うちはイタチと賢者の石   作:おちあい

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イギリス編
1981年6月8日


お前はオレのことをずっと許さなくていい…

お前がこれからどうなろうと

おれはお前をずっと愛している。

 

 

 

1980年

 

目覚めたイタチが最初に見たものは、自分を覗き込む女性の顔だった。

「……」

黙り込むイタチに、女は少し驚いた表情をして、

「おはよう!」

満面の笑顔で挨拶をした。

 

対するイタチは困惑していた。

(…どういうことだ?)

女を視認した瞬間、イタチは迷わず右手で相手の首を絞めようとし、自分の身体が思うように動かないことに気付くと相手の目を見つめ幻術にかけようとした。全て1秒以下の出来事である。

(…身体が満足に動かないどころか、…チャクラが練れない)

「ぅ…あっ」

(その上喋ることも出来ないか)

にこやかに挨拶をした女はイタチの髪を優しく撫でた。どうやら敵意は無いと判断したイタチは、冷静に状況を把握しようとする。

(そもそも俺はカブトの穢土転生を止めて死んだはずだ。また誰かに穢土転生で蘇らせられたのか?いや、穢土転生体なのにチャクラも練れず身体も動かせないということはあり得ない。だとすると…。ここが冥土というやつか…)

忍の性か本人の性格か、イタチはあまり動揺しなかった。

全てを知ったサスケに本心を伝えることができた。マダラのことは気がかりだがサスケも成長していたしナルト達もいる。

心配は無い。

しかし…仮にここが冥土だとしても、身体の自由が一切無いとはどういう事なのか。

困惑するイタチを、女は軽々と持ち上げ抱き抱えた。簡単に持ち上げられたイタチは壁にある姿見に写った自分の姿に驚愕する。

 

(俺が赤ん坊になっている⁉)

 

ここでイタチはある仮説を立てた。

あれはサスケが生まれる前だったか。両親と木の葉の里の外れにある忍寺に行った時だ。徳の高そうな坊主が輪廻転生の話をしていた。長門の使う忍術ではなく仏教の輪廻転生である。

(確か、死んだ人間の魂が現世に戻り新たな人生を送ることを繰り返す。だったか。

しかし新しく生まれ変わる時に前世の記憶は無くなるという話だったはずだが…。俺はうちはイタチの記憶と、自分がうちはイタチであるという認識を持っている。さらに…)

 

「イタチ、なんだが目つきが大人っぽくなったみたい!可愛いわぁ!」

 

この世界での名前もイタチのようだ。

(よく分からないが、記憶を持ち悔い改めながらまた1から生きろということなのか…?)

 

うちはイタチ第二の人生はこうして始まった。

 

 

--

 

 

アンナ・内葉(うちは)は魔女である。

ホグワーツ魔法魔術学校ではレイブンクローの寮に所属し、成績の良かった彼女は卒業後魔法省に入省。半純血であるが闇祓い局の闇祓いとして働いている。

元々魔法省の国際魔法貿易基準機構で働いていた母に憧れて入省したのだが、「例のあの人」の力が強まっている事から闇の魔術に対する防衛術の才能があった彼女は半ば無理やり闇祓いの職に就かせられることとなった。

 

両親の馴れ初めについて二人とも恥ずかしがって詳しく教えてくれないのだが、仕事で一時期日本に住んでいた母がマグルのチンピラに絡まれている所を助けたのが父だったらしい。

当時の父はイケメンだったらしく(今の父からは想像出来ないが)母が猛烈なアタックを仕掛けたのだとか。

結婚してアンナが生まれると、母はアジア地区の担当になり、アンナと両親はアンナが幼稚園の頃から小学校卒業まで日本の岩手県で暮らしていた。

因みにアンナの夫は日本にいた時の幼馴染である。

 

そんなアンナには、イタチを産んで2、3ヶ月たったあたりからずっと気になっている事があった。まだ生まれて1年も経たない息子の目つきが、どうにも赤ん坊のそれとは思えないのだ。

初めての子育てなので確信は持てないが、息子であるイタチにはしっかりとした意思があるようにしか見えない。

 

しかも…

 

ベッドに横たわる息子は、目を瞑り両手を合わせ指を絡めていた。

(よくこんなポーズをとっているのを見かけるけど、一体何をしているのかしら?)

正直意味が分からない。しかし何か明確な意図を持って行っている気がする。

普通ならば不気味に思うものなのだろうが、

(もしかしてイタチってば、物凄い天才なんじゃないのかしら?)

アンナはお気楽であった。

そんなアンナに、後ろにいる夫から声がかかる。

「イスラエルがイラクの原発を空爆だってよ。なんとも嫌な情勢だなぁ」

ニヤニヤしていたアンナは新聞を読んでいる夫に声をかけられた。

「あら、随分と物騒なニュースねぇ。明日はイタチの初めての誕生日だし、ハッピーなニュースはないのかしら?」

正直マグルの世界情勢に興味はないが、やはり殺し合いというものは気分が悪くなる。

「そう言えばさっき電話があって、義母さん達、昼過ぎにはロンドン来れるってさ」

久しぶりの両親の訪問というニュースにアンナの気分は盛り上がった。

「わぁ!それはナイスなニュースね!」

「イタチの幼稚園の話、明日話してみようね」

「何度も言うけど、ママはイタチを日本の幼稚園に入園させる事に反対しないと思うわよ!むしろ魔法省が私の退職を渋る可能性の方が圧倒的に高いわ!」

「まぁ僕もそう思うけど、やっぱりロンドンで暮らしている今より会いづらくなるだろうし、ちゃんと説明しておいた方がいいだろう」

「それもそうね。あぁ明日のイタチバースデーパーティーが楽しみだわぁ!」

アンナは優秀な闇祓いでありずっと闇の帝王を許せないと考えていたが、イタチが生まれてからは考え方が少し変わった。

今や彼女にとって息子以上にプライオリティの高い事柄は存在しない。無責任と思われるかもしれないが、第二の故郷である日本に移住することに決めたのだ。

闇の帝王の力は今、恐ろしいほど強くなっている。両親の許可をもらえたらすぐにでも来日したいと考えていた。

 

1981年6月8日

ロンドン郊外にある内葉家、幸せそうな話し声は夜中まで響いていた。




設定資料

--

1980年(0歳)
6.9
うちはイタチがイギリス、ロンドン郊外で生まれる。
父親は日本人のマグル、母親は半純血(魔女であるイギリス人の母とマグルである日本人父のハーフ)
祖母は魔法省国際魔法貿易基準機構の役人。母親は闇祓い局の闇祓い。
イタチが幼稚園に入園するタイミングで日本に移住する予定。

7.31
ハリーポッターが生まれる。


1981年(0~1歳)
6.7
イスラエル空軍がイラクの原発を空爆し破壊。
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