走る。
まずは校庭を抜けるために校庭に一周する。
「ん?」
一周した前の生徒が突然ふらつき、もう一周しようとしている。
とりあえず僕も一周した。
すると、
「あれ?今何周目だっけ?」
走っている途中にわからなくなる。
僕は頭に音波のバリアをかけ、魔法を遮断する。
そうか、この魔法は、混乱魔法だ。
一周走りきると、もう一周しようとする選手を横目に校庭から飛び出した。
模擬戦闘場に入ると、ものすごい風が吹いていた。
体が押し潰されそうだ。
魔法を遮断してみる。
ダメだ、風止まないし。
草木が今にも吹き飛ばされそうだ。
一体どうすれば......
フランの声が聞こえた。
「それ、幻覚魔法でしょ。そんなのに引っ掛かるなんてバカじゃないの?流石遅刻犯だけあるね。」
どうやら遠隔声伝機で、フランがしゃべっているらしい。
僕は苦笑する。そうか。幻覚魔法か。
目から魔法を遮断する。
すると、風がやんだ。
でも遅刻犯はじゃないからね。
模擬戦闘場の半分に差し掛かったころ。
前には数人の人がいた。一番早いのは黄の赤と白の服を着た少女だった。
赤団いけや。
突然、体に猛烈な熱がはしった。
体が焼ける。燃えている。あの太陽より熱いんじゃないのこれ。
よく見ると周りを炎が囲んでいた。
ヤバい、絶体絶命。
「落ち着いて!日々響!」
その声を聞くと、自然と落ち着いた。
フラン様。
「これは、そうだな、幻覚魔法と感覚操作魔法の組み合わせ的な?」
「気づくの遅すぎ。」
あっ聞こえてたんですね。
慌てて魔法を遮断する。
僕は全力で走り出した。前には3人。
抜かせるかな?
音波の勢いを借りて前へ、前へ。
そして、
「ごめん......」
フランのところへ到着。一人しか抜けなかった。
一番早いのは黄色と白と黒の服を着て、箒に乗った少女。魔法少女と言ったところか。
二番手は、手に天狗が持ってそうなうちわを持った少女。天狗だよね、あれ。
フランは、持ち前の素早さと、運動神経を生かせば行ける!
あの、紅白少女のペアは無理そうだけど。
フランは、3つの課題の内、2つを突破し、一人を抜いた。後は白黒魔法使いだけだ。
しかし、
「あんなに僕に悪口雑言言っておいて、お前も引っ掛かるんかい。」
フランが引っ掛かったのは、感情操作魔法だった。
「おい!フラン!それ感情操作だって。遮断すれば治るわ。」
「え?そうなの?私もうダメかと......」
「いいから早く!」
あの白黒魔法使いも引っ掛かっていた。
だから。
「フラン!一位も引っ掛かってるぞ!頑張れ!」
あの一位もどうやら遮断できたらしい。
その瞬間、僕は目を見張った。
「はやっ。」
なんというスピード。あっという間にフランのと差が開いていく。
そして。
「一位は、博麗霊夢さん、霧雨魔理沙さんペアです!」
「二位は、樹神日々響さん、フランドール・スカーレットさんペアです!」
どっと歓声が沸き上がる。
でも。
「日々響、ごめんね。」
「なんでだよ。」
「だって一位取れなかった。」
「いやもともと無理だって。あの紅白さんと白黒さん速かったもん。」
博麗霊夢と霧雨魔理沙、だっけ?
てかなんでこんなしんみりした話してんだ?
「二位を取れただけてもいいじゃん。」
「えー...とるなら一位がいい。」
ったく負けず嫌いなんだから。
可愛いから許すけど。
「とりあえず席戻ろう。」
そう言って僕らは席にもどった。
人生色んな失敗あるんだから、一つ一つに一喜一憂してたら、体持たないよ。
次の棒倒し、頑張ろうぜ。
ということで第八話でした。
いや障害物競争だけで一話使っちゃったよ。
どうしよ。
さあ、果たして体育祭の結果はどうなるのでしょうか。